氷見事件の真犯人!被害者・柳原浩への判決・警部補の処分や弁護士の動きも総まとめ【冤罪事件】

「氷見事件婦」は警察のずさんな捜査や違法な取り調べ、真犯人発覚後の対応も問題になっています。

 

今回は氷見事件の概要や被害者と警察の捜査、犯人とされた柳原浩への判決、真犯人発覚後の警部補の処分と弁護士の動きをまとめます。

 氷見事件とは  

 

出典:https://pixabay.com/

 

「氷見事件(ひみじけん)」とは、2002年に婦女暴行未遂容疑で逮捕された男性が懲役刑を受けた後、事件の真犯人が見つかり冤罪が明らかになった事件のことです。


富山県氷見市で発生したことから「氷見事件」、または「富山事件」とも呼ばれています。

 

捜査にあたった警察が男性に自白の強要や証拠を捏造したことが判明し、取り調べの違法性や冤罪発覚後の警察の対応も大きな問題になりました。

 

今回は、警察の取り調べ方法や捏造された証拠の数々、捜査に関わった警部補らのその後、真犯人発覚後の事件の流れなど、氷見事件に関する情報をまとめました。

 

まずは、氷見事件の詳細・被害者・判決など、事件の概要から解説します。

 

 

氷見事件の概要

 

出典:https://twitter.com/

 

2002年3月13日に当時16歳の少女の強姦未遂事件が起こり、同年4月15日にタクシー運転手の男性・柳原 浩(やなぎはら ひろし)が強姦未遂容疑で逮捕されました。

 

その1ヶ月後、別の少女への強姦容疑で再逮捕され、2件の強姦容疑・強姦未遂容疑がかけられます。

 

逮捕前に任意で行われた取り調べは、朝から晩まで3日間連続で続いたそうです。

 

疲労困憊で判断力も低下した柳原浩に対し、警察が「家族も〝お前がやったに違いない〟と言っている」と言い放ち、絶望させるには十分な嘘の言葉で誘導して自白を強要させました。

 

この自白で逮捕されることになりますが、この時点ですでに逮捕状は準備されており、まだ何も情報が揃ってない時から逮捕は既定路線だったのです。

 

富山県氷見警察署で起きた不当な取り調べは、氷見事件の鍵でもあります。どんな取り調べが行われていたのか、以下にまとめました。

 

 

氷見事件の犯人に対する苛烈な取り調べ方法とは 【被害者の証言も紹介】

 

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柳原浩は事件の取り調べにおいて、捜査担当者から「はい」と答えることだけを強要されました。


否定したくても「はい」という言葉しか受け取ってもらえず、同意だけを求められ、恐怖で抵抗することもできなかったといいます。

 

取り調べでは、被害者の目撃証言と犯人の自白を擦り合わせる必要がありました。


被害者が見たという星マークのスニーカーは重要な証拠の1つで、逮捕前の捜査報告書にはそのスニーカーが柳原浩の自動車の後部座席にあったと記載されていました。

 

 

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しかし、自宅を捜索してもスニーカーは発見されず、捜査担当者が柳原浩に「捨てたのか?」と聞き、捨てたと供述した場所を捜索しても発見には至りませんでした。


そこで捜査担当者は「燃やしたんだろ」と聞くと、「はい」としか答えられなかった柳原浩はこれに同意。スニーカーは結局燃やしたことにされました

 

 

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また、被害者の目撃証言ではサバイバルナイフで脅され、チェーンで手を縛られたとありましたが、これらも発見されませんでした。

 

捜査担当者はこの証言を被害者の記憶違いとして、柳原浩の自宅から発見された果物ナイフとビニール紐を証拠としました。

 

 

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被害者自宅の見取り図は、捜査担当者が柳原浩の手をとって書かせている他、現場に残っていた体液が柳原浩の血液型と一致しないこともわかっています。

 

さらに現場に残された足跡が28cmでありながら、柳原浩の足のサイズは24.5cmとかなり小さいことも判明。

 

このように、証拠はどれも警察が指定したものや、証拠として不完全なものでした。

 

 

さらに、柳原浩には犯行当時、しっかりとしたアリバイがあったこともわかっています。


犯行時刻に、自宅から知人に電話をかけた通話記録が残っており、これらの状況から警察内部の者でさえ立件は難しいと考える声が出てきました。

 

柳原浩が犯人でないことを示す事実の方が多いにも関わらず、捜査担当者と検察はこれらの客観的事実を無視し、富山地方検察庁により立件されることになりました。

 

 

氷見事件の犯人とされた柳原浩の判決とは 【服役後に真犯人が判明】

 

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裁判では、取り調べ中の柳原浩の自白と被害者の証言が重要視され、柳原浩に懲役3年の有罪判決が下りました。

 

判決後、刑に服し2005年1月に出所した柳原浩。


しかしその後の2006年11月、別の事件で逮捕された男が「氷見事件の真犯人は自分である」と自供しました。

 

氷見事件の一連の事件について手口を自白し、現場に残されたDNAも一致したことで、警察はこの男を逮捕。


真犯人が現れたことにより、柳原浩は冤罪・誤認逮捕であることが認められました。

 

 

また、真犯人は柳原浩が有罪とされた2件の強姦事件・強姦未遂事件の他にも、12件の婦女暴行を繰り返しており、計14件の事件で起訴されたのち、懲役25年の実刑判決を受けています。

 

柳原浩が冤罪であること、誤認逮捕だったことを認めざるを得なくなった警察は、柳原浩の親族へ謝罪を行いました。

 

事実が判明したことで柳原浩の無罪判決を求める再審請求が行われ、事件から5年が経った2007年10月、柳原浩に無罪判決が下されました。

 

 

氷見事件の犯人をでっち上げた警部補らの処分とは

 

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真犯人発覚後、警察は柳原浩と親族に謝罪していますが、その後の対応にも問題がありました。

 

謝罪した翌日に柳原浩を富山地検に呼び出し、「当時の取調官や担当検事を恨んでいません」と書かれた旨の調書を作成したのです。

 

真犯人が現れて柳原浩の無罪が確定した後、警察関係者や法務大臣がこの事件についてコメントを発表しました。

 

当時の富山県警本部長である安村隆司は、「誤認逮捕という結果にはなりましたが、当時の捜査員の指揮や手法を一つ一つ検証しミスを判断するのは難しい」という旨のコメントをしました。

 

当時の法務大臣だった長勢甚遠は、自白の強要に違法性は無かったと述べ、当時の捜査担当者は処分しないと決定を下しました。

 

誤認逮捕や違法捜査で柳原浩の人生を狂わせたにも関わらず、氷見事件の捜査を行った警察・検察、柳原浩を逮捕した警部補らは誰一人処分されることがなかったのです。

 

 

氷見事件での弁護士の対応・真犯人発覚後の訴訟とは

 

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氷見事件の捜査当時、柳原浩は弁護を担当してくれるはずの弁護士からも犯人扱いされ、裁判官から何を言われても認めること、無駄なので控訴しないことを勧められていたといいます。

 

しかし、真犯人が逮捕されたことで風向きが変わり、柳原浩への捜査が違法だったとして、複数の弁護士により氷見事件国家賠償弁護団が結成されました。

 

取り調べを担当した警察官らの処分や証人尋問が実施されておらず、違法な取り調べが野放しであること、冤罪事件が発生するに至った真実が未解明だとして、国家賠償訴訟を起こしました。

 

その後、富山地裁が富山県警察の捜査に違法性があったことを認め、県に約2000万円の賠償金支払いを命じる判決が下されました。

 

 

氷見事件は全国各地で起きている違法捜査・冤罪事件の中でも注目度が高く、若い弁護士が冤罪を学ぶことができると、弁護団の弁護士が語っています。


さらにこの弁護士は、柳原浩の救済を第一とした上で、賠償が認められたことで今後の冤罪事件の牽制になるとも語っていました。

 

無罪を勝ち取った柳原浩はその後、どのような生活を送っているのでしょうか。


冤罪事件が一人の人生を狂わせ、その後にどんな影響があるのか見ていきましょう。

 

 

氷見事件の犯人として逮捕された被害者・柳原浩の現在 

 

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柳原浩は真犯人発覚後に受けたインタビューで、家族が自分を見捨てたという警察の嘘で絶望し、弁明は聞き入れられず、半ば強制的に罪を認める方向に持っていかれたと明かしています。

 

同意だけを求められ、意見は述べられず、果てには捏造とも言える証拠で自白に追い込まれた柳原浩は、無罪が確定した後も元の生活には戻れませんでした

 

出所後に地元富山県で就職活動をしたものの、事件の影響で25社で不採用に。

 

さらに、取り調べで自白を強要されたことがきっかけでPTSDを発症し、就職活動は医師から止められることになりました。

 

また、国家賠償訴訟を起こしたことにより、家族である兄・姉からこれ以上家名を汚さないでくれと言われ、縁を切ることになったとも言われています。

 

 

無罪にもかかわらず服役したことで、約1000万円を補償金を受け取ることができたものの、当面の生活費や弁護士費用でその金も底を尽き、生活保護を受けざるを得ない暮らしのようです。

 

真犯人が現れて無罪が確定したものの、その後も事件の影響で思うように生きられない柳原浩は、違法捜査が生み出した氷見事件の被害者の1人と言えるでしょう。

 

 

まとめ

 

富山県氷見市で起きた冤罪事件「氷見事件」についてまとめました。


今後は、柳原浩のように罪のない人の人生が狂わされることがないよう、警察・検察にはクリーンな捜査を徹底してほしいものですね。

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