「人間パチンコ」などの芸でコアなお笑いファンを虜にしたピン芸人・大空テントさんですが、交通事故で亡くなっています。
今回は大空テントさんの経歴やネタ、ツチノコ芸人エピソード、交通事故と死因、葬式の様子をまとめました。
この記事の目次
大空テントのプロフィール
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大空テント
生年月日:1951年5月16日
没年月日:2016年9月27日
出身:大阪府八尾市
身長:173cm
所属:吉本興業
活動:お笑い芸人
大空テントさんは、大阪出身のお笑い芸人です。コンビを組んでいたこともありましたが、ピン芸人として活動していました。
生い立ち
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大空テントさんは大阪府八尾市で生まれました。実家はテント商を営んでいたとのことです。
本名は三浦 得生(みうら とくお)といいますので、大空テントは芸名になります。芸名は実家の家業から来ているようですね。
近畿大学附属高等学校を卒業後、芸の道に入ります。最初は腹話術師の川上のぼるさんに弟子入りしますが、1年程度で辞めてしまいました。
4回コンビを組む
腹話術師に弟子入りして1年程で辞めた後は、家業のテント商の手伝いをしていましたが、22歳の時に松竹芸能の漫才教室に入り、お笑いの道に進みます。
そこでの同期と「テント・シート」という漫才コンビを組みますが、すぐに解散。その後、ピン芸人の大空テントとしてデビューしました。
1976年には、2度目の漫才コンビ「テント・マーチ」を結成するも、またすぐに解散します。
松竹芸能から吉本興業に移籍すると、3度目の漫才コンビ「大空テント・幸つくる」を結成します。
この「大空テント・幸つくる」は、第12回NHK上方漫才コンテストで優秀賞を受賞し、一躍脚光を浴びます。しかし、翌年にはまた解散。
さらに1984年には「ざっと31」というコンビを結成しますが、また2年もたずに解散します。
どうやら、コンビは結成するものの、長続きはしないようですね。
1986年に「ざっと31」を解散以降は、ずっとピン芸人として活動していました。
口コミで話題になる
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ピン芸人として活動していた大空テントさんは、あまりメディア出演はありませんでした。
拠点にしていた大阪ならともかく、東京の人にはほとんど知られていない状態でした。
しかし1990年代の終わりになった頃、「大空テントの漫談がすごい!」と話題になり、カルト的な人気を博すようになりました。
大空テントは孤高の天才? 【ネタ動画あり】
大空テントさんは、全国的に人気の芸人というわけではありませんでした。
コアなお笑いファン以外には、名前くらいは聞いたことはあるけれどどんな芸をする人か知らない…という人も多かったと思います。
ただ、一部のお笑いファンや同業のお笑い芸人からは絶大な支持を集めていて、「孤高の天才」という呼び声もあったほどです。
大空テントさんの代名詞ともいえるネタ「人間パチンコ」はこちらです。
この人間パチンコ以外にも、次のようなネタを持っていました。
・「ウィッ、ウィッ、ウィッ」
・蜘蛛の決闘
・蜘蛛の歩き方
・横山ノックのものまね
・尺取虫
・みのむし
・カニの歩き方
このネタリストを見てわかると思いますが、かなり先鋭的というか、ユニークで独創性の高いネタをやっています。
大空テントさんは、上岡龍太郎さんに弟子入りしていますが、その上岡龍太郎さんから「出てくるのが10年早かった」と言われるほど、先鋭的なネタをしていました。
ただ、コアなファンがいるものの、メディア出演は少なかった大空テントさん。
実際、中島らもさんやみうらじゅんさんからネタは高く評価され、彼らが主催するライブに出演することもありましたし、単独ライブは即完売の入手困難なプレミアチケットになりました。
大衆受けするネタではないけれど、お笑いファンからは熱烈な支持を受ける「孤高の天才」、それが大空テントさんだったんです。
大空テントがツチノコ芸人と呼ばれた理由とは?
大空テントさんは、「ツチノコ芸人」とも呼ばれていました。
大空テントさんはあまりメディア露出はありませんでした。また、自ら積極的に仕事をするというスタイルでもなかったんです。
あまりやる気がなかった時には、「週休6日」ということもあったようです。しかも、仕事がやりたいのに仕事がないという状態ではなく、自ら進んで週休6日にしていたようです。
そのため、「なかなか見かけない」「生存しているかどうかいまいちわからない」という意味から、存在不明のツチノコになぞらえて大空テントさんはツチノコ芸人と呼ばれるように。
そしてここからは、ツチノコ芸人・大空テントさんの面白エピソードを紹介します。
このエピソードを知れば、大空テントさんがツチノコ芸人と呼ばれることがもっと納得できると思います。
税務署から民生委員へ行くことを勧められる
ある時、大空テントさんんは確定申告のために、税務署に行ったそうです。しかし、年収が48万円しかなかったために、税務署員から「税務署に来るよりも、民生委員のところに行きなさい」と言われたそうです。
確かに、年収が48万円ということは、月収が4万円しかないということですから、税務署員としては心配になりますよね。
二代目上岡龍太郎を断る
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大空テントさんは、上岡龍太郎さんに弟子入りをしていました。上岡龍太郎さんは、大空テントさんの才能を高く評価していました。
その証拠に、上岡龍太郎さんが2000年に芸能界を引退する前に大空テントさんの単独ライブに出演した際、大空テントさんに「上岡龍太郎」という名前を譲ると持ち掛けます。
大空テントさんに「二代目上岡龍太郎」にならないか?と持ち掛けたわけです。
でも、この申し出を大空テントさんは拒否します。その理由は「恐れ多い」などではありません。
「サインを書くのが面倒だから」という理由で、二代目上岡龍太郎の襲名を断ったんです。確かに、「上岡龍太郎」は「大空テント」に比べて画数が多いですよね。
でも、それを理由に断るというのは、「さすが、ツチノコ芸人」と言えますね。
前代未聞の密着取材
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大空テントさんは、1990年頃に一般女性と結婚しています。
この奥様との出会いは、大阪時代に東京で仕事をする時に知人を通じて一般女性を紹介してもらい、その女性の家に泊めてもらったことがあったそうです。
そして、お礼の手紙を書いて、そこから文通・交際が始まったとのこと。
ただ、その手紙はところどころに持ちギャグを入れたり、変な色を塗ったりと、大人の手紙とは思えない内容だったそうです。
さらに結婚後、大空テントさんの密着取材がありましたが、「1日中家で遊び呆けている夫を、妻がアクセサリー加工の内職をしながら世話をすることに終始する」という内容だったそう。
あまりにもひどい密着取材でしたが、そんなところも包み隠さずに披露してしまうのは、さすが孤高の天才&ツチノコ芸人の大空テントさんではないでしょうか。
ちなみに、大空テントさんは2014年に離婚しています。
「家で遊び呆けている旦那」なら、誰だって離婚したくなってしまいますよね。ただ、夫婦間のことなので、本当の離婚理由はわかりません。
大空テントは交通事故で死亡していた… 【現場や死因も紹介】
大空テントさんは、2016年9月27日、大阪市内の天王寺区生玉前町の交差点で、交通事故に巻き込まれました。
現場は市営地下鉄谷町九丁目駅の上にある交差点で、報道によると、大空テントさんは、横断歩道を渡っていた時に走ってきた乗用車にはねられたとのことです。
事故があった時間は19時50分とのことですから、まだ人通りはそこそこあったと思います。そんな中、車にはねられてしまいました。
そして、救急車で搬送される時点ではすでに心肺停止状態であり、22時50分に病院で死亡が確認されています。
死因は不明ですが、頭を強く打っていたという情報がありますので、脳挫傷や脳出血、くも膜下出血などの可能性がありますね。
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事故翌日に、上岡龍太郎さんは次のようにコメントしています。
「明日お通夜がありますので、そこでお話しさせて頂きます。ここで立ち話してしまうと、僕にとっては勿体ないぐらいなんです。いろいろ思いがありすぎる。」
弟子の死にショックを受け、憔悴している様子でした。
大空テントの葬式に有名芸人が続々参列し話題に
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大空テントさんが交通事故に遭ったのは9月27日で、9月29日にお通夜・9月30日に葬式が行わました。通夜や葬式にはたくさんの有名芸能人・芸人が参列しました。
・オール巨人
・ぜんじろう
・板東英二
・二代目桂ざこば
また、東野幸治さんやなだぎ武さんなど後輩芸人もTwitterなどでその死を悼んでいます。
吉本の先輩テントさんがお亡くなりになりました。残念です。20年ぐらい前にある番組でテントさんの人間パチンコが「放送内でスリーセブン(7が3つ)揃うか⁈」という企画をしたことがありました。何度もギリギリのところで778とか776にはなりますが777は揃いませんでした。爆笑しました。
— Higashinodesu (@Higashinodesu) September 27, 2016
急なテントさん訃報のニュース、ホントにビックリした…ビックリ通り超えてずっとドキドキしてた…最近お会い出来る機会はなかったですが、瞬間でもご一緒に舞台で時を刻めた事が、今は誇らしく思います…誰も超える事が出来ない領域での孤高の天才芸人テントさん。。心よりご冥福をお祈りいたします… pic.twitter.com/HLaadbQdL0
— なだぎ武 (@nagi_nagio) September 27, 2016
大空テントさん!
— 桂小枝 (@koedanokai2014) September 30, 2016
お疲れさまでした
ありがとうございました pic.twitter.com/47xwUl1tCd
こういうツイートなどを見ると、「ツチノコ芸人」と言われつつも、芸人仲間や後輩芸人に慕われていたことがよくわかりますね。
まとめ
大空テントさんのプロフィールやツチノコ芸人エピソード、亡くなった交通事故や死因、葬式などをまとめましたが、いかがでしたか?
・メディアにあまり出ないことからツチノコ芸人と呼ばれていた
・お笑いのコアなファンや芸人からは孤高の天才と呼ばれ支持されていた
・2016年9月に交通事故で死亡
・葬式には師匠の上岡龍太郎などが参列した