高橋幸治のプロフィール

高橋幸治さんは、大物であるにも関わらずプロフィールに謎が多く、ミステリアスな俳優として知られています。

大河ドラマ「太閤記」「黄金の日日」の2作品で織田信長を演じるという、稀有な経験を持っているため、「織田信長役の代名詞」とも呼ばれています。

高橋幸治の若い頃①　運転手から俳優へ

高橋幸治さんの若い頃の足取りを辿りましたが、家庭環境や子供の頃のエピソード、俳優を志した理由など、詳しい情報は公開されていません。

東洋大学時代、映画「七人の侍」「張り込み」の俳優として知られる宮口精二さんの運転手の仕事に就いています。

俳優の宮口精二さんは文学座出身で、高橋幸治さんは影響を受けたのか、1959年の24歳の時、文学座の研究生になりました。

これが、演劇の世界に足を踏み入れた最初の一歩でした。

運転手を経て文学座で演技の勉強をした

4年間の演技の勉強を経て、1963年に舞台「日本の孤島」において初舞台を踏むと同年、映画「母」でスクリーンデビュー。

まだ無名の役者だった高橋幸治さんに、人生の大きな転機が訪れたのは1965年のことでした。

高橋幸治の若い頃②　「太閤記」の織田信長役に抜擢

キャリアが浅く無名だった高橋幸治さんが突然の大ブレイクを果したのは、NHK大河ドラマ「太閤記」に織田信長として出演したのがきっかけでした。

知名度のある俳優が演じる事が多い織田信長役が回ってきたのは、偶然もありました。

NHKの意向で若手俳優を抜擢

1963年に始まった大河ドラマは、人気俳優ばかりをキャストに選ぶ傾向にありましたが、「太閤記」を放送した1965年は、NHK側で新たなチャレンジを数多く行っています。

そしてそのチャレンジの1つが、名前の知られていない新人俳優に重要な役割を抜擢する、という大胆な試みでした。

これにより、本来は有名俳優が演じる「織田信長役」が、当時まだ若手だった高橋幸治さんに回ってくることになったのです。

太閤記は斬新な手法が話題に　

NHK大河ドラマ「太閤記」は、時代劇作家として知られる吉川英治さんの「新書太閤記」が原作です。

農民の息子として生まれた豊臣秀吉が、織田信長に草履持ちとして仕え、最終的には天下人になって、62歳の生涯を閉じるまでが描かれています。

第1話の冒頭において、1964年に開通した東海道新幹線や、名古屋駅、豊国神社など豊臣秀吉に関連する土地の現在の映像が映し出されるという、意表を突いた演出が話題に。

また、毎回本編終了後、ドラマで起こった事件の舞台となった場所の現在の様子が映像で流されたり、城の石垣の積み方や武士の給与の解説が行われ、親しみやすい演出も行われました。

当時は映像技術黎明期であったため、CGは存在していません。ドラマが平坦になりがちでしたが、太閤記では合戦シーンにこれまでにない手法で撮影を行っています。

NHKが開発したヘリコプターカメラを利用し、上空から撮影した合戦シーンの撮影が行われ迫力ある演出となったのです。

太閤記でブレイクした若手は他にもいた

太閤記への出演がきっかけでブレイクしたのは、高橋幸治さんだけではありません。

物語の主人公である豊臣秀吉を演じた緒形拳さんは、今では渋い演技をする昭和の名俳優として知られていますが、高橋幸治さん同様、当時は全く無名の俳優でした。

周囲からは、「いくら何でも大役すぎる」「荷が重い」と指摘を受けた緒形拳さん。

しかし、その重圧に耐えながら、何回もNHKの資料室に通って関連書籍を読み漁り、ディレクターと演技について話し合いを続けてきたのだとか。

当時の緒形拳さんは、新国劇の団員という肩書がメインでした。大河ドラマのロケと劇団の舞台を掛け持ちして、徹夜になったこともしばしばだったそうです。

そして努力の甲斐あって、緒形拳さんも高橋幸治さん同様、一気にスターへの道を駆け上がったのです。

そんな緒形拳さんは、2008年に肝がんが原因で逝去されています。

高橋幸治は共演者から評価されている

女優の藤村志保さんは、若い頃に「太閤記」で高橋幸治さんと共演した時の思い出をWeb版の雑誌「AERA」上で語っています。

新人だったにも関わらず、高橋幸治さんはドッシリと構えていると感じていたのだとか。

また、共演者の緒形拳さんが「あいつの芝居はオレが押しても引いても突いても動かない。オレが芝居を変えてもあいつは変えないんだよ」と語っていたことを思い出すそうです。

高橋幸治の若い頃③　あまりの人気で本能寺の変が遅れた　

高橋幸治さんの、大ブレイクに話を戻しましょう。

「太閤記」に出演した高橋幸治さんは、端正な顔だちで、クールな雰囲気を纏った織田信長を演じたことで、視聴者から次第に凄まじい人気を集めることになりました。

視聴者から投書が殺到

物語が進むごとに高橋幸治さんの織田信長に魅入られる視聴者が後を絶たず、5月に入る頃から「信長を殺さないでほしい」とう投書が来るようになったのです。

史実では、豊臣秀吉は織田信長の死後から天下人争いのレースに加わり、その後の天下人としての人生がスタートします。

そのため、いくら高橋幸治さんの織田信長が人気であったとしても、物語の途中で本能寺の変が起き、ドラマから姿を消さざるを得ないことは誰が見ても明白でした。

視聴者も、さすがに事件を無かったことにはできないことをわかっており、徐々に「殺さないで」から、「残酷な死に方だけはさせないで」という内容の投書が増えていったのだとか。

NHKの制作スタッフは、『「殺さないで」という内容よりも、むしろ辛い』と頭をかかえたようです。

その結果、本来なら8月上旬で高橋幸治さんが演じる織田信長が登場する回は終わりを迎える予定でしたが、本能寺の変が放送されたのは10月17日で、第42回まで引き延ばされました。

NHKの苦肉の策として、出演期間の延長という形で視聴者の声にできる限り応えたのです。

こうして織田信長役で人気を博した高橋幸治さんは、その後、次々に人気作品へと出演し、圧倒的な存在感を放つ俳優として成長することになります。

高橋幸治のブレイク後の出演作品①　「天と地と」

初めて出演したNHK大河ドラマで大人気になった高橋幸治さんは、1969年に放送されたNHK大河ドラマ「天と地と」にも重要な人物として出演しています。

武田信玄を熱演

作品の原作は海音寺潮五郎さんの「天と地と」で、主人公は上杉謙信です。

高橋幸治さんは、生涯に渡り良きライバルとして何度も合戦を繰り広げた武田信玄役に抜擢されました。

この年からNHK大河ドラマはカラー放送が導入されており、撮影にもカラーならではの迫力あるシーンが撮影されました。

物語のメインとも言われる川中島合戦のシーンは、この当時の中では最大限のエキストラ人数が投入されたことでも知られており、迫力のある映像が高い評価を受けたのです。

高橋幸治のブレイク後の出演作品②　「おはなはん」

「太閤記」に出演した高橋幸治さんの人気はその後も衰えることなく、NHK朝の連続テレビ小説「おはなはん」にも出演しています。

ここでも人気が上昇し、視聴者から注目されたことで、またしても投書が届いたというエピソードがあります。

ヒロインの旦那役を演じた

高橋幸治さんの出演作品は戦国時代の作品が多いのですが、「おはなはん」の舞台は明治後期の愛媛県です。

平均視聴率は45.8%と、まさにオバケ番組と呼ばれる程の人気ぶりで、毎朝放送時間がやってくると、水道の使用量が減少するという社会現象が起こりました。

高橋幸治さんが演じた速水謙太郎は軍人で、ドラマ途中で演習中に事故死する設定でした。

事前に大まかなストーリーが発表されていたことで、視聴者から「死なせないで」と懇願の投書が多数寄せられたことで、またしても延命されました。

いかに高橋幸治さんが愛されていたのかが分かりますね。

高橋幸治の嫁の情報

これまでに様々な作品に出演した高橋幸治さんは、涼やかで整った風貌で特に女性から人気があります。結婚した嫁は、どんな女性なのでしょうか。

嫁の情報は非公開

もともとプライベートに関して、情報がほとんど無い高橋幸治さん。嫁の情報どころか、結婚の履歴に関しても非公開です。

芸能人の中には、結婚していること自体を明かさないケースや、結婚していることを明かしても嫁について一切口外しないケースも珍しくありません。

秘密主義とも言えますが、相手の女性に対して危険が及ぶことを考慮して非公開にしている可能性も考えられますね。

高橋幸治には息子がいる？噂と真相

高橋幸治さんの嫁の情報は一切なく、子供の有無についても明かしていません。

しかし、高橋幸治さんの子供について、まことしやかな噂が以前から流れています。

どのような噂が出回っているのでしょうか。見ていきましょう。

息子は高橋智隆？

以前より、高橋幸治さんの息子はロボットクリエーターをしている高橋智隆さんではないか？と噂が流れています。

出所を調べたところ、高橋智隆さんの苗字が同じで見た目が似ていることから、ネット上で「もしかしたら息子かもしれない」という憶測から生まれたものでした。

高橋智隆さんによると、父親は大学病院で勤務する医師であることを公表していますので、高橋幸治さんの息子であるというはデマであるようですね。

高橋幸治の現在　【引退している噂も】

高橋幸治さんは2020年現在、85歳になっており、どのように過ごしているのか気になりますよね。

実は長い期間、芸能界で活動していないことが判明しています。

スローライフを送っているという噂も

高橋幸治さんが最後に俳優として活動したのは、2001年に出演した舞台「冬の運動会」でした。

それ以降、特に活動停止の報告があったわけではありませんが、20年近く活動を控えていることになるので、実質の引退と言っても良さそうです。

唯一例外として公の場に姿を現したのは、2005年に岐阜県の広報誌「広報とき」での特別インタビューのみです。

現在は、田舎でスローライフを送っているという噂もあるようですが、当人がコメントしていませんので、真実の程は定かではありません。

まとめ

高橋幸治さんは、まだ無名だった若い頃、NHKの大河ドラマ「太閤記」で織田信長を演じて一躍スターダムにのし上がりました。

端正な顔だちとクールな演技が受け、そのあまりの人気の高さから、視聴者から数多くの「信長を死なせないで」という投書が殺到したそう。

NHKの計らいで、本能寺の変が起きる時期を遅れたという、ユニークなエピソードが残っています。

その後も、「天と地と」「おはなはん」などで重要な役どころを演じるなど、愛される役者に成長しました。

一方、結婚生活や嫁などプライベートについては、高橋幸治さんは明かしておらず、謎に包まれています。

そんな高橋幸治さんは現在、20年近く俳優活動から遠ざかっており、実質引退状態にあるようで、85歳という年齢的にリタイアしていても不思議ではありません。

新しい出演作が見られないことは残念ですが、織田信長を演じた名俳優として、これからも語り継がれていくことは間違いないでしょう。