梅毒は昔からある性感染症の1つです。ただ、昔の病気と思っている人は危険です!なぜなら、今の日本では梅毒患者は増加傾向にあるからです。正しい知識を持っておかないと、あなたも梅毒に感染するかもしれません。
梅毒の芸能人・有名人と梅毒の症状や原因、感染経路をまとめました。梅毒は昔の病気ではないんです。
梅毒とは
梅毒は、昔からある性感染症の1つです。細菌の一種である梅毒トレポネーマによって発生するものです。昔からある性感染症ですが、抗生物質のペニシリンが普及してからは、梅毒の発症は一気に減少しました。
しかし、近年の日本では梅毒患者が一気に増加してきています。
男性は年齢に関係なく患者が発生しているのがわかりますが、女性は20代前半の患者が突出して多いのがわかります。
なぜ、これだけ医療が発達した現代の日本で梅毒患者が急増しているのかはわかっていません。梅毒急増の原因がわかっていないからこそ、梅毒には注意しなければいけませんね。
梅毒の芸能人・有名人:日本編7名
梅毒に罹っていたとされる芸能人・有名人をご紹介します。今からご紹介する芸能人・有名人は「梅毒だったらしい」というレベルで、梅毒であることが確定していない人もいますので、その点はご了承ください。
1.石原裕次郎さん
石原裕次郎
生年月日:1934年12月28日
出身:神奈川県逗子市
身長:178cm
所属:石原プロモーション
血液型:A型
活動:俳優、歌手
昭和を代表する大スターの石原裕次郎さんは、梅毒だったという噂があります。石原裕次郎さんは、1984年に肝臓がんが発覚し、末期には肝性脳症による幻覚も出てきて、意識不明の状態が続き、1987年7月17日に亡くなっています。
肝臓がんにより死去した石原裕次郎さんですが、実は梅毒で死亡したのではないかという噂がありました。ただこれはあくまでも噂であり、デマではないかという見方が大半です。
石原裕次郎さんは夜遊びが激しく、愛人がいたという噂もありますので、そこから梅毒だったというデマが出てきたのかもしれません。そもそも、石原裕次郎さんが活躍されていた時代は、梅毒は治療可能な病気でしたので、大スターの石原裕次郎さんが死亡するまで梅毒を放っておいたとは考えにくいです。
2.大川周明さん
出典:mainichi.jp
大川周明
生年月日:1886年12月6日
出身:山形県酒田市
活動:思想家
思想家の大川周明さんは、満州事変の首謀者の1人とされていて、大東亜省の大東亜共同宣言の作成にも携わった人物で、民間人として唯一A級戦犯として起訴されました。この大川周明さんは、東京裁判中に奇行を見せ、支離滅裂な暴言を吐いたため、精神鑑定され、梅毒による精神障害と診断され、松沢病院(精神病院)に入院します。
そのため、裁判からは除外され、東京裁判が終わった後は退院してきて、有罪とならず、晩年は農村復興活動に取り組んでいます。
3.月村清次郎さん
月村清次郎
生年月日:1878年12月3日
出身:静岡県三島市
活動:弁護士、裁判官
静岡県出身の月村清次郎さんは、静岡県で判事検事登用試験に合格し、裁判官を務めていましたが、関東大震災で実家が燃えてしまってからは東京に出てきて弁護士をしていました。
1942年に梅毒が原因で亡くなっています。
4.生月鯨太左衛門さん
生月鯨太左衛門
生年月日:1827年4月16日
出身:肥前国松浦郡
身長:227cm
活動:相撲力士
現在の長崎県出身の大相撲力士である生月鯨太左衛門はなんと227cmという現代でも大柄な力士でした。
江戸に出てきてからは女遊びに夢中になったようで、両国の水茶屋の娘に振られたのを腹いせに、見世物小屋にいた身長100cm程度の女性を妻にしたというエピソードもあります。
ただ女遊びが過ぎたためか、晩年5年ほどは梅毒に苦しんでいて、脚気で病死したという資料もありますが、梅毒で死亡したという資料もあります。
5.結城秀康さん
結城秀康
生年月日:1574年3月1日
出身:越前北ノ庄藩
活動:大名
越前松平家の宗家初代である結城秀康は、徳川家康の次男であり、のちに豊臣家・結城家の養子となった人物です。
晩年は腫物をして対面さえできない状態だったとの記録がありますので、梅毒で死亡したのではないかと言われています。
6.間宮林蔵さん
出典:rekijin.com
間宮林蔵
生年月日:1775年
出身:常陸国筑波郡
活動:御庭番、探検家
蝦夷(北海道)の測量を行い、樺太が島であることを確認し、間宮海峡を発見した間宮林蔵は、1844年に亡くなっています。死因については、梅毒が最も有力な説となっています。
7.古賀春江さん
古賀春江
生年月日:1895年6月18日
出身:福岡県久留米市
活動:洋画家
洋画家の古賀春江さんは、晩年は梅毒が進行し、体調が思わしくなかったようで、1929年に二科展での鑑査に加わった際も、それがかなり負担になって、その後は寝込んでしまったということがありました。
1931年ごろからは強度の神経痛に冒され、マラリア療法などを行いましたが、病状は回復せず、高熱が続くようになり、1933年に梅毒で亡くなっています。
梅毒の芸能人・有名人:海外編14名
1.アドルフ・ヒトラーさん
出典:bunshun.jp
アドルフ・ヒトラー
生年月日:1889年4月20日
出身:オーストリア
活動:政治家
ナチス・ドイツの象徴ともいえるアドルフ・ヒトラーは、梅毒に冒されていたと言われています。若い頃に売春婦から梅毒を貰っていたようで、1937年ごろにはかなり症状が現れていて、1942年には症状が進み、麻痺がおこっていたと言われています。
また、ヒトラーの従者ハインツ・リングと、ヒトラーの幕僚たちお抱えの外科医カール・ブラントの二人も、ヒトラーの梅毒がかなり進行した症候をしめしていた、と記述している。
引用:恥ずべき病気の証拠
2.アル・カポネさん
出典:jp.quora.com
アル・カポネ
生年月日:1899年1月17日
出身:アメリカ
活動:ギャング
アメリカの代表的なマフィア(ギャング)であるアル・カポネは、若い時に梅毒に感染しています。
1932年にアルカトラズ刑務所に収監されてからは、梅毒による痴呆のような症状が出ていました。梅毒と診断されるのは、1938年のことで、マラリア療法などを行いますが、効果はありませんでした。
1945年には民間人として初めてペニシリンを接種しますが、あまりにも梅毒が進行していたため効果はなく、1947年に死亡しています。
3.エイブラハム・リンカーンさん
エイブラハム・リンカーン
生年月日:1809年2月12日
出身:アメリカ
身長:193cm
活動:第16代アメリカ大統領
アメリカの第16代大統領であるエイブラハム・リンカーンは、梅毒を患っていたと言われています。ただ亡くなったのは梅毒ではありません。俳優のジョン・ウィルクス・ブースに暗殺されています。
4.ベートーヴェンさん
出典:gibe-on.info
ベートーヴェン
生年月日:1770年12月
出身:ドイツ
活動:音楽家、作曲家
「エリーゼのために」や「交響曲第9番」などで知られるベートーヴェンは、梅毒で亡くなったという説があります。「蒸発性の軟膏(水銀)を体に塗り込んだ」という記述があり、当時は梅毒の治療に水銀が用いられていたため、ベートーヴェンは梅毒だったのではないかと言われているんです。
5.フランツ・シューベルトさん
フランツ・シューベルト
生年月日:1797年1月31日
出身:オーストリア
活動:作曲家
「野ばら」、「美しき水車小屋の娘」、「魔王」、「ます」などの有名曲で知られるフランツ・シューベルトは、梅毒を患っていました。女中から感染したとされています。
死因については、腸チフスとも言われていますが、梅毒を治療するための水銀中毒とも言われています。
6.フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェさん
出典:iso-labo.com
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
生年月日:1844年10月15日
出身:ドイツ
活動:哲学者、思想家
「ルサンチマン」、「超人」、「永劫回帰」など独自の概念を生み出し続けた天才哲学者のニーチェは、長年梅毒を患っていました。頭痛や不随意運動などの神経症状や発作が起こり、1889年には騒動を起こして、警察に拘束されています。
精神病院を受診したところ、脳梅毒と診断され、最終的に精神錯乱状態になって、死亡しました。
7.ヴィンセント・ヴァン・ゴッホさん
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
生年月日:1853年3月30日
出身:オランダ
活動:画家
画家のゴッホも梅毒を患っていました。梅毒と診断されてからは水銀療法や座浴療法を受けています。晩年は梅毒が進行し、梅毒による麻痺性痴呆と診断されて、精神病院にも入院しています。
ゴッホは生前から「耳きり事件」などの奇行が目立っていました。統合失調症や双極性障害による奇行というのが有力な説ですが、梅毒が原因の奇行だったのではないかという説もあります。
8.オスカー・ワイルドさん
オスカー・ワイルド
生年月日:1854年10月16日
出身:アイルランド
活動:詩人、作家、劇作家
詩人や作家として知られるオスカー・ワイルドさんは、若い頃に梅毒に感染します。当時の梅毒の治療法だった水銀療法を行うものの、当然ながら梅毒は完治しませんでした。
梅毒が完治しないことを知ったオスカー・ワイルドの性的興味は男性へと向きます。当時は同性愛への理解がなく、男色を咎められたオスカー・ワイルドは収監されます。
出獄後は各地を転々とし、1900年に梅毒による脳脊髄炎で亡くなりました。
9.フェルディナンド・デ・メディチ (大公子)さん
出典:twitter.com
フェルディナンド・デ・メディチ (大公子)
生年月日:1663年9月8日
出身:イタリア
活動:トスカーナ大公子
トスカーナ大公子のフェルディナンド・デ・メディチは、男色家だったと言われています。独身時代に梅毒に感染し、梅毒が進行したことで、自分の父親よりも先に亡くなっています。
10.ランドルフ・チャーチルさん
ランドルフ・チャーチル
生年月日:1849年2月13日
出身:イギリス
活動:政治家
イギリスの政治家で、イギリスの首相でもあるランドフル・チャーチルは、イギリスの首相となるウィンストン・チャーチルの父親でもあります。
首相目前まで迫りながらも、政治的な戦略で失敗し失脚した彼は、40代になると、梅毒が進行していて全身に麻痺が出ていました。死期が近いことを感じたランドルフ・チャーチルは、最後の思い出づくりのために世界旅行に出ます。
アメリカや日本、シンガポールを回った後、ロンドンに帰り、自宅で亡くなりました。
11.ロベルト・シューマンさん
出典:ameblo.jp
ロベルト・シューマン
生年月日:1810年6月8日
出身:ドイツ
活動:作曲家
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家のロベルト・シューマンは、しばらくの間、死因が不明とされていましたが、様々な研究の結果、梅毒が原因で死んだことがわかっています。
研究によると、シューマンは1830~1831年に梅毒に感染し、1844年ごろには梅毒の第2期の症状が出ていて、1856年に梅毒による進行性麻痺で亡くなりました。
12.ユージン・サンドウさん
ユージン・サンドウ
生年月日:1867年4月2日
出身:プロセイン
身長:175cm
活動:ボディビルダー
ボディビルの先駆けであり、近代ボディビルの父とも呼ばれているユージン・サンドウは、梅毒が原因で死亡したことがわかっています。
13.ウィリアム・シェイクスピアさん
出典:gigazine.net
ウィリアム・シェイクスピア
生年月日:1564年4月
出身:イギリス
活動:劇作家
ロミオとジュリエットなどで知られるウィリアム・シェイクスピアは、梅毒を患っていた可能性があります。
彼の作品の中に出てくる梅毒の症状の記述が非常に正確であることに加え、手の震えがあったのは梅毒の治療に使われていた水銀中毒だったからなどの証拠があります。
ただ、死因は梅毒ではなく、腐りきったニシンから伝染した感染症であるとされています。
14.イヴァン4世
イヴァン4世
生年月日:1530年8月25日
出身:ロシア
活動:モスクワ大公
モスクワ大公でありモスクワ・ロシアの初代ツァーリであるイヴァン4世は、残虐な弾圧政治を行ったことで知られていますが、この残虐性は梅毒に罹っていたからという説があるんです。
梅毒の症状
梅毒の症状はその進行度によって、4つの段階に分けられます。
第1期
第1期は感染から3週間~3ヶ月程度の状態です。梅毒の第1期は、感染が起こった部位にしこりができます。しこりができやすい場所は、こちらです。
・口唇部
・口腔内
・肛門
梅毒は性感染症なので、このような部分から感染が起こることが多いです。このしこりは特に痛みはなく、しこりはまれに腫瘍になることはありますが、治療をしなくてもしこりが消えてしまうことが多いです。
ただ、しこりが消えたと言っても、梅毒が治ったわけではなく、体内に梅毒トレポネーマは存在していますし、性交渉などで他人に梅毒をうつす可能性もあります。
第2期
感染から3ヶ月~3年程度の状態が第2期になります。病原体の梅毒トレポネーマが血液に乗って全身をめぐるようになります。
この第2期での症状の特徴は、バラ疹です。手のひらや足の裏、さらに全身にうっすらと赤い発疹ができます。この発疹をバラ疹と呼びます。
このバラ疹は放っておいても1ヶ月程度で消失しますが、再び現れることもあります。このバラ疹が消えたとしても、梅毒が治ったわけではありません。
また、第2期では全身倦怠感や発熱、関節痛などの全身症状が現れることがあります。
第3期
第3期は感染から3~10年経った状態です。第2期と第3期の間は、潜伏期と呼ばれ、何の症状も現れないこともあります。
第3期になると、皮膚や骨、筋肉などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が生じるようになります。
第4期
第4期は感染から10年以上経った状態で、多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄、神経を侵されて麻痺性痴呆などが生じたりします。
抗生物質が普及していない時代では、第3期~第4期になり、梅毒で死亡することも珍しくありませんでしたが、現代では第3期~第4期に至ることは珍しく、第2期の時点で治療をして治ることが多いです。
梅毒の原因
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌に感染することが原因です。粘膜や皮膚の傷に梅毒トレポネーマが付着すると、そこから体内に侵入して、感染を起こします。
何度も言いますが、梅毒は性感染症ですので梅毒の人と性交渉をすることが梅毒の原因となります。不特定多数の人と性交渉をしたり、コンドームを使わないと、梅毒に感染する原因となります。
梅毒の感染経路
梅毒は感染部位と皮膚・粘膜が接触することで感染が起こります。梅毒トレポネーマは感染者の次のような体液に含まれます。
・精液
・膣分泌液
・浸出液
そのため、感染者と性交渉やオーラルセックスをすることで、梅毒に感染します。
また、梅毒の感染経路は性交渉(オーラルセックス)だけではありません。
・母子感染
梅毒患者の血液を使った輸血製剤が治療に使われれば、梅毒に感染しますが、現在は輸血製剤の感染チェックは厳しく行われているので、このリスクは非常に低いです。
また、梅毒の母親から生まれた赤ちゃんは、母親から胎盤を通じて感染が起こります。
私たちが梅毒の予防をするためには、パートナーを決めることと、性交渉をする際には必ずコンドームを使うようにすることが大切です。
まとめ
梅毒の芸能人・有名人と梅毒の症状や原因、感染経路をまとめましたが、いかがでしたか?梅毒というと、昔の性感染症というイメージが強いですが、ここ数年で患者が増えているという事実があります。
特に20代の女性の感染者が急増しています。20代女性の感染者が増えると、それだけ母子感染のリスクも増える可能性があるということになります。抗生物質がある時代とは言え、梅毒は気づくのが遅ければ、命にかかわる病気ですから、まずはしっかり予防すること。これが一番大切です。