全身エリテマトーデスという病気を知っていますか?全身エリテマトーデスという病気は、全身に深刻な症状が現れる難病です。
今回は全身性エリテマトーデス(SLE)の芸能人・有名人と全身性エリテマトーデスの症状や原因をまとめました。
この記事の目次
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
全身性エリテマトーデス(SLE=Systemic lupus erythematosus)とは、膠原病の1つで自己免疫疾患の病気です。
自己免疫に異常が生じて、自己抗体が体内で作られ、全身の臓器に炎症を起こしてしまいます。
この全身性エリテマトーデスの特徴は次の通りです。
・20~40代での発症が多い
・日本には6~10万人の患者がいる
膠原病の中では全身性エリテマトーデス(SLE)は、関節リウマチに次いで多く、厚生労働省の難病指定を受けている病気です。
全身性エリテマトーデス(SLE)の芸能人・有名人:日本人9名
1.酒井若菜さん
酒井若菜
生年月日:1980年9月9日
出身:栃木県下都賀郡野木町
身長:158cm
所属:エーチーム
血液型:A型
活動:女優
女優の酒井若菜さんは、2016年に出版した『酒井若菜と8人の男たち』の中で、膠原病であることを告白しています。
膠原病の中のどんな疾患かは具体的には明かしていませんが、の難病指定されているとブログで告白していることから、全身性エリテマトーデス(SLE)の可能性が高いですね。
2.安奈淳さん
出典:sankei.com
安奈淳
生年月日:1947年7月29日
出身:大阪府大阪市
身長:164cm
血液型:B型
活動:女優
元宝塚女優だった安奈淳さんは、平成12年に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症します。病気がわかった時にはかなり悪い状態だったようで、多臓器不全になり生死の淵をさまようほどでした。
その後は症状が落ち着き、薬でコントロールしながら、腎臓がんや心臓弁膜症を患いながらも、病に打ち勝ち、現在も芸能活動を続けています。
3.後藤邑子さん
後藤邑子
生年月日:1975年8月28日
出身:愛知県清須市
身長:163cm
所属:アクセルワン
血液型:O型
活動:声優
後藤邑子さんはもともと自己免疫疾患を持っていて、中学時代には特発性血小板減少性紫斑病を発症しています。
2009年ごろから体調が悪化し、2012年に検査を受けえると全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されます。その後は無期限に活動を休止し、治療に専念します。長い入院の末、2014年には退院し、2015年からはまた声優として活動を始めました。
4.さかもと未明さん
さかもと未明
生年月日:1965年10月21日
出身:神奈川県横浜市
所属:MIMEIDIA
活動:漫画家
『ニッポンの未明』や『未明日記』などの作品で知られるさかもと未明さんは、2005年から強いドライアイに悩まされるようになり、2006年になると40度の高熱が出るようになるなど体調不良に悩まされていました。
そして、2007年にはひどい疲労感とともに両手指が腫れて痛み、指先に暗褐色の出血点が出てきたため、病院を受診したところ、全身性エリテマトーデス(SLE)・シェーグレン症候群・強皮症と診断されました。
発症から10年以上経っていますが、紆余曲折あり、病状が悪化したことはあるものの、現在でも漫画家として芸術活動を続けています。
5.夏目亜季さん
夏目亜季
生年月日:1990年10月26日
出身:京都府舞鶴市
身長:148cm
所属:プロジェクトnap
血液型:A型
活動:政治家、アイドル
現役政治家アイドルとして、NHKから国民を守る党の公認で荒川区議会議員選挙に出馬し当選した夏目亜季さんは、全身性エリテマトーデス(SLE)と闘いながら活動をしています。
彼女の場合、全身性エリテマトーデス(SLE)だけではなく、自己免疫性溶血性貧血や外傷性くも膜下出血、声帯結節、子宮頸がんなどの既往歴もあり、常に病気と向き合いながら幅広い活動をしてきた人物です。
6.玉木朝子さん
出典:youtube.com
玉木朝子
生年月日:1952年2月12日
出身:栃木県宇都宮市
所属:民主党
活動:元政治家
衆議院議員を務めた玉木朝子さんは高校生の時に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症し、1980年からは全国膠原病友の会の栃木県支部を設立して支部長をしていました。
7.佐野つかささん
佐野つかさ
生年月日:1992年11月30日
出身:千葉県
身長:163cm
所属:ONE COLOR
血液型:AB型
活動:アイドル
2.5次元ユニットの愛夢GLTOKYOのメンバーだった佐野つかささんは、2019年1月3日に全身性エリテマトーデス(SLE)と子宮頸がんで亡くなっています。
8.藤田三保子さん
藤田三保子
生年月日:1952年10月31日
出身:山口県宇部市
活動:女優、シャンソン歌手
NHKの朝ドラのヒロインをやり、『Gメン’75』にもレギュラー出演していた藤田三保子さんは、27歳の時に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症します。症状がいったん落ち着いたから、自分で勝手に服薬を止めて、症状が悪化したこともあったそうです。
9.岡村咲さん
出典:alba.co.jp
岡村咲
生年月日:1992年8月7日
出身:徳島県板野郡
身長:168cm
所属:スターツ
活動:プロゴルファー
プロゴルファーの岡村咲さんは、プロゴルファーになってから全身性エリテマトーデス(SLE)を発症しました。22歳の頃に関節が痛くてクリニックを受診しましたが、その後はゴルフに集中するため、きちんと検査を受けていませんでした。
そして、どうしようもないほどに症状が悪化してから、ようやく膠原科を受診します。しかし、なかなかSLEの確定診断に至らず、休養から2年経ってようやく全身性エリテマトーデス(SLE)との診断を受けています。
岡村咲さんはSLE以外にも、重度の食物アレルギーを抱えています。
全身性エリテマトーデス(SLE)の芸能人・有名人:外国人9名
1.マイケル・ジャクソンさん
出典:elle.com
マイケル・ジャクソン
生年月日:1958年8月29日
出身:アメリカ
活動:エンターテイナー
マイケル・ジャクソンさんは、死後に全身性エリテマトーデス(SLE)を患っていたことが判明しています。だから、日光を浴びないようにサングラスをしていたようです。また、若い頃の写真には、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状を思わせる蝶形紅斑が出ているものがあります。
2.セレーナ・ゴメスさん
セレーナ・ゴメス
生年月日:1992年7月22日
出身:アメリカ
身長:165cm
活動:歌手、女優
アメリカの歌手であり女優であるセレーナ・ゴメスさんは、全身性エリテマトーデス(SLE)を患っていて、その症状からループス腎炎を患い、腎機能が低下して、2017年には友人から腎臓移植を受けています。
3.レディー・ガガさん
出典:mylohas.net
レディー・ガガ
生年月日:1986年3月28日
出身:アメリカ
活動:シンガーソングライター
世界的に有名で強い影響力を持つレディー・ガガさんは、SLEの疑いがあります。彼女の叔母が全身性エリテマトーデス(SLE)を患っていたそうで、彼女も検査を受けたところ全身性エリテマトーデス(SLE)ではなく、線維筋痛症と診断されています。
ただ、全身性エリテマトーデスは遺伝と関係していますので、今後全身性エリテマトーデスを発症する可能性は十分にあります。
4.ニック・キャノンさん
ニック・キャノン
生年月日:1980年10月8日
出身:アメリカ
身長:183cm
活動:俳優、ラッパー
マライア・キャリーさんと結婚していた俳優でラッパーのニック・キャノンさんは、腎機能障害で入退院を繰り返していましたが、2012年に全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されました。
5.トニ・ブラクストンさん
トニ・ブラクストン
生年月日:1967年10月7日
出身:アメリカ
身長:156cm
活動:歌手
R&B歌手のトニ・ブラクストンさんは、2010年に全身性エリテマトーデスを患っていることを告白しています。SLEの女性向けセミナーにも出席しています。
症状が悪化することがあり、その後は何度か入退院を繰り返しています。
6.シールさん
出典:people.com
シール
生年月日:1963年2月19日
出身:イギリス
身長:192cm
活動:ミュージシャン
23歳の頃に全身性エリテマトーデスを発症します。頬の瘢痕は全身性エリテマトーデスによるものと言われています。
7.トリック・ダディさん
トリック・ダディ
生年月日:1974年9月27日
出身:アメリカ
身長:177cm
活動:ラッパー
アメリカのラッパーであるトリック・ダディさんは、1990年代後半に全身性エリテマトーデスを発症したことを2009年に公表しています。
トリック・ダディさんは治療のために薬を服用していないようで、独自の民間療法で病気とうまく付き合っているようです。
8.アンナ・ガンさん
アンナ・ガン
生年月日:1968年8月11日
出身:アメリカ
身長:178cm
活動:女優
アメリカのアンナ・ガンさんは、海外ドラマ『ブレイキング・バッド』の中で激太り・激やせを見せていました。その原因は全身性エリテマトーデスでした。全身性エリテマトーデスの治療をしていたら、むくんで体重が増えてしまったのだそうです。
9.J・ディラさん
出典:twitter.com
J・ディラ
生年月日:1974年2月7日
出身:アメリカ
活動:ミュージシャン
アメリカの伝説的なミュージシャンであるJ.ディラさんは、全身性エリテマトーデスを患っており、その合併症である血栓性血小板減少性紫斑病で亡くなっています。
全身性エリテマトーデス(SLE)の症状
全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫に異常が起こり、全身に炎症が起こる病気です。全身症状に加え、皮膚症状や関節症状だけでなく、さらに全身の臓器に病変が起こってしまうんです。
全身症状
全身性エリテマトーデスになると、次のような全身症状が現れます。
・全身倦怠感
・易疲労感
・食欲不振
そのため、体重減少が起こることが多いです。
皮膚・粘膜症状
全身性エリテマトーデス(SLE)は、皮膚や粘膜に症状が出ることも特徴です。
・ディスコイド疹
・日光過敏症
・口内炎
・レイノー症状
・脱毛
全身性エリテマトーデス(SLE)では、蝶形紅斑ができることが特徴です。頬から鼻にかけてかかる丘疹状の紅斑を蝶形紅斑(バタフライ・ラッシュ)と呼んでいます。
また、強い紫外線に当たると、皮膚に赤い発疹や水ぶくれができたり、痛みのない口内炎ができたり、脱毛症状が出ることもあります。
関節症状
関節症状が出ることも全身性エリテマトーデス(SLE)の特徴です。関節炎を起こして、関節が腫れたり、痛みが生じたりします。ただ、関節リウマチのように関節破壊を起こすわけではありません。
臓器症状
全身性エリテマトーデス(SLE)では、全身の症状が現れることもあります。
・神経症状
・精神症状(うつや統合失調症の症状)
・心臓血管病変
・肺病変
・消化器病変
・血液異常
特に腎症状は発症することが多く、ループス腎炎からネフローゼになり、腎不全を引き起こすことがあります。腎不全に陥って、人工透析を受けなければいけない人もいるほどです。
現在は人工透析治療がありますが、人工透析治療がない時代は、全身性エリテマトーデス(SLE)は腎不全で亡くなる人が多かったんです。
全身性エリテマトーデス(SLE)の原因
全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫疾患ですので、免疫システムに異常が起こることが原因です。自分自身の体を攻撃する自己抗体が作られるようになり、その自己抗体と自己抗原がくっついて、免疫複合体というものを作り出すようになります。
その免疫複合体が体の中に増えていって沈着し、炎症を起こすことで、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状を引き起こします。
では、なぜ免疫システムに異常が起こるのか?全身性エリテマトーデス(SLE)を引き起こす原因を見ていきましょう。
遺伝
全身性エリテマトーデス(SLE)は遺伝と深い関係があるとされています。双子の研究によると、一卵性双生児では25%の疾患一致率を認めるのに対し、二卵性双生児では10%に満たないことがわかっています。
ただ、一卵性双生児のように同じ遺伝子を持っている場合でも、1人が発症すればもう1人も必ず発症するというわけではありませんので、遺伝以外にも発症の原因はあります。
環境的な因子
全身性エリテマトーデス(SLE)の原因となるものには、環境因子もあります。次に挙げるようなものが、全身性エリテマトーデス(SLE)の発症の原因・きっかけになることがあります。
・喫煙
・EBウイルス
・特定の薬剤
・妊娠や出産
・手術やケガ
性ホルモン
全身性エリテマトーデス(SLE)は20~40代の女性の発症が多いことから、女性ホルモンが発症の原因になっているのではないかと言われています。
まとめ
全身性エリテマトーデス(SLE)の芸能人や有名人、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状や原因をまとめましたが、いかがでしたか?
全身性エリテマトーデス(SLE)は完全に治癒させることはまだできません。ただ、症状を抑えながら、うまく付き合っていくことはできます。独断で治療を止めずに、医師の指示に従って治療を続けるようにしましょう。