パーキンソン病の症状と原因

パーキンソン病の症状は？

パーキンソン病の症状として最も多いのが「振戦（震え）」で、初期症状全体の60％を占めることが分っています。

パーキンソン病の症状・振戦の特徴として、片方の手指から始まる静止時振戦があります。振戦の後には、固縮（こしゅく）・無動（動作緩慢）・姿勢反射障害などが起こるようになってきます。

パーキンソン病の三大徴候は「振戦・固縮・無動」、四大徴候で「姿勢反射障害」とも呼ばれています。

これらの四大徴候に加え、自律神経徴候（便秘・排尿障害・四肢循環障害・多汗）などや情緒面の異常（抑うつ状態の合併が多く見られる）、認知障害が多い傾向にあります。

パーキンソン病は、慢性進行性疾患ですが、現在は「l-DOPA」という薬を投与することによって、発症後10数年に渡って日常生活の自立が保たれるようになってきました。

パーキンソン病の原因とは？

パーキンソン病は、中脳にある黒質という部分に異常が起こり、黒質で生成されていたドーパミンという情報伝達物質が少なくなり、線条体という部分から放出されたドーパミンが少なくなっていくことが原因とされています。

ですが、このような症状が起こるのかは、いまだ原因は不明のままです。

パーキンソン病患者の多くは、50～60歳代に発症し、緩徐に姿勢異常と運動障害が進行していきます。男女のどちらかに多く起こる、ということはなく、遺伝もしません。どちらかと言えばアジア人より白人に多い傾向があります。

パーキンソン病は主に中脳にある黒質が変性し、錐体外路症状(無動・筋固縮・振戦・姿勢反射障害)があらわれる疾患だ。原因不明だが、ドパミンの減少が関係してるといわれている。歩行時にすくみ足・前傾前屈姿勢・加速歩行・小刻み歩行・方向転換困難などがみられるのも特徴だ。

— フィリップ (@double_kangobot) November 4, 2019

パーキンソン病の芸能人/有名人13名：芸能人4名について

パーキンソン病の芸能人：藤原義江（テナー歌手）

藤原義江さんは、父がスコットランド人で母が日本人との間に生まれたハーフで、男性オペラ歌手・声楽家で「吾等のテナー」という愛称で親しまれていました。

戦前から戦後にかけて活躍した世界的に有名なオペラ歌手で知られ、藤原歌劇団の創設者でもあります。

最期の舞台後、脳血栓症に侵され、さらにはパーキンソン病を患ってしまい、犬丸徹三の厚意で帝国ホテル内にある専用室に居住し、ホテル内のレストランで食事をとる日々でしたが、1976年（昭和51年）3月22日に亡くなられています。77歳でした。

パーキンソン病の芸能人：E・H・エリック（タレント）

E・H・エリックは、父親が日本人画家の岡田穀（おかだ　みのる）で、母親がデンマーク人との間に生まれたハーフです。

タレント・俳優として活躍し、弟は俳優でタレントの岡田眞澄、E・H・エリックの次女はタレントの岡田美里で、長女と三女は一般人です。

2000年に、パーキンソン病を患っていたため、アメリカ・ハワイ州マウイ島にて亡くなられています。71歳でした。

弟の眞澄さんは、兄弟が兄一人しかいなかったことから「まるで片足を失ったような気分だ」と述懐しています。

パーキンソン病の芸能人：キャサリン・ヘプバーン（アメリカ・女優）

キャサリン・ヘプバーンは、アメリカの女優で、2017年の時点の演技部門で、「オスカー」を4回受賞したたった一人の女優としても知られています。

ノミネート数でも、オスカー史上第2位の12回に上りますが、 ヘプバーン本人は公の場を嫌っていて、自身がノミネートされた授賞式に出席することはありませんでした。

2003年6月29日の午後、自宅にて老衰のため亡くなられました。96歳でした。そして近年では、パーキンソン病などを患っていたことが判明しています。

パーキンソン病の芸能人：（カナダ・俳優）

マイケル・J・フォックスは、カナダ生まれの俳優で、プロデューサー・作家としても活躍しいています。

俳優になる際には、既に同名俳優がいたことなどから、マイケル・J・フォックスが尊敬するマイケル・J・ポラードにちなんで「J」の字を付けたそうです。

マイケル・J・フォックスが30歳の頃に、パーキンソン病を発症しています。

1990年頃から初期症状が見られ、病を隠しながら、自らがプロデュースに参加し主演も務めた

ドラマシリーズ「スピン・シティ」などに出演し続けましたが、2000年には同番組を降板し、俳優活動からも退いでいます。

その後、パーキンソン病の研究助成活動を始められ「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」を設立し、また自身の生い立ちやパーキンソン病の闘病生活を綴った自伝「ラッキー・マン（Lucky Man） 」を発売し、国際的にベストセラーとなりました。

パーキンソン病の芸能人/有名人13名：有名人9名について

パーキンソン病の有名人：三浦綾子（小説家）

三浦綾子さんは、高等卒業後、17歳の頃から7年間小学校で教師を勤めましたが、太平洋戦争後に、罪悪感と絶望を抱き退職しています。

その後は、肺結核と脊椎カリエスを併発し、13年間もの療養生活を送り、その闘病中にキリスト教に出逢ったそうで、1952年に洗礼を受ます。また1964年には、朝日新聞の1000万円懸賞小説に「氷点」で入選したことを機に、作家活動に入り、以降も「塩狩峠」「道ありき」「泥流地帯」など多数の小説・エッセイ等を発表し、1998年には、旭川市に「三浦綾子記念文学館」を開館しています。

晩年は、結核・脊椎カリエス・心臓発作・帯状疱疹・直腸癌、そしてパーキンソン病などといった度重なる病魔に苦しまれ、1999年10月12日に多臓器不全によって77歳で亡くなられています。

パーキンソン病の有名人：小森和子（映画評論家）

小森和子さんは、「小森のおばちゃま」の愛称で親しまて、一世を風靡した映画評論家・タレントです。映画俳優のジェームズ・ディーンの熱狂的崇拝者としても知られています。

晩年の10年間は、パーキンソン病・老人性認知症・うつ病などを患い、寝たきりの状態で自宅で療養生活を送っていて、養女が介護していたそうです。

そして、2005年1月8日に、呼吸不全のため、東京都内の自宅にて亡くなられました。95歳でした。

パーキンソン病の有名人：鄧小平（政治家）

鄧小平は、中和国の政治家であり、中国を建国した毛沢東の死後、事実上の中国の最高指導者となりました。

以降は、改革開放や一人っ子政策といった毛沢東時代の政策を転換し、現代へと繋がる中国の路線を築きました。

1997年2月19日、香港返還を見ることはなく、パーキンソン病と肺の感染の併発により呼吸不全に陥り、亡くなられました。

パーキンソン病の有名人：山田風太郎（小説家）

山田風太郎さんは、小説家として、これまで伝奇小説・推理小説・時代小説の3分野で名を馳せ、戦後の日本を代表する娯楽小説家の一人として活躍してきました。東

「魔界転生」や「忍法帖」シリーズなどの、奇想天外なアイデアを用いた大衆小説でも知られています。

晩年は、白内障や糖尿病、パーキンソン病など次々患ったことで、山田さんの執筆活動そのものが困難になっていたそうです。

パーキンソン病の有名人：モハメド・アリ（米・ボクサー）

モハメド・アリは、アメリカの元プロボクサーであり、アフリカ系アメリカ人です、イングランドとアイルランドの血も引いているそうです。

元WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオンに輝いています。

引退から3年が経過した42歳の頃、現役時代に受けた頭部へのダメージが原因と見られるパーキンソン病と診断され、闘病生活を送っていましたが、2016年6月3日に74歳で、敗血症ショックのため亡くなられました。

パーキンソン病の有名人：ヨハネ・パウロ２世（ローマ教皇）

ヨハネ・パウロ2世は、ポーランド出身の第264代ローマ教皇です。

 カトリック教会の聖人であり、ヨハネ23世と共に、ピウス10世以来となる60年ぶりに列聖された教皇で知られ、ハドリアヌス6世以来となる455年ぶりの非イタリア人教皇にして史上最初のスラヴ系教皇としても有名です。

晩年は、暗殺未遂で受けた重傷の後遺症と、パーキンソン症候群などといった肉体的な苦しみを受けていたと言われています。

パーキンソン病の有名人：江戸川乱歩（小説家）

江戸川乱歩さんは、大正から昭和期にかけ、主に推理小説を得意とした小説家・推理作家です。

戦後には、推理小説専門の評論家としても活躍し、実際に探偵として「岩井三郎探偵事務所」に勤務していた経歴があります。

晩年は、高血圧・動脈硬化・副鼻腔炎（蓄膿症）を患ったうえに、パーキンソン病も患っていました。そんななかでも家族に口述筆記させ、評論・著作を行っていました。

パーキンソン病の有名人：アドルフ・ヒトラー（政治家）

アドルフ・ヒトラーは、ドイツの政治家・国首相・国家元首であり、国家と一体とされた国家社会主義ドイツ労働者党の指導者として知られています。

1933年に首相に指名されると、1年程で指導者原理に基づいた党と指導者による一極集中独裁指導体制を築いたことから、「独裁者の典型」と言われていて、ユダヤ人に対するホロコーストや、ナチズムに基づいた政策を行なったことで世界的に知られています。

ヒトラーは、1942年頃から、手の震え・痙攣・腸の痛みなどに悩んでいたそうで、この当時は治療法がありませんでしたが、主治医のモレルは、ヒトラーの病状をパーキンソン病と診断していなかったとも言われています。

パーキンソン病の有名人：岡本太郎（芸術家）

岡本太郎さんは、芸術家で知られ、1930年～1940年まではフランスで過ごし、抽象美術運動やシュルレアリスム運動とも接触しました。

1996年1月7日に、以前から患っていたパーキンソン病が原因で急性呼吸不全により84歳で亡くなられました。

岡本太郎ってパーキンソン病だったのね。
授業で言われて初めて知った…

— RIHO🦉☁︎︎ (@flyer_AIM) October 30, 2019

パーキンソン病の3つの治療方法と寿命

パーキンソン病の治療方法は？

パーキンソン病の治療方法は、大きく3つに分けられています！

パーキンソン病の治療方法1つ目は、「薬物療法」です。

薬物療法では、不足しているドーパミンを補い、ドーパミンの働きを補助したりする働きがあります。

症状を見て薬を組み合わせ、その患者に一番効果的なものを投与します。また、現代の医学では、パーキンソン病を治す薬はなく、症状に合わせた対症療法となっています。

パーキンソン病の治療方法2つ目は、薬物療法と合わせてリハビリテーションが行われていきます。

リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士と共に、動作能力の維持・改善を目標に行われていき、パーキンソン病の進行と共に、その時々によって行われるリハビリテーションは変わっていきます。

その主なものとして、身体が固くならないように関節可動域運動やストレッチ、姿勢反射障害で転倒しない為のバランスの練習、立ち上がりや立位、歩行動作練習などが行われていきます。

パーキンソン病の治療方法3つ目は、手術療法です。

薬物療法やリハビリテーションなどで良い結果がでない場合に、手術療法が選択される場合があります。

手術には2種類あるそうで、パーキンソン病に関わる脳の一部を破壊する「破壊術」と、脳に電極を埋め込む「脳深部刺激療法(DBS)」があります。

パーキンソン病の寿命は？

パーキンソン病は、進行性の疾患で知られています。

患者によって進行のスピードはそれぞれですが、一般的に振戦（震え）が主症状であれば進行は遅く、動作緩慢が主症状だと進行が速いとされています。

適切な治療を行っていけば、通常は発症後10年程は普通の生活が可能とされていて、それ以降は個人差があり、介助が必要になってくる場合もあります。

しかし、生命予後に関しては決して悪くはない事が分っていて、平均余命は一般より２～３年短いだけで、高齢者になると、脱水・栄養障害・悪性症候群に陥りやすいので注意し、その他では合併症に左右されたり、誤嚥性肺炎などの感染症が直接死因になっていることが多いようです。

ショウジョウバエで、パーキンソン病に関連するParkin遺伝子を過剰発現させると、健康なまま寿命が25%以上延びた、という研究です。http://t.co/fyGxogomL6 しくみは、損傷を受けたタンパク質の識別、機能が低下したミトコンドリアの除去促進。

— 古川聡 Satoshi Furukawa (@Astro_Satoshi) May 9, 2013

僕の高校の先生がパーキンソン病でなんか医者に言われた寿命をはるかに超えて生きてる先生いた

— マカナイ (@mcni_1) October 19, 2019

母がパーキンソン病って診断されたので調べたら、どうやらクスリで症状を抑えつつ、寿命まで生きられるようになったらしい。医学の進歩は凄いなぁ。

— 牙 龍一:脱財政再建！消費税は廃止！通貨消滅やめろ！ (@kiba_r) May 8, 2015

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回は、パーキンソン病の症状・原因・寿命などの詳しい情報と、パーキンソン病を患った芸能人＆有名人13名を詳しくまとめてみました！

「パーキンソン病」は、現在では決して珍しい病気ではなく、日本においては約15万人の患者さんが発症していて、そのなかでも50代頃から症状が表れて、加齢とともに患者さんが増加していきますが、稀に40歳未満で発症することもあるそうで、「若年性パーキンソン病」と呼ばれています。

最近では、治療も大きく進歩していて、長年の間、普通の生活ができる様になっている事が分っています。今後、さらに医療が進化し、完治する方法まで開発されることを願いたいですね！