原因不明の腹痛や下痢、血便などに苦しんでいる人はいませんか?もしかしたら、あなたはクローン病かもしれません。
クローン病の基礎知識とクローン病の芸能人・有名人、クローン病の症状や原因、寿命などをまとめました。
クローン病とは
クローン病とは、ブリル・バーナード・クローンという内科医が発見した病気で、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)の1つです。
口から食道・胃・小腸・大腸・直腸・肛門に至るまで消化器のありとあらゆる場所に、炎症が起こって、潰瘍やびらん、線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変ができる病気です。特に、小腸や大腸に潰瘍やびらんなどの炎症が起こることが多いです。
クローン病は10~20代の若者が多く発症し、男女比は2:1と男性の発症者が多いことが特徴です。現在、日本には約4万人の患者がいるとされていて、厚生労働省の特定疾患に指定されています。
潰瘍性大腸炎との違い
炎症性腸疾患(IBD)の中には、潰瘍性大腸炎もあります。クローン病と潰瘍性大腸炎は混同されやすいですが、大きな違いがあります。それは、病変の部位です。
クローン病は消化器のありとあらゆる場所に病変ができる病気ですが、潰瘍性大腸炎は病変は大腸に限定されています。
どちらも大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気ですが、クローン病は大腸以外の消化器にもびらんや潰瘍ができるという違いがあります。
クローン病の芸能人・有名人:国内3人
1.山田まりやさん
出典:oricon.co.jp
山田まりや
生年月日:1980年3月5日
出身:愛知県名古屋市
身長:153cm
所属:セントラル
血液型:A型
活動:タレント
タレントの山田まりやさんは、2003年にクローン病のような症状に襲われています。盲腸の手術をした後に嘔吐や腹痛、発熱などの症状が出て、いろいろな検査をしましたが、何の病気かわからず、医師に「クローン病かもしれない」と言われたそうです。
その後、鍼治療とマクロビオティック、漢方、薬膳などを続け、体質改善をした結果、2008年ごろからはクローン病の症状は治まっています。山田まりやさんの場合は、クローン病の確定診断はされていませんが、IBDの啓発イベントなどに積極的に参加されています。
2.真山亜子さん
真山亜子
生年月日:1958年11月15日
出身:岐阜県土岐市
身長:155cm
所属:ケンユウオフィス
血液型:A型
活動:声優
声優の真山亜子さんは32歳の時にクローン病とベーチェット病と診断されています。治療のために炎症を抑えるステロイドを内服していましたが、自己判断で内服を止めてしまったところ、炎症が悪化して、小腸を1メートル、大腸20cm切って、ストーマをつけることになったそうです。
3.お侍ちゃんさん
お侍ちゃん
生年月日:1981年3月17日
出身:岩手県
身長:174cm
所属:サンミュージック
血液型:O型
活動:お笑いタレント
お笑いタレントのお侍ちゃんは、2019年にクローン病を発症しています。腹痛があり、病院に行って詳しい検査をしたところ、クローン病ということが判明しました。
発症から3週間で15キロもやせてしまったそうです。40日間の入院後、無事退院されています。
クローン病の芸能人・有名人:海外8人
1.アイゼンハワーさん
出典:diamond.jp
アイゼンハワー
生年月日:1890年10月14日
出身:アメリカ
身長:179cm
所属:共和党
活動:第34代アメリカ大統領
アメリカの第34代大統領であるアイゼンハワー氏は、クローン病であったと言われています。1953年に大統領に就任していますが、大統領の任期中に2回の手術を受けました。
大統領になる前は、連合国遠征軍最高司令官として、ノルマンディー上陸作戦実行の決断を行うなど、軍人として活躍していたので、クローン病とうまく付き合っていたのだと思います。
78歳で亡くなっているので、クローン病によって寿命が短くなることはなかったと思われます。
2.アナスタシアさん
出典:twitter.com
アナスタシア
生年月日:1968年9月17日
出身:アメリカ
身長:157cm
活動:歌手
2002 FIFAワールドカップ公式ソング「Boom」を歌った歌手のアナスタシアさんは、13歳の頃からクローン病と付き合っています。手術もしているようで、お腹に傷跡が残っています。
その後、乳がんや心臓病などの大病を患いながらも、歌手活動を続けています。
3.サム・フェアーズさん
サム・フェアーズ
生年月日:1990年12月31日
出身:イギリス
身長:168cm
活動:タレント
2014年にサム・フェアーズさんは、イギリスの「Celebrity Big Brother」という番組に出演します。その直後に体調を崩し、クローン病と診断されました。
ただ、Instagramを見る限り、クローン病とうまく付き合いながら生活しているようです。
4.シャナン・ドハーティさん
シャナン・ドハーティ
生年月日:1971年4月12日
出身:アメリカ
身長:160cm
活動:女優
ビバリーヒルズ青春白書のブレンダ役で知られるアメリカの女優シャナン・ドハーティさんは、1999年にクローン病の診断を受けています。その後、2015年には乳がんと診断されますが、治療の結果、寛解状態となっているようです。
5.へザー・オルークさん
出典:imishin.me
へザー・オルーク
生年月日:1975年12月27日
出身:アメリカ
活動:子役女優
アメリカの子役であり、映画「ポルターガイスト」に出演していたヘザー・オルークさんは1987年にクローン病と診断されます。翌年の1988年になると、突然嘔吐し、意識が薄れ始め、死に至ります。
彼女の死因は腸閉塞による感染性ショックとのことで、クローン病のコントロールがうまくいっていなかったのかもしれません。
6.マイケル・レポンドさん
マイケル・レポンド
生年月日:1966年2月17日
出身:アメリカ
活動:ベーシスト
シンフォニー・エックスのベーシストとして活躍しているマイケル・レポンドさんは、2006年にクローン病を発症し、公表しています。2006年6月に予定されていたシンフォニーエックスのライブは2公演キャンセルすることになっています。その後は寛解し、再び活動を続けています。
7.マーク・リアリさん
マーク・リアリ
生年月日:1955年6月7日
出身:アメリカ
活動:ギタリスト
ライオットのギタリストであり、唯一のオリジナルメンバーだったマーク・リアリさんはクローン病を患っていました。
2012年1月にくも膜下出血で倒れ、同年1月25日に亡くなっています。このくも膜下出血はクローン病の合併症という報道があります。
8.ジョージ・スティールさん
出典:wwefan.com
ジョージ・スティール
生年月日:1937年4月16日
出身:アメリカ
身長:188cm
活動:プロレスラー
プロレスラーとして活躍していたジョージ・スティールさんは、1988年にクローン病と診断され、プロレスラーを引退しています。2002年には結腸を除去しています。2017年に79歳で亡くなっています。
クローン病の症状
クローン病は消化器に炎症が起こって、びらんや潰瘍ができる病気ですから、次のような症状が出てきます。
・下痢
・倦怠感
・体重減少
・食欲不振
・嘔吐
先ほど紹介したお侍ちゃんは、3週間で15kgも体重が減ってしまったそうです。
また、クローン病は肛門病変が起こることが多いことも特徴です。肛門周辺に潰瘍ができたり、膿が溜まったり、切れ痔になることがあります。
ただ、潰瘍性大腸炎で多く見られる血便は、クローン病ではあまり症状としては見られないことが多いです。
合併症で手術が必要なことも
出典:ibd-life.jp
クローン病は症状が進行することで、外科的な手術が必要になることもあります。炎症が進行すると、腸が細く狭くなってしまう部分があります。そうすると、そこで行き止まりの状態になってしまいますので、吐き気や腹部膨満感、腹痛などが出ることがあります。
また、炎症が進んで腸に穴が開いてしまうこともあるんです。腸に穴が開いてそこに膿が溜まってしまうこともありますし、小腸に穴が開いて大腸とつながってしまうということもあります。
そうすると、手術をして治療をしなければいけないことがあります。
クローン病は消化器以外の症状が出ることも
クローン病は消化器の粘膜に炎症が起こる病気ですので、主な症状は消化器関係の症状になります。でも、それ以外にも症状が出ることがあるんです。
クローン病では次のような症状が出ることもあります。
・皮膚症状:結節性紅斑や壊疽性膿皮症
・眼の症状:虹彩炎
・その他:骨粗しょう症、胆管炎、強直性脊椎炎、口内炎
クローン病の症状は全身に及ぶのです。
クローン病の原因
クローン病の原因はわかっていません。ただ、原因となる3つの因子はわかっています。
クローン病の原因:遺伝因子
クローン病は遺伝が関係しているとされています。クローン病ではNod2 (IBD1)という機能欠損多型が関係しているとされています。これは欧米人に多く、アジア人には認められていません。
クローン病は欧米人に多いのは、この遺伝因子が関係していると思われます。
クローン病の原因:環境因子
クローン病は以前は日本人で発症する人は少なかったのですが、最近はクローン病を発症する日本人が増えてきています。これは、日本人の食生活が動物性脂質が多くなって、欧米化しているためではないかとされています。
また、清潔すぎる環境も、クローン病の原因の1つではないかと言われています。
クローン病の原因:免疫異常
クローン病は免疫異常も関係しているとされています。免疫に異常が起こっているから、腸の粘膜を正常に保つことができず、免疫が過剰反応して、炎症が進んでしまうと考えられています。
クローン病の寿命
クローン病は完治させるのは難しい病気です。寛解したと思っても、すぐに再燃・再発してしまいます。うまく付き合っていくことが大切な病気と言えるでしょう。
ただ、クローン病になったことで、寿命が短くなるという心配はほぼありません。クローン病と診断された後の10年生存率は96.9%ですから、クローン病と寿命はあまり関係ないと言えるんです。
まとめ
クローン病の芸能人・有名人やクローン病の症状や原因、寿命などをまとめましたが、いかがでしたか?クローン病は原因不明の難病ですが、コントロールしてうまく付き合っていくことはできる病気です。
また、周囲に理解されにくい病気ですから、周囲にクローン病の人がいたら、その症状や辛さを理解してあげるようにしたいですね。