「セウォル号沈没事故」は韓国史上最悪の海難事故で、事故原因は現在も議論を呼んでいます。
今回は「セウォル号沈没事故」の経緯、死者と生存者数、事故原因と真実、船体引き揚げや船長らに下った判決など現在をまとめました。
この記事の目次
「セウォル号沈没事故」とは?韓国史上最悪の海難事故
セウォル号沈没事故とは、韓国の大型旅客船「セウォル号」が、2014年4月16日に全羅南道珍島郡の観梅島沖海上で転覆し、沈没した韓国史上最悪の海難事故です。
事故当時のセウォル号には、修学旅行中の京畿道安山市の檀園高等学校2年生の生徒325人と引率の教員14人の他、一般客108人、乗務員29人の計476人が乗船していました。
事故発生後は、船長らが乗客を放置して真っ先に逃げ出し、さらに海洋警察庁などの初動対応の不手際も重なった結果、乗員乗客299人が犠牲になりました。
まずは、「セウォル号沈没事故」の具体的な経緯について見ていくことにしましょう。
「セウォル号沈没事故」の経緯
2014年4月15日午後9時頃、濃霧の中を約2時間半遅れで出航したセウォル号
2014年4月15日の午後9時頃、檀園高等学校2年生の生徒325人は、修学旅行で済州島へ向かうため仁川港でセウォル号に乗船し、濃霧のために約2時間半遅れで出航しました。
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ちなみにこの日、仁川港に停泊していた大型船10隻のうち、強引に出航したのはセウォル号ただ1隻だけだったそうです。もしも他の船同様に運休していれば…。
セウォル号の船長は高齢の交替要因、副船長は前日に入社したばかりの新米だった
その日、セウォル号の運行を指揮したのは、休暇中だったシン船長の代役として急遽呼び寄せられたイ・ジュンソク船長でした。69歳という高齢船長が代役を務めることに…。
出典:http://www.ann.hi-ho.ne.jp/
さらに副船長のチョン・ヨンジュンは、なんと前日に清海鎮海運に入社したばかりだったそうです。
潮流の速い危険な海域で舵を握っていたのは未熟な三等航海士だった…
翌4月16日の午前8時頃、生徒たちは食堂で朝食を摂りました。
しかし、多くの生徒たちは昨夜は遅くまで起きていて寝不足だったためか、多くの生徒は朝食の後、二度寝やリラックスするために再び客室へ戻っていました。
ちょうどその頃、セウォル号は珍島の西方、巨次群島と孟骨島などからなる孟骨群島との間の孟骨水道を航行していました。
出典:https://www.wowkorea.jp/
孟骨水道は潮流の速い危険海域として知られており、操舵が難しい海域なので、通常は一等航海士が担当しなければならない海域でした。
しかし、セウォル号の出航が2時間半遅れたことでシフトがズレてしまい、この時に舵を握っていたのは、入社して4ヶ月の未熟な三等航海士パク・ハンギョル(26歳)でした。
2014年4月16日午前8時49分頃、突然の急旋回により傾き始めるセウォル号
4月16日の午前8時49分頃、セウォル号は三等航海士パク・ハンギョルの操舵により、孟骨水道を、南東に向かって進み、屏風島と観梅島の間あたりにさしかかっていました。
すると突然、セウォル号は右に45度旋回して傾き始めたのです。
これに慌てた三等航海士パク・ハンギョルは、立て直そうと急な左旋回操舵をしたことによりセウォル号は左舷側を下に横転してしまうんですよね。
これによって船内の人はもちろん、積荷がすべてセウォル号左舷側へ偏ってしまったのです。
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そんなセウォル号が置かれてる深刻な状況を理解している乗組員にとっては、その後に訪れるであろう“沈没”とういう悲劇を予想できたでしょう。
しかし、一般の乗客、特に修学旅行の真っ最中だった高校生達は、事故発生当初はそれほど深刻に受け取めておらず、記念写真を撮ってSNSにアップする生徒も少なくありませんでした。
もはや沈没は免れない状態のセウォル号から真っ先に脱出したのは船長だった…
船体の傾きが次第に大きくなり、ここに来てようやく乗客たちもただ事ではないと気づき始め、携帯電話で家族に最期のお別れを告げる者も出てき始めていた頃…。
出典:https://twitter.com/
操舵室では、イ・ジュンソク船長や副船長をはじめ、その他の乗組員は、何をするともなく、ただ救助が来るのを待っていただけだったと言われています。
ただ、事故時に舵を握っていたパク・ハンギョル三等航海士だけは違っていたようなんですよね。
自らがしでかした惨事に慌てふためきつつも、携帯電話で、事故時に船室にいなかった船長に全ての責任を押し付けるという内容のメールを、先輩に送信していたことが後に判明しています。
また、ことここに至ってもなお乗客にその場で待機するよう、船内放送で繰り返し指示していた理由について、次のような事実が後に明らかになりました。
韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、甲板に設置されていた40以上の救命いかだのほぼ全てが使用不能で、乗員が事故前からそのことを認識していた疑いが強まっている。
船員らは沈没直前、船内放送で乗客に待機するよう指示し、犠牲者が拡大した。乗客が脱出を図ればいかだの欠陥が発覚するため、あえて待機を命じた可能性があり、捜査当局は逮捕したイ・ジュンソク船長(68)らを追及している。
引用:韓国船、救命いかだは使用不能 発覚恐れ待機指示か :日本経済新聞 https://www.nikkei.com/
実際、懸命に甲板から救命いかだが入った白いカプセルを海に落とそうと頑張っている海洋警察の警察官を尻目に、船長はさっさと救助艇に乗り移ろうとしている姿が捉えられています。
出典:http://blog.livedoor.jp/
後に、白いカプセルを落とそうとしていた海洋警察の警察官は、次のように証言しています。
甲板からカプセルを海に落とそうとしたが、固定器具がさび付き、手で外せなかった。
それでも2つのいかだを足で海に蹴落としたが、うち1つは開かなかった。
ちなみに、同年2月に実施された安全検査では、セウォル号の救命設備は「良好」と判定されていたそうです。
と言うことは…検査機関もセウォル号の運航会社と癒着して、手抜き検査を実施していた疑いがありそうですね。
そして、事故発生から56分後の午前9時46分、事故現場に到着した救助隊に真っ先に救助されていたのは、何故かズボンを脱いだ姿のイ・ジュンソク船長、その人だったんですよね。
もちろん船長がズボンを脱いでいた理由は、自分の身分が救助隊にバレないようにするためだったようです。
船外に出てきた人だけを救助していた韓国海洋警察に批判が殺到!
実は、セウォル号沈没事故の救助に当たっていた韓国海洋警察にも非難が殺到しているのです。
その理由は、韓国海洋警察が船内へ救助へ向かうことなく、船外に出てきた人だけを救助していたからです。
しかも、救助シーンを収めた映像の中には、よく見ると船内から船の窓を懸命に割ろうとしている学生たちが捉えられているんですよね。
沈没した船室から救命胴衣を着用した女子生徒48人の遺体が発見されています。
そして、事故当日の写真には沈んでいく船体の窓の部分にオレンジ色の影が複数写っており、今回遺体で発見された女子生徒たちではないかと見られています。
もちろん船の分厚い窓を叩き割ることなど、そう簡単にできないかも知れません。しかし、もし1枚でも割ることができていたとしたら、何人の命が助かっていたか…。
第一、必死で生きようとしている若い命が、すぐ目の前にあるのに、この映像を見る限り、誰一人として手を貸そうとしていないんですよね。
“海洋警察は生徒を見殺しにした”、と非難されても仕方のないシーンと言えましょう。
「沈没が迫っている。乗客は海に飛び降りろ」と、乗客に非難を指示する船内放送があったのは、イ・ジュンソク船長ら乗組員の多くが救助された約20分後の10時10分頃のことでした。
そして、その7分後には、船内からのスマートフォンによる信号が途切れると、その直後にセウォル号の船体は船首底部を除いて沈没しました…。
出典:http://hb.people.com.cn/
「セウォル号沈没事故」での死者数と生存者数とは?
韓国国内のニュース番組では、当初「乗客333人全員救助」との誤った報道が流れました。
その後、次々と詳細情報明らかになるにつれて、そのあまりのギャップに、韓国中が大混乱に陥ったと言います。
最終的な「セウォル号沈没事故」による死者数と生存者数などの詳細は、次の通りです。
■乗員・乗客の犠牲者
・死者数: 299名
・行方不明者数: 5名
・生存者数: 172名
■捜索作業での死者数
・韓国海軍兵: 1名
・民間ダイバー: 2名
・消防隊員: 5名
出典:http://www.thefactjp.com/
今なお行方不明の人を含めた、「セウォル号沈没事故」による乗員・乗客の死者数304名のうち、檀園高校の生徒は250人、教員11人でした。
ちなみに「セウォル号沈没事故」の現場は、目的地の済州島まであと2時間という海域だったそうです。
出典:https://ja.wikipedia.org/
「セウォル号沈没事故」の真実 【船長らが先に逃げた理由とは】
船長ら乗務員が乗客より先に逃げた理由が交信記録で判明
この「セウォル号沈没事故」では、船長ら乗組員が乗客を見捨てて真っ先に逃げ出したことが、韓国社会で激しい非難を受けることになりました。
では、セウォル号の船員たちはなぜ乗客を捨てて逃げ出したのでしょうか?
出典:http://saigonojournalist.blogspot.com/
その理由は、前述したように、セウォル号に搭載されていた救命いかだが整備不良により使い物にならないことを、船長をはじめほとんどの船員が把握していたからだと言われています。
しかし、その後の調査により、理由はそれだけではないことが分かってきたようです。
と言うのも、船が傾き出した時、セウォル号の1等航海士シン・ジョンフンと済州運航管理室が電話で交信しており、その時の通話内容が明らかになったからなんですよね。
その当時の生々しいやり取りを引用しておきましょう。
ちなみにこの時、セウォル号の船内では、「現在の位置で安全に待機して、これ以上外に出ないでください」という船内放送が繰り返し流されていました。
済州運航管理室:セウォル号、セウォル号、海運済州。感度良好ですか?
セウォル号:はい、セウォル号です。
済州運航管理室:警備艇、P警備艇は到着しましたか?
セウォル号:はい、警備艇が1隻、到着しました。
済州運航管理室:はい、現在の進行状況を教えてください。
セウォル号:えっ、何ですか?
済州運航管理室:(別の担当者から電話を替わり)はい、○○様、現在の進行状況を教えてください。
セウォル号:はい、警備艇が1隻到着して、今、救助作業をしています。
済州運航管理室:はい、今、P艇は係留されていますか?
セウォル号:はい、今、警備艇の横に来ています。今、乗客が450人なので、警備艇がこれ1隻では足りないと思います。追加で救助に来てもらわないといけないと思います。
済州運航管理室:はい、よくわかりました。今、船体は傾いていないですよね?
セウォル号:(無回答)
引用:韓国・セウォル号沈没事故、船員はなぜ乗客より先に逃げたのか 交信記録で明らかに | ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/
この交信直後の9時46分、船長をはじめ乗組員10人が、セウォル号の操舵室から脱出し、救助艇により救助されています。
そして、この交信内容から、セウォル号の船長が乗客に対して退出命令を出さずに、自分達だけ脱出した理由が明らかになりました。
乗客に脱出を命じれば、船員の脱出は後にならざるを得ないが、事故現場に到着した100トン級の警備艇では、船員を合わせて「500人程度」を救出するのは不可能に見えた。救命いかだもふくらませておらず、操舵室の船員ら10人のうち、救命胴衣を着ているのは3人だけだった。
「当時の状況を考えると、もし乗客と乗組員が一度に海に飛び込んだ場合、救命胴衣を着用していなかった乗組員に死者が出る可能性があった」「非常に危険」だし、「死ぬと思うのが妥当」だった。(2014年5月8日、シン・ジョンフンの第6回被疑者尋問調書)
引用:韓国・セウォル号沈没事故、船員はなぜ乗客より先に逃げたのか 交信記録で明らかに | ハフポスト https://www.huffingtonpost.jp/
出典:https://sekaitabi.com/
つまり、乗組員の命を確実に守るために、450名近くもの乗客の命を犠牲にしようとしたということに他なりません。
また、救命いかだをふくらませていなかったのは、セウォル号の救命いかだが使い物にならないことを知っていたからなんですよね。
「セウォル号沈没事故」の船長らに下された判決とは
「セウォル号沈没事故」では、船長や副船長を含めた計15人が逮捕され、イ・ジュンソク船長に対しては、殺人罪で無期懲役が言い渡されました。
出典:http://japan.hani.co.kr/
判決で徐裁判長は、乗客に脱出を呼びかける放送の指示を出さないまま、イ被告が先に逃げたと判断。「救護措置の放棄、乗客らの放置および船からの脱出は殺人行為と同一とみなせる」とし、乗客が死んでも構わないという「未必の故意」による殺人罪を認定した。昨年11月、光州地裁が殺人罪を適用せず遺棄致死罪などで懲役36年とした1審判決は破棄された。
引用:【韓国旅客船沈没】控訴審で船長に無期懲役判決 殺人罪認める 他14人の乗務員は全員減刑 https://www.sankei.com/
しかし、船長以外のその他の乗組員14人には、遺棄致死罪等で1年6ヶ月から12年の判決が下され、いずれも1審判決から大幅に減刑されています。
その理由は、海事安全法や船員法では、船舶の安全や人命救助に関する船長の権限が絶大とされているからのようです。
「セウォル号沈没事故」発生から約3年後に引き揚げられた船体
2014年4月16日、韓国南西部で沈没したセウォル号は、その約3年後の2017年3月25日、ようやく運搬船に引き揚げられ、同月31日に木浦新港に到着しました。
そして、2017年4月9日、セウォル号は遂に木浦新港に陸揚げされたことで、一連の引き揚げ作業が完了しました。
出典:https://www.jiji.com/
「セウォル号沈没事故」の原因とは?
2018年8月7日、政府や遺族の代表から推薦を受けた弁護士や大学教授らで構成された船体調査委員会が、「セウォル号沈没事故」の原因をまとめた報告書を提出しました。
出典:http://japan.hani.co.kr/
そこには、セウォル号転覆の原因について、操舵ミスや船体の改造、荷物の過積載説や、外部からの衝撃説などの諸説を列挙するにとどまり、統一した見解は示されていなかったんですよね。
と言うのも、操舵ミスなど船内に原因があったとする委員、潜水艦などとの衝突を念頭に外部に要因があったと考える委員、さらなる検証が必要とする委員で、意見が分かれからなのだとか。
ここでは、それぞれの主な要因について具体的に見ていくことにしましょう。
セウォル号は利益優先の過度な改造により船体が悪化していた
セウォル号は、日本の長崎で1994年7月に製造され、鹿児島県の海運会社「マルエーフェリー」が2012年10月まで、「フェリーなみのうえ」として鹿児島〜沖縄間を就航していました。
出典:https://blog.goo.ne.jp/
その後、韓国の清海鎮海運に約8億円というほぼ鉄屑同然の価格で売却されたのですが、清海鎮海運は、「フェリーなみのうえ」に次のような改造を加えました。
その際、最上階部分船体後方に客室を増設したり、船首右舷側の貨物用ランプウェイを取り外すなどの改造が施され、重心が日本時代より高くなり、定員数は804人から921人に、総トン数は(6,586トンから)6,825トンにそれぞれ増加…
中略
この改造は船級協会の規定に合致しており、違法ではないが、船体下部に位置したランプウェイの取り外しや船体上後部への客室の増設などの改造は重心位置が高く後部に移動し、バランスを取るのが難しくなったために転覆した可能性が複数の有識者により指摘されている。
引用:セウォル号沈没事故 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/
清海鎮海運は、この船を「韓国最大のクルーズ船」と幅広く宣伝し、2013年3月15日より船名を「セウォル(世越)」として仁川-済州間週2往復の定期運行を開始しました。
「フェリーなみのうえ」時代と、事故当時のセウォル号の比較画像があったので紹介しましょう。
出典:http://axl1234.blog.fc2.com/
さらに、より分かり易い比較画像を作ってみました。
出典:https://newsee-media.com/
この画像を見ただけでも、重心が高くなっていることが分かりますね。
ただ、重心が高くなり、バランスが悪くなっている要因は、過度な改造だけではなかったようなんですよね。
上限の3倍以上の過積載とそれをごまかすためのバラスト水の放水
セウォル号の事故当日の報告では、この日の積載量は車両が150台、貨物657トンと発表されていました。
が、しかし!調査が進められていく過程で判明した事故当時の正確な積載量は、車両が180台、積荷はなんと3,608トンも積載されていたことが判明しています。
この数字は、セウォル号の推奨貨物量の上限987トンの約3.6倍に及ぶ量なんですよね…。
出典:https://www.wowkorea.jp/
また、セウォル号の出港前にコンテナを積んでいた作業員の供述によると、コンテナの固定に固定装置を使用せず、単にロープで縛っただけだったようです。
事故発生時の急な左旋回操舵により船体が大きく傾いた時、積荷がすべてセウォル号左舷側へ偏ってしまったのはこのためなんですよね。
さらに船長は、過剰積載量の偽装する目的で、船体のバランスを取るために船底に充填する海水、つまり“バラスト水”を放出し、過度な積荷による船体の沈み込みを補正していました。
事故後の調査の結果、事故当時のセウォル号のバラスト水は基準値の4分の1程度しか入っていなかったことが判明しています。
これにより、ただでさえ高かった船の重心が、より高くなっていたことに…。
ここまで重なると、もはや起こるべくして起こった事故だと言えますね。
「セウォル号沈没事故」の現在 【今でも多くの謎が残っている】
現在までに指摘されているセウォル号沈没事故にまつわる多くの謎
「セウォル号沈没事故」から5年の歳月が経過した現在もなお、生存者らは「なぜ救助活動が行われなかったのか」との疑問を抱き続けているそうです。
出典:https://www.sankei.com/
にもかかわらず、この前代未聞の大事故により刑事処罰された海洋警察は、結局、当時現場に出動した123警備艇の責任者だった警長ただ1人だけなんですよね。
あれほどまでに多くの犠牲者を出したにもかかわらず、なんと指揮部の一部の人間は昇進までしているとも言われています。
また、前述したようにセウォル号が沈没した原因も、未だに特定されていません。
その最大の要因は、事故当時の状況を最もよく知っているイ・ジュンソク船長をはじめとするセウォル号の乗組員らが、現在も固く口を閉ざしているからに他なりません。
また、彼らに下された量刑も、船長以外は大幅に軽減されていることも気になるところです。
さらに、セウォル号船内の監視カメラも、何故か沈没する3分前から中断されており、何の記録も残っておらず、データがねつ造された形跡も見つかっているのだとか…。
裁判で運行会社の責任と韓国政府の過失を認める判決が下される
「セウォル号沈没事故」で、海洋警察による救助活動が不十分だったとして、118家族もの遺族が国と運航会社を相手どって損害賠償を求めた訴訟が行われていました。
出典:https://www.sankei.com/
そして2018年7月19日、ソウル中央地裁は運航会社の責任と韓国政府の過失を認め、1家族あたり慰謝料として2億ウォン(約2,000万円)の支払いを命じる判決を言い渡しました。
「セウォル号沈没事故」を巡っては、当時指揮をとる立場にあった朴槿恵前大統領に、いわゆる「空白の7時間」があったとして問題になりました。
遺族は、政府の不作為が原因で初動対応が遅れたことにより、犠牲者が増えたと主張してきました。
出典:https://twitter.com/
今回の判決は、「セウォル号沈没事故」をめぐり韓国司法が国の責任を初めて認めたことに意議があると言えそうですね。
ただ、それでも韓国政府は責任を認めていません。
一方で、裁判所が出した判決の倍以上に当たる、1人当たり平均4億3千万ウォン(約4,300万円)の国家賠償をする特別法を2014年に制定しています。
「責任は認めないがカネをやるから黙っとけ~」なんて言わんばかりの対応ですな。
もちろん原告側は「カネによる幕引きには応じない」と、現在も受け取りを拒んでいるそうです。
出典:https://jp.reuters.com/
まとめ
いかがでしたでしょうか。
韓国史上最悪の海難事故「セウォル号沈没事故」の死者数と生存者数、事故原因と真実に迫ると共に、船長や船員に下った判決と、セウォル号引き揚げ後の現在についてまとめてみました。
事故が発生して5年以上が経過した現在もなお、多くの謎が残るこの「セウォル号沈没事故」。
調べれば調べるほど、“事故”と言うよりもむしろ、起こるべくして起こった“事件”のように感じました。
最後に、この最悪の事故で犠牲になった全ての方々のご冥福をお祈り致します。
[…] 詳しくは、コチラの方の情報がスゴイ ➡https://newsee-media.com/sinking-of-mv-sewol#i ■編集後記 セウォル号の沈没によって、最悪の犠牲者を出しました。 […]