日本ではあまり聞きなれない病気「ライム病」ですが、最近海外の有名アーティストがカミングアウトしたことで話題です。
今回はライム病の原因や症状、完治の方法、ライム病を患った海外の有名人や日本の芸能人をまとめました。
ライム病の原因とは
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ライム病とは、マダニ(シカダニ)に嚙まれることで、ボレリアという病原体がヒトの体内に入り込むことで発症する病気です。
ライム病(Lyme disease またはLyme borreliosis)は、野鼠や小鳥などを保菌動物とし、野生のマダニ科マダニ属(Ixodes)のダニによって媒介される人獣共通の細菌(スピロヘータ)による感染症である。
引用:NIID国立感染症研究所『ライム病とは』 https://www.niid.go.jp/
そしてマダニは、北アメリカやヨーロッパ、日本などの樹木の多い地域に発生することが多く、特に夏から初秋にかけ発生すると言われています。
また、アメリカでは年間数万人もの人がこのライム病を患い、その報告件数が年々増加していることから社会問題になっているそうです。
こうしてマダニに嚙まれることで病原体に感染するライム病は、嚙まれてから一定期間が必要と言われています。
そんなマダニは、蚊などとは違い、一度噛みつくと除去するまで数日間吸血し続けるです。そのため、マダニを素早く除去できれば感染リスクは下がるようです。
そして“シュルツェマダニ”によるライム病については、嚙まれてから3日以内の除去であれば、予防に役立つとも言われているそうです。
ライム病の症状とは
ライム病の症状は“3つのステージ”に分けられています。
ステージ1:早期(限局期)
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大きな赤い斑点が現れる
最初は「限局期」と呼ばれ、マダニに刺された箇所に大きな赤い斑点が現れます。
そして次第に患部が拡大していき、最終的に直径50cmほどに広がるのです。
また、マダニは非常に小さいため、この時点でマダニに嚙まれていると気付く人は殆どいないそうです。
そして赤い斑点が現れるものの、特に痛みも痒みもなく、治療しなくても紅斑は3~4週間程度で退色していくと言われています。
また、赤い斑点も出ず、無症状の人も25%程度いるそうです。
ステージ2:早期(播種期)
続いてステージ2は「播種期」と呼ばれ、初期病変の出現から数日または数週間後に細菌が全身に広がり始めるのです。
そして、治療を受けていない人の半数近くに、通常は小さな輪状の二次性皮膚病変が複数出現すると言われています。
その後、インフルエンザの様な倦怠感・疲労・悪寒・発熱・頭痛・関節痛などの症状が現れ、これが数週間続くことがあるようです。
この段階では、背部痛・悪心・嘔吐・咽頭痛・リンパの腫れ・膵臓の腫大はあまり見られないそうです。
しかし、約15%の患者に重篤な症状が現れると言われており、髄膜脳炎やベル麻痺(顔面神経麻痺の一種)が数か月続くそうです。
そして更に8%の患者には、心筋系の房室ブロックや胸の痛みなどの心膜炎が起こると言われています。
ステージ3:晩期
もし、ステージ1,2の早期の段階で治療を行わない場合、最初の感染から数か月から数年でステージ3の「晩期」に移行します。
そして晩期に移行してしまうと、半数以上の約60%の患者に関節炎が起こります。
その後は、2~3の大関節(特に膝関節)に腫れや痛みが生じ、典型的には数年に渡って再発を繰り返すと言われています。
また膝関節は、痛みよりも腫れの方が酷く、熱をもち赤くなることもあるようです。そして関節炎と同時か先に、倦怠感や疲労、微熱も伴うそうです。
約10%の患者では関節炎が慢性化し、6か月以上痛みが続く場合もあるようです。
ライム病は完治する?
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ライム病を発症するとステージに関わらず、どの段階でも抗菌薬が有効と言われていますが、やはり早期治療がもっとも効果的のようです。
ライム病は完治する病気
基本的にライム病は完治する病気で、皮膚症状のみであれば適切な抗菌薬を2週間内服すれば完治が見込めるよでうす。
ただし全身症状が強く、皮膚症状も広範囲の場合は、3週間から1ヶ月の治療が必要になるケースもあるようです。
また、顔面神経麻痺が生じた場合は、入院し点滴で最低1週間~10日間治療を受け、その後は患者の回復具合によっては、さらに抗菌薬を2~3週間の内服するのがベターと言われています。
このように、ライム病は完治する病気ですが、その患者の症状により治療が異なるため、完治までの期間も異なります。
ライム病は日本でも注意が必要?
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アメリカでは、年間3万人を超えるライム病患者が報告されており、社会問題とまでなっていますが、日本でも注意が必要なのでしょうか?
日本でもライム病に感染する恐れあり
ライム病の原因となるマダニは日本でも生息しており、ライム病の注意が必要です。
日本では主に寒い地域や標高が高い場所で感染が見られ、もっとも報告が多いのが北海道で、年間10人弱の患者が報告されています。
ただ、保健所に届け出がされていない事例も含めると、もっと多くの患者がライム病を患っているのではないかと推測されています。
出典:https://www.niid.go.jp/
そして、北海道に次いで感染者が多いのが東京で、他にも長野県、新潟県、大分県、福島県、福井県、群馬県などでライム病にかかるリスクがあると言われています。
ライム病に感染した有名人や芸能人① 海外編
ライム病の原因や症状を見てきましたが、続いてはライム病を患った有名人を見ていきましょう。
ジャスティン・ビーバー
今これほどまでにライム病が取り上げられているのは、ジャスティン・ビーバーさんがライム病を告白したからではないでしょうか。
出典:https://rockinon.com/
ジャスティン・ビーバー、秘密にしてきた「ライム病」との闘病を告白 (フロントロウ) – LINE NEWS https://t.co/v8z0h9x5fr
— まも (@Mamo_58) January 9, 2020
ジャスティン大変だったのね…
原因特定できて回復してよかった…
ジャスティン・ビーバーさんは、2020年1月8日、自身のInstagramを更新し、ライム病と診断されたことを明かしています。
カナダ出身の世界的人気歌手、ジャスティン・ビーバー(25)が8日(日本時間9日)、自身のインスタグラムを更新し、ライム病と診断されたことを告白した。
引用:ジャスティン・ビーバーがライム病告白 27日からユーチューブで闘病の様子を説明 https://www.sanspo.com/
こうしてライム病を告白したジャスティン・ビーバーさんは、2019年2月に深刻なうつ症状に悩まされ、専門医によるカウンセリングなどの治療を受けていたようです。
このうつの根本的な理由は、ライム病による心労からだったのです。
アヴリル・ラヴィーン
出典:https://www.oricon.co.jp/
アヴリル・ラヴィーンさんも、ライム病に感染していた1人です。
[エンタメ]ライム病を克服したアヴリル・ラヴィーンが闘病生活を歌に http://t.co/geUfgN4aqr pic.twitter.com/JlgrOS18LF
— シネマトゥデイ (@cinematoday) April 14, 2015
アヴリル・ラヴィーンさんがライム病と診断されたのが2014年で、ライム病を患っていることを告白し、長期で音楽活動の休止を余儀なくされました。
そんなアヴリル・ラヴィーンさんは、ライム病と診断されるる数ヶ月前からずっと体調不良だったそうです。
そして、5ヶ月間も寝たきりだったアヴリル・ラヴィーンさんは、死を覚悟したといいます。
彼女は「1匹の虫に刺されることがこんなことになるとは思わなかったわ」「5か月間寝たきりだったの」「私は息ができない、話せない、動けないって感じていたの」「私は死ぬって思ったわ」「ほとんど立っていることができなかったから、1週間シャワーを浴びれなかったこともあったの」と話し、ファンからの体調を気遣うメッセージやビデオには深く感動したと明かしている。
引用:アブリル・ラビーン、ライム病で体調不良だった https://www.nikkansports.com/
こうして死を覚悟したと言うアヴリル・ラヴィーンさんですが、闘病生活の中でも音楽制作を続けることでなんとか元気を取り戻したと言います。
そんなアヴリル・ラヴィーンさんは、2018年に活動を再開。ウェブサイトではライム病の予防や情報も提供し、一流の科学チームと提携を組み、ライム病を研究することも明かしています。
アヴリルの財団ではこうした事態を防ぐため、ウェブサイトでライム病の予防や情報を提供。ライム病に対する正確な処置を熟知する医者を紹介してもいる。また、ライム病研究をさらに促進するため、「一流の科学チームと提携を結ぶことを近々発表する予定です。そしてあなたも力になれるような新たな取り組みが間もなくスタートします。
引用:アヴリル・ラヴィーン、ライム病との闘い告白 問題提起も「たった1回の虫刺されが…」 https://www.oricon.co.jp/
リチャード・ギア
出典:https://www.cinematoday.jp/
なんとあの大スターであるリチャード・ギアさんも、ライム病に感染していた1人でした。
リチャード・ギアさんと言えば、数々の名作に出演していますが、2000年の『オータム・イン・ニューヨーク』の撮影中、抗菌薬の治療で撮影が延期したこともあるのです。
しかしリチャード・ギアさんは、早期発見だったこともあり、すでに完治しています。
アシュレイ・オルセンさん
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アメリカのドラマ『フルハウス』で有名な、アシュレイ・オルセンさんもライム病に感染していたのです。
そんなアシュレイ・オルセンさんは、2015年にライム病に感染し闘病していることが報じられました。
日本でも人気を博した海外ドラマ『フルハウス』にミシェル役で出演した双子の1人で、現在はファッションブランドを立ち上げて成功しているアシュレイ・オルセンが、ライム病を患い苦しい闘病を続けていると、米「OK!」誌が伝えた。
引用:「フルハウス」のアシュレイ・オルセン ライム病を患い闘病中 https://www.excite.co.jp/
アシュレイ・オルセンさんは診断された時はかなり進行しており、早期の治療が受けれられず、辛い思いをしたそうです。
情報筋によると、病状はかなり悪く、悪化しているとのこと。「病気が進行してから診断されたため、早期発見による治療を受けることができなかったんです。乗り切るしかありません。仕事に顔を出してもやつれきっていますよ。不機嫌なことも多く、かなり大変な思いをしているようです」と情報筋はコメントしている。
引用:「フルハウス」のアシュレイ・オルセン ライム病を患い闘病中 https://www.cinematoday.jp/
ライム病に感染した有名人や芸能人② 日本編
海外では有名人がライム病に感染し報道されていますが、日本の芸能人でライム病に感染した人はいるのでしょうか?
日本の芸能人でライム病にかかった人はいない
そこで調べてみたところ、国立感染症研究所の発表によると、日本で初めてライム病と診断された患者は1986年で、1999年から2018年までに報告されている症例数は231例です。
このように、年間にすると11人と極めて少ないこともあり、日本の芸能人でライム病に感染した人はいませんでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本ではあまり馴染みの無い、ライム病の原因や症状、そして感染した有名人についてまとめました。
ジャスティン・ビーバーさんが告白したことで、認知度が高くなったライム病ですが、マダニは日本にも生息しているので、今後感染するリスクは誰にでもあるのです。
そのためにも、しっかりと知識を持ち、予防することが大切ですね。