芸能人や有名人の訃報で死因が「多臓器不全」となっていることが度々あります。多臓器不全とはどんな病気か知っていますか?多臓器不全になると、あっという間に急死してしまう可能性が高いんです
多臓器不全で亡くなった芸能人・有名人と多臓器不全の症状や原因、余命・急死についてまとめました。
多臓器不全とは
多臓器不全とは、生命を維持するために必要な臓器の複数に障害が起こって、その機能を維持できなくなった状態のことです。
生命維持に必要な臓器とは、次のようなものです。
・脊髄
・心臓
・肺
・肝臓
・腎臓
・呼吸不全
・肝不全
・腎不全
多臓器不全の芸能人・有名人:1~10人目
1.堺屋太一さん
堺屋太一
生年月日:1935年7月13日
出身:大阪府大阪市
所属:株式会社堺屋太一事務所
活動:元通産官僚、小説家、評論家
経済企画庁長官、内閣特別顧問、内閣官房参与などを歴任し、作家としても有名で、幅広い活動をしていた堺屋太一さんは、2019年2月8日に多臓器不全で亡くなっています。
2.蜷川幸雄さん
出典:asahi.com
蜷川幸雄
生年月日:1935年10月15日
出身:埼玉県川口市
血液型:A型
活動:演出家、映画監督
蜷川幸雄さんは、「身毒丸」「ムサシ」「海辺のカフカ」「NINAGAWA・マクベス」「ハムレット」などの代表作を持ち、たくさんの俳優から慕われている演出家でした。厳しい演出で有名で、ダメ出しをする時には灰皿が飛んでくるというエピソードもありましたよね。
蜷川幸雄さんは2016年5月12日に肺炎から多臓器不全となり、永眠しています。享年80歳でした。
3.渡瀬恒彦さん
出典:mainichi.jp
渡瀬恒彦
生年月日:1944年7月28日
出身:兵庫県
身長:174cm
所属:東映マネージメント
血液型:AB型
活動:俳優
俳優の渡瀬恒彦さんんは、2017年3月14日に胆のうがんから多臓器不全を発症し亡くなっています。胆のうがんは2015年に発見され、その後は俳優活動を続けながら闘病していました。
俳優として現場で撮影することにこだわっていて、前日までマネージャーさんと『警視庁捜査一課9係 season12』の撮影の打ち合わせをしていたとのことです。
4.水木しげるさん
水木しげる
生年月日:1922年3月8日
出身:鳥取県境港市
活動:漫画家
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者として知られる水木しげるさんは、2015年11月30日に多臓器不全で亡くなっています。享年93歳でした。
亡くなる約3週間前に自宅で転倒して頭を強く強打し、硬膜外血腫の手術を受けますが、術後の経過が思わしくなかったようで、多臓器不全を発症し、急変して亡くなりました。
5.北の湖敏満さん
北の湖敏満
生年月日:1953年5月16日
身長:179cm
所属:日本相撲協会
血液型:AB型
活動:元大相撲力士
第55代横綱で、相撲協会の理事長も務めた北の湖さんは、2015年11月20日に直腸がんによる多臓器不全で急逝しています。
数年前から体調はすぐれなかったようで入退院を繰り返していましたが、相撲協会理事長の職務は続けていました。
2015年11月場所は初日から毎日出勤していて、18日もメディアに対して前日の取り組みに苦言を呈していたのですが、19日に体調を崩し、20日に緊急入院をして同日中に多臓器不全で亡くなりました。
長年体調は悪かったですが、前日までは11月場所に出勤していましたから、そこから多臓器不全を発症して亡くなるまでが本当に早かったですね。
6.橋本龍太郎さん
出典:jiji.com
橋本龍太郎
生年月日:1937年7月29日
出身:東京都渋谷区
所属:自民党
活動:政治家
第82代・第83代の内閣総理大臣を務めた橋本龍太郎さんは、2006年7月1日に腸管虚血を原因とする敗血症性ショックによる多臓器不全のため、68歳の若さで亡くなっています。
2006年6月4日に腹痛を訴えて入院し、腸管に血が回らなくなる腸管虚血と診断され、6月5日に大腸の大半と小腸の一部を切除する手術を受けました。
この大手術によって、体のバランスが崩れてしまったのか、敗血症性ショックを発症し、治療の甲斐なく、多臓器不全を発症してしまったようです。
7.森慎二さん
森慎二
生年月日:1974年9月12日
出身:山口県岩国市
身長:189cm
所属:西武ライオンズ
活動:プロ野球コーチ(元プロ野球選手)
西武ライオンズのセットアッパーとして活躍し、2015年からは西武ライオンズの投手コーチをしていた森慎二さんは、2017年6月28日に溶連菌の感染による敗血症から多臓器不全を発症して亡くなっています。
投手コーチとしてチームに帯同していた2017年6月25日に福岡ソフトバンクホークスとの試合前に体調不良を訴え、福岡市内の病院に入院しています。その3日後に逝去されました。
現役を引退したとはいえ、体力のある元プロ野球選手が42歳という若さで多臓器不全で急逝するというのは、驚きましたよね。
8.竹村健一 さん
出典:zakzak.co.jp
竹村健一
生年月日:1930年4月7日
出身:大阪府大阪市
活動:ジャーナリスト、政治評論家
ジャーナリストで政治評論家の竹村健一さんは、パイプをくわえ「大体やね」という独特の口調が印象的な方でした。2010年ごろからはメディア出演などを行わなくなり、2019年7月8日に多臓器不全で亡くなっています。享年89歳でした。
9.宮史郎さん
宮史郎
生年月日:1943年1月17日
出身:兵庫県加西市
所属:日本コロムビア
血液型:A型
活動:歌手、芸人
ぴんからトリオのリードボーカルで「女のみち」が400万枚の大ヒットとなった宮史郎さんは、2012年11月19日に多臓器不全で亡くなっています。69歳という若さでした。
10.三橋美智也さん
出典:hmv.co.jp
三橋美智也
生年月日:1930年11月10日
出身:北海道上磯郡上磯町
所属:キングレコード
活動:演歌歌手
数々のヒットを飛ばした演歌歌手の三橋美智也さんは、1996年1月8日に多臓器不全で65歳の若さで亡くなっています。
1995年10月26日にゴルフコンペから帰る時のタクシーで心臓発作を起こして緊急入院し、意識不明の重体となり、そのまま多臓器不全となったようです。
多臓器不全の芸能人・有名人:11~20人目
11.佐藤純彌さん
佐藤純彌
生年月日:1932年11月6日
出身:東京都
活動:映画監督
『人間の証明』、『未完の対局』、『おろしや国酔夢譚』、『男たちの大和/YAMATO』などの大作を制作した映画監督の佐藤純彌さんは、2019年2月9日に多臓器不全で亡くなっています。享年86歳でした。
12.小川宏さん
出典:sankei.com
小川宏
生年月日:1926年4月17日
出身:東京都
活動:フリーアナウンサー
フリーアナウンサーで『小川宏ショー』の司会を長年務めた小川宏さんは、2016年11月29日に多臓器不全で亡くなっています。
13.伊福部昭さん
伊福部昭
生年月日:1914年5月31日
出身:北海道釧路市
活動:作曲家
作曲家でたくさんの映画音楽を手掛けた伊福部昭さんは、2006年2月8日に多臓器不全で亡くなっています。享年91歳でした。
14.早乙女愛さん
出典:idol.ne.jp
早乙女愛
生年月日:1958年12月29日
出身:鹿児島県肝属郡高山町
身長:166cm
所属:アルファエージェンシー
活動:女優
女優の早乙女愛さんは、テレビドラマシリーズ 『はるちゃん』やたくさんのテレビドラマに出演していた女優さんです。
2002年ごろからアメリカに住んでいましたが、2010年にアメリカのシアトルの病院で多臓器不全で亡くなっています。
15.港太郎さん
港太郎
生年月日:1971年9月21日
出身:神奈川県川崎市
身長:180cm
所属:元山木ジム
活動:キックボクサー
元キックボクサーで元MA日本キックボクシング連盟ミドル級王者、元UKF世界ミドル級王者だった港太郎さんは、1999年に現役を引退しますが、2018年4月11日に多臓器不全で46歳の若さで亡くなっています。
16.舟越保武さん
舟越保武
生年月日:1912年12月7日
出身:岩手県
活動:彫刻家
戦後を代表する彫刻家の舟越保武さんは、2002年2月5日に多臓器不全で亡くなっています。1987年に脳梗塞で右半身に麻痺が残りましたが、亡くなる直前まで左手で彫刻の創作を続けていたそうです。
17.胡桃沢耕史さん
出典:amazon.co.jp
胡桃沢耕史
生年月日:1925年4月26日
出身:東京都墨田区
活動:作家
「翔んでる警視」シリーズの著者として知られる胡桃沢耕史さんは、1994年3月22日に多臓器不全で亡くなっています。亡くなる前は「翔んでる警視正」の新シリーズが開始される予定だったとのことです。
18.藤木悠さん
藤木悠
生年月日:1931年3月2日
出身:大阪府大阪市
身長:180cm
血液型:A型
活動:俳優
『Gメン’75』などに出演していた俳優の藤木悠さんは、2005年12月19日に肺血栓塞栓症による多臓器不全で亡くなっています。享年74歳でした。
19.バーブ佐竹さん
出典:amazon.co.jp
バーブ佐竹
生年月日:1935年2月7日
出身:北海道釧路市
活動:歌手
デビュー曲の『女心の唄』が250万枚を超える大ヒットになり、紅白歌合戦にも出場したバーブ佐竹さんは、2003年12月5日に多臓器不全で亡くなっています。68歳でした。
20.山田五十鈴さん
出典:asahi.com
山田五十鈴
生年月日:1917年2月5日
出身:大阪府大阪市
血液型:A型
活動:女優
昭和を代表する大女優の山田五十鈴さんは、2012年7月9日に多臓器不全で亡くなっています。享年95歳でした。2002年に脳梗塞を発症してから公の場に姿を見せることはありませんでしたが、リハビリをしながら、復帰を目指していたとのことです。
多臓器不全の症状
多臓器不全になると、全身の状態が悪化します。どの臓器がどのくらい障害されるかによってどんな症状が出るかは変わってきますが、次のような症状が出ることが多いです。
■呼吸不全
肺に水が溜まって肺水腫になり、低酸素になる
■肝不全
肝臓の働きが悪くなり、解毒ができなくなる。肝性脳症を発症することもある。
■腎不全
尿を作ることができなくなり、全身がむくみ、毒素が溜まる
■消化器
腸閉塞、消化管出血などが起こる
■出血傾向
DICとなり、血液内には血栓ができ、一度出血すると血が止まりにくくなる
■骨髄抑制
貧血症状が出る
■心不全
心臓がきちんと動かなくなり、不整脈や低血圧になる
■中枢神経障害
意識障害
多臓器不全を発症すると、これだけの症状がどんどん現れてきます。これらの中の1つの症状が出るだけでも、命の危険がありますが、多臓器不全の場合は一度に複数の症状が出ますので、治療が非常に難しいのです。
多臓器不全の原因
多臓器不全は次のような原因で起こることが多いです。
・重度の熱傷
・大手術
・大量の出血
・敗血症(感染症)
・重症膵炎
・がん
・ショック
・低酸素血症
・低血圧
・DIC(播種性血管内凝固症候群)
これらのことが起こると、体の中のバランスが崩れてしまって、主要な臓器に機能障害が起こり、多臓器不全になってしまいます。
多臓器不全になるのは、全身に大きな侵襲(ダメージ)が起こった場合がほとんどです。
また、心臓に持病がある人は、多臓器不全になるリスクは高いです。心臓に持病があると、重要な臓器に十分な血液・酸素・栄養素を送り込むことができないため、機能不全に陥りやすいのです。
多臓器不全の余命
多臓器不全の予後は非常に悪いです。
多臓器不全を起こした人の生存確率は最大15%程度で、3つ以上だとほぼゼロです。
多臓器不全を起こすと、生存確率は最大でも15%しかないということになります。ということは、多臓器不全を起こした時点で、余命は期待できないということですね。
多臓器不全は「起こしてからの治療」ではなく、「多臓器不全を起こさないための治療」が非常に重要であるとされています。
多臓器不全は急死の原因にもなる
多臓器不全は急死の原因にもなるものです。1つの例としては、西武ライオンズの投手コーチだった森慎二さんですね。
森慎二さんが多臓器不全で亡くなったのは42歳の時です。現役を引退してからまだ数年しか経っていませんでしたし、特別な持病もなく、プロ野球の1軍コーチを務めるだけの体力はありました。
しかも、福岡への遠征にもごく普通に帯同していたんです。でも、6月25日に体調不良になり、6月27日に球団から「病気療養のため休養」と発表され、6月28日に多臓器不全で亡くなったという異常なほどのスピードで急死しました。
森慎二さんの場合、溶連菌の劇症型だったことがわかっています。通常の溶連菌は珍しいものではありません。毒性も弱いです。小学生の1割は喉に溶連菌がいるとも言われているほどですから。
でも、森慎二さんの溶連菌は、毒性が強く異常に増殖のスピードが速い劇症型でした。劇症型だったことから、急速に敗血症になり、治療が間に合わないまま、多臓器不全になってしまったということのようです。
先ほど説明したように、多臓器不全になると、予後は非常に悪いです。余命はほぼないと思ったほうが良いくらいですから。そのくらい多臓器不全は治療法がないので、多臓器不全の進行を止められず、一度多臓器不全になると、「手の施しようがない」という状態で急死してしまいます。
数日前まで元気でも、急に多臓器不全になって急死してしまうということも十分にあり得るのです。
まとめ
多臓器不全で亡くなった芸能人や有名人と多臓器不全の症状や原因、余命、多臓器不全での急死についてまとめました。
多臓器不全はある意味、「体の状態の末期」という状態であり、予後は悪く、多臓器不全になると余命は期待することができません。
多臓器不全は現代の医療でも非常に治療が難しい病気であり、多臓器不全にならないようにすることが重要とされています。だから、あなたも日ごろから健康には留意し、「体調がおかしいかも」と思ったら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。