「不思議の国のアリス」のアリスが体験したような症状を訴える「不思議の国のアリス症候群」ですが、実は珍しくない病気のようです。
今回は不思議の国のアリス症候群の芸能人・有名人8名、症状・障害、原因をまとめました。
この記事の目次
不思議の国のアリス症候群とは
「不思議の国のアリス症候群」とは、自分の見ているものが大きくなったり小さくなったように感じること、さらに自分自身が大きくなったり小さくなったりするように感じる病気です。
「不思議の国のアリス」の世界では、アリスが体が大きくなったり小さくなったり、物が歪んだりしますよね。
「飲んで」と書かれていた瓶の中のものを飲んだアリスの体が小さくなり、「食べて」と書かれていたものを食べると、体が大きくなります。
不思議の国のアリス症候群の人は、実際にそのような体験をしているのです。
不思議の国のアリスの世界に自分が入ってしまったかのように感じる病気なので、「不思議の国のアリス症候群」という名前になったようです。
不思議の国のアリス症候群は、とてもかわいらしい名前ですが、治療法は確立されておらず、周囲から理解されにくい病気です。
命に関わることはありませんが、厄介な病気であることは間違いないでしょう。
不思議の国のアリス症候群の芸能人・有名人① 男性5名
不思議の国のアリス症候群の男性芸能人・有名人を見ていきましょう。
1.芥川龍之介
出典:mainichi.jp
芥川龍之介
生年月日:1892年3月1日
出身:東京都中央区
活動:作家
「羅生門」「鼻」「蜘蛛の糸」などの作品で知られ、現代日本文学の最高の栄誉である賞の1つ「芥川賞」の名前の由来となっている芥川龍之介は、不思議の国のアリス症候群でした。
芥川龍之介は晩年に片頭痛に悩んでいましたが、片頭痛の発作が出た時には、閃輝暗点の症状が出て、さらにものが歪んで見えたり、点が拡大するなどの症状が出ていたようです。
芥川龍之介は「歯車」という作品を書いていますが、この作品はこの閃輝暗点・不思議の国のアリス症候群の症状が表現されています。
2.ルイス・キャロル
ルイス・キャロル
生年月日:1832年1月27日
出身:イギリス
活動:数学者、作家
不思議の国のアリスの生みの親であるルイス・キャロルも、実は不思議の国のアリス症候群の症状に悩まされていたと言われています。
ルイス・キャロルは芥川龍之介と同じく片頭痛持ちでしたし、自分自身の経験を投影した作品が「不思議の国のアリス」であるとされています。
3.パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソ
生年月日:1881年10月25日
出身:スペイン
活動:画家
有名な画家のパブロ・ピカソさんも、実は不思議の国のアリス症候群だったのではないかと言われています。
不思議の国のアリス症候群だったから、あの独特な作風になったのではないかということです。
ピカソの代表作である「ゲルニカ」や「泣く女」は顔が左右非対称です。
それはピカソが不思議の国のアリス症候群で、そのように世界が歪んで見えていたから、それをそのまま描いという説ですね。
4.ジョナサン・スウィフト
出典:amazon.co.jp
ジョナサン・スウィフト
生年月日:1667年11月30日
出身:アイルランド
活動:作家
ジョナサン・スウィフトは、「ガリバー旅行記」を書いた作家ですが、ガリバー旅行記の中には不思議の国のアリス症候群を思わせる表現があります。
また、ガリバー旅行記そのものが、不思議の国のアリス症候群の体験から来ているのかもしれません。
5.濱家隆一
出典:oricon.co.jp
濱家隆一
生年月日:1983年11月6日
出身:大阪府大阪市
身長:188cm
所属:吉本興業東京本社
活動:お笑いタレント
「かまいたち」として活躍する濱家隆一さんは、なんと不思議の国のアリス症候群だったそうです。
2019年4月に関西テレビ「NMBとまなぶくん」に出演した際、「不思議の国のアリス展」の紹介をしていましたが、この時に子供の頃に不思議の国のアリス症候群だったことを告白。
濱家さんの症状は、授業中に先生が小さく見えたり、大きく見えたりしていたとのことです。また、距離感がよく分からなくなるとのこと。
典型的な不思議の国のアリス症候群の症状ですね。
不思議の国のアリス症候群の芸能人・有名人② 女性3名
続いて、不思議の国のアリス症候群の女性芸能人・有名人を紹介していきます。
1.樋口一葉
樋口一葉
生年月日:1872年5月2日
出身:東京
活動:小説家
「たけくらべ」や「にごりえ」などの作品で知られる小説家の樋口一葉さんも、不思議の国のアリス症候群だったと言われています。
代表作の「にごりえ」の中には、不思議の国のアリス症候群だったと見られる表現が出てきています。
2.加藤夕夏
加藤夕夏
生年月日:1997年8月1日
出身:大阪府
身長:164.6cm
所属:Showtitle
血液型:A型
活動:アイドル
NMB48のチームBⅡである加藤夕夏さんは、かまいたちの濱家隆一さんと共演した「NMBとまなぶくん」で、濱家さん同様、幼少期に不思議の国のアリス症候群だったことを告白しました。
3.山本彩加
出典:twitter.com
山本彩加
生年月日:2002年8月6日
出身:兵庫県
身長:160.8cm
所属:Showtitle
血液型:A型
活動:アイドル
NBB48のメンバーでチームBⅡに所属している山本彩加さんも、先ほどの加藤夕夏さんやかまいたちの濱家隆一さん同様、子供の頃に不思議の国のアリス症候群であることを告白しました。
1つの番組で、3人も不思議の国のアリス症候群の人がいるなんて、なんかすごいですよね。
ただ、これは単なる偶然というよりも、実は不思議の国のアリス症候群の人は多いのではないかということも推測できますね。
不思議の国のアリス症候群の症状・障害とは?
不思議の国のアリス症候群は、「不思議の国のアリス」の世界に迷い込んだかのような症状が出ることです。
不思議の国のアリス症候群になると、具体的に次のような症状が出ます。
・大視症=ものが大きく見える
・変視症=ものが歪んで見える
・時空変異体験=時空が歪んだように感じる
・空中浮遊体験=空中を飛んでいる感覚になる
・離人症状=自分を見下ろしている感覚
・色覚異常=色が変に見える
子供の頃に不思議の国のアリス症候群の症状が出ると、「嘘を言っている」のように親が捉えてしまうこともあります。でも、子供は実際にそのように見えているのです。
・物の形が歪んで見える
・空を飛んでいるように感じる
・大人が自分よりも小さく見える
・父親の顔が異常に大きく見える
・スマホ画面が歪んで見える
不思議の国のアリス症候群の症状はずっと続くわけではない
不思議の国のアリス症候群の症状は、一度発症したらずっと続いているわけではありません。
症状が起こってから数分で終わることが多いですが、数日くらい続くこともあります。
ずっと続くわけではなく、一時的な発作が起こると考えたほうが良いでしょう。
不思議の国のアリス症候群の原因とは?
不思議の国のアリス症候群の原因は、明確には分かっていませんが、EBウイルスに感染したことで引き起こされることが多いとされています。
EBウイルスは、特別に珍しいウイルスではありません。3歳頃までに60~70%の人が、大人になるまでに80~90%の人が感染するウイルスで、風邪を引いたような症状が現れます。
EBウイルスに感染し、脳の表面にある大脳皮質と呼ばれる部分の広範囲に炎症が生じると、知覚に異常が生じて、不思議の国のアリス症候群の症状が出るのではないかと言われています。
EBウイルスの感染の他にも、次のような原因でも不思議の国のアリス症候群になるという報告があります。
・片頭痛
・統合失調症
・てんかん
・向精神薬
ただ、不思議の国のアリス症候群は明確な治療法があるわけではありません。うまく付き合っていくことが必要です。
EBウイルス感染が原因の場合、濱家さんのように時間が経つにつれて、自然に消失していくこともあります。
しかし片頭痛の場合、片頭痛の発作が起こるたびに、不思議の国のアリス症候群の症状が起こることが多いです。
まとめ
不思議の国のアリス症候群の基本情報や不思議の国のアリス症候群の芸能人・有名人、症状や原因などをまとめましたが、いかがでしたか?
・芥川龍之介や樋口一葉は不思議の国のアリス症候群だったと言われる
・不思議の国のアリスの作者であるルイス・キャロルも不思議の国のアリス症候群だった?
・かまいたちの濱家隆一さんも不思議の国のアリス症候群だった
・物が大きく見えたり、小さく見えたり、歪んで見えたりする
・原因はEBウイルスの感染やてんかん、片頭痛などがある