太田雄貴はフェンシングの日本初メダリスト

太田雄貴さんはフェンシングの元選手で、北京オリンピックで日本人初のメダリストに輝いています。

2016年に引退し、現在はIOCの委員を務めています。

太田雄貴のプロフィール

太田雄貴の若い頃①　小学生で全国大会優勝

太田雄貴さんは幼少期にフェンシングを習い始め、2016年に引退するまで長い年月打ち込んできました。

日本ではまだまだマイナーであるフェンシングですが、どういった経緯で始めたのでしょうか。

ここでは、太田雄貴さんとフェンシングとの出会い、輝かしいジュニア時代の経歴について振り返ってみましょう。

フェンシングを始めたきっかけは？

太田雄貴さんは、滋賀県大津市で育ちました。兄弟は兄が1人と妹が1人の3人兄弟です。

実は、太田雄貴さんの父親は、学生時代にフェンシングに打ち込んでいたそうです。

小学校3年生の時、父親に「スーパーファミコンとゲームボーイソフトも買ってあげるから」と誘われたことで、フェンシングを始めました。

ちなみに、父親は兄と妹にもフェンシングを勧めたものの、全く興味を示してもらえなかったようで、苦肉の策で太田雄貴さんにゲームという人参をぶらさげたのだとか。

ゲームが好きだった太田雄貴さんは、「スーパーファミコンを買ってもらったら、すぐ辞めてしまおう」と目論んでいましたが、いざ始めてみるとその面白さにのめり込んでいきました。

全国大会連覇を達成

太田雄貴さんは、フェンシングの素質がかなりあったようで、小学校と中学校時代に全国大会で優勝しています。

中学卒業後は、フェンシングの強豪校として知られている平安高校を選び、インターハイ3連覇を達成。

さらに高校2年生の時に全日本選手権でも優勝を飾りました。ちなみに、当時の最年少記録を打ち立てる輝かしい記録でした。

太田雄貴の若い頃②　アテネオリンピックに出場するもメダルを逃す

太田雄貴さんの初めてのオリンピックは、2004年のアテネ五輪です。すでに国内ではフェンシング選手として知名度がありました。

また、オリンピックを見据えて活動をするなど、国際大会でも圧倒的な強さを見せた太田雄貴さんでしたが、初のオリンピックではその壁の高さを思い知ることになるのです。

残念ながら入賞ならず

2004年夏に開催のアテネオリンピックに照準を合わせ、2004年1月から積極的に国際大会へ出場した太田雄貴さんは、どの大会でも上位に入り、晴れてオリンピック出場権を獲得。

しかし、いざアテネ五輪予選に出場すると、3回戦でロシアのレナル・ガネエフ選手に敗れ、残念ながらメダルはおろか、入賞にも届きませんでした。

その後、太田雄貴さんはアテネでの挫折をバネに練習を続け、2006年にアジア競技大会で韓国の李天雄選手を破り優勝。

2008年の北京オリンピックに向けて走り出したのです。

太田雄貴の若い頃③　北京オリンピック

2008年の北京オリンピックで、日本フェンシング界史上初の決勝進出を果たした太田雄貴さん。

実は、当時の太田雄貴さんは「ニート剣士」と呼ばれていたんです。

どのような背景があったのでしょうか。北京オリンピックにおける活躍を紹介します。

ニート剣士と呼ばれる

大学を卒業した太田雄貴さんは、フェンシングの練習時間を削りたくないと考えて就職しませんでした。

一般的に、オリンピックに出場する選手は所属する会社やクラブ名でエントリーします。

さすがに所属先に「無職・ニート」と書くのも憚られた太田雄貴さんは、自身で「京都クラブ」というフェンシングクラブをヒッソリと発足させて、「京都クラブ所属」としました。

しかし、太田雄貴さんが無職であるという事実は知られていたので「ニート剣士」と呼ばれたのです。

決勝戦が急遽生放送に変更された

当初、オリンピックのフェンシング決勝戦は、NHK衛星第1テレビで深夜に録画で放送される予定でした。

しかし、太田雄貴さんが日本初となるフェンシング決勝進出を決めると、急遽生放送に変更されたのです。

決勝戦では、ドイツのベンヤミン・クライブリンク選手と激突。

惜しくも敗れましたが、フェンシング日本人選手初のメダル獲得、しかも銀メダルのニュースは、大々的に日本で報道されました。

森永製菓に入社

銀メダル獲得時のインタビューで「就職先を募集中」と語りつつ、大学院に進むことも示唆した太田雄貴さんでしたが、蓋を開けてみると、30を超える企業からのオファーが届いたのです。

その中から森永製菓を選び、2008年11月に入社しています。

練習や試合のサポートを受けることができる環境が整ったことで、2009年には世界ランク1位に立ちました。

太田雄貴の若い頃④　ロンドンオリンピックでも銀メダル獲得

日本史上初の団体での銀に貢献

太田雄貴さんは、2012年に開催されたロンドンオリンピックに出場。

個人では3回戦で敗退していますが、団体戦において、強豪国であるドイツや中国を破り、決勝戦に進出。

決勝戦ではランキング1位のイタリアとぶつかり、善戦するも一歩及ばず、残念ながら39-45で敗北しました。

しかし、日本史上初の団体戦での銀メダル獲得となったのです。

太田雄貴の若い頃⑤　リオジャネイロオリンピック

2016年のリオデジャネイロオリンピックに出場した太田雄貴さんは、金メダルの期待を一身に背負って現地に入りました。

しかし、結果は散々なもので、フェンシングの選手から引退を発表する大会となったのです。

初戦で敗れて現役引退を発表

リオデジャネイロオリンピック当時、太田雄貴さんの世界ランクは2位。

2回戦の対戦相手は、世界ランク66位と格下のブラジルの選手だったので、周囲も余裕だと考えていました。

しかし、130-150の僅差で敗れてしまった太田雄貴さんは、入賞も果たせませんでした。

試合が終わるとすぐに引退を表明し、「アスリートとして、もうこの舞台に帰ってくることはない。感謝の気持ちしかない」と語り、勝負の世界に別れを告げたのです。

引退後は、2017年6月に日本フェンシング協会の会長、アジアフェンシング連合アスリート委員会委員長に就任するなど、日本のフェンシング普及活動に力を注いでいます。

太田雄貴が会社・森永製菓を退職した理由

2018年3月30日、太田雄貴さんは約10年間勤務した森永製菓を退職したことを発表しています。

どのような理由で退職したのでしょうか。

両立が難しかった

引退後、日本フェンシング協会の会長、アジアフェンシング連合アスリート委員会の理事を務めていた太田雄貴さんは、多忙を極めていました。

海外とのやりとりも増え、森永製菓の会社員としての業務との両立が次第に難しくなってきたのです。

太田雄貴さんは「完全に私の努力不足と、力不足です。森永製菓さんは精一杯応援してくださいました」と、お世話になった会社に精一杯の感謝を述べています。

太田雄貴が結婚した嫁は笹川友里アナウンサー

ここからは、太田雄貴さんのプライベートについて見ていきましょう。

太田雄貴さんは2017年8月、TBSのアナウンサーをしていた笹川友里さんとの結婚を発表しました。

まずは、嫁のプロフィールを見ていきましょう。

笹川友里のプロフィール

笹川友里さんはかなり変わった経歴の持ち主です。

アナウンサー志望で、TBSのアナウンサー試験を受けましたが不合格。その後、一般職の採用試験を受けて2013年にTBSに入社しています。

入社後は「情報制作局情報二部」という部署に配属され、ADとして「王様のブランチ」などのバラエティ番組を担当するようになりました。

1年ほど勤務したところ、「美人すぎるAD」として注目を集めるようになった笹川友里さん。

2014年4月に、アナウンス部に異動し、念願のアナウンサーへと華麗な転身を遂げています。

2014年7月から2019年3月まで「王様のブランチ」で進行を務めるなど活躍しましたが、2021年2月にTBSを退社しています。

太田雄貴と嫁・笹川友里の馴れ初めは肉フェス

太田雄貴さんと笹川友里さんとの馴れ初めが気になりますよね。

2021年7月に行われたインタビューで、2人の馴れ初めが明らかになっています。

寺門ジモンがキューピッドだった

太田雄貴さんが初めて笹川友里さんと出会ったのは、大学生の時です。

笹川友里さんは日本女子大学卒なので、サークルなどで知り合ったのかもしれませんね。

大学生時代は、仲の良い先輩・後輩という関係だったそう。この時点では、友人の域を脱していません。

そんな2人の仲を深めるきっかけは、ダチョウ俱楽部の寺門ジモンさんなんです。

太田雄貴さんと寺門ジモンさんは、2人共食べることが大好きで、以前から仲が良かったそうです。

一方、笹川友里さんは「肉フェス」のロケを行った際、寺門ジモンさんと一緒に仕事をしました。

友達として「何年かぶりにジモンさんに会いましたよ」とLINEで太田雄貴さんに連絡したところ、「久しぶりに食事でもいかがですか」と返信があり、そこから交際に発展したそうです。

寺門ジモンさんは直接仲を取り持ったわけではないものの、笹川友里さんはキューピッドだと思っているのだとか。

そして2017年12月1日、入籍の報告をInstagramで行っています。

太田雄貴と嫁・笹川友里に子供は娘が1人

1人娘が誕生

2人の間には、2019年6月に娘が誕生しています。

出産を終えた笹川友里さんは、幸せ一杯の親子3人スリーショットをInstagramにアップしました。

「元気な産声を聞いて一人の人生が始まったのだと喜びが胸に込み上げてきました」と感動を綴っています。

太田雄貴の現在①　日本フェンシング協会の理事長を退任した理由

現役引退後、日本フェンシング協会の会長に就任した太田雄貴さんは、競技者の負担を減らすべく、競技の知名度を上げるプロモーション活動に真っ先に取り組みました。

太田雄貴さんの様々なアイディアと知見で、フェンシング界に多大な貢献をしてきましたが、2021年6月19日、会長の退任が発表されました。

退任理由について迫ります。

属人的な組織を避けたかった

まず、日本フェンシング協会の規則によると、理事長は任期4年と決められているようです。

そのため、太田雄貴さんの退任の一番の理由は、任期満了です。

本人に続投の意思があれば引き続き理事長を務めることも可能だったようですが、太田雄貴さんは、1年くらい前から自身が退任をすることを前提に、後任者選定をしていたそうです。

組織の中でできることが多くなっていたものの、まだまだ課題が沢山残っていると常々考えていた太田雄貴さん。

さらに発展させるためには、「太田だからできた」とする属人的な組織から脱却し、自らは退任して新たな組織体制を構築する必要があると考えて辞任に至ったそうです。

太田雄貴さんと共に、後任者として記者会見に登壇した武井壮さんは、「重みを感じている。フェンシングを日本国民の誰もが知るような競技にしたい」と抱負を述べています。

後任者に武井壮を選んだ理由

武井壮さんは元々は陸上競技の選手で、これまでフェンシングには一切携わった経歴はありません。

会長に必要な資質について太田雄貴さんは、フェンシングに対する技術的な知識ではなく、どのように競技人口を増やしていくのか、というビジョンを明確に打ち出せることだと考えました。

後任者を探す中で、「この人だ」とピンと来たので、武井壮さんと長い時間をかけて話し合いを続けてきたと語っています。

太田雄貴の現在②　IOC委員に選出される

日本フェンシング協会の会長をの座を降りた太田雄貴さんですが、まだまだ日本のアスリート界を牽引する役割を担っています。

2021年8月4日、太田雄貴さんが日本人3人目となるIOC委員に選出されたというニュースが飛び込んできました。

日本人としては3人目のIOC委員

IOCは、東京オリンピックに合わせて行われていた選手委員選挙の結果を発表し、太田雄貴さんが当選したことを発表しました。

日本人の選手委員としては3人目なので、なかなか当選することが難しいことが分かりますね。

委員の業務内容は、オリンピックの開催や改革にアスリートの意見を反映する役割を担います。

太田雄貴の現在③　年収はどのくらい？

2021年9月時点の太田雄貴さんの年齢は35歳です。

かつては、ニート剣士と揶揄されていたこともありましたが、2008年以降はニートを脱出し、森永製菓に就職したり日本フェンシング協会の会長を務めたりと、肩書が年々変わっています。

そんな太田雄貴さんの年収が気になりますが、ニート時代から現在に至るまで、自身の年収については明かしていません。

そこで、一躍有名人になった太田雄貴さんの年収を推察するにあたり、個々の仕事の報酬を見ていきましょう。

マイネットの社外取締役に就任

2021年3月25日の株式会社マイネットの定時株式総会において、太田雄貴さんが社外取締役に就任したことが発表されました。

役員として、スポーツDX事業の拡大を推進することが主な業務内容です。

マイネットのIRを確認すると、2020年度の役員報酬が9人で総額1億3千万円です。そのため、1人頭の報酬は1400万円ということになります。

2021年度の報酬額が発表されるのはもっと先ですが、少なく見ても同程度はもらえると考えていいでしょう。

IOCは報酬が0の可能性も

IOC委員は、会長や幹部、委員と肩書によって当然ながら報酬にかなりの差があることが判明しているのですが、具体的な金額は明かされていません。

現IOC委員で、国際体操連盟の会長を務める渡辺守成さんは「IOCは基本無給で、自分はサラリーマン時代の給与を持ち出している。職務を続けられる支援態勢は課題だ」と語っています。

このことから、最悪報酬は0円である可能性もあります。

そのため、太田雄貴さんの収入源はマイネットの役員報酬のみかもしれません。

ただ、そうだとしても年収1400万円くらいはあるということになりますので、親子3人で過ごしていくには充分であると言われています。

まとめ

太田雄貴さんは元フェンシングの選手で、日本人初のオリンピックメダル獲得者です。

幼少期に父親から勧められてフェンシングを習い始めました。

大学を卒業後はフェンシングに専念するために就職をしなかったことから、一時は「ニート剣士」という異名が付けられていたことも。

北京オリンピックで銀メダルを獲得すると、日本人初のメダリストとしてフェンシングの知名度アップに貢献。

その後は、森永製菓に入社。選手生活の環境を整えて臨んだロンドンオリンピックでは、団体で銀メダルを獲得しています。

2016年にはリオデジャネイロオリンピックに出場するものの、入賞を逃したことで引退を発表しました。

現在はIOCの委員とマイネット社の社外取締役に就任して、スポーツを推進する立場になっています。

プライベートでは、アナウンサーの笹川友里さんと結婚し、子供が1人誕生しています。

公私共に順調な太田雄貴さんの活躍をこれからも応援しましょう。