解離性同一性障害（多重人格）とは

解離性同一性障害とは、以前は多重人格と呼ばれていた精神障害です。少なくとも2つの異なる人格が同一人物の中に存在している状態ですね。

そもそも解離性障害とは、「自分が自分であるという感覚が失われている状態」と言い換えることができます。自分が自分でなくなっている、自分から解離している状態が解離性障害なんです。解離性障害には、次のようなものがあります。

解離性同一性障害（多重人格）の芸能人・有名人9名

解離性同一性障害の人は、あまり多くありません。ハッキリ言えば、珍しい病気と言えます。そのため、解離性同一性障害の芸能人・有名人はあまり多くありませんが、自ら公表している人もいます。

1．ビリー・ミリガンさん

世界に解離性同一性障害という病気を広く知らせたのは、ビリー・ミリガンさんと言って良いでしょう。ダニエル・キイス著「24人のビリー・ミリガン」は日本でもベストセラーになりました。

オハイオ州立大学キャンパス内にて、三人の女性に対する連続強姦及び、強盗の容疑で逮捕されたビリー・ミリガンでしたが、裁判を進める中で、当人合わせて24人の人格があることが明らかになりました。

彼は実父が自殺し、さらに養父には厳しい虐待を受けたために、解離性同一性障害になったとされています。

2．泰葉さん

タレントの泰葉さんは、以前からPTSDや双極性障害（躁うつ病）であることを告白していましたが、自身のブログで「もう一人の私」という記事をエントリーしました。その記事の中には、

「もう一人の私がいつも私に問いかけていました 泣いたり怒ったり時にははしゃいだり手のつけられない子でした」「そんなもう一人さんは今スヤスヤ寝ています 安心した顔です」

 

引用：泰葉「芸能界に復帰」宣言、精神病を患っていたことを告白 多重人格者だった？ (2018年7月30日) – エキサイトニュース

このように解離性同一性障害（多重人格）を意味するようなことが書かれていました。ハッキリとは自分では解離性同一性障害（多重人格）とは言っていませんが、可能性は高いですね。

3．Tokinさん

漫画家やイラストレーターとして活躍しているTokinさんは、「心理とおとぎ話」をテーマに、心理、メンタルヘルスを題材とした漫画や淡い水彩画を描く方です。

メンタル的な問題を抱えて高校中退をし、色々な病院を渡り歩いた結果、解離性同一性障害・双極性障害と診断されました。

2018年には、自らの経験（多重人格）を描いた初の単行本「解離性障害のちぐはぐな日々 -私の中のたくさんのワタシ」を出版しています。

4．マリアさん

T-BOLANのボーカルである森友嵐士さんと結婚したマリアさんは、1995年に解離性同一性障害（多重人格）と診断されます。マリアさんの中には12人の人格がいたそうです。

小さいころは父親から性的虐待をされていたようです。2004年には埼玉県で7人が集団自殺した事件がありましたが、自殺した7人のうちの1人として亡くなっています。この事件のリーダー的存在だったようです。

5．ハーシェル・ウォーカーさん

ハーシェル・ウォーカーさんはUSFLとNFLでランニングバックとして活躍したアメフト選手であり、総合格闘家としても活躍していた方ですが、2008年には多重人格（解離性同一性障害）で長年苦しんでいたことを告白しています。

6．シャーリー・メイソンさん

アメリカの美術教師でだったシャーリー・メイソンさんは16人の人格がいる多重人格者（解離性同一性障害）と診断されていました。

しかし、2011年には「私は多重人格でない。すべてはお芝居です。母にレイプされたこともない。」と主治医に送った手紙が発見され、すべては彼女の嘘だったという説が有力になっています。

7．山口達也さん

元TOKIOの山口達也さんは、一部週刊誌で解離性同一性障害の可能性があることを報じられたことがあります。

引退するまでは芸能界での評判が良く「好青年」と言われていたのに、少女にわいせつ行為をしようとしたり、お酒に飲まれてしまうところなどが二面性があるからとのことですが、本当のところはわかりませんね。

8．神いっき被告

「声優のアイコ」と言ったほうがピンとくる人も多いと思いますが、連続こん睡強盗事件の容疑者である神いっき被告は多重人格（解離性同一性障害）だったと裁判で主張しています。

裁判中には4歳の「ゲンキ君」という人格が現れたこともあります。性同一性障害を患っていて、知らないうちに妊娠していて、拘留中に出産したという驚くべきエピソードもあります。

9．オーイシ・ケティ・ユリ被告

オーイシ・ケティ・ユリ被告は大阪市西成区の准看護師の強盗殺害の容疑で逮捕されましたが、裁判中に解離性同一性障害であり、責任能力はないと主張しています。

弁護側は解離性同一性障害で責任能力はないと主張しましたが、裁判では「たとえ解離性同一性障害だとしても、行動を制御できていて、責任能力はある」として、弁護側の主張を退けています。

解離性同一性障害の症状

解離性同一性障害の症状は、複数の人格・記憶の欠如・その他の症状の3つに大きく分けることができます。

複数の人格

解離性同一性障害は頭の中に2つ以上の複数の人格があることが最大の特徴です。この頭の中にいる複数の人格はそれぞれ交代で現れます。

交代人格には、次のような特徴があることが多いです。

その他の症状

解離性同一性障害では、次のような症状を併発していることが多いです。

解離性同一性障害は精神的にかなり不安定な状態で、さらに耐え難いストレスを抱えていることは間違いないので、このような精神的な症状が出てきてしまうのです。

解離性同一性障害の原因

解離性同一性障害の原因は、小児期の強いストレスとされています。アメリカやカナダ、ヨーロッパでは、解離性同一性障害の患者の9割が小児期に虐待やネグレクトを受けていたことがわかっています。

解離性同一性障害は多重人格の病気ですが、本人の辛さとは反して、なかなか理解してもらえない病気ではあります。治療には周りの理解が必要ですし、専門的な医療機関を受診する必要があります。