真剣な場や厳粛で絶対に笑ってはいけない場所で、思わず笑いだしてしまった経験がある人はいませんか?一見、不謹慎な行動に見えますが、それは実は失笑恐怖症の症状だったのかもしれません。
失笑恐怖症の症状や原因、治し方、失笑恐怖症の芸能人や有名人をまとめました。
失笑恐怖症とは
失笑恐怖症とは、笑ってはいけない場面で思わず笑いがこみあげてきて、我慢できなくなってしまう病気です。別名「笑い恐怖症」と言います。
お葬式の場や神聖な結婚式、テスト中、重要な会議、取引先との交渉の場など、絶対に笑ってはいけない場面で思わずニヤニヤと笑ってしまったり、大爆笑したりする人がいます。
こういう人が失笑恐怖症なんです。失笑恐怖症は対人恐怖症の一種と言われています。
「失笑恐怖症の人なんているの!?」、「失笑恐怖症なんてあるの?ただ単にふざけているだけじゃないの?」と思うかもしれません。でも、世の中には以外とたくさんの失笑恐怖症の人がいるんです。
失笑恐怖症って言うのか。
— 一人親方 (@Amijgwd) September 5, 2019
昔から全校集会とか何か笑えたんだけど、今も会社の朝礼とかくだらない事で笑えてくる。
何とかなんないかな
自分は失笑恐怖症だと知らずに生徒会活動をしていた。人前に立つと笑いがこみ上げてくる。対人恐怖症の一種。
— 原田 有一朗 (@Yuzaburooo) August 31, 2019
またまたバイトでの話
— Koide バル氏 (@Drumfavo_K) August 27, 2019
叱られてる時「顔笑ってるけどなんで??」とたまに言われて。
[不安障害 笑ってしまう]って調べたら失笑恐怖症ってのが出てきた
過度なプレッシャーを受けると笑ってしまうとか何とか。
そういえば、吹奏楽の大会本番でよく笑ってたなぁ…
あの私失笑恐怖症なんです
— な な こ (@mocha_mocha_cha) August 6, 2019
いつも1人の時も笑ってます。誰かに見られてそうで怖くて監視されてそうで。なんかわらえばなんとかなるかなってなって笑っちゃうんです。顧問の先生には『笑ってヘラヘラすんな』って『なんにもできないお前は必要ないって』言われちゃうけど怖くて笑っちゃうんです
⤵︎
Twitterにも失笑恐怖症を告白するツイートがたくさんあります。みんな笑ってはいけない場面で思わず笑ってしまって、周囲から白い目で見られる、責められるということに悩んでいるようですね。
失笑恐怖症の芸能人・有名人5名
失笑恐怖症の芸能人・有名人を見ていきましょう。芸能界にも、笑ってはいけないときに笑ってしまう失笑恐怖症の人はいます。
1.蛭子能収さん
出典:withnews.jp
蛭子能収
生年月日:1947年10月21日
出身:熊本県天草市
身長:170cm
所属:ファザーズコーポレーション
血液型:O型
活動:漫画家、タレント
漫画家でタレントの蛭子能収さんは、失笑恐怖症です。次のようなシチュエーションで笑ってしまったことがあるそうです。
・病院
・葬式
・生放送中の悲しいシーン
・自身のファンクラブ会長の遺体と対面した時
蛭子さん自身が笑ってはいけない場面で笑ってしまうことを自覚していて、「結婚式も葬式もパーティも“式”そのものがすごく苦手で特に葬式は極力行かないようにしている」とのことです。
2.ジミー大西さん
ジミー大西
生年月日:1964年1月1日
出身:大阪府八尾市
身長:160cm
所属:吉本興業
血液型:A型
活動:お笑いタレント、画家
ジミー大西さんも、失笑恐怖症の可能性がある芸能人です。ジミー大西さんは、言い方は悪いですが、いつもヘラヘラしています。緊張するような場面でも、ヘラヘラしていることが多いですよね。そのため、失笑恐怖症の可能性はあるかもしれません。
3.岩橋良昌さん
岩橋良昌
生年月日:1978年8月12日
出身:大阪府交野市
身長:167cm
所属:吉本興業
血液型:A型
活動:お笑いタレント
お笑いコンビのプラスマイナスの岩橋良昌さんは、失笑恐怖症と似たような症状を持っている人です。岩橋さんはやってはいけないことをやってしまうという癖があるのだそうです。試験やテストで鉛筆を全部折ってしまったり、島田紳助さんの背中にボールをぶつけたりなどですね。
これらの症状も、緊張を緩和させるための回避行動なのかもしれません。
4.浦田直也さん
出典:excite.co.jp
浦田直也
生年月日:1982年11月10日
出身:東京都
身長:178cm
所属:エイベックス
血液型:B型
活動:歌手
AAAの浦田直也さんは、女性を暴行した容疑で逮捕されました。釈放後は謝罪会見を行いましたが、ヘラヘラした態度をとっていたため、世間から「反省していない!」とバッシングされましたよね。
もしかしたら、浦田直也さんは失笑恐怖症で、笑ってはいけない場面で笑いがこみあげてきてしまう人なのかもしれません。
5.宮崎謙介さん
出典:jisin.jp
宮崎謙介
生年月日:1981年1月17日
出身:東京都新宿区
身長:188cm
所属:株式会社シンクバンク
活動:元政治家、実業家
元自民党衆議院議員の宮崎謙介さんは、AAA浦田直也さんの会見を見て、次のように述べています。
「3年前、経験させてもらって。笑っちゃいけないじゃないですか、会見って。笑っちゃいけないと真面目に臨むんだけど、記者さんの質問が思わぬ角度から来ると、何それ?って笑いたくなっちゃう。どんなに真面目に言っても…」
真面目な会見で笑っちゃいけないところで笑いたくなるというのは、失笑恐怖症の症状ですよね。宮崎謙介さんも、失笑恐怖症の可能性は十分にあると思います。
失笑恐怖症の症状
失笑恐怖症は、次のような症状が出てきます。
・笑ってはいけない場面で笑いが止まらない
・何もおかしいことはないのに笑ってしまう
・我慢すると余計に笑ってしまう
・笑ってはいけない場面で、自分が笑ってしまうかもしれないという恐怖がある
・笑ってはいけない場面で笑っている自分が、周りにどう思われるのか不安である
・笑ってはいけない恐怖を感じると、余計に笑いがこみあげてくる
これが失笑恐怖症の症状です。
笑ってはいけない場面で笑いがこみあげてくる。笑うのを我慢すればするほど、笑いがこみあげてきて吹き出してしまう。笑ってしまったらどうしようと恐怖を感じるのが、失笑恐怖症ですね。
失笑恐怖症の症状が出やすい場面
失笑恐怖症の症状が出るのは、真剣な場面、緊張感が高い場面です。具体的には次のような場面ですね。
・結婚式
・発表会
・授業中に発表する時
・重要な会議
・取引先の前でのプレゼンする時
・叱られている時、注意されている時
このような真剣な場にいると、失笑恐怖症の人は笑いがこみあげてきて、笑いが止まらなくなってしまうのです。
失笑恐怖症になると・・・
失笑恐怖症になると、笑ってはいけない場面で笑ってしまいます。そうすると、どうなるでしょうか?子供なら「笑ってないで、ちゃんとしなさい!」と怒られるだけで済みます。
でも、ある程度の年齢になり、さらに社会人になると、笑ってはいけない場面で笑うことで、非常識だと思われるようになります。
・不謹慎
・真面目に取り組んでいない
・ふざけている
・人をバカにしている
このように思われて、白い目で見られてしまいます。そうすると、人間関係がうまくいかなくなります。会社では上司や取引先から信頼されず、重要な仕事を任せてもらえなくなります。
さらに、出世街道からは外れることになります。会社で働いていない人でも、非常識や不謹慎と思われたら、人間関係はぎくしゃくし、生きにくくなってしまいます。
失笑恐怖症は、まだ世間一般的には知られていない病気なので、周囲の理解を得ることもできません。だから、失笑恐怖症の人はとても生きにくいんです。
失笑恐怖症の原因
失笑恐怖症の原因は、ずばり「緊張」と考えられています。緊張すると、精神的なストレスがかかりますよね。
そうすると、人間は無意識のうちストレスを軽減させるために何とか緊張を軽減させようとして、笑いがこみあげてくるのです。
緊張を緩和させるには、緊張とは真逆の行為である「笑い」を選択すれば良い。だから、何とか緊張を和らげるために、笑おうとするんですね。
これは一種の回避行動です。緊張という状態を回避するために、笑おうとします。また、笑ってはいけないという恐怖心・不安を緩和させるために笑うんです。
だから、笑ってはいけないと思えば思うほど、笑ってはいけない場面で自分が笑わないかどうか恐怖を感じれば感じるほど、笑いがこみあげてきて、抑えきれなくなるというわけです。
あなたの「笑ってはいけない」という表面上の気持ち(意識)と、緊張を緩和させようという深層心理(無意識)がせめぎあっている状態と言えると思います。意識と無意識が乖離してしまっているという状態ですね。
過去の失敗がきっかけに
失笑恐怖症は、過去の失敗が発症のきっかけになることもあります。過去に真剣な場面で失敗し怒られてしまったなどの場合、真剣な場、つまり笑ってはいけない場面で必要以上に不安・心配が出てきてしまいます。
また失敗したらどうしようという恐怖・不安が強くなり、緊張感がどんどん高まって、その緊張を緩和させるために、笑いがこみあげてくるということがあるんです。
その人の性質が関係していることも
ただ、笑ってはいけない場面で緊張したからと言って、誰でも失笑恐怖症になるわけではありません。失笑恐怖症になる原因には、その人の性質も関係していると言われています。
失笑恐怖症になりやすい人は、対人関係が苦手な人や神経質で生真面目なタイプ、感受性が豊かな人は、失笑恐怖症になりやすいとされています。
失笑恐怖症の治し方
失笑恐怖症は対人恐怖症の一種、つまり精神障害に分類されるものですので、専門的な治療が必要になることも少なくありません。
精神科や心療内科に行くのは、少しハードルが高いと思うかもしれませんが、本来は気軽に受診できる診療科ですので、思い切って受診してみると良いですよ。
認知行動療法
認知行動療法は、患者本人の認識を改めることをメインとした治療法です。
・「笑っても誤魔化せる」と考える
・「少しくらいなら笑っても良い」と思うようにする
失笑恐怖症の人は、「笑ってはいけない」と強く思っているから、ストレスの回避行動として笑いがこみあげてしまうのです。「笑っては良いじゃないか!」と思えるようになれば、失笑恐怖症は少しずつ緩和されるようになります。
違うことを考えるようにする
失笑恐怖症の治し方の2つ目は、違うことを考えるようにすることです。失笑恐怖症は、「笑ってはいけない!」と思うから、笑ってしまうのです。それなら、「笑ってはいけない!」と思わないように、違うことを考えるようにしましょう。
その場とは全く関係ないことで頭をいっぱいにすると、「笑ってはいけない」と考える余地がなくなりますので、笑わずに済むことも多いです。
・素数を暗唱する
・今日の晩御飯の献立を考える
・次の連休にどこに旅行に行こうか考える
こんなことを考えるようにすると、自然と失笑恐怖症は緩和させられます。ただ、これは重要な会議やテスト中、発表、プレゼンの時には向いていません。違うことを考えていたら、それはそれで「集中していない」ということになりますから。
だから、集中しなくても良いシチュエーションで、この方法を用いるようにしましょう。
薬物療法
失笑恐怖症の治し方、最後は薬物療法です。失笑恐怖症は「笑ってしまったらどうしよう」という恐怖や不安で笑いがこみあげる状態です。それなら、薬の力で恐怖や不安を感じにくくすれば良いんです。
抗うつ薬や抗不安薬を処方されることが多いです。笑ってはいけない場に行く時に事前に飲んでおくようにする人もいますし、定期的に服用しておく人もいます。どちらが良いかは、医師の判断次第ですね。
まとめ
失笑恐怖症の症状や原因、治し方、失笑恐怖症の芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか?失笑恐怖症は、本人は笑いたくないのに思わず笑ってしまうという病気です。
この病気に関しては、本人が治すようにすることも大切ですが、周囲の理解が一番大切なのかもしれませんね。