潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起こる病気です。大腸の粘膜に炎症が起こると、びらん（粘膜がただれた状態）ができたり、潰瘍ができたりします。潰瘍とは口内炎を想像してもらえればOKです。

つまり、潰瘍性大腸炎は、大腸の内側がただれてしまったり、口内炎のようなものが複数できてしまう病気ということですね。想像しただけで痛そうだし、大変そうですよね。

この潰瘍性大腸炎は指定難病の1つで、まだ原因も明らかになっていないし、根治のための治療法も明確には確立されていないんです。

潰瘍性大腸炎は、人口10万人当たり100人が発症しますので、1000人当たり1人の割合です。つまり、そこまで珍しい病気ではないということになります。

患者の男女比は1：1で、子どもから高齢者まで幅広い年代の人が発症します。

潰瘍性大腸炎は根治が難しく、寛解と再燃を繰り返すことが特徴です。つまり、一度症状がなくなり寛解状態になったとしても、また症状が出てきてしまうということもあるので、難しい病気なんです。

潰瘍性大腸炎の男性芸能人・有名人10名～安倍晋三元首相が有名

潰瘍性大腸炎の男性芸能人・有名人をご紹介します。

1．安倍晋三さん

第90代・第96代・第97代・第98代内閣総理大臣の安倍晋三さんは、2007年に潰瘍性大腸炎を発症しています。発症時は内閣総理大臣という重職を担っていましたが、この難病が原因で内閣総辞職をしています。

最初は「腹痛だけで総理大臣を辞めるなんて無責任だ！」という批判もありましたが、安倍晋三氏のおかげで潰瘍性大腸炎がどんなに辛い病気なのかが世間一般に広まったのは間違いありません。

2．安達了一さん

オリックス・バファローズのショートであり、堅守が魅力の安達了一さんは、2016年1月の自主トレ中に潰瘍性大腸炎を発症し、入院しています。その後は数ヶ月で回復していますが、また2017年9月に再燃し、また入院加療をしています。

その後は、症状は落ち着いているようですので、今後も不動のショートとしての活躍が期待されます。

3．須田慎一郎さん

ジャーナリストの須田慎一郎さんも、「そこまで言って委員会NP」に出演した時に、潰瘍性大腸炎を患っていることを告白しています。

7、8年前に発症し、ひどい時は1日20回から30回、血便や下痢に見舞われ、どこに行くにも常にトイレの場所を確認していました。アサコールに出会った当初は1回2錠飲んでいたんですが、私は寛解期を保てているので、今は1回1錠しか服用していません

 

引用：野次も健康状態悪化のせい？「安倍総理」に上がる“明らかに顔色が悪い”との声 | デイリー新潮

発症した当初はかなり症状がひどかったようですね。

4．佐々木俊尚さん

作家でジャーナリストの佐々木俊尚さんも、潰瘍性大腸炎を患っていることを告白しています。

この難病を揶揄する人が時々いるのですが、馬鹿にする前にこの記事を読んでほしい。私も20年近く付き合ってますが、再燃すると本当辛いのです。／突然襲ってくる便意！潰瘍性大腸炎はどんな病気？がん化する？ https://t.co/DM5PWkG2YM pic.twitter.com/WwQTENpH83

— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) July 3, 2019

Twitterでもたびたびこの潰瘍性大腸炎に関することをツイートしていますね。20年近くもこの難病と付き合ってきた人の言葉は重いです。

5．中道勝士さん

2016年に育成5位でオリックス・バファローズに入団した中道勝士さんは、ドラフト直後の2016年に潰瘍性大腸炎を発症します。オリックスは受診等の手はずを整え、治療のサポートを行いましたが、そのシーズンはほとんど二軍戦にも出場できなかったため、シーズン終了後に戦力外通告を受けています。

6．朝日大輔さん

プロサッカー選手だった朝日大輔さんは、現役中の2014年に潰瘍性大腸炎を発症します。そのせいもあったのか、2015年シーズン終了後には現役引退を発表し、コーチとしてサッカー指導者の道を歩み始めています。

7．細川和彦さん

プロゴルファーの細川和彦さんは、2001年に潰瘍性大腸炎を発症しています。発症後は成績が低迷していましたが、2005年「日本ゴルフツアー選手権」で日本のメジャー大会では復活優勝を遂げています。

8．ダレン・フレッチャーさん

スコットランド代表であり、長年マンチェスターユナイテッドで活躍していたダレン・フレッチャーさんは、2011年に潰瘍性大腸炎を患っていることが公表されました。長期離脱を余儀なくされましたが、2013年には手術を受けて、無事復帰しています。

9．もこうさん

ゲーム実況者であり、Youtuber・プロゲーマーとして活躍し、チャンネル登録者は合計100万人を超えているもこうさんは、中学1年生の時に潰瘍性大腸炎を発症しています。

長期入院し、中学2年生になってようやく登校できるようになっても、あまり学校に馴染めずに不登校になってしまったとのことです。

10．重永亜斗夢さん

プロゴルファーの重永亜斗夢さんは、2013年に潰瘍性大腸炎を発症しています。難病を抱えながらプレーをしていましたが、2018年には製薬会社がスポンサーとなり、体調面が好転して、プロ転向11年目でツアー初優勝を成し遂げています。

潰瘍性大腸炎の女性芸能人・有名人4名

潰瘍性大腸炎の女性芸能人・有名人をご紹介していきます。

1．高橋メアリージュンさん

女優でモデルの高橋メアリージュンさんは、2013年にTwitterで潰瘍性大腸炎であることを公表しています。現在は6年間何の症状も出ておらず、寛解状態であることを報告していますが、発症当時はオムツをしなければならないほどの症状だったのだそうです。

2．若槻千夏さん

若槻千夏さんは、潰瘍性大腸炎で仕事をキャンセルした過去があります。2006年に潰瘍性大腸炎を発症し、全てのレギュラー番組出演と年末年始の番組収録をキャンセルして、2ヶ月間の療養に入ったことがありました。

3．北川悦吏子さん

脚本家の北川悦子さんは1999年に潰瘍性大腸炎であることが人間ドッグで判明しています。その後は寛解と再燃を繰り返していましたが、2010年に大腸全摘手術を受けることになっています。

4．上田春佳さん

元競泳選手でロンドンオリンピックに出場経験がある上田春佳さんは、2011年に潰瘍性大腸炎を発症しています。潰瘍性大腸炎を抱えながらのオリンピック出場だったということですね。

潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こって、びらんや潰瘍ができてしまう病気です。大腸に炎症が起こるとどうなるか？想像してみると、なんとなくわかると思います。そうです。下痢が起こるんです。

潰瘍性大腸炎の主な症状は次の通りです。

ひどい時は、下痢は1日10回以上トイレに駆け込んでしまうほどひどくなることもあります。また、粘膜に炎症が起こっていますので、そこから出血して、血便になることもあります。

しかも、下痢は普通の食あたりなどの下痢とは違います。便意をコントロールすることが難しいんです。自分の意に反して、下痢便が出てしまうこともありますので、症状がひどくなっている時は潰瘍性大腸炎の患者さんは外出が難しくなることすらあります。

症状がひどくなると・・・

潰瘍性大腸炎の症状は、下痢や腹痛、血便だけではありません。症状がひどくなると、大腸に怒っている炎症が原因で、次のような症状が起こることもあります。

さらに、潰瘍性大腸炎がひどくなると、大腸から大出血したり、大腸に穴が開いてしまったり、中毒性巨大結腸症になることがあります。大腸がんを併発することもありますね。

そして、重症な症状は大腸だけにとどまらず、次のような症状が出てくることがあるので、本当に怖い病気です。

潰瘍性大腸炎の原因

潰瘍性大腸炎の原因は、まだよくわかっていないというのが実情です。ただ、潰瘍性大腸炎の発症していると思われる原因はあります。

遺伝については多少は関係あるとしていますが、同じような炎症疾患のクローン病よりは遺伝の関係は低いことがわかっています。

潰瘍性大腸炎の食事のポイント

潰瘍性大腸炎は大腸に炎症が起こっていますので、食事には気をつけなければいけません。食事次第で、大腸の炎症が悪化することもありますし、逆に炎症が緩和されることもあるんです。

症状が落ち着いている時の食事

潰瘍性大腸炎が寛解期であり、症状が落ち着いている時には、基本的には食事制限はありません。ただ、症状が落ち着いているからといって、暴飲暴食をするのはNGです。基本的には、次のようなことを守った食事が重要になります。

こういうことを基本にしながら、毎日の食事に気をつけましょう。もし、大腸の調子が悪い、体調が悪いと感じたら、刺激が少ない食事、腸や体に優しい食事に変えることが大切です。

症状がある時の食事

下痢など潰瘍性大腸炎の症状が出ている時の食事は、高たんぱく・高エネルギー・高ビタミン・高ミネラルが基本になります。

これは、潰瘍性大腸炎になると、下痢になって栄養を腸が吸収しないうちに、どんどん下痢として体外に排泄してしまうためです。栄養分を排泄してしまうと、身体は必要な栄養を取り込むことができず、栄養失調状態になるのです。

だから、潰瘍性大腸炎の症状がある時には、効率よく栄養を取るために「高たんぱく・高エネルギー・高ビタミン・高ミネラル」が食事の基本になるんです。

また、日々の食事では次のようなことに気を付ける必要があります。

• 食物繊維は腸を刺激しますので、症状がさらに悪化してしまう可能性があります。また、油たっぷりの揚げ物や炒め物、コーヒーやアルコール、炭酸飲料などは大腸（消化管）を刺激して、負担をかけますので、大腸の粘膜の炎症が悪化してしまいます。冷たい飲み物も、腸を刺激します。
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炎症が起こっている時には、とにかく腸に負担をかけず、できるだけ安静にすることが大切です。だから、「高たんぱく・高エネルギー・高ビタミン・高ミネラル」を基本に、腸への負担が少ない食事を心がけるようにしましょう。

まとめ

潰瘍性大腸炎の基礎知識と潰瘍性大腸炎を患っている芸能人・有名人、潰瘍性大腸炎の症状や原因、食事のポイントなどをまとめましたが、いかがでしたか？難病指定されていて、原因も不明で完治させることが難しく、寛解と再燃を繰り返す病気です。

この潰瘍性大腸炎は安倍元総理の例からもわかるように、どうしても誤解されやすい病気ですので、周りの理解が必要になりますね。