元競艇選手・西川昌希被告が3年半にわたって八百長に手を染めて逮捕され、3億円超もの賄賂を受け取っていた事が判明して話題になっています。
今回は西川昌希被告の突然の引退理由と八百長逮捕の関係、八百長の手口、嫁や子供、現在の様子や裁判についてもまとめました。
この記事の目次
西川昌希(元競艇選手)のプロフィール
西川昌希のプロフィール
生年月日:1990年2月26日
出身地 :三重県
身長 :166cm
血液型 :B型
西川昌希選手は、元競艇の選手で、通算優勝は12回、SGボートレースクラシックへの出場1回と実績十分、競艇選手の最高ランクにあたる「A1」級にもなるなど実力人気ともに高い選手として知られていました。
西川昌希選手は、2008年にボートレーサー養成所(やまと競艇学校)に入学し、第104期生として、翌2009年5月に津競艇でデビューしました。デビュー後数年は伸び悩んだものの、果敢で攻撃性にあふれた戦略で勝利にこだわり、2012年頃から成績を急上昇させて期待の若手として頭角を現します。
2015年には尼崎競艇で開催されたSGボートレースクラシックにも出場するなど一流選手の仲間入りを果たしその後も活躍を続けますが、2019年9月に突然の引退を発表します。
突然の引退から数ヶ月が経過した2020年1月、西川昌希選手が、2019年7月2日にびわこ競艇場で行われた第6回G3イースタンヤング第7競走にて、故意に減速して順位を下げる八百長行為を行ない、その見返りとして共犯の男から300万円の賄賂を受け取ったとして、名古屋地検特捜部によって、「モーターボート競走法違反(収賄)」容疑で逮捕・起訴されます。
今回はこの、西川昌希選手(以下、被告)の引退理由や八百長逮捕について詳しく見ていきたいと思います。
西川昌希の突然の引退発表と引退の理由
そんな西川昌希被告の、突然の競艇選手引退が発表されたのは、2019年9月30日でした。
この時点でまだ年齢29歳と脂の乗り切った世代であり、実績実力ともに十分だった西川昌希被告は、三重支部のホープとしてファンや関係者からの期待も集めていたこともあり、この突然の引退に驚いたファンも多かったようです。
三重支部のホープ、ボートレーサーの西川昌希(29)が電撃引退したことが1日、分かった。9月30日付で引退届を提出した。
今後の期待も高かった西川昌希被告が突然引退した理由については、一部のメディアが、以前から悩まされていたという持病の腰痛が悪化したためだと報じています。
21日の4日目11R6着を最後に病気のため途中帰郷。これがラストランとなった。ここ最近は持病の腰痛を抱えるなど、体調不良に悩んでいた。
しかし、西川昌希被告の突然の引退には、本当は別の理由があるのでは?という疑惑が浮上しました。
実は、引退を発表する以前から、主にインターネット上で西川昌希被告がレースで八百長を行なっているのではないか?との疑惑が盛んに話題にされるようになっていたのです。
この八百長疑惑の噂が、西川昌希被告の本当の引退理由だったのでは?と噂される事になりました。
西川昌希の本当の引退理由は八百長?引退後に逮捕!
2019年7月2日に開催された第6回G3イースタンヤングの第7競走で、西川昌希被告のボートが不自然な減速を繰り返し、後方のボートにわざと3着を譲り渡すようなレース運びを見せたため、インターネットの匿名掲示板やTwitterなどで西川昌希被告が八百長をしたのではないか?と疑う書き込みが多数投稿されました。
そして、西川昌希被告が引退の少し前に、関係者に「インターネットで八百長を疑う事実無根の書き込みがされ、競争会の聴取を受けた」などと話していた事なども明らかになり、関係者によれば、西川昌希被告は理由も言わずに突然引退し、その後は連絡も取れなくなったという事でした。
こうした報道が流れた事で、西川被告の突然の引退はこの八百長疑惑の噂が関係しているのではないか?という意見も上がるようになり、当初は西川昌希被告をかばう声も多く、この八百長の噂を苦にして引退してしまったのではないか?といった声も見られました。
しかし、2020年1月8日、名古屋地方検察庁特別捜査部は、西川昌希被告と西川被告の親族で塗装会社社長だった増川遵被告を贈収賄の容疑で逮捕した事が報じられ、西川昌希被告の八百長疑惑が真実であった事が判明します。
競艇で不正に順位を落とした見返りに舟券購入者から現金300万円を受け取ったとして、名古屋地検特捜部は8日、元競艇選手の無職西川昌希容疑者(29)=東京都練馬区=をモーターボート競走法違反(競走の公正を害する行為、収賄)の疑いで、西川容疑者の親族で塗装会社員の増川遵容疑者(53)=津市=を同法違反(同、贈賄)の疑いで逮捕し、発表した。2人の認否は明らかにしていない。
公然と八百長レースが行われていることに驚く声も多数上がりましたが、競艇を長く見ているファンからは「氷山の一角」「八百長は見ていれば大体わかる」など、以前から競艇で八百長行為が行われている事を示唆する声も上がっています。
西川昌希の八百長の手口とは
西川昌希被告が八百長を行なった手口についても明らかにされています。
競艇選手はレースの前日からは外部との連絡を一切禁じられ、スマートフォンなどの通信機器は前日の宿舎入りの際に預ける事がルールで決められています。
しかし、西川昌希被告はその検査時にスマートフォンを隠してこっそりと持ち込み、レースの前日に伝えられるどの出場レースに何号艇で出走するのか、といった情報を知った上で外部と連絡を取り八百長の打ち合わせを行っていたようです。
競艇は一番内側のコースを取りやすい(1号艇)が圧倒的に有利なため勝率が5割近くになります。当然ながら1号艇には人気が集まります。そのため、1号艇が着外に落ちると確定オッズが跳ね上がる事になります。
この法則を利用して、西川昌希被告は自分の人気が高くなるレースを狙って外部と連絡を取り、八百長でわざと負ける事で高配当の確定オッズを出し、外部協力者が事前にその高配当の舟券を大量に購入しておく事で莫大な利益を出していました。
西川昌希らの八百長利益は総額で3億円以上に上っていた
西川昌希被告と共犯の増川遵被告は、2016年頃から八百長に手を染め、2019年9月までに3億円を超える利益を出していた事が明らかにされています。
元々、増川遵被告は月に2〜3万円程度を競艇に投じていたという事ですが、2016年2月頃からは西川昌希被告が出走するレースの3連勝単式舟券を100万円以上分も購入し、2018年までの舟券購入額は3億円を超え、その期間に得た配当金額は6億円強に及んでいたという事です。
さらに、2019年9月までには同様の手口で1億円の利益を得ていた事も明らかになり、こうして得た利益を西川昌希被告と増川遵被告はほぼ折半していたという事で、それぞれに2億円近い利益を不正に得ていたとされています。
2020年2月に追起訴
2020年2月17日、名古屋地検特捜部は、西川昌希被告と増川遵被告が、2019年1月22日~9月21日までに西川被告が出場した18レースで、不当に順位を操作する八百長を行なったとして「モーターボート競走法違反」の第72条(競走の公正を害する行為および収賄)の容疑で追起訴しています。
発表された起訴状によれば、全国10競走場で2019年に開催された18レースで合計で3425万円もの賄賂の受け渡しがあったという事でした。
西川昌希の嫁や子供は?
八百長によって逮捕されてしまった西川昌希被告ですが、結婚や嫁、子供についても注目が集まっているようです。
しかし、西川昌希被告はどうやらまだ結婚はしておらず独身で、嫁も子供もいないようです。
西川昌希の現在
「モーターボート競争法違反」で逮捕・起訴された西川昌希被告は、現在はいずれかの拘置所に入れられ、不正を行ったレースが膨大であるため引き続き名古屋地検の取り調べを受けているのではないかと推測されます。裁判は2020年3月の時点ではまだ開廷されていないようです。
気になるのは西川昌希被告の判決ですが、「モーターボート競走法違反」の第72条によれば罰則は「5年以下の懲役」という事です。また賄賂で受け取った金額は全額没収されるという事です。
西川昌希被告の場合は八百長行為を行なっていた期間が長く、また金額も莫大であるため執行猶予はつかず、上限である懲役5年の判決が下される可能性が高いとみられています。
まとめ
今回は、八百長行為を繰り返し、総額で3億円以上もの賄賂を受け取っていたとされる元競艇選手・西川昌希被告についてまとめてみました。
西川昌希被告は「A1」クラスにもなった実力のある将来有望な競艇選手でしたが、2016年頃から八百長に手を染め、ネットで八百長疑惑が浮上しはじめた2019年9月頃に突然不可解な引退をします。
その後、2020年1月に名古屋地検特捜部は「モーターボート競走法違反(収賄)」で西川昌希被告を逮捕・起訴します。取り調べによれば、西川昌希被告は親族の増川遵被告と共謀して八百長行為を行い、2016年から2019年の間に総額で3億円以上の利益を不当に得ていたという事です。
西川昌希被告は現在も拘置所に収監され名古屋地検の取り調べを受けていると思われます。今後開かれる裁判の行方にも注目していきましょう。