エコノミークラス症候群は飛行機に乗らない人でもなる可能性がある病気で、芸能人や有名人にもたくさんいます。
今回はエコノミークラス症候群の症状や原因、予防方法、エコノミークラス症候群になった芸能人・有名人をまとめました。
この記事の目次
エコノミークラス症候群とは
エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢でいることで血の巡りが悪くなり、血栓ができる状態のことです。
医学的な正式名称は、静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症)と言います。
飛行機のエコノミークラスに座っている人が、このエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)になることが多いため、「エコノミークラス症候群」と呼ばれるようになったんです。
「エコノミークラス症候群」という名前を聞くと、ポップな印象を受けて、それほど重症で深刻な病気とは思わない人も多いです。
でも、エコノミークラス症候群は、死に至ることもある恐ろしい病気です。
エコノミークラス症候群では、体に血栓ができますが、その血栓が肺の血管を詰まらせてしまうこともあります。
肺の血管が詰まると、酸素を血液に送ることができなくなるので、呼吸困難になり、結果、死に至ることもあるのです。
エコノミークラス症候群になった芸能人・有名人4名
エコノミークラス症候群になったことがある芸能人・有名人を4人紹介していきます。
健康な人でも、突然エコノミークラス症候群になる可能性があることがよく分かります。
1.高原直泰
出典:blogos.com
高原直泰
生年月日:1979年6月4日
出身:静岡県三島市
身長:181cm
所属:沖縄SV
血液型:B型
活動:プロサッカー選手、沖縄SV株式会社CEO
プロサッカー選手の高原直泰さんは、黄金世代のメンバーとして、2000年頃から活躍していました。
2002年の日韓ワールドカップへの出場も確実視されていて、日本代表のエースとしての活躍が期待されていました。
ですが、大会直前にエコノミークラス症候群であることが発覚し、ワールドカップ出場を断念しました。
また、2004年のアテネオリンピックにはオーバーエイジ枠での出場が見込まれていましたが、エコノミークラス症候群を再発し、出場することはできませんでした。
2006年のドイツワールドカップには出場しています。
2.川田広樹
出典:sankei.com
川田広樹
生年月日:1973年2月1日
出身:沖縄県那覇市
身長:177cm
所属:吉本興業
血液型:A型
活動:お笑いタレント
ガレッジセールの川田広樹さんは、2018年6月に急性肺塞栓症のために、芸能活動を一時休止し、休養しています。急性肺塞栓症は、エコノミークラス症候群の正式名称ですね。
2週間程度の休養で回復し、芸能活動を再開されています。
3.畑尾大翔
出典:twitter.com
畑尾大翔
生年月日:1990年9月16日
出身:東京都練馬区
身長:183cm
所属:大宮アルディージャ
活動:プロサッカー選手
大宮アルディージャ所属のプロサッカー選手である畑尾大翔さんは、早稲田大学在学中の2012年に肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を発症します。
左胸に痛みを感じ、息苦しさや咳などの症状が出ていましたが、なかなか原因が分からず、肺にたまった水を抜くなどの対応をして、プレーを続けていました。
しかし、ようやく肺塞栓症(エコノミークラス症候群)と分かり、ドクターストップがかかっています。
エコノミークラス症候群と分かった後は、大学に5年生として籍を置きながら、手術を受けて治療し、その後リハビリをしてプロ入りしています。
4.根津甚八
出典:oricon.co.jp
根津甚八
生年月日:1947年12月1日
出身:山梨県都留市
身長:172cm
所属:ユマニテ
血液型:B型
活動:俳優
俳優の根津甚八さんは、2002年から右目下直筋肥大という顔面の病気を患って以来、あまり表舞台に出てこなくなり、2009年にはうつ病を患っていることが明かされます。
そして2016年、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)による肺炎が原因で、69歳の若さで亡くなっています。
エコノミークラス症候群の症状
エコノミークラス症候群の症状は、体の中に血栓(血の塊)ができることで起こります。
エコノミークラス症候群の血栓は、ふくらはぎにできることが多いです。
ふくらはぎは心臓から遠いため、心臓から送り出された血液が、心臓に戻ることができずに、ふくらはぎあたりで滞留してしまうからです。
足に血栓ができた時の症状
ふくらはぎの静脈の深い部分で血栓ができると、次のような症状が出てきます。
・足が激しく痛む
・足の色が変わる(赤くなる)
エコノミークラス症候群は、右足よりも左足にできやすいという特徴があります。これは、左総腸骨動脈が右総腸骨動脈に圧迫されているからです。
もし左足が右足よりも腫れている、太くなっているという場合は、エコノミークラス症候群になっていて、左足に血栓ができている可能性が高くなります。
肺の血管が詰まった時の症状
そして、その足にできた血栓が足の血管からはがれて血流に乗り、上半身に流れてくるとどうなるでしょうか?
心臓に向けての血管はふくらはぎよりも太い血管ですので、その血栓で詰まってしまうということはほぼありません。
でも、心臓の右心室から肺に向けて流れるようになると、肺の血管は枝分かれし、非常に細くなっていきます。そうすると、肺の血管が詰まってしまうことがあるんです。
エコノミークラス症候群になって、肺の血管が詰まると、次のような症状が出てきます。
・呼吸困難
・胸の痛み
・冷や汗
・失神
・動機
・咳
・血痰
・静脈の怒張
・血圧の低下
・意識消失
さらに広範囲に渡って肺の血管が詰まってしまうと、低酸素状態になって、死に至ることもあります。
エコノミークラス症候群は、突然死することもある恐ろしい病気なのです。
エコノミークラス症候群の原因
エコノミークラス症候群の原因は、ずっと同じ姿勢でいることです。
飛行機のエコノミークラスの座席はとても窮屈で、1度座ると、なかなか身動きが取れないですよね。
長時間のフライトの場合、何時間も同じ姿勢で座ったまま動かない…ということもあります。
このような窮屈なエコノミークラスに長時間座っていると、どうなるでしょうか?
私たちの脚の筋肉は、足の血液を心臓に送り返すポンプのような役割もしてくれています。
足は心臓から距離がありますし、足から心臓に血液を戻すためには、重力に逆らって下から上に流れないといけないので、流れはどうしても遅くなります。
それをふくらはぎの筋肉が収縮することで、ポンプ代わりになって、足の血液を心臓に送り返してくれるのです。
でも、長時間ずっと同じ姿勢で座っていると、ふくらはぎの筋肉は動きません。だから、ポンプ作用は期待できないのです。
そうすると、足の血液は心臓に戻り切れずに、足で停滞しやすくなります。
足の血管に血液が溜まるとどうなるでしょうか?そうです、血が固まりやすくなるんです。
流れていれば、血液は固まりませんが、流れが止まると、血液は固まりやすくなります。血液に固まる作用があるのは、かさぶたを見れば分かりますよね。
そして、さらに飛行機に乗ってエコノミークラスに乗っていると、なかなかトイレに行けないから、無意識のうちに水分摂取を控える人がいます。
しかも、飛行機の中は超乾燥していて、知らないうちに脱水状態になっていることがあります。
脱水状態になると、血液はドロドロになります。ドロドロになった血液は、さらに固まりやすくなりますよね。
だから、飛行機に乗っていると、エコノミークラス症候群になりやすいというわけですね。
エコノミークラスに座らなくても要注意!
エコノミークラス症候群という言葉を聞くと、飛行機のエコノミークラスに乗ると危険!という思うかもしれません。
でも、飛行機のエコノミークラスに長時間座らなくても、エコノミークラス症候群になります。
ビジネスクラスやファーストクラスに乗っていても、エコノミークラス症候群になります。
また、長距離バス(夜行バス)に乗っている場合でも、さらにデスクワークの人も乗り物に乗っているわけではないのに、エコノミークラス症候群になることはあります。
要は、次の条件が整えば、エコノミークラス症候群になるのです。
・水分不足になりやすい
つまり、飛行機のエコノミークラスに乗らなくても、乗り物に乗っていなくても、日常生活内でエコノミークラス症候群になることはあるのです。
エコノミークラス症候群は災害時に要注意するべき病気
エコノミークラス症候群が注目されるようになったのは、東日本大震災がきっかけの1つかもしれません。
大災害に遭うと、自宅から避難する必要があります。そうすると、避難所で生活したり、自分の車の中で生活しなければいけなくなりますよね。
避難中はどうしてもトイレの問題があるので、水分を控える人が多くなり、脱水傾向になります。
さらに、避難所は限られたスペースしかなく、脚を伸ばして寝られなかったり、同じ姿勢でいなければいけないことも多いです。
そうすると、飛行機のエコノミークラスに長時間座っているような状態になります。そのため、避難生活中にエコノミークラス症候群になる被災者が多いんです。
災害大国の日本では、災害時にエコノミークラス症候群になるリスクがあるのです。
せっかく災害から逃れて避難できたとしても、エコノミークラス症候群で命を落としてしまっては、元も子もありません。
ですので、災害で避難する時にはエコノミークラス症候群にならないように注意しなければいけません。
エコノミークラス症候群の予防方法
日常生活を送っているだけでも発症する恐れがあるエコノミークラス症候群ですが、予防することができるので、普段から予防を意識した生活を送りましょう。
・時々はストレッチや軽い運動をする
・飛行機に乗る時にはかかとの上げ下ろしをしたり足をもんだりする
・ゆったりとした服を着る
こういうことに気を付けているだけで、エコノミークラス症候群は予防することができるんです。
まとめ
エコノミークラス症候群の症状や原因、予防法、エコノミークラス症候群になった芸能人や有名人をまとめましたが、いかがでしたか?
・エコノミークラス症候群で死ぬこともある
・エコノミークラス症候群は飛行機のエコノミークラス以外でもなることがある
・災害時はエコノミークラス症候群に注意!
・高原直泰選手はエコノミークラス症候群でワールドカップやオリンピックの出場を断念
エコノミークラス症候群は、死に至ることもある恐ろしい病気です。
でも、予防することはできますので、日常生活内でしっかり予防していきましょう。