2005年に起きた「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」の犯人で指名手配されていた上地恵栄ですが、事件後に死亡していたことが2024年に明らかになっています。
今回は事件の概要や上地恵栄の出身・特徴、家族情報、沖縄での目撃情報や死亡が確定した現在をまとめました。
この記事の目次
上地恵栄は「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」の犯人
上地恵栄(うえちけいえい)は、2005年11月24日に発生した「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」の犯人です。
この上地恵栄は被害者に世話になっていたにもかかわらず身勝手な理由で逆上し、被害者を殺害たとみられています。
「恩を仇で返す殺人事件」であり、同情の余地がない殺人事件とも言われています。
上地恵栄が起こした「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」の概要
出典:twitter.com
2005年11月25日、三鷹市の居酒屋チェーン店の副店長をしていた永野和男さんが、東京都三鷹市上連雀二丁目の自宅アパートで遺体となって発見されました。
永野さんは勤務態度も良く真面目な性格でしたが、11月25日に無断欠勤をしたため、午後11時ごろに同僚が心配して永野さんの自宅を訪ねたところ、室内で死亡しているのを発見しました。
永野さんは胸や顔など約10ヶ所を包丁でめった刺しにされ、出血性ショックで死亡しています。凶器の包丁は室内の台所に転がっていましたが、財布からは現金が抜き取られていました。
また、玄関には鍵がかかっていましたが、2本あったはずの鍵のうち1本はなくなっていました。
警視庁捜査1課は強盗殺人事件と断定、三鷹署に捜査本部を立ち上げて捜査を行いました。そして、捜査をする中で上地恵栄が犯人として浮かび上がってきたのです。
上地恵栄が「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」を起こした理由とは?
捜査をする中で、上地恵栄が三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件の犯人と浮かび上がってきました。
上地恵栄はなぜ被害者の永野和男さんを殺害したのでしょうか?
上地恵栄は被害者宅に居候
上地恵栄(事件当時49歳)は、被害者の永野和男さん(事件当時55歳)とは知り合いでした。
永野さんの以前の勤務先で知り合ったようです。その勤務先は明らかになっていませんが、上地恵栄は永野さんと右翼仲間・麻雀仲間という情報もあります。
上地恵栄は定職についておらず、永野さんに頼み込んで永野さん宅に居候するようになります。
永野さんがなぜ上地恵栄を居候させたのかは不明ですが、真面目な性格だった永野さんは強引にしつこく頼んできた上地恵栄を断れなかったのかもしれません。
事件の数ヶ月前から上地恵栄が永野さんの自宅アパートに居候していたことが、近所の人の目撃情報から分かっています。
金の無心をしていた
上地恵栄は永野さん宅に居候していただけではなく、生活費も永野さんから出してもらっていました。居候中も定職に就く様子はなく、生活費を永野さんにせびり、飲み歩いていたようです。
近所の人が、夕方から上地恵栄が肩で風を切りながら飲み歩いていた姿を目撃しています。
そして、そんな上地恵栄を永野和男さんは負担に感じていたようです。
永野さんは事件前、知人に「居候が居座って困っている」と話していたことなどから、警視庁は、金に困っていた上地容疑者が永野さんを殺害し、現金を奪って逃走したものとみて行方を追っている。
普通に考えて、49歳のおじさんがアパートに居座り、しかも働きもせずに自分が稼いだ金で飲み歩いていたら、誰だって困りますし、早く出ていってもらいたいと思いますよね。
給料日直後に言い争いになった
事件が発覚する2日前の2005年11月23日、被害者の永野和男さんは勤務先の居酒屋を午後6時ごろに退勤しています。同僚の話によると、普段と変わったところはなかったとのことです。
退勤後の永野さんはJR中央線の中野駅近くにあるマージャン店や居酒屋などに行った後、24日未明(日付が変わった後)に自宅がある三鷹駅に戻り、帰宅しました。
そして、帰宅した後すぐに永野さんは上地恵栄に殺害されたと見られています。
同じアパートに住む住人が、11月24日午前1~2時ごろに、ものが激しくぶつかるような物音を聞いていますので、この時に永野さんは上地恵栄に殺害されたようです。
事件があった日は、永野さんの給料日の直後でした。給料日直後の永野さんに、上地恵栄は再度金の無心をしたと推測されています。
しかし、度重なる金の無心に嫌気がさした永野さんは上地恵栄の頼みを断り、それに逆上した上地が包丁で永野さんを執拗に刺して殺害し、現金を奪って逃走したと思われるのです。
上地恵栄が永野さんに包丁で襲い掛かった時、永野さんは抵抗してもみ合いになったようで、上地恵栄も腹部を負傷したことが現場に残されていた衣類から分かっています。
上地恵栄が逃亡して指名手配
11月25日に永野さんの遺体が発見された時、永野さんは一人暮らしをしていたと思われていました。
しかし、近所の人の目撃証言や室内に血液が付着した上地恵栄の下着・衣類があったことから、上地恵栄の犯行の可能性が高くなり、警視庁は上地恵栄を指名手配しています。
上地恵栄の年齢や特徴
上地恵栄は「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」で指名手配されました。
上地恵栄の年齢や特徴などは以下の通りとなっています。
・年齢:2005年の事件当時49歳
・身長:168cm程度
・体型:ガッチリ体型
・顔の特徴:前歯が抜けている、あばた顔
・趣味や嗜好:麻雀や競馬、競輪が好き
・習慣:毎日風呂に入る習慣はない
・持病:腰椎ヘルニア
上地恵栄は手配写真によってかなり印象が変わります。指名手配のポスターに使われている写真は、凶悪犯に見えますよね。
でも違う写真だと、殺人事件の犯人にはふさわしくない表現ですが、ちょっとイケメンに見えることもあります。
写真によって、上地恵栄は別人のように見えていたようです。
上地恵栄は沖縄出身の元ヤクザ 【家族はいる?】
上地恵栄は沖縄県出身であることが分かっています。沖縄の中学を卒業した後、本州に出てきて関東地方を転々としていたようです。
一時は暴力団に属していたようで、「元暴力団員」と報じられていました。
暴力団を抜けた後は、知人の家を転々として生活していたとのことです。
つまり、被害者の永野さんにしていたように無理やり居候をして、追い出されたら違う「獲物」を探して居候を繰り返していたということですね。
上地恵栄の家族の情報は不明ですが、このような生活を送っていたことから、事件当時は家族はおらず、独り身だった可能性が高いです。
上地恵栄の現在① 沖縄での目撃情報があるも発見には至らず
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上地恵栄は指名手配された後、目撃情報はいくつも集まっています。
テレビの公開捜査番組などでも上地恵栄は取り上げられ、目撃情報・逮捕につながる有力情報を募ってきました。
テレビで取り上げられたことでも注目が集まり、都内だけでなく、全国各地から上地恵栄に似た人物の目撃情報が集まっていたようです。
一時は、上地恵栄は沖縄に潜伏しているのでは?と見られていました。というのも、上地恵栄が沖縄で目撃されたという情報が捜査本部に寄せられたからです。
また、逃亡犯は沖縄県に潜伏していることも多いと言われています。リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の犯人・市橋達也も、一時は沖縄県の無人島に潜伏していましたよね。
しかも上地恵栄は沖縄県出身です。実家の家族や昔からの知り合い・親戚も沖縄にはいるはずです。つまり、上地恵栄の逃亡・潜伏の手助けをしてくれる人が沖縄にいる可能性があったのです。
ただ、沖縄県で目撃情報があり、東京から捜査員が派遣されて上地恵栄の捜索が行われた際は、目撃された人は上地恵栄とは別人であることが分かり、空振りとなりました。
出典:twitter.com
事件から2年後の2007年11月には、警察庁の捜査特別報奨金制度対象事件となって、300万円の懸賞金がかけられています。
しかし、上地恵栄の発見には至らず、インターネット上では上地恵栄は病死した、がんで死亡したとも囁かれていました。
警察は「THEHAI」というサイトを作り、AIで指名手配者の現在の顔写真を推測し公開しています。
上記の画像はAIが作った60代の上地恵栄の顔です。やはり15年以上経っていると、手配写真とはかなり変わっていますね。
上地恵栄の現在② 事件の3ヶ月後には死亡していた
出典:https://www.sankei.com/
指名手配されるも長く発見に至らなかった上地恵栄ですが、事件の翌年の2006年に死亡していたことが2024年4月になって明らかになりました。
未解決事件を扱う警視庁捜査1課特命捜査対策室は、上地恵栄に関する有力な情報が出てこなかったため、2024年に入って上地恵栄の死亡を視野に入れた捜査を始めたといいます。
すると、事件からおよそ3か月後に石川県加賀市内の山中で死亡しているのが見つかった身元不明の遺体とDNA型や指紋が一致し、この遺体が上地恵栄であると確定したとのことです。
上地恵栄の遺体は、近くの温泉を訪れていた男性により遊歩道の斜面で見つけられており、遺書はなかったものの状況から上地恵栄は自殺したものとみられています。
上地恵栄の現在③ 不起訴処分となる
「三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件」発生から約19年が経ち、実は事件からほどなくして死亡していたことが明らかになった上地恵栄は、容疑者死亡のまま書類送検されています。
その後、2024年6月に不起処分となったことが東京地検立川支部より発表されました。
不起訴の理由は明らかにされていませんが、被疑者死亡によるものとみられています。
上地恵栄のまとめ
三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件の概要と、犯人である上地恵栄の年齢や特徴・家族の情報、目撃情報や事件後に死亡していたことが発覚した現在をまとめました。
長く指名手配されていた上地恵栄ですが、事件からほどなくして死亡していたことが明らかになっています。事件から19年が経ち、ようやく捜査も終結することとなりました。