社員寮の管理人だった両親が長男に殺害された「板橋管理人夫婦殺害事件」ですが、犯人の父親の常軌を逸した事件前の言動も話題です。
今回は板橋管理人夫婦殺害事件の経緯、被害者と犯人の少年との関係、動機や判決、現在を紹介します。
この記事の目次
板橋管理人夫婦殺害事件とは
板橋管理人夫婦殺害事件とは、2005年6月20日に、東京都板橋区の建設会社の社員寮で発生した、管理人夫妻(当時夫44歳、妻42歳)が、長男(当時15歳)に殺害された事件です。
管理人寮から突然爆発が発生し、その後、刺し傷のある夫婦の遺体が発見されたことで事件が発覚しました。
外部から侵入した形跡がなく、一緒に生活していた長男の行方が分からなくなっていたこと、長男の血痕が付いた衣類が残されていたことなどから、容疑者として長男が浮上。
事件発覚から2日後、群馬県にある草津温泉の旅館内に潜伏していた長男が逮捕されています。
板橋管理人夫婦殺害事件の犯人は高校1年生の少年
板橋管理人夫婦殺害事件の犯人は、両親とともに管理人室で一緒に住んでいた当時高校1年生の長男で、「誠」という名前のようですが、ここでは少年と記します。
当時マスコミが報道した内容では、少年はゲームやパソコンに没頭していて、猟奇的な方面に非常に関心が強かったとされています。
また、中学校3年生の頃に空き家に侵入して警察沙汰を起こしたことがありました。
この事件をきっかけに両親がとても冷たくなったことで、少年は両親に深い恨みを持っており、殺害をしようと考えたと語っています。
板橋管理人夫婦殺害事件の被害者は犯人の両親
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犯人の少年の両親は創価学会員だったとみられています。
特に父親は非常に熱心な信者で、管理人寮の掃除などの仕事を全て少年に押し付け、自分は創価学会の活動に入り浸っていました。
また、普段から少年に対してDVや言葉の暴力がひどく、少年が学校で良い成績を残しても、自分が信心深いおかげだと本人の努力を認めなかったそうです。
逆に成績が下がった場合は、少年の信心の浅さを指摘して激怒し、罵倒していました。
父親は妻に対しても粗暴であり、少年の話によれば母親は常に仕事で忙しくしていたようで、いつも死にたいとこぼしていたということです。
板橋管理人夫婦殺害事件の詳細
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「板橋管理人夫婦殺害事件」が発生
2005年6月20日未明に、東京都板橋区にある建設会社の社員寮で爆発が発生しました。
爆発の前、少年は寝ていた父親を鉄アレイや包丁を使って殺害し、その直後、鉢合わせした母親を包丁で衝動的に数十箇所を刺して殺害しました。
両親を殺害した少年は、電熱器とタイマーを使った時限爆弾を設置してその場から逃亡。この爆弾が爆発したことで、事件が発覚しました。
爆発現場からは、包丁でメッタ刺しにされた両親の遺体が発見され、まもなく捜査本部が立ち上がり、少年の行方を探し始めました。
少年が逮捕される
少年は両親を殺害後に軽井沢のホテルに1泊し、その後は草津温泉にある旅館の1万3000円の部屋に泊まってました。
翌朝にホテルが通報したことで警察が訪れ、少年は旅館で逮捕されました。所持金は3万円程度でした。
草津温泉旅館に宿泊していた理由として、少年は以前テレビで見て宿泊してみたかったと語っています。
創価学会にのめり込んでいた父親は、家族を旅行に連れて行くこともなかったのでしょう。
少年は両親を殺害した殺人容疑に加えて、充満させた都市ガスに引火する仕組みのタイマーと電熱器を使った時限爆弾を爆発させた、激発物破裂罪で逮捕されました。
板橋管理人夫婦殺害事件の犯人・少年の裁判と判決
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少年は家庭裁判所の少年審判にて、東京地検に送致されることが決まり、公開法廷で裁判が行われることとなりました。
この裁判は被告人が少年であるという理由から、初公判で弁護人が22人も付いていました。
通常の裁判であれば、被告人は開廷までの間、弁護人の席の前にある長椅子に座ります。
しかし、少年であるという理由から、証言台の前に少年が座ってから傍聴人が入るようにされ、さらに少年が見えないように3人の職員が横並びに立ってガードしていました。
この間、少年は椅子に座ったまま微動だにしなかったと言われています。
一審判決では懲役14年が言い渡されましたが、長年にわたって父親が教育者として少年に不適切な態度だったこと、少年が反省をしていることから、懲役12年に減刑した刑が確定。
なお弁護側は、一審、二審判決で、父親からの心理的な虐待が事件の背景にあったとして、少年院での再教育を主張しました。
板橋管理人夫婦殺害事件の犯人・少年が両親を殺害した動機とは
ここからは、少年が両親を殺害した直接的な動機を見ていきましょう。
父親を殺害した動機とは?
報道によれば、土日や夏休みなどは社員寮の食事の用意や掃除をさせられ、前述のように事件前年12月に警察のお世話になって以来、両親が冷たくなったことが殺害を決意した理由です。
また事件前日、父親から「俺より頭が悪い」と理不尽な理由で頭を押さえつけられ、父親と激しい口論になっており、殺害したいという憎悪を押さえられなくなって犯行に及んだようです。
母親も殺害した動機とは?
母親も殺害した理由については、いつも「死にたい」と言っていたからだとしています。
これらの少年の証言からは、母親に対しては父親ほど憎悪の念を持っていなかったことがわかります。
一般的に、子供による親殺しの事件では、父親だけがターゲットであっても、同時に母親などの他の家族も一緒に殺害してしまうケースは少なくないようです。
加害者の中には、ターゲットの父親と仲良くしていたという事実だけで、容易に殺害対象になってしまうこともあります。
ですがこの事件においては、父親に虐げられていた母親を解放してあげたいという歪んだ慈悲のような気持ちもあったとみられています。
ちなみに、可哀想だから殺したという動機は「愛他的殺人」に当たります。
ただ、少年は自分が警察沙汰を起こしたことで母親からも冷たくされるようになったと語っており、100パーセント慈悲とは言えないかもしれません。
母親の殺害方法は包丁でメッタ刺しにするという残忍な方法で、犯罪心理学では自分を産んだ母親に対しては特に加害の仕方が激しくなる傾向にあると言われています。
これは、単に殺害したいという欲求だけではなく、自身の心の葛藤の表れや、母親からの精神的な呪縛から逃れたいという衝動があるようです。
板橋管理人夫婦殺害事件の真相:原因を作ったのは少年の父親である被害者
板橋管理人夫婦殺害事件が発生してしまった最大の理由は、あまりにも人格が破綻していた父親のせいであり、そのひどさは以下のように伝えられています。
父親は被告人である息子の部屋に『完全自殺マニュアル』を置いたり、私物を全て廊下に出して、部屋に南京錠をかけて入れなくさせられたり、ダンボール箱に被告人と犬をいれて、犬に襲われている被告人を笑って見ていたとか。また、被告人は小学5年生の頃から両親の仕事の手伝いをやっていたそうです。
当時の被告人の精神状態についての意見書を出した小児精神科医も、父親の不適切養育を指摘します。
「父親は、子供を小さな頃から働かせ、自分はバイクを買って楽しんだりパソコンをやっていたりした。それなのに、子供を押入れに入れたりゲームを取り上げたりしていた。少年が大事にしていた近所のおじいさんと別れるときにもらったおもちゃまでも父親が壊してしまった」
この父親は、創価学会で熱心に信仰することで自分が神に守られた特別な存在だと勘違いしていたのでしょうか。
しかし現実は、人としてもっとも底辺の精神を持った悪魔に心を乗っ取られた人間だったと言えます。
創価学会員だったことと父親の暴力性の関係はどのメディアでも報じられていない
板橋管理人夫婦殺害事件は、少年の父親が熱心な創価学会員だったということでも社会を騒がせました。
ネットでは、創価学会の聖教新聞を代理発刊している毎日新聞への取材記録が残っています。
mu 週刊新潮の記事によると、あの家庭は熱心な創価学会信者だったということなんですが、毎日新聞さんではこの事実を確認されていますか?
毎 ・・えーとですね、特定の宗教が事件の原因になっているかどうかですよね。原因とはわからないのに、報道する必要はありませんが
mu あの家庭が創価学会の信者だったことは把握されているんですね?
毎 把握していてもですね、宗教にかかわることですから、不用意に報道できませんよ
mu 週刊新潮の記事によると、「お前は信仰心が足りないから馬鹿なんだ!」と罵られたようですよ
毎 え!!・・・・えーと・・・・あうあう
mu 原因になってるじゃないですか
毎 でも、それは事実かどうか分からないじゃないですか
mu だから、取材して確かめてみればいいじゃないですか。そういうのはマスコミの役割でしょ
毎 いや、だから、本当に原因かどうかわからないでしょ!!!(このあたりから火病発症)
mu その原因かどうかを調べてくださいよ!!
毎 特定の宗教がね、殺人の原因になっているかという微妙な問題なんですよ
mu だから、それを調べるのがマスコミの仕事でしょ。あなたは「事実かどうか分からないし調べないから報道しない」と言ってますけど、マスコミの責務を放棄するんですか
なお、聖教新聞の他に創価学会が発行する創価新報や公明新聞は、創価学会関連紙の印刷請負は毎日新聞だけではなく、読売新聞や朝日新聞、日経新聞など全国の34紙が請け負っています。
そのため、毎日新聞だけが後ろ暗いわけではありません。
板橋管理人夫婦殺害事件の犯人の少年の現在
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少年はその後、少年院に入院したものとみられています。
ただ、懲役12年ということで成人後の現在については情報が無く、少年刑務所に入ったのか、一般的な刑務所に移ったのか、明らかになっていません。
まとめ
創価学会に熱心に入れ込んでいた父親の虐待とも言える言動が原因で発生した「板橋管理人夫婦殺害事件」についてまとめてきました。
創価学会だけではなく、集金が目的の新興宗教においては、家族をないがしろにして熱心に信仰する信者は珍しくありません。
一体何のための信仰なのかという気がしてなりません。