マルファン症候群とは

 

マルファン症候群とは、全身の結合組織が脆くなる遺伝性の疾患です。

 

全身の結合組織には、次のようなものがあります。

 

 

簡単に言うと、全身を支えて形作ってくれている組織が脆いから、それによっていろいろな部分に不具合が出てくるという病気ですね。

 

マルファン症候群は優性遺伝をします。75％が両親からの遺伝であり、25％が突然変異で発症するというデータがあります。

 

遺伝疾患ですから、両親のどちらかがマルファン症候群だと子供がマルファン症候群になる確率は50％になります。現在の日本には約20,000人の患者がいると言われています。

 

 

マルファン症候群の診断基準

 

マルファン症候群は、学会から次の診断基準が出されています。

 

主要臨床症状
１．過伸展を伴う長い指、側弯、胸部変形等を含む身体所見
２．水晶体亜脱臼・水晶体偏位等を含む特徴的眼科所見
３．大動脈基部病変（20歳以上では大動脈基部径（バルサルバ洞径）の拡大がZスコア≧2.0、20歳未満ではZスコア≧3.0）（※術後症例の基部病変については術前の状態を遡って診断することが可能）

 

引用：マルファン症候群（指定難病１６７） 難病情報センター

 

 

この3つのうちのどれかを満たすと、マルファン症候群と診断されることになります。

 

 

マルファン症候群の特徴①　全身の外見的な特徴

 

マルファン症候群は次のような外見的な特徴が現れます。

 

 

とにかく背が高くてひょろっとしている、さらに指も長い、これが、マルファン症候群の主な特徴です。

 

ただ、これらの特徴が出ないマルファン症候群の人もいます。

 

 

マルファン症候群の特徴②　顔つき　

 

続いて、マルファン症候群の顔つきの特徴を見ていきましょう。

 

 

マルファン症候群の顔つきは、これらの特徴を見るとすぐに分かりそうですが、必ずしもこれらの特徴が現れるわけではありませんので、注意が必要です。

 

 

マルファン症候群の特徴③　かかりやすい病気

 

マルファン症候群の人は全身の結合組織が脆いですから、血管が割けたり、骨格が曲がったりしやすいです。

 

そのため、次のような病気になりやすいのです。

 

 

特に、大動脈解離や大動脈瘤破裂などの病気で30歳前後で突然死することも少なくなく、マルファン症候群の人は寿命が短かったのです。

 

ただ、現在では年1回、循環器内科等でフォローアップを受けて、適切な治療をすることで、高齢になっても元気に過ごすことができるようになってきています。

 

 

マルファン症候群の芸能人・有名人8人　【米津玄師など】　

ここからは、マルファン症候群の芸能人・有名人を見ていきましょう。

 

1．米津玄師

 

幅広い世代からの指示を集めるミュージシャンの米津玄師さんは、自身がマルファン症候群であることを告白しています。

 

ツイッターで言われて知ったんですけれど、マルファン症候群っていうのがあるらしくて。その疑いがあります、調べてみてくださいって言われて。検索してその特徴を見たら、画像にまんま俺みたいな人が出てくるんです。四肢が長くって。それが発覚して、自分は最初からそうだったんだなって思うようになりました。

 

引用：「Lemon」がミリオンDL突破米津玄師がオルタナティブを語る | HIGHSNOBIETY.JP（ハイスノバイエティ）

 

このインタビューで触れている「ツイッターで言われて知った」というのは、このツイートだと思われます。

 

@hachi_08 マルファン症候群の特徴が見られるので一度受診した方がいい
胸や背中に激痛が走ったら直ぐに救急車を呼ぶ事

— R (@R25394968) May 16, 2018

@hachi_08 君の長い指と手足、高い背丈、頭蓋骨の形状、歯並びが悪かった事、耳の大きい事、頭痛、視力の低下、骨格が歪な事は全てマルファンの特徴に当て嵌まる 二十代前半で死ぬ事もあるんだ 頼むから専門医の所へ行ってくれ 大病院の医師でも見落とす事がある 早い内に判れば対処できる

— R (@R25394968) June 2, 2018

この人が米津玄師さんにマルファン症候群についての注意喚起をしたために、米津玄師さんは自分がマルファン症候群であることを知ることができたというわけですね。

 

すごい猫背なんですよ（笑）。これまでは写真を撮る時も必要以上に背をまっすぐ伸ばしたりしてたんですけど。「そういうもんだしな」って。マルファン症候群の症状の一つに、骨の湾曲みたいなものがあるらしくて。俺の背骨ってめっちゃ曲がってるんですよ。

 

引用：「Lemon」がミリオンDL突破米津玄師がオルタナティブを語る | HIGHSNOBIETY.JP（ハイスノバイエティ）

 

 

そういう意味でも、自分にとっての伏線を回収した年なんですね、自分がマルファン症候群だったというのが判明したのも今年だし。

 

引用：「Lemon」がミリオンDL突破米津玄師がオルタナティブを語る | HIGHSNOBIETY.JP（ハイスノバイエティ）

 

このツイートした人も述べているように、米津玄師さんはマルファン症候群の典型的な特徴を持っていますよね。

 

マルファン症候群は大動脈解離などで若くして突然死することもありますから、この善意のツイートが米津玄師さんの命を救ったと考えることもできます。

 

そして、米津玄師さんが自分がマルファン症候群であることを公表したことで、マルファン症候群が世間に広く認知されることになりました。

 

今まで自分がマルファン症候群だとは思わなかった人も、「マルファン症候群かも」と気づくことができるというわけですね。

 

 

2．下地和明　

 

元バスケットボール選手の下地和明さんは、大学時代から日本代表候補にも選ばれるほどの選手でした。

 

しかし、1997年に試合中にマルファン症候群が原因の解離性大動脈瘤を起こして、救急搬送されます。

 

これにより一度は引退したものの体調が良くなり、競技復帰を果たしていましたが、再び解離性大動脈瘤を起こして、引退しています。

 

その後、指導者に転身した下地和明さんでしたが、3度目の解離性大動脈瘤を起こし、昏睡状態に陥りました。

 

熱心なリハビリで指導現場に再び復帰できたようで、現在もバスケットボール指導者として活動しています。

 

 

3．セルゲイ・ラフマニノフ　

 

ロシアのピアニストであるセルゲイ・ラフマニノフさんも、マルファン症候群だったと言われています。

 

彼はかなり指が長く、さらに指の関節も柔らかかっため、ピアノ演奏には有利でした。このような手を持っていたのは、マルファン症候群だったからとされています。

 

 

4．フローラ・ハイマン　　

 

フローラ・ハイマンさんはアメリカのバレーボール選手で、ロサンゼルスオリンピックの銀メダリストです。

 

1982年から日本のダイエーでプレーをしていましたが、1986年に日本でプレー中に意識を失い、そのまま死亡しました。

 

アメリカの調査により、マルファン症候群による大動脈解離が死因だったことが分かっています。

 

 

5．アメンホテプ4世　

 

古代エジプト第18王朝のファラオであったアメンポテプ4世。

 

その像を見ると、マルファン症候群の特徴を複数持っているため、マルファン症候群だったのではないかと言われています。

 

 

6．ジョナサン・ラーソン　

 

「レント」などの代表作がある、アメリカの作曲家、脚本家だったジョナサン・ラーソンさんは、未診断ではありますが、マルファン症候群だったのではないかと言われています。

 

マルファン症候群による大動脈解離で、35歳の若さで亡くなりました。

 

 

7．ヴィンセント・スキャヴェリ　

 

アメリカの俳優であるヴィンセント・スキャヴェリさんは、マルファン症候群だったと言われています。

 

193cmという長身で、マルファン症候群の特徴を複数持っていました。

 

 

8．ハビエル・ボテット　

 

スペインの俳優であるハビエル・ボテットさんは、マルファン症候群です。

 

204cmという長身ながら、体重は45キロしかありません。

 

 

マルファン症候群の疑惑がある芸能人　【桐谷美玲とアンガールズは？】

 

マルファン症候群の特徴と言えば、長身でやせ型であることです。この特徴を満たすと、「マルファン症候群かもしれない？」と疑ってしまいますよね。

 

 

出典：oricon.co.jp

 

 

出典：girlschannel.net

 

芸能界で言えば、桐谷美玲さんやアンガールズの2人が、この「背が高くて細い」という特徴に当てはまります。

 

桐谷美玲さんは確かに細いです。太ももが太ももじゃないくらいに細いですね。ただ、小顔なのでスタイルが良く見えますが、身長は163.5cmとそこまで高身長とは言えません。

 

ただ、骨格を見る限り、桐谷美玲さんはマルファン症候群ではなさそうです。

 

 

アンガールズの2人も身長は、田中さんが188cm、山根さんが180cmと高いですし、デビュー当時から今までずっと細いままですよね。

 

アンガールズの田中さんは骨格的に少し違うようにも思えますが、山根さんは少し怪しいかもしれませんね。

 

桐谷美玲さんやアンガールズの2人がマルファン症候群かどうかは、公表されていないので不明です。

 

ただ、マルファン症候群は外見の特徴があまり出ないこともあるので、今後も見守る必要がありそうですね。

 

 

まとめ

マルファン症候群の診断基準、全身や顔つきなど特徴、芸能人や有名人をまとめましたが、いかがでしたか？

 

 

マルファン症候群は定期的に検査を受けてフォローアップしていくことで、長生きできるようになっています。

 

もし、「マルファン症候群かも？」と思ったら、専門医を受診するようにしましょう。