シェーグレン症候群という病気を知っていますか?シェーグレン症候群とは、簡単に言うと、全身が乾燥してしまう病気です。この病気は、外見からはなかなか症状が見えないので、周囲の人に理解されにくい病気です。でも、患者本人はかなりつらい病気ですので、周りの理解が必要です。
シェーグレン症候群の基礎知識とシェーグレン症候群を患っている芸能人・有名人、シェーグレン症候群の症状と原因、治療方法、日常生活でのポイントをまとめました。
シェーグレン症候群とは
シェーグレン症候群とは、涙や唾液などの分泌量が低下して、全身が乾燥してしまう病気です。
私たちは泣いている時以外でも、少量ずつ涙が分泌されているので、目が乾くことはありません。唾液も、24時間ずっと分泌されています。鼻水もそうですね。
でも、シェーグレン症候群になると、全身の分泌されるべき体液(涙や唾液など)が分泌されなくなるので、全身が乾燥するんです。
シェーグレン症候群は自己免疫疾患になります。自分の免疫機能に異常が生じて、分泌腺に炎症が生じて、涙や唾液が分泌されなくなるんですね。厚生労働省からは難病に指定されている病気です。
このシェーグレン症候群の男女比は1:14と女性に多いことが特徴で、50代が好発年齢となっています。厚生労働省の調査によると、2011年の時点でシェーグレン症候群の患者さんは全国に68,000人程度いるとされていますが、発症しているけれどまだ診断されていない(病院を受診していない)人を含めると、20~30万人はいるのでは?と推測されています。
シェーグレン症候群の芸能人・有名人5名
シェーグレン症候群を患っている芸能人・有名人をご紹介します。日本にはわかっているだけで68,000人程度しかいない病気ですので、シェーグレン症候群を患っていると公表している芸能人・有名人はあまり多くありません。
1.和田アキ子さん
出典:thetv.jp
和田アキ子
生年月日:1950年4月10日
出身:大阪府大阪市
身長:174cm
所属:ホリプロ
血液型:O型
活動:タレント、歌手
タレントや歌手として活躍している和田アキ子さんは、シェーグレン症候群であることを公表しています。和田アキ子さんは2016年10月に自身のラジオ番組でシェーグレン症候群であると話しました。
涙や唾液が出ないなどの症状があるそうで、「水がないと生きていけない」と口を潤すために、水を手放すことができない状態なのだそうです。歌うこと、話すことが仕事の人にとって、このシェーグレン症候群は辛いと思います。
2.菊池桃子さん
出典:sankei.com
菊池桃子
生年月日:1968年5月4日
出身:東京都品川区
所属:パーフィットプロダクション
血液型:B型
活動:タレント
タレントの菊池桃子さんも、シェーグレン症候群を患っている芸能人です。2012年に週刊誌で告白しています。
同年にはプロゴルファーの西川哲さんと離婚しているので、離婚に向けてのストレスなどでシェーグレン症候群を発症したのでしょうか。ちなみに、離婚する前から、健診を受けた時にシェーグレン症候群であると診断されたとのことです。
3.夏目亜季さん
出典:sirabee.com
夏目亜季
生年月日:1990年10月26日
出身:京都府舞鶴市
身長:148cm
所属:プロジェクトnap、NHKから国民を守る党
血液型:A型
活動:アイドル、政治家
アイドルとして活動していて、2019年にはNHKから国民を守る党から出馬し、新川区議選挙に当選した夏目亜季さんも、シェーグレン症候群を公表しています。
ま、やはり。全身性エリトマトーデスからくるシェーグレン症候群にもなってたよね!
この方はシェーグレン症候群だけでなく、自己免疫性溶血性貧血やくも膜下出血、子宮頸がん、全身性エリテマトーデスなどの難病も抱えています。
4.ヴィーナス・ウィリアムズさん
ヴィーナス・ウィリアムズ
生年月日:1980年6月17日
出身:アメリカのカリフォルニア
身長:185cm
活動:プロテニスプレーヤー
プロテニスプレーヤーのヴィーナス・ウィリアムズさんは、2011年にシェーグレン症候群であることを公表しています。テニスの世界ランキング1位になるような人でも、シェーグレン症候群になるということですね。シェーグレン症候群のために、2011年の全米オープンは2回戦で棄権していますが、その後は復帰されています。
5.ダレノガレ明美さん
ダレノガレ明美
生年月日:1990年7月16日
出身:神奈川県横浜市
身長:164cm
所属:LIBERA
血液型:B型
活動:タレント、モデル
ダレノガレ明美さんは、シェーグレン症候群と診断されたわけではありません。「駆け込みドクター!運命を変える健康診断」では、ドライマウスとドライアイの症状があることを告白し、共演していた大竹医師からシェーグレン症候群の可能性があることを指摘されています。
シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群の症状は、基本的に涙や唾液などが分泌されなくなることです。涙や唾液が分泌されなくなっても、そんなに重要なことではないんじゃない?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
次のような症状が起こってくるんです。
・口の中の乾燥=口が乾く、水をたくさん飲む、話すのが辛い、味覚が鈍くなる、口の中がいたい、虫歯が多い、夜に口が乾いて寝られない、唾液腺が腫れて痛い、食べ物を飲み込みにくくなる
・鼻の乾燥=鼻が乾いてヒリヒリする、鼻血が出やすくなる、鼻の中にかさぶたができる
・発熱
・関節が痛い
・毛が抜ける
・肌荒れ
・頻尿
・紫斑
・皮疹
・レイノー現象
・アレルギー
・日光過敏
・疲労感
・記憶力低下
・めまい
・集中力の低下
・うつ症状
これらの症状も地味に辛いですが、なかなか周囲には理解されにくい症状ですよね。
シェーグレン症候群の原因
シェーグレン症候群の原因は、きちんと解明されていません。自己免疫疾患で、自分の免疫に異常が生じてしまうことが原因ですが、なぜ自分の免疫に異常が生じるのかはわかっていないんです。
ただ、次の4つの要因が原因になっていることはわかっています。
・環境
・免疫異常
・女性ホルモン
シェーグレン症候群は必ず遺伝するものではありません。シェーグレン症候群が遺伝するのは、約2%とされています。また、ウイルスなどに感染することで免疫異常が生じると考えられています。
そして、患者の男女比は1:14と圧倒的に女性が多いことから、女性ホルモンがシェーグレン症候群の発症には関係していると考えられています。
この4つの原因はどれか1つだけで発症するのではなく、この4つが複雑に絡み合って発症するとされています。
シェーグレン症候群の治療
シェーグレン症候群は、現時点では完治できる治療方法はありません。そのため、症状を抑えるような治療、症状を補完するような治療を行うことになります。
ドライアイを防ぐためには、涙の分泌を促す点眼薬や人工涙液などを用います。また、目の乾燥を防ぐメガネをかけることもありますね。
口の乾燥に対しては、水分摂取を促すこと以外に、人工唾液を口の中に塗ったり、口の中の保湿ジェルを塗ったりします。さらに、梅干しやレモンで唾液の分泌を促したりします。
関節炎など炎症の症状が全身に広がっている時には、ステロイド薬や免疫抑制剤を用いることもあります。
シェーグレン症候群の日常生活での注意点
シェーグレン症候群の日常生活での注意点を見ていきましょう。日常生活内でできることを行うことで、症状の辛さを改善できたり、病気とうまく付き合っていくことができるんです。
目を酷使しない
シェーグレン症候群では、目を酷使してはいけません。ドライアイで目に負担がかかっているのですから、その上さらに目を酷使したら、ドライアイはさらに悪化してしまいます。
ドライアイが悪化したら、目の痛みは強くなりますし、ものが見えにくくなるなどQOL(生活の質)が下がってしまいます。
だから、シェーグレン症候群の人は、次のようなことに注意しましょう。
・パソコンの使い過ぎにも注意
・眼を休める時間を作る
・睡眠も大切
虫歯には注意する
シェーグレン症候群の人は、虫歯にも要注意です。唾液は口の中の虫菌を洗い流してくれる役割がありますが、唾液が分泌されないと、虫歯菌がどんどん繁殖してしっまい、虫歯になりやすくなるのです。
・キシリトールなどを利用する
・歯科に定期的に通う
刺激の少ない食べものを選ぶ
シェーグレン症候群の人は、刺激の少ない食べ物を選びましょう。唾液は口の中を刺激から守ってくれる保護作用があります。でも、シェーグレン症候群の人はその保護作用がありません。
・香辛料は控えめに
・アルコールも控えめに
・硬すぎるものも避けたほうが良い
このようなことに気をつけて、口の中を刺激から守るようにしてください。
禁煙する&ストレスを溜めない
シェーグレン症候群の人は禁煙することも大切です。喫煙は口腔内の環境を悪化させます。喫煙すると、唾液が分泌されにくくなるんです。
ストレスをためることでも、唾液は分泌されにくくなって、口の中はカラカラに乾燥してしまいます。
だから、シェーグレン症候群の人は、禁煙することとストレスを溜めないようにすることは大切なんですね。
まとめ
シェーグレン症候群の基礎知識とシェーグレン症候群を患っている芸能人・有名人、シェーグレン症候群の症状や原因、治療方法、日常生活内でのポイントをまとめましたが、いかがでしたか?
シェーグレン症候群は地味に辛い病気です。周りの人がしっかりと理解してあげることが大切ですね。