病気やステロイドが原因で起こる「ムーンフェイス」は満月様顔貌とも言われる症状で、芸能人や有名人でも症状が出ている方が大勢います。
今回はムーンフェイスの症状や原因、ムースフェイスの芸能人・有名人9人をまとめました。
この記事の目次
ムーンフェイスとは
ムーンフェイスとは、中心性肥満の一種で、顔や体幹に脂肪が蓄積してしまう症状です。
四肢にはそれほど脂肪がつかず、顔や体幹に集中して脂肪がついてしまうんです。
顔に集中して脂肪がつくと、顔が真ん丸になり、満月のようになるため、ムーンフェイスと呼ばれるようになりました。
ムーンフェイスは別名「満月様顔貌」とも呼ばれます。
ムーンフェイスの付随症状
ムーンフェイスになる場合、顔が丸くパンパンになるだけでなく、次のような症状が一緒に現れることがあります。
・顔が赤くなる
・ニキビができやすくなる
・口の周りのひげが濃くなる
・野牛肩(バッファローハンプ)になる
顔が膨らみ皮膚が薄くなることで、皮膚表面にある毛細血管が透けるので、顔が赤く見えてしまうことがあります。また、顔の皮脂腺が活発になることで、ニキビができやすくなるんです。
また、ムーンフェイスになると、肩にも脂肪が蓄積しますので、野牛のように肩をすくめたような肩の形になることもあります。
ムーンフェイスの原因
ムーンフェイスの原因は、副腎皮質ホルモンです。
副腎皮質ホルモンが体内で増えることで、食欲が増進し、脂肪の代謝障害が起こるのです。
食欲が増せばたくさん食べてしまうので、カロリー過多になり、顔に脂肪がついてしまいます。
さらに、体の中の脂肪が代謝されにくくなるので、脂肪がどんどん溜まっていきます。そうすることで、ムーンフェイスになるんですね。
では、ムーンフェイスの原因になる副腎皮質ホルモン過多は、なぜ起こるのか?次からは、その根本的な原因を見ていきましょう。
ムーンフェイスの根本的な原因① 病気
ムーンフェイスになる代表的な病気には、クッシング症候群があります。
クッシング症候群とは、慢性的に糖質コルチコイドが過剰になる病気です。糖質コルチコイドは、副腎皮質ホルモンの1つです。
つまり、クッシング症候群になると体内で副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)が過剰に分泌されるようになるので、ムーンフェイスになってしまうのです。
クッシング症候群は、主に3つに分類することができます。
・副腎の病気
・異所性ACTH産生腫瘍
ムーンフェイスの根本的な原因② ステロイド
ムーンフェイスは体内で副腎皮質ホルモンが増加すると起きますが、薬として副腎皮質ホルモンを摂取すると、体内の副腎皮質ホルモン量が増えてムーンフェイスになることがあります。
薬の副腎皮質ホルモンとは、ステロイドのことです。
ただ、アトピー性皮膚炎などでステロイドを塗るくらいでは、ムーンフェイスにはなりません。
ステロイドを点滴したり、多量に内服すると、ムーンフェイスになります。ステロイドの点滴や内服をする病気には、次のようなものがあります。
・白血病などの血液の病気
・ネフローゼ症候群
・潰瘍性大腸炎
・ギランバレー症候群
これらはあくまでも一部の病気で、ステロイドの点滴や内服は、いろいろな病気の治療で用いられます。
また、抗がん剤治療や乳がんのホルモン療法の薬でも、ムーンフェイスの症状が出ることが多いです。
ステロイドや他の薬でムーンフェイスになった人は、病気が治って薬を減らしたり、薬の使用をやめたら、ムーンフェイスも治ることが多いです。
ムーンフェイスの芸能人・有名人9人:1-4
ムーンフェイスになったことがある芸能人・有名人を見ていきましょう。
1.夏目亜季
出典:twitter.com
夏目亜季
生年月日:1990年10月26日
出身:京都府舞鶴市
身長:148cm
所属:プロジェクトnap、NHKから国民を守る党
血液型:A型
活動:荒川区議会議員、タレント
夏目亜季さんは、まだ若いですが、たくさんの病気と闘ってきた人です。
・クモ膜下出血
・声帯結節
・子宮頸がん
・全身性エリテマトーデス
2.堀ちえみ
堀ちえみ
生年月日: 1967年2月15日
出身:大阪府堺市
所属:ホリプロ→松竹芸能
血液型:B型
活動:タレント
堀ちえみさんは、テレビに出た時に「顔が腫れているように見える」と話題になりました。
一部の噂では、「整形に失敗したんじゃない?」「ボトックスの打ちすぎ」のように言われたこともありました。
でもおそらくこれは、ムーンフェイスで顔がパンパンになってしまったものと思われます。
というのも、堀ちえみさんはリウマチを患っているんです。リウマチの治療にはステロイドを使うことがあります。
ステロイドを内服すれば、ムーンフェイスになってしまいますので、写真のような顔になってしまうことも少なくありません。
堀ちえみさんもいろいろな病気と闘っている方です。
・舌がん
・神経障害性疼痛
・特発性大腿骨骨頭壊死
・頸椎捻挫
これだけの病気と闘っていて、ステロイドを服用していれば、ムーンフェイスになるのも納得です。それなのに、整形失敗と言われたら、やるせないですよね。
3.アグネス・チャン
アグネス・チャン
生年月日:1955年8月20日
出身:香港
血液型:AB型
活動:タレント尾
アグネス・チャンさんは、2015年10月19日に放送された「私の何がイケないの?」に出演して、乳がんの治療をしている時にムーンフェイスになったことを告白しています。
術後に放射線療法やホルモン療法を行ったそうですが、ホルモン療法の副作用でムーンフェイスが出て、顔がパンパンになってしまったとのこと。
それ以外にも、ほてりや多量の発汗、関節痛などの副作用が出たそうです。
4.中村うさぎ
中村うさぎ
生年月日:1958年2月27日
出身:福岡県北九州市
活動:小説家、エッセイスト
中村うさぎさんは2013年に、原因不明の手の震えや嘔吐があり、緊急入院しています。一時は心肺停止になるほどの重症でしたが、スティッフパーソン症候群と診断されています。
この時の治療でステロイド薬を服用することになりましたが、この副作用と過食によって、一気にムーンフェイスになってしまいました。
入院中に大量に投与され、退院後も処方され続けたステロイドは、私の容姿をがらりと変えた。
ムーンフェイスと呼ばれるステロイド特有の副作用で顔がぱんぱんに浮腫み、本当に満月のようにまん丸に膨らんだ。
中村うさぎさんは、ムーンフェイスになったことが嫌で、自分で勝手にステロイドの服用を中止して、スティッフパーソン症候群が再発してしまうことになりました。
ムーンフェイスの芸能人・有名人9人:5-9
5.友寄蓮
出典:twitter.com
友寄蓮
生年月日:1995年3月29日
出身:東京都小金井市
身長:164cm
血液型:O型
活動:タレント
タレントの友寄蓮さんは、芸能活動を開始した翌年である高校2年生の時、急性リンパ性白血病を発症します。
治療でステロイド薬を使ったところ、病気でほとんど食事を摂っていないのに、顔に脂肪が蓄積し、パンパンに丸くなってしまったそうです。
さらに「より衝撃的だったのがムーンフェイスという副作用。顔ばかりがどんどん丸く膨れ上がってしまった」と振り返りました。ステロイド剤の影響で、食事を取っていないにもかかわらず、顔に集中的に脂肪がつくというもので、精神的に苦しめられたといいます。
友達からはそのムーンフェイスを見て、「太ってるね、思ったよりも元気そうじゃん」のように言われて傷ついたと話しています。
確かに、副作用で苦しんでいるのに「太った」と言われるのは、高校2年生女子にとっては辛いですよね。
6.山田雨月
山田雨月
活動:漫画家
漫画家の山田雨月さんは、皮膚筋炎という膠原病を発症し、ステロイド薬のプレドニゾロンを服用することになり、副作用でムーンフェイスになったとのことです。
ムーンフェイスなどの副作用の対策や皮膚筋炎の闘病の様子は、著書の「ふいにたてなくなりました。」の中で赤裸々に語られています。
7.酒井若菜
酒井若菜
生年月日:1980年9月9日
出身:栃木県下都賀郡野木町
身長:158cm
所属:エーチーム
血液型:A型
活動:女優、タレント
女優でタレントの酒井若菜さんは、膠原病を患っていることを告白しています。
本人は詳しくは語っていませんが、膠原病の治療にはステロイド薬が用いられることが多く、写真のようにムーンフェイスになっていると思われる写真もあります。
8.後藤邑子
出典:ameblo.jp
後藤邑子
生年月日:1975年8月28日
出身:愛知県清須市
身長:163cm
所属:アクセルワン
血液型:O型
活動:声優
声優の後藤邑子さんは、全身性エリテマトーデスを患っています。2012年に入院した時には、ステロイド薬を大量に使ったようで、ムーンフェイスになっています。
だから同じ病気の女性たちは嫌がってるけど
そうゆうのに比べれば「ムーンフェイス」って言う
顔がお月様のように膨らむ必発の副作用は
全然構わんぞって思ってたんだけど、先日、
患者友達に「あらだいぶ膨らんで。」と言われた次第。
元の顔がほっそりしている方なので、そこまで目立ってはいませんが、治療前の写真と比べると、やはりムーンフェイスになっているのが分かります。
9.安奈淳
安奈淳
生年月日:1947年7月29日
出身:大阪府箕面市
身長:164cm
血液型:B型
活動:女優
元宝塚のトップスターだった安奈淳さんは、2000年に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症して、長期療養しています。
そして、ステロイド薬の副作用で、やはりムーンフェイスになったようです。
「全国膠原病友の会」東京支部総会で安奈淳さんが講演した時には、次のように語っています。
仕事に復帰しようと決めたきっかけはと言う質問に、ムーンフェイスがなくなって、見た目にわからないほどに顔が戻った時だったそうです。やはり彼女もステロイドの副作用でムーンフェイスになり、体重も油断すると増えるので、一日1時間を歩くこと、油分を控え、体重を維持することを心がけているそうです。
引用:安奈淳さんの講演を聞いて
今ではほっそりされていて、ムーンフェイスの面影はありませんが、ステロイドの量が多かった時には、ムーンフェイスがあったんですね。
まとめ
ムーンフェイスの基礎情報やムーンフェイスの原因となる病気やステロイド、ムーンフェイスの芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか?
・クッシング症候群やステロイドの副作用で起こる
・膠原病やがん治療の副作用でムーンフェイスになる芸能人・有名人はいる