1980年代後半にブレイクした元AV女優・黒木香さんは、ドラマ「全裸監督」のヒットで現在再び注目を集めています。
今回は黒木香さんの経歴、伝説のAV監督・村西とおるとの関係、転落事故の真相、現在をまとめました。
この記事の目次
黒木香のプロフィール~「ワキ毛の女王」の異名でAV出演
生年月日:1965年1月21日
本名:非公表(一説では黒木恵子との噂)
出身地:鹿児島県鹿屋市
身長:161cm
血液型:A型
黒木香さんは、1980年代の後半に活躍した伝説的なAV女優です。
1986年にAV女優としてデビューした当時は、横浜国立大学に通う現役の女子大生でした。
当時は、現役女子大生であることを公表してAVに出演する事は、史上初と言えるほどに珍しく、さらに有名国立大学という事から絶大な話題を集めました。
そして、デビュー作「SMぽいの好き」は空前の大ヒットを記録します。
また、黒木香さんは、これまでのAV女優のイメージを覆す、あふれんばかりの知性を放ち、異様とも言えるほど丁寧な言葉遣いで話すという独特なキャラクターが人気を集めます。
その結果、地上波のバラエティ番組やテレビドラマ、映画などにも出演するなど、AV女優の枠を超えて活躍、社会現象となるほどの黒木香ブームを巻き起こしました。
また、16歳から剃っていないというワキ毛を大胆に露出してトレードマークとした事で「ワキ毛の女王」の異名でも親しまれました。
強烈なインパクトと共に登場した黒木香さんでしたが、芸能界で活動した期間は短く、AVへの出演はわずか3本にとどまっています。
そして、1990年代に入るまでに本格的な芸能活動からは引退してしまいました。
黒木香の経歴① 実家の父親は造船会社経営/大金持ちの社長令嬢として鹿児島に生まれる
黒木香さんは鹿児島県鹿屋市の出身で、実家の父親が造船会社を営むという大金持ちの社長令嬢でした。
黒木香さんの母親についてはあまり情報がありませんが、抑圧的で厳格な母であったといいます。現在、母と都内で同居しているという噂もあるようです。
東京都のキリスト教系の名門校である「女子学院中学校・高等学校」を卒業後、横浜国立大学へと進学、教育学部美術学科に所属し、イタリア美術を専攻していました。
黒木香の経歴② 留学費用を稼ぐためAVに挑戦
大学在学中の1986年、黒木香さんはイタリアで美術を学ぶための留学費用を親の力を借りずに自分だけの力で工面したいと考えたそう。
そして、1本100万円という高額なギャラに魅力を感じて、AVへの挑戦を決めたのだそうです。
黒木香の経歴③ デビュー作「SMぽいの好き」が空前の大ヒット
黒木香さんは、後に伝説のAV監督と呼ばれることになる村西とおるさんとの二人三脚で、デビュー作となる「SMぽいの好き」の撮影に挑みました。
その当時のAV作品と言えば、男性が女性を征服して犯すような男性本位の作品が定番でした。
ですが、この「SMぽいの好き」は、女優の黒木香さんの方から男優にアタックしていくような演出がふんだんに盛り込まれていました。
その結果、これまでのAVの常識を根本から覆し、女性の方から男性を挑発していくかのような「女性上位のセックス」を体現するかのような作品となったのです。
監督の村西とおるさんは当初、それまでの常識からあまりにも逸脱した作品になった「SMぽいの好き」を「正直ダメ」だと思ったのだそうです。
しかし、いざこの作品を世に出してみると、この作品は空前の大ヒットを記録します。
監督の村西とおるさんは後に受けたインタビューで、この「SMぽいの好き」について以下のように語っています。
『SMぽいの好き』は、何者にも束縛されない女性の性というものを抉った初めての作品なんです。作られたキャラクターではなく、素の女性のセックスというものをお見せした。 その結果、「現代を生きる女性は、これほどまでに奥深くてパワフルなのか」と多くの人が刮目した訳です。
つまり、これまで表立って表現することが憚られていた女性の正直な性表現を堂々と表したことにより、社会に衝撃を与え、しかも肯定的に受け入れられ、ヒットにつながったようです。
黒木香さんは「SMぽいの好き」の後、「愛虐の宴」「SM隷奴」の2本のAV作品に主演しています。
黒木香の経歴④ バラエティタレントとしても大ブレイク
黒木香さんは、「SMぽいの好き」の空前の大ヒットによって、AV女優という枠を超えて、1人の女性として絶大な注目が集まる事になりました。
そして、ゴールデンタイムのバラエティ番組をはじめ、「朝まで生テレビ!」などの討論番組やテレビドラマなどにも出演するようになります。
テレビ番組に出演した黒木香さんは、AVという一般的には下品なイメージが持たれがちな業界の女優でありながら、1人称は「わたくし」、語尾は「〜でございます」などの丁寧口調。
そんな高い品性を感じる語り口ながらも「エロ」を語り、さらにエロなのに知性が滲み出る発言で話題を呼びました。
黒木香さんは、こうしたテレビへの出演によって、AVに関心を持たない女性や子供などの層からも絶大な人気を博すことになり、一大ムーブメントを巻き起こしたのでした。
an・anにも登場
バラエティタレントとしてもブレイクした黒木香さんは、女性目線での性特集に定評のある雑誌「an・an」の大人気企画である「セックスで、きれいになる。」の記念すべき第1回に登場。
読者からの性的な質問に答える回答者として、その知識や体験を披露しています。
黒木香の経歴⑤ 書籍も多数出版
テレビ番組に出演し、溢れる知性を絡めて「エロ」を軽快に語るという、ある種異様とも言えるトークで人気を集めた黒木香さん。
その斬新なトークをさらに掘り下げ、「哲学」のレベルにまで落とし込んだ内容を書籍として多数出版されています。
フルーツ白書
1987年に出版された「フルーツ白書」は、深夜番組などでの黒木香さんの発言などをまとめ、再編集した書籍です。
黒木香さんの登場に熱狂する当時の社会の様子が、そのまま伝わってくるかのような1冊です。
自堕落にもほどがある
同じく1987年に出版された「自堕落にもほどがある」は、黒木香さんの自伝的私小説です。
黒木香さんの深い見識と、文筆家としての才能を感じさせる1冊です。
黒木香を発掘した伝説のAV監督・村西とおるとは
黒木香さんを語る上で、絶対に外せないのが、伝説のAV監督・村西とおるさんの存在です。
村西とおるさんは黒木香さんを見出し、AV女優、バラエティタレントとして大ブレイクに導きます。
そして自身も、これをきっかけにして「アダルトビデオの帝王」の異名をとるようになります
。
村西とおるはAV界の革命児
村西とおるさんは、黒木香さんに出会う前から業界では有名な人物で、これまでにはなかった手法を次々と打ち出してAV業界に革命を起こしていました。
現在では定番の手法である、
・「ハメ撮り(カメラマン自らが本番行為をしながら撮影する)」
・「顔面シャワー(いわゆる顔射)」
・「駅弁(女優を抱え込み立った姿勢で本番行為を行う)」
などを生み出したのは、この村西とおるさんなのです。
村西とおるのエピソードは伝説級
その他のエピソードもスケールが大きく、伝説と呼ぶに相応しい内容ばかりです。
例えば、1986年12月にはパールハーバー上空に2機のセスナを並行飛行させ、スカイファック撮影(旧日本軍のパールハーバー奇襲は12月)を行った事でアメリカFBIに逮捕されました。
そして、その後の裁判で懲役370年を求刑されるという前代未聞の事件を引き起こしています。
また、1989年には、開通したばかりの横浜ベイブリッジを全裸で駅弁ファックしながら疾走する、「横浜ベイブリッジの女」という作品を撮影し話題を呼びます。
これも、横浜県議会で問題となり、横浜県警本部長に呼び出されています。
さらに、スリランカに渡って撮影をした際には、撮影禁止区域での撮影を強行したため、現地の共産革命軍からの攻撃を受け、スリランカ中を命からがら逃げ回るなどの経験もされています。
黒木香と村西とおるの関係とは?愛人だったという噂と真相
黒木香さんは、そんな伝説的なAV監督・村西とおるさんと愛人関係にあったと言われています。
村西とおるさんは黒木香さんを、当時経営していたAVメーカー「ダイヤモンド映像」の系列会社である「ビックマン」の取締役に据えました。
さらに、その後は東京渋谷にオープンさせた高級焼肉店「香貴苑」を、ママとして切り盛りさせるなど、黒木香さんの強い自立心を傷つけないような形で愛人として囲っていたようです。
しかし、一時は年商100億円を誇った「ダイヤモンド映像」が1992年に倒産。その後、CS放送を利用した新規事業に挑戦するものの失敗に至り、2人の関係はギクシャクし始めます。
黒木香さんへのギャラ未払いをきっかけにして、愛人関係は破局を迎えたとされています。
黒木香の転落事故の真相~村西とおると破局後に自殺未遂?
村西とおるさんとの愛人関係が破局した後、1994年に一部メディアによって、東京都中野区のホテル(中野 ホテルワールド会館)2階から黒木香さんが飛び降り、自殺未遂したと報道されました。
中野 ホテルワールド会館
— 熊谷杯人☆あにまるらんど・さが (@kumagaihaito) April 24, 2016
元ホテルで今は雑居ビル
かつて、黒木香が転落し大怪我を負った事件があった pic.twitter.com/5O8EUTPdNL
しかし、黒木香さんはこの報道を否定、酒に酔って足を滑らせての転落事故だった事が明らかになりました。
一部メディアの報道によれば、黒木香さんは村西とおるさんと破局した後、酒浸りの生活を送っていたのだそうです。
黒木香嬢は宿泊先のホテルから誤って転落しました。人の不幸は飯のタネのマスコミは「自殺未遂」と喧伝し、今日においても悲劇の主人公に仕立て上げています。写真誌「FLASH」の「黒木香嬢は警察の事情聴取を受け自殺未遂を否定した」との当時の記事を、彼女の名誉のためにこの機会に明示しておきます
— 村西とおる (@Muranishi_Toru) August 27, 2019
村西とおるさんも「自殺未遂」であることは否定しており、本当に誤って転落しただけという真相を説明しています。
ネットでも「ホテルの2階から飛び降りて死のうとは普通思わない」と思われています。
黒木香の現在① 「全裸監督」で再注目される
2019年8月、村西とおるさんをモデルとして描かれたドラマ「全裸監督」がNetflixで配信され、世界的な大ヒットを記録しました。
主役・村西とおるさんの役を山田孝之さんが演じましたが、第2の主役とも言える「黒木香」の役は女優・森田望智さんが演じました。
森田望智さんは、品のある女子大生・恵美(ドラマ内での役名は黒木香さんの実名ではない)から、性の開拓者とも言うべきAV女優・黒木香への変貌を見事に演じきり、大絶賛されます。
この「全裸監督」の大ヒットと、森田望智さんの演じた「黒木香」が話題を集めた事で、本物の「黒木香」にも再びスポットライトが当たる事になりました。
しかし現在、この事である批判が挙がっています。
実は「全裸監督」の製作にあたり、事前に黒木香さん本人に許可を取っていなかった事が判明。ここ数年AV業界で問題視されている「忘れられる権利」を侵害していると指摘されたのです。
黒木香さんが現在、「全裸監督」で自身の過去が注目を集めている事に対して、どのような思いを持たれているのでしょうか?
黒木香の現在② その後の消息は一切不明
黒木香さんは現在50代中盤となっていますが、今どこでどのように暮らされているのかについての情報は全くありません。
結婚して海外で暮らしているといった噂は存在するものの、あまり信ぴょう性がなく、引退後の消息については一切が不明だと言えます。
どこかで一般人として、静かに暮らされている可能性が高いでしょう。
まとめ
1980年代の後半に突如登場し、女性の「性」のそれまでの常識を一気に覆した伝説的AV女優・黒木香さんについてまとめてみました。
黒木香さんは、女性が男性に制圧されるものといったそれまでのAVの常識を一気に覆しました。
そして、女性から男性に積極的にアタックするという全く新しい女性優位の性表現を出演作品を通して見せつけ、当時社会で持たれていた一般的な女性の「性」のイメージを一新させました。
また、黒木香さん自身の持つ知性に溢れるキャラクターと性的な表現を織り交ぜた軽快なトークでも人気を集め、バラエティタレントとしてもブレイク、幅広い層からの人気を集めました。
2019年にNetflixで配信されたドラマ「全裸監督」によって、再び黒木香さんへの注目度が上昇していますが、現在の黒木香さんの消息については一切不明です。
自身が再び注目の存在となっている事を、黒木香さんはどこかから見つめているのでしょうか?