オリンピック3連覇・世界大会16連覇で国民栄誉賞を受賞した「霊長類最強女子」の吉田沙保里さんの兄の吉田栄利さんが体罰問題を起こしました。
吉田栄利さんの体罰指導事件の詳細や経歴、家族(父親、母親、兄弟、妹)と結婚した嫁や子供、現在をまとめました。
この記事の目次
吉田栄利は吉田沙保里の兄&体罰指導
吉田栄利(よしだひでとし)さんは吉田沙保里さん次兄であり、レスリング指導者です。
子供の頃から吉田沙保里さんと一緒に父親の栄勝さんにレスリングを習っていて、国際大会にも出場したことがあります。
レスリング指導者として父親の跡を継ぎ、「一志ジュニアレスリング教室」で指導に当たっていましたが、そこで2015年に体罰事件を起こしていたことが発覚し、大きな問題になっています。
吉田栄利の体罰指導事件とは
吉田栄利さんは、2015年に自身が指導するレスリング教室の生徒に体罰を行いました。
しかも、その体罰問題は女子レスリング界・日本スポーツ界のレジェンドである吉田沙保里さん一家が行うレスリング教室という特殊な状況・環境だったために、この体罰事件は表沙汰になることはなく、8年後の2023年になってようやく明るみに出ました。
6歳児を平手打ちで失神させる
出典:gendai.media
吉田栄利さんによる体罰事件は2015年11月19日、三重県津市にある一志ジュニアレスリング教室で起こりました。
初心者だった6歳の男の子は、道場の壁際で基礎の構えの練習をしていましたが、大きな声で泣き出してしまいました。
すると、泣き声を聞いたコーチの吉田栄利さんはその男の子のところにスタスタと無言で歩いていき、いきなり平手打ちをしたのです。
練習場の隣の控室にいた栄利さんが、泣いている息子のところへ無言でスタスタと近づいたかと思うと、平手で3発ビンタを喰らわせたというのです
引用:【スクープ】「霊長類最強」吉田沙保里の実家レスリング教室で「6歳児への体罰」が発覚…兄・栄利氏の「3発の平手打ち」で失神、救急搬送されていた(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(2/4)
1発目のビンタで男の子は吹っ飛び壁に頭を打ちつけました。気を失った男の子は跳ね返るようにして床に倒れ込み、栄利さんはその男の子に2発目、3発目のビンタをします。
その光景を見ていた父兄は、ビンタされた男の子の身体が宙に浮いていたと証言しています。
当時その場に居合わせた別のある父兄は、本誌の取材に「あれは、いくらなんでもひどかった。雄太くん、宙に浮いとったから」と回想している。
引用:【スクープ】「霊長類最強」吉田沙保里の実家レスリング教室で「6歳児への体罰」が発覚…兄・栄利氏の「3発の平手打ち」で失神、救急搬送されていた(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(2/4)
吉田栄利さんは高校時代に115kg級でレスリング全国大会優勝経験がある巨漢です。身長は不明ですが、いろいろな写真から推測すると、おそらく175~180cm程度です。
身長175~180cm、体重110~115kgの巨漢が6歳の男の子を平手打ちすれば、男の子は吹っ飛びますよね。
体罰を受けた男の子は意識朦朧の状態で帰宅し、寝ようとした時に「気持ち悪い」と言い出して嘔吐し、救急搬送されました。幸い、脳には異常はありませんでしたが、その後も嘔吐を繰り返し、39度の高熱が出て、さらに顔は両頬が紫に腫れあがり、顔には栄利さんの手形が残っていました。
保護者会で悪態をつく
出典:sankei.com
体罰を受けた6歳の男の子は、ひどいケガをしていました。
・救急隊員にDVを疑われる
・医師に「何か固いもので殴られたのですか?」と驚かれる
・幼稚園で「園から警察に通報したほうが良いのではないか」と提案される
これらを見ると、体罰によりひどいケガを負ったことがわかります。
しかし、吉田栄利さんはこの体罰を問題視していませんでした。それどころか、次のように言い放ったんです。
「今まで指導中に手を上げたことは何回もあるけれど、悪いとは思っていない。勝つためやったら何でもする。そんなに言うんやったら俺、責任とって監督辞めるわ」
引用:【スクープ】五輪3連覇・吉田沙保里の兄、実家レスリング教室で「6歳児」を失神させる体罰…母・幸代さんが被害者に言い放った「衝撃の言い分」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(3/4)
もともと、栄利さんは「練習中にダラダラしている子には、喝を入れるために手を上げることもある」と父兄に話していて、理解を求めていたとのことですが、それでも6歳の男の子が吹っ飛ぶほど平手打ちをする。しかも、気を失っても平手打ちをするというのはどう考えても異常です(そもそも手を上げることが異常ですが)。
それなのに、「悪いとは思っていない」と平然と言ってしまうところが、この問題の根深さを感じさせます。
また、保護者会で吉田沙保里さんの母親でレスリング教室の運営に関わっている幸代さんは、謝罪するどころか、体罰を受けた子の保護者に対し、「あんた、まだグジグジ言うとんの?」と詰め寄ったそうです。
吉田一家が神格化されていた?
この体罰問題は公にされることはありませんでした。
体罰事件が起こった2015年は吉田沙保里さんがリオオリンピック出場を控えていた時期です。オリンピック4連覇を狙っていて、ここで問題が起これば大問題になる状態でした。
また、三重県津市では吉田一家が神格化されていたということもあります。被害者親子は、警察で事情聴取を受けた時に、警察で次のように言われたとのことです。
「体罰があると知っていて子供を入れたんでしょう」
「あなたも指導のときに他の子を殴っていたはずだ」
「裁判をすれば時間とカネがかかる。お子さんにもよくない影響がある」
引用:【驚愕スクープ】吉田沙保里の実家レスリング道場で「6歳幼児への体罰」…黙殺した地元警察の「異常な恫喝」と「吉田家の人々」の直撃コメント(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(2/5)
地元ぐるみで吉田一家の味方という風潮があるのでしょう。
吉田沙保里の名に、泥を塗るわけにはいかない。地元に充満するそうした空気の中で、事件は闇に葬られようとしていたのではないだろうか。
引用:【驚愕スクープ】吉田沙保里の実家レスリング道場で「6歳幼児への体罰」…黙殺した地元警察の「異常な恫喝」と「吉田家の人々」の直撃コメント(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(3/5)
もちろん、吉田沙保里さんはそれだけの偉業を成し遂げたのですが、それとこれとは話は別ですよね。
吉田栄利の経歴
吉田栄利さんは三重県一志郡一志町出身です。
子どもの頃から一志ジュニアで父親の勝栄さんの指導を受けて育ち、大学までずっとレスリング一筋で生活していました。
中学は地元の一志中学に進学しましたが、高校は鹿児島の鹿屋中央高校、大学は東京の国士舘大学に進学しています。これも、レスリングのためです。
・中学:一志中学校
・高校:鹿屋中央高校
・大学:国士舘大学
中学生の時には全国大会2連覇、高校ではインターハイや全国高校選抜大会に115kg級(フリースタイル)で出場し優勝しています。大学では2000年にJOC杯ジュニアで優勝し、日本代表として世界ジュニア選手権、アジア・ジュニア選手権に出場しています。
ジュニアながら、日本代表として国際大会にも出場しているんですね。
その後は2004年の国体を最後に大会に出場した記録はなく、レスリング指導者に転身しているようです。
ご本人のFacebookの職歴の欄には、「Wrestling Coach」(レスリングコーチ)とありましたので、レスリングコーチが本業と思われます。父親の栄勝氏がなくなった後は、一志レスリング教室を引き継ぐ形で、子供たちの指導に当たっています。
吉田栄利の家族①:父親はレスリング指導者
吉田栄利さんの父親は吉田栄勝さんです。
吉田栄勝さんは高校時代にレスリングに出会い、大学生の時には全日本レスリング選手権で優勝、世界選手権・アジア選手権に日本代表として出場し、アジア選手権では銀メダルを獲得しました。オリンピックを目指していましたが、選考会で敗れ、オリンピックへの出場は成し遂げられていません。
大学卒業後は三重県で公務員として就職し、さらに自宅に「一志ジュニア」という子供向けのレスリング教室を開いて、吉田栄利さんを含む3人の子供やリオオリンピック金メダリストの土性沙羅さんを育てました。
2009年にはレスリング女子日本代表コーチに就任し、2012年のロンドンオリンピックでは女子代表チームコーチを務めました。
父親の栄勝氏は非常に厳しい指導で有名で、竹刀を手にしていました。
栄勝氏は生前、いつも竹刀を手にして、我が子であっても叩きのめしながら厳しく指導した。
引用:【スクープ】「霊長類最強」吉田沙保里の実家レスリング教室で「6歳児への体罰」が発覚…兄・栄利氏の「3発の平手打ち」で失神、救急搬送されていた(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(3/4)
土性沙羅さんは竹刀で叩かれて青あざだらけになったこともあります。また、長男の勝幸さんには厳しいを通り越した指導をしたこともありました。
「長男は3度、死なせてしまったと思った。教育委員会から指導が来たよ」
ただ、栄勝氏は愛情深く選手のための指導だったことが、周囲にも伝わっていたようです。息子の吉田栄利さんは、父親の栄勝氏の指導について、次のように述懐していました。
「よく『周囲に何と思われても、(クラブの)選手が喜んでくれれば、それでいいんだ』と言います。信念を持っているすばらしい指導者だと思います」と言う。
このことから、吉田栄利さんは父親の栄勝氏を尊敬していたことがわかります。
栄勝氏は、2014年3月11日に車を運転中に体調に異変が起こり、道路の路肩に停車して車内でぐったりしているところを発見されました。すぐに病院に搬送されましたが、死亡が確認されています。死因はくも膜下出血でした。
吉田栄利の家族②:母親も体育会系
吉田栄利さんの母親は幸代さんです。
幸代さんはレスリングは未経験ですが、テニスに打ち込んでいたスポーツ選手です。
中学から短大までテニスに打ち込んでいて、1975年に高校生の時には補欠ながら三重国体に出場しています。この時に栄勝氏と出会い、結婚しています。
結婚後は3人の子供も出産し、夫の栄勝氏のレスリング教室を支え、さらに3人の子供のレスリング競技生活をサポートしてきましたが、健康面では不安もあったようです。
一方で、次男を妊娠中に原因不明の「原田病」を発症し、失明の危機に瀕した。29才の時にはがんになり闘病した。
裏方としてレスリング教室を支えてきた幸代さんですが、吉田栄利さんの体罰問題の後にはヤバい発言をしていたと報じられました。
「あんた、まだグジグジ言うとんの?」
「お父さん(栄勝氏)もそういうことあったけど、一度も謝らへん」
引用:【スクープ】五輪3連覇・吉田沙保里の兄、実家レスリング教室で「6歳児」を失神させる体罰…母・幸代さんが被害者に言い放った「衝撃の言い分」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(3/4)
自分もスポーツ指導では体罰が当たり前で、夫の体罰があっても指導を受けた選手がきっちり成績を残してきていたから、「スポーツ指導に体罰は必要ない」という現代の考え方にコミットできなかったもかもしれません・・・。
吉田栄利の家族③:兄の勝幸さんは国体出場者
吉田栄利さんには4歳上の兄がいます。兄の勝幸さんもレスリング経験者ですが、栄利さんや妹の吉田沙保里さんと比べると、目立った成績は残していないようです。
勝幸さんはあまりメディアには出演しませんが、以前に「深イイ話」に家族と一緒に出演していました。この「深イイ話」では、子供たちにも容赦がない怖い&強いキャラの10歳年下の嫁の恵里香さんに注目が集まりました。勝幸さんが26歳、恵里香さんが16歳で結婚しています。
勝幸さんには4人の子供がいて、みんなレスリングをやっています。長女の吉田七名海さんは2023年にU17アジアレスリング選手権大会43キロ級で3位になり、次男の吉田海人さんは「バースディ」に出演して叔母の吉田沙保里とスパーリングするなど、まさに「吉田一家」のDNAを受け継いでいます。
吉田栄利の家族④:妹は吉田沙保里
出典:oricon.co.jp
吉田栄利さんの妹は吉田沙保里さんです。吉田沙保里さんは「霊長類最強女子」であり、女子レスリング界・日本スポーツ界のレジェンドです。
吉田沙保里さんは、次の記録を打ち立てました。
・世界大会16連覇
・個人戦206連勝
・オリンピック3連覇
世界大会16連覇という前人未到の記録は今後も破る選手はいないとも言われていて、紫綬褒章を3回(2004年、2008年、2012年)、さらに2012年には国民栄誉賞を受賞しました。
また、津市は市内に建設する総合スポーツ施設の名称に吉田沙保里さんの名前を関することを決定し、2017年には、「サオリーナ」という施設が開業しました。
2019年に現役を引退した後は、主にタレント活動などをしています。
吉田栄利の結婚後の家族(嫁や子供)
吉田栄利さんは既婚者です。同い年のしずかさんという女性と結婚し、3人の子供をもうけています。
・しずかさん(嫁)
・千沙都さん(長女)
・梨緒菜さん(次女)
・将悠くん(長男)
長女の千沙都さんは2023年で高校2年生の年齢ですから、吉田栄利さんが25歳の頃の子供になります。ということは、結婚したのは23~24歳ごろと思われます。若くして結婚したんですね。
娘と息子は将来有望なレスリング選手
吉田栄利さんの子供たちは将来有望なレスリング選手です。千沙都さんは2023年のU17世界選手権65kg級で優勝、さらに、全日本女子オープン選手権(U17)も69kg級で優勝しています。
次女の吉田梨緒菜さんもレスリング選手ですし、長男の吉田将悠くんは2022年全国少年少女選手権では65kg級で優勝しました。
吉田栄利さんは千沙都さんが生まれる前から、オリンピックの英才教育をすることを決めていたようです。
「英才教育でオリンピックを目指させるの?」という問いに、「そうですね」とにっこり。千沙都という名前は、伊調千春選手と妹から1字ずつ取ってつけたもの。聞くまでもない質問だったかもしれない。
千沙都さんはその期待に応えて、しっかりと結果を残しているのがすごいですね。
吉田栄利の現在
2年間の資格停止と津レスリング協会辞任
吉田栄利さんは現在、2年間の指導者資格停止処分となり、さらに津レスリング協会の会長職と教室の監督を辞任しています。
報道によると、日本レスリング協会は2023年に入ってから、この体罰事件を知り、9月に聞き取り調査を行ったとのことです。誰かが吉田栄利さんの体罰をリークしたのでしょう。
出典:youtube.com
出典:youtube.com
また、マスコミの前で「ビンタしたことは深く反省しなければいけない。今思えば僕がやったことは間違っていたという認識です」と謝罪しています。
ただ、2年間の指導者資格停止とのことなので、2年後にはまた指導者として復帰できるということになります。
妹の吉田沙保里が謝罪
出典:daily.co.jp
兄の吉田栄利さんが体罰問題で炎上したことを受けて、妹の吉田沙保里さんは自身のSNSで謝罪文を掲載しました。
「この度は、私の家族による報道でお騒がせをして誠に申し訳ございません。兄の愚行により、傷を負われたご本人とご家族の方々に深くお詫び申し上げます」
引用:吉田沙保里、兄・栄利氏の「愚行」謝罪も同情の声 「親族ってだけで謝らないと叩かれる世の中…」「可哀想」(J-CASTニュース) – Yahoo!ニュース
いくら兄弟だからといって、兄の体罰問題で妹が謝罪しなければいけないのはかわいそうですね。吉田沙保里さんは何も悪くないのですから。
吉田沙保里可哀想。。。
— ほくそ 笑美(79) (@kerakeradancing) November 4, 2023
親族の尻拭いまでさせられるなんてhttps://t.co/odwIqZKXiF
吉田沙保里、身内がやらかしただけで世間から責め立てられて謝罪文出すハメになってるの可哀想。
— ぺぺでで@Uber配達員 (@pepedede_Uber) October 31, 2023
兄自体は、やった事考えると責め立てられれば良いと思うけど。
てか指導にかこつけて6歳児あんな痣残る強さでブン殴れるとかDV癖があるようにしか見えない。 https://t.co/nE3vCkJE1H
吉田栄利のまとめ
吉田栄利さんの体罰問題や経歴、家族(父親・母親・兄・妹)や結婚した嫁や子供、現在をまとめました。
「吉田栄利さんがしたことは体罰というよりも傷害」という声も聞かれます。スポーツ指導での体罰は絶対にダメです。特に、吉田栄利さんが行った6歳児への平手打ち3発は言語道断です。
この体罰問題・炎上をきっかけに、スポーツ界の体罰が減ってくれることを願います。