「世界のFUNAI」と呼ばれた船井電機が破産したという衝撃的なニュースが報じられました。この船井電機の代表取締役社長だった人物が上田智一氏です。
上田智一氏のプロフィールや家族・経歴、結婚の有無や韓国との関係、船井電機買収理由や背任の噂と船井電機の倒産理由の関係、現在をまとめました。
この記事の目次
上田智一は船井電機元社長
上田智一
生年月日:1973年9月15日
出身:東京都
所属:秀和システム
活動:実業家、コンサルタント
上田智一氏は実業家・コンサルタントです。
アクセンチュアから独立し、様々な企業の社長に就任しています。
2021年には、上田智一氏が代表を務める出版社の秀和システムが大手家電メーカーの船井電機を買収して代表取締役に就任しましたが、2024年に上田智一氏が代表を退任した直後に破産手続きが開始され、「不可解な倒産」として大きく報じられました。
この船井電機の破産には不可解な資金の流れがあるとして、上田智一氏が絡んでいたのではないか?と噂されています。
上田智一の家族
出典:nikkan.co.jp
上田智一氏は東京都渋谷区生まれです。
上田智一氏の父親はエンジンの添加剤販売の代理店を経営していました。つまり「社長」ですね。
上田智一氏はその後の学歴を見ても、裕福な家庭で育ったと思われます。
ただ、兄が父親の事業を引き継ぐと、経営が傾いて倒産してしまいます。
この時の経験から上田智一氏は経営コンサルティング・事業継承などをライフワークにするようになりました。
上田智一の学歴
上田智一氏の学歴はこちらです。
・高校:海城高等学校(1992年卒業)
・大学:青山学院大学国際政治経済学部(1998年卒業)
海城高校は非常に有名な進学校で、現在は中高一貫の教育体制を整えています。中学入学の偏差値は70!!!上田智一氏は超優秀な学生だったことがわかります。
青山学院大学国際政治学経済学部は偏差値が57.5~65です。
青山学院大学は「MARCH」大学の1つですから、こちらも優秀であることは間違いないでしょう。
上田智一の経歴
出典:asahicom.jp
上田智一氏は1998年に青山学院大学を卒業すると、同年4月にアンダーセン・コンサルティング(現在のアクセンチュア)に入社しました。
アクセンチュアではシニアマネージャーとして、グローバルサプライチェーンプロジェクトを導入したり、プロジェクトの立て直しやアウトソーシング・導入・実行を経験しました。
その後、2008年7月にアクセンチュアを退職・独立して、ITコンサルティング会社の「株式会社ボールドグロウス」を設立します。
独立後の上田智一氏の経歴を見ていきましょう。
・2008年:株式会社ボールドグロウス設立(ITコンサルティング)
・2015年:株式会社ウエノグループ代表取締役就任(投資会社)
・2015年:秀和システム代表取締役会長就任(出版社)
・2016年:秀和システム代表取締役会長兼社長(出版社)
・2017年:株式会社敬屋社中代表取締役社長就任(広告会社)
・2018年:株式会社秀和システムグループ代表取締役就任(出版社)
・2018年:株式会社装研グループ代表取締役就任(リフォーム・不動産)
・2018年:有限会社しばた装研代表取締役就任(リフォーム・賃貸業)
・2019年:株式会社ウイングコーポレーション代表取締役就任(不動産仲介業)
・2019年:株式会社クレイドル代表取締役社長就任(リノベーション)
・2020年:株式会社秀和システムホールディングス代表取締役(出版社)
・2021年:秀和システムが船井電機の経営権を取得
・2022年6月30日:船井電機の代表取締役社長就任(家電会社)
この上田智一氏の経歴を見ると、凄腕&勢いに乗る実業家・経営コンサルタントでありであることがわかります。
上田智一は結婚している
上田智一氏は結婚していて、妻がいます。
上田氏は医療脱毛を手掛ける目的で、東京都荒川区の医療法人の経営権も取得。23年11月に上田氏の妻が理事長に就任し、上田氏も理事となった。
この「荒川区の医療法人」は医療法人社団 成守会であり、医療法人社団 成守会の理事長は上田佳恵というお名前です。この上田佳恵さんという女性が、上田智一氏の妻と思われます。
上田佳恵さんは医師免許を持つ現役医師です。1999年に日本医科大学を卒業し、認定内科医や腎臓学会の専門医、透析医学会の専門医・指導医の資格を持っていて、「医学博士」ですので、大学院も卒業している優秀な方です。
上田智一氏とどこでいつ知り合い、いつ結婚したのかは不明ですが、夫は実業家・妻は医学博士というのは、最強夫婦・パワーカップルと言えるのではないでしょうか。
上田智一は韓国と関係?
上田智一氏は韓国や中国と深い関係があるのでは?という噂があります。
・理由①:ミュゼ買収の資金を韓国系「横浜幸銀信用組合」から調達
・理由②:船井電機やミュゼを中国系企業に売却
・理由③:船井電機の取締役が在日系
このような理由があり、上田智一氏と船井電機買収やミュゼ買収・売却には、在日韓国人社会や中国企業が見隠れしています。
上田智一さん自身が中国や韓国人というわけではなくても、両国に深いかかわりがある可能性は十分にあると言えます。
上田智一は船井電機をなぜ買収できた?
上田智一氏は、2015年に出版社の秀和システムの代表取締役会長に就任しました。
2015年に秀和システムの株式が、上田智一氏が代表取締役務める投資会社のウエノグループに譲渡される形になり、上田智一氏が秀和システムの代表取締役になりました。
この秀和システムはコンピュータ・ビジネス書籍を中心とした出版社で、設立は1974年12月、従業員は70名、資本金は9500万円の企業です。
それに対し、船井電機は当時東証一部上場の大企業で、資本金は313億700万円、売上高577億6800万円、従業員数は連結で2,062名です。
一般的に企業のTOBは大企業が中小企業を買収していくイメージがありますが、上田智一さんと秀和システムは中小企業が大企業を買収したことになります。
なぜ、上田智一氏が経営する秀和システムは「世界のFUNAI」と呼ばれた船井電機を買収することができたのでしょうか?
このTOBは創業家の意向が働いたもののようです。船井電機の創業者の船井哲良氏が2017年に逝去し、息子は北海道で医師をしていたため、創業家は会社を再成長させられる経営者を探し、秀和システムの代表取締役の上田智一氏に白羽の矢が立ち、秀和システムが船井電機を買収しました。
この時点で、船井電機はテレビ事業が不振に陥り、営業赤字が常態化していました。しかし、2021年3月末時点で、現預金残高は約347億円ありました。
このような状況だったこともあり、りそな銀行が秀和銀行に買収資金である180億円を貸し付け、中小企業による大企業のTOBが成立したのです。
船井電機は2024年に破産
船井電機は1951年に設立された家電メーカーで、テレビデオが大ヒットし、北米シェア6割以上を誇り「世界のFUNAI」と呼ばれる大企業でした。
2021年5月にそんな船井電機を、上田智一氏率いる秀和システムがTOBで買収して、その後すぐに船井電機のさらに上場を廃止します。
2022年6月には船井電機の代表取締役社長に就任し、さらに2023年には船井電機・ホールディングスによる持ち株会社に移行しました。
2024年9月には上田智一氏は船井電機の全役職を退任しましたが、その1ヶ月後の10月24日には船井電機の破産手続き開始が発表され、給料日前日に従業員500人が解雇されました。
ちょうど一週間前の24日、船井電機は東京地裁から破産手続き開始の決定を受けました。給料日前日の突然の通達に、従業員は動揺を隠せません。
また、上田智一氏が社長に就任する時には船井電機は300億円以上の預金を持っていたはずなのに、社長就任から約3年でこの300億円はどこかに流出してしまい、預金がなくなっていたことが分かったのです。
MBSが入手した破産手続開始申立書によりますと、債務超過(返せないお金)は117億6900万円、流出したとみられる資金は約300億円です。この約300億円は大手脱毛サロン会社の買収・資金支援や、関連会社への貸付金などで消えていったということです。買収される前の預金は347億円ありましたが、破産申し立て時は“ほぼなし”ということに。
引用:【異例だらけの破産劇】船井電機に一体何が?消えた300億円はどこへ? 破産手続き開始決定の”取り消し”求める原田義昭会長を単独取材「必ずこの企業は再生できる」【解説】 | 特集 | MBSニュース
この船井電機の倒産は、社長だった上田智一氏の背任行為が理由ではないかと噂されています。
船井電機の倒産理由は上田智一の背任?①ミュゼの買収
上田智一氏は2021年5月に船井電機の経営権を獲得しましたが、2023年4月に脱毛サロンのミュゼプラチナムを買収しました。この時の買収資金は、韓国系の信用組合「横浜幸銀信用組合」から借り入れています。
家電メーカーの船井電機が脱毛サロンのミュゼプラチナムを買収した理由は、事業の多角化です。船井電機は低価格の中国メーカーに押され、業績が悪化していました。そのため、事業を多角化するために、上田智一氏は家電、美容・医療、リサイクル、車載機器、デバイスの5つの分野でM&A(企業合併買収)を進めることを宣言していました。
その第一弾が、ミュゼプラチナムの買収です。脱毛サロンを買収したことで、美容家電の分野まで進出しようと考えていたとも言われています。
わずか1年で中国企業に売却
意気揚々とミュゼプラチナムを買収した上田智一氏でしたが、このミュゼプラチナムは2024年3月に突然売却しました。
この売却先は中国系企業のKOCです。このKOCもすぐにミュゼプラチナムを転売し、最終的にはMPH株式会社が運営することになりました。
数十億円で買収した脱毛サロンを、船井電機(上田智一氏)はたった1年で中国企業に売り飛ばすことになりました。しかも、売却額はたったの100万円!
資金繰りが悪化したため、24年3月にミュゼ社株を保有する合同会社を100万円で広告代理店に売却。この際、船井側からアドバイザリー料として群馬県の会社に約2億円を支出したという。
数十億円で買収して、100万円で売却。しかも売却時にアドバイザリー料として約2億円を支払ったのですから、この時点で大損していることは間違いありません。
損だけではなく借金が残る
ミュゼを買収したことで大損をした船井電機でしたが、さらに20億円超の借金が残ります。
ネット広告費が広告会社に支払われていないことがわかり、広告会社から訴えられることになったのです。
ミュゼも同様に経営が苦しく、巨額のネット広告費が未納になりネット広告会社から訴えられます。ミュゼ株を売却した船井電機HDはミュゼの20億円ともいわれる負債について連帯保証をしていました。
そもそも、近年は脱毛業界は経営が厳しく、倒産が相次いでいました。
・2017年:エターナルラビリンス
・2022年:脱毛ラボ
・2023年:銀座カラー
・2024年:アシリアクリニック
そのような中、上田智一はミュゼを買収しました。しかも、このミュゼを買収したことで、船井電機の資金300億円が流出し、倒産に追い込まれた可能性が高いとされています。
破産申立書では、持ち株会社を経由したミュゼなどへの貸し付けで、船井電機から約300億円の資金が流出したとしており、これが破産の要因になったとみられる。
本当に船井電機の事業拡大のためにミュゼを買収したのか。それとも、船井電機から現金を流出させるためにミュゼを買収したのかと思ってしまう結果です。
船井電機の倒産理由は上田智一の背任?②経営権を1円で譲渡
船井電機の倒産理由が上田智一氏の背任だと言われる理由の2つ目は、船井電機の経営権を1円で譲渡したことです。
上田智一氏が経営する秀和システムが、船井電機の経営権を買収した時は約250億円でしたが、売却する時は1円です。
破産手続き中のAV機器メーカー・船井電機の上田智一前社長が、退任直前の今年9月、同社の経営権を1円でファンドに売却していたことが2日、分かった。船井を買収した時の価格は約250億円。金額の差や売却した理由など、社員への説明はなかった
上田智一氏は「実質1円ではなく、個人補償の68億円も引き受けてもらうことが条件だった」と説明しています。つまり、借金の68億円を肩代わりしてもらうから、経営権は1円で良いということのようです。
しかし、結局はその契約は履行されていないとのこと。ということは、やはり船井電機の経営権をただ同然の1円で譲ったということになります。
「世界のFUNAI」と呼ばれた家電メーカーの経営権を1円。この結果では、上田智一氏は船井電機を倒産させたかったのでは?と言われても仕方がないかもしれません。
船井電機の倒産理由は上田智一の背任?③倒産寸前で逃げた?
出典:mbs.jp
船井電機の倒産理由が上田智一氏の背任ではないかと言われる3つ目の理由は、倒産寸前で逃げたことです。
2024年9月に上田智一氏は船井電機の全役職を退任しました。退任理由は公表されていません。
そして、その1ヶ月後の2024年10月に船井電機の破産手続きが開始され、従業員約500人が一斉解雇となっています。
破産手続き直前に、理由を公表せずに退任するのは、さすがに「逃げた」と言われても仕方がないですよね。タイミングがあまりにも良すぎます。
上田智一の現在:秀和システムの社長は続行
上田智一氏は2024年9月に船井電機の全役職を退任しましたが、秀和システムの代表取締役会長兼社長は継続していますので、ビジネス界から退いたわけではありません。
また、船井電機の破産手続きで、資金流出・資金の怪しい流れなどが報道されているので、2024年12月には上田智一氏がマスコミ各社のインタビューに答え、経緯の説明をしています。
週刊文春の取材では「私は“はめられた”」と答えていますが、まだ船井電機の企業売買の全貌は明らかになっていません。
上田智一のまとめ
実業家の上田智一氏のプロフィールや家族や経歴、結婚の有無、韓国との関係、秀和システムによる船井電機の買収や倒産理由と背任の噂や現在をまとめました。
船井電機に一体何が起こったのか。上田智一氏は本当に船井電機を再建させるつもりだったけれど失敗したのか。船井電機買収の全容解明が待たれます。