2001年に起きた室蘭女子高生失踪事件では、未だに被害者・千田麻未さんが行方不明です。
今回は室蘭女子高生失踪事件の経緯や被害者の人物像、パン屋の店長など容疑者3人、霊視による捜査結果などその後や現在を解説します。
この記事の目次
室蘭女子高生失踪事件の概要~被害者は女子高生・千田麻未さん
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2001年3月6日、北海道室蘭市の繁華街で1人の女子高生が突如行方不明になりました。
当時高校1年生だった千田麻未さんは、自宅からアルバイト先であるパン屋へ向かう途中で姿を消し、18年経った現在も発見には至っていません。
人通りの多い繁華街で白昼に起きた失踪事件は謎が多く、不可解な点もあったため、全国で大きな話題となりました。
事件が起きた当日は公立高校入試日だったため、千田麻未さんの通っていた北海道立室蘭栄高校を含め、周辺の高校は全て休校でした。
千田麻未さんは普段、自宅からほど近いパン屋でアルバイトをしていましたが、この日は自宅から7kmほど離れたパン屋の本店でコーヒーの講習を受ける予定だったと言います。
パン屋の本店で13時過ぎにオーナーと会う約束をしていて、ジーンズにベージュのブレザーで、バーバリーのマフラーに緑色の革靴姿で自宅を出た千田麻未さん。
しかし、13時46分に千田麻未さんは交際相手とPHSで会話をしたのを最後に、消息を絶ったのです。
自宅を出発しパン屋の本店へ向かうまでの間、千田麻未さんは数々の不可解な行動をとっていたことや、これだけの繁華街にも関わらず、有力な目撃情報もなかったことなどから捜査は難航。
事件に巻き込まれたのか、家出だったのか、真実は分からないまま、そして千田麻未さんの行方も安否も分からないまま、捜査は幕引きとなりました。
室蘭女子高生失踪事件の被害者・千田麻未さんとは
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北海道室蘭市で起きた白昼の失踪事件。忽然と姿を消した当時16歳の千田麻未さんとは、どのような人物だったのでしょうか。
千田麻未さんが通っていた北海道立室蘭栄高校は、市内でも有数の進学校で、千田麻未さんはその中でもトップクラスの成績を誇る優等生でした。
また、容姿端麗で男子生徒のファンも多かったと言い、噂ではファンクラブまで存在していたと言います。
そのファンクラブには他校の生徒もメンバーとして加わっていたとも噂されていて、まさに才色兼備な人気者だったようです。
さらに友人の話によれば、とても真面目で几帳面な性格だったそうで、手帳を作るのが好きだったそう。
きちんと予定を管理し、時間通りに行動する性格だったため、事件当日の千田麻未さんの行動にはより一層疑問が残る、と友人たちは口を揃えて証言しています。
室蘭女子高生失踪事件当日の千田麻未さんの足取りまとめ
事件が起きた2001年3月6日、千田麻未さんの足取りを以下にまとめました。
ただし、これらは全て千田麻未さんの関係者や目撃者からの証言を基にしたものであるため、その証言が全て正しいと仮定した上での足取りです。
証言した人の中に嘘を言っている者がいたことも考えられますが、警察の捜査上では関係者や目撃者の証言に嘘があったという情報もありませんでした。
【11時30分頃】
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千田麻未さんは、2001年3月6日の失踪する数時間前である11時30分頃、アルバイト先のパン屋の本店に電話をかけています。
「午後1時過ぎに行きたいのですが、オーナー(同店長)はいますか?」と、女性従業員と会話しています。
普段、千田麻未さんは自宅から4km程のところにある、このパン屋の支店でアルバイトをしていましたが、学校帰りに行けるようにと本店での勤務を希望したそうです。
しかし、そのためにはコーヒーの講習を受ける必要があり、この日その講習のために本店へ向かおうとしていました。
また、この日は公立高校入試のため、千田麻未さんも学校が休みで、制服ではなく私服で出かけました。
ジーンズにベージュのブレザーで、バーバリーのマフラーに緑色の革靴姿で、至って普通の女子高生ファッションだったそうです。
電話で、直接はオーナーと話はしていませんが13時過ぎに会うアポを取り、千田麻未さんは自宅を出ました。
【12時25分】
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白鳥台に住む千田麻未さんは自宅を出ると、コンビニに寄った後、「白鳥台中央」というバス停に向かい、「東町ターミナル」行きのバスに乗ったことが分かっています。
千田麻未さんがバスに乗り込むと、後部座席にすでに友人が乗車しており、この友人の証言ではバスに乗った千田麻未さんが自分に向かって手を振っていたと言います。
バスで30分ほどのところにパン屋の本店があるため、この時すでに約束の時間に間に合うギリギリでした。
しかし、ここから千田麻未さんはとても不可解な行動に出ます。
【12時56分】
千田麻未さんが乗ったバスは、パン屋本店の最寄りバス停である「東通り」に12時56分に到着しました。
しかし、千田麻未さんはなぜかここで下車せず、そのままバスに乗って最寄りバス停を通り過ぎたのです。
【13時過ぎ】
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そして、千田麻未さんは降りるべきだった「東通り」を3つ通り過ぎたバス停「東町2丁目」でバスを降りました。
パン屋の本店に行くと言った約束の13時を過ぎているにもかかわらず、千田麻未さんはバスを降りると室蘭サティに立ち寄って時間を潰すようにうろついていたと言います。
13時04分から13時26分の間、化粧品売り場で何もせずに過ごしている千田麻未さんの姿が店の防犯カメラに映っていたので、この情報は正しいものと考えられます。
20分以上の時間をそこで潰した後で、千田麻未さんがサティを出たところで、同級生の男子生徒が千田麻未さんを見かけ、道路越しに挨拶をしたと証言しています。
【13時31分】
店を出た千田麻未さんは「東町2丁目」のバス停を13時31分に発車するバスに乗り、「東通り」のバス停で13時41分頃に下車したと推測されます。
しかし、実はこのバスには23人もの乗客が居たのに、千田麻未さんの目撃したという情報は得られていません。
道南バスによれば、この時通学定期券を使って乗車した人が1人だけだったことから、これが千田麻未さんだったのではないかと考えられますが、残念ながらあくまで推測でしかありません。
【13時42分】
千田麻未さんがバスを降りてすぐ、当時交際していた男性が千田麻未さんのPHSに電話をかけ、「今、下に着いたよ」と言ったそうです。
室蘭市では、市街地のことを「下」、千田麻未さんが住んでいた高台の白鳥台のことを「山」と言う習慣があるそうです。
千田麻未さんがこの時言ったのは、パン屋本店のある市街地に到着したという意味だと考えられます。
また当時、PHSの記録を見てもアンテナの中継場所がパン屋本店のある東通り付近を示していたことが分かっているので、この時間にパン屋本店付近にいたことは間違い無いでしょう。
【13時46分】
その後、再び交際相手が千田麻未さんに電話をかけた際には、千田麻未さんは「今話せないから、あとで掛け直すね」と言って電話を切ったそう。
これが、千田麻未さんが消息を絶つ前の最後の会話となってしまいました。
この時、話をした交際相手は千田麻未さんが「室内にいる気がした」と証言していて、「特に緊迫した様子などはなかった」と話しています。
千田麻未さんはこの時点で自身の身に忍び寄る危険を感じ取ってはいなかったのかもしれませんし、もしかすると既に事件に巻き込まれていたのかもしれません。
この電話を最後に、千田麻未さんのPHSは繋がらなくなり、千田麻未さんは行方不明となりました。
室蘭女子高生失踪事件の不可解な点2つ
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①パン屋の本店の最寄りバス停で下車しなかった
千田麻未さんをよく知る友人たちは皆、千田麻未さんについて、とても几帳面で真面目な性格だったと証言していて、約束をすっぽかしたり、堂々と遅刻するのは考えられないと言います。
では、なぜ千田麻未さんは、約束の時間を過ぎているにもかかわらず、パン屋本店の最寄りバス停を通り過ぎて、ショッピングモールの化粧品売り場をウロウロしていたのでしょうか。
しかも、少し時間を潰した後、わざわざバスに乗ってパン屋本店の最寄りバス停へ戻っていたという行動はかなり不可解です。
考えられるのは、千田麻未さんがパン屋の本店に電話をしてアポを取った際、対応した女性従業員が証言した「13時過ぎ」という約束の時間自体が記憶違いだったという可能性です。
もし、女性従業員の記憶違いだったとすれば、今度は会う約束をしていたオーナーの証言も重要になってきます。
パン屋本店のオーナーは「昼過ぎに来ると思い、13時30分まで店で待っていたが来なかったため外出しました。その後体調がすぐれなかったので、家で寝ていました」と証言。
ということは、やはり約束の時間は13時過ぎで、女性従業員の証言は正しかったと思われます。
②約束の時間を過ぎていたのに、オーナーが千田さんのPHSに電話しなかった
ここで、次に不可解に思われる点はパン屋本店で千田麻未さんが来るのを待っていたオーナーは、なぜ千田麻未さんのPHSに電話をしなかったのでしょうか。
オーナーは、時間になっても現れない千田麻未さんのことを気にかけて彼女を探しに外出したと話しています。
時間に遅れた時点で何かあったのかと心配するのは当然です。しかし、まず電話をして、繋がらなくて心配になり、探しに行く…というのが一般的に考えられる順序だと思います。
ましてや、几帳面で真面目な性格で知られていた千田麻未さんの場合はなおさらです。
千田麻未さんのPHSに連絡はせず、店を出して探しにいって、見つからなくて家へ戻って寝ていた、というオーナーの話はやはり筋が通っているとは思えません。
室蘭女子高生失踪事件の犯人として考えられる人物とその理由 【パン屋の店長など3人】
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①パン屋オーナー
交際相手の証言やPHSの記録から、千田麻未さんは失踪直前にパン屋本店の付近にいたことは間違いありません。
また、最後の電話で、交際相手の男性は「室内にいる気がした」と話していることから、千田麻未さんが失踪する直前に最後に会っていたと考えられるのが、パン屋のオーナーです。
オーナーの証言は信憑性に欠けることや、最後に会った人物として最も有力だと考えられること、そしてオーナーが体調不良で家で寝ていたというアリバイを証言する人もいませんでした。
さらに、これは警察から公表された情報ではありませんが、そもそもコーヒーの講習など存在しないと証言している従業員もいたそう。
しかし、コーヒーの講習を行うという名目で麻美さんはパン屋の本店に向かったわけですから、やはりオーナーへの疑いは拭いきれません。
また、当時この事件を独自に調べていた自称探偵の人のサイトには、「パン屋の本店が入っていたビルはオーナー所有のビルであり、階上の空き室を居住スペースに使っていた可能性がある」と記述されています。
そのため、空室で千田麻未さんを監禁殺害したという説を支持する人も多いそう。
繁華街で起きた事件と言っても、パン屋の本店を少し入れば人通りが少なめの中央分離帯のある道で、もう少し裏手には森もあったり、近くで大きな工事が行われていたため騒音で紛れることも可能でした。
つまり、実際には人目につかないように犯行に及ぶことが可能な環境だったようです。
そのため、警察もまず初めにパン屋のオーナーを疑い、3日間に渡って任意の事情聴取を行いました。
そして、所有する車両の押収、自宅と店の捜索などありとあらゆる手を尽くしてオーナーが事件に関わっている証拠を掴もうと、懸命に捜索が行われました。
しかし、事件の手がかりとなる、千田麻未さんの髪の毛1本見つけることができず、オーナーは釈放されています。
ただ、その後も執念深くオーナーの周辺は調べられており、オーナーが被疑者として疑われていることが噂になると、パン屋は閉店を余儀なくされました。
オーナーはその後、別の土地へと移り住む際に自身が住んでいた家を取り壊したそうです。
これを怪しんだ警察は、更地になった土地をわざわざ重機を使って掘り起こして基礎の部分まで徹底的に調べました。
もしかしたら千田麻未さんの死体が埋まっているかもしれない、と思ったからです。
しかし、そこまで調べても千田麻未さんの手がかりは何1つ出ては来ませんでした。
②交際相手
警察は高い確率でパン屋のオーナーを犯人だと疑っていましたが、地元では千田麻未さんの交際相手だという人にも疑惑の目が向けられました。
なぜなら、ファンクラブができるほどの人気者だった千田麻未さんに、交際相手がいるという話は一切誰も知らなかったからです。
千田麻未さんは成績優秀、真面目で、顔立ちもとても綺麗な、まさに才色兼備な女性でしたから、特に男性からの人気が高かったと言います。
男性たちは寄ってたかって千田麻未さんと「お近づきになりたい」「交際したい」という願望を持っていたはずですし、高嶺の花な存在だったはずです。
もし千田麻未さんに交際相手がいたら、誰か1人くらいその事実を知っていてもおかしくありません。
取り巻きの男性たちも、千田麻未さんと親しかった友人も、交際相手の存在を知らなかったというのは確かにちょっと不思議です。
また、パン屋のオーナーの証言によると、千田麻未さんは当時ストーカー被害に遭っていたと言います。
オーナーによると、「いたずら電話が多いから、知らない電話番号は出ないようにしている」と話し、自宅近くにもストーカーがいるため、アルバイトを早番にしてほしいとの相談も受けていたそうです。
周囲が千田麻未さんと交際相手のことを知らなかったことから、実際には交際相手ではなく、ストーカーだったのではないかという噂が流れたのです。
ただ、思春期の男女なので交際を周りに話していないというケースも珍しくないですし、交際して間もなかったとしたら、まだ知られていなかったことにも納得できます。
千田麻未さんが最後に電話で会話をしたと思われるのも交際相手で、千田麻未さんの足取りに関して重要な証言も彼から得られています。
ですから、交際相手が犯人なのではないかというのは、事件が解決に至らなかったため、様々な憶測が飛び、地元の人たちの間で流れた単なる噂でしかありません。
最後の電話の様子や会話の内容など、重要な証言をしていますが、それ以外には警察から疑いをかけられたという話もなかったので、捜査の中で交際相手に不可解な点はなかったと言えます。
③北朝鮮の工作員
最後に、この事件の真犯人として最も有力な説だとされているのが、北朝鮮の工作員に拉致されたという説です。
拉致被害者として知られる横田めぐみさんも、同様に白昼堂々、人通りの多いところで拉致されています。
北朝鮮の工作員による拉致は、特定の場所で行われることが多いとされ、千田麻未さんが拉致された付近でも過去に1件例があったため、この説が疑われています。
また、千田麻未さんが室蘭サティからパン屋本店に向かうために乗ったバスには23人の乗客が乗っていましたが、実は3人の身元が分かっていないという情報があります。
これだけ白昼堂々、女子高生を拉致してどこかに監禁し、殺害、死体遺棄までを誰にも見つからず、しかも証拠も残さず行うというのは、現実的には不可能に思えます。
だとすれば、もうすでに捜査の及ばない場所へ拉致された可能性を考える他ありません。
ただ、こちらも確かな証拠は何もなく、単なる憶測でしかありません。
室蘭女子高生失踪事件の捜査が難航した理由3つ
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①初期捜査の時点で警察犬を使わなかった
この室蘭市女子高生失踪事件が未解決に終わってしまった1番の要因は、失踪事件として捜査に乗り出した初期の時点で、警察犬を導入しなかったことだとされています。
本来、失踪事件や誘拐事件だと考えられる場合には、即座に警察犬が捜査に導入されます。
しかし、なぜかこの捜査では初期の時点で警察犬を導入しなかったため、千田麻未さんの行方が分からなかったのです。
失踪当日の時点で警察犬を導入していれば、千田麻未さんの足取りは掴めたはずですし、もしも監禁されていた場合や、殺害され遺棄されていた場合にも、発見に至った可能性が高いです。
本人の行方が分からない以上、残念ながら捜査は難航して当然です。
②私服だったため目撃情報が少ない
この事件の特徴として、千田麻未さんに関する目撃情報が極端に少なかったことが挙げられます。
友人や交際相手からは証言を得られましたが、街での聞き込みなどでの証言はあまり得られませんでした。
その理由として、この日千田麻未さんが私服で出かけたため、制服を着ていなかったということが挙げられます。
制服を着ていれば、どこの高校の生徒なのかということがひと目で分かりますから、バスに乗っていても街を歩いていても人の目につきやすいものです。
しかし、私服を着ていた千田麻未さんは、街に溶け込んでしまい、なかなか重要な目撃情報を得ることできなかったと考えられます。
行方不明者の捜索には目撃情報が必須となるので、目撃情報が極端に少なかったこの事件は未解決となってしまったと言えます。
室蘭女子高生失踪事件の現在~霊視による捜査の結果は?
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現在、事件発生から20年の年月が経ちましたが、捜査開始時には2000人の捜査員を導入して行われた捜査も虚しく、もし生きていたら38歳となる千田麻未さんの発見には至っていません。
テレビ番組でも扱われ、霊視による犯人探しや千田麻未さんの居場所探しが行われたこともあります。しかし、これも解決には至りませんでした。
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現在の顔を推定した画像
未解決事件として処理され、その真相は闇の中ですが、ご家族、特にご両親の心中を察すると本当に胸が痛くなります。
ご家族はそれでも、もしかしたら元気な姿で帰ってくるのではと信じて待っているでしょう。
何か1つでも手掛かりになる情報をお持ちの方は、是非とも室蘭警察署まで一報をお願いしたいです。
千田麻未さんの無事を祈るばかりです。
まとめ
2001年に起きた室蘭女子高生失踪事件は白昼堂々、繁華街で起きました。
千田麻未さんの行動や、関係者の行動、証言について不可解な点がいくつもある事件でしたが、結局真相の解明には至っていません。
せめて千田麻未さんの発見を、と願いますが、それさえも叶わず、未解決事件となっています。
どんな些細なことでも千田麻未さんに関する情報が室蘭警察署に届き、1日も早く千田麻未さんが家族の元へ帰る日を願うばかりです。