ベイルート港爆発事故の原因と現在!場所や被害者数・爆発の動画や画像・韓国との関係も徹底解説

2020年8月に起きたベイルート港爆発事故は核爆発に次ぐ規模で、その威力と事故動画や画像が話題です。

 

今回は事故の場所や被害者数、爆発の威力、当時の動画や画像、韓国から輸入された原因物の危険性などその後や現在を紹介します。

「ベイルート港爆発事故」とは

 

現地時間の2020年8月4日18時ごろ、中東にあるレバノンの首都・ベイルートにあるベイルート港で保管されていた硝酸アンモニウムをきっかけに起きた大爆発事故です。

 

核爆発に次ぐと言われる大爆発により、218名が死亡し、7000名以上が重軽傷を負う大惨事となりました。

 

レバノン総合治安局長によれば、この爆発のきっかけである硝酸アンモニウムは、違法物として政府が没収して約6年間保管されていたもので、約2750トンにも及んでいたとされています。

 

 

「ベイルート港爆発事故」が起きた場所

出典:https://pixabay.com/

 

ベイルート港爆発事故が起きた場所は、ベイルートの湾岸地区にある倉庫です。

 

ベイルートとはレバノンの首都であるベイルート県の県都で、レバノンの政府所在地もある最大都市とされています。

 

そのため、レバノンの経済の中心地であり、主だった企業や銀行はベイルートに集中しています。

 

また、5000年以上の歴史を持つ世界で最も古い都市の1つです。

 

このことから、ベイルートはあらゆる分野において世界的に評価されている都市で、グローバル化や世界都市研究ネットワークのべータ世界都市にランク付けされています。

 

 

「ベイルート港爆発事故」の被害者数とは

 

前述の通り、ベイルート港爆発事故による被害者は、死者が218名、重軽傷者が7000名以上に上っています。

 

爆発の衝撃に巻き込まれた数百名の人たちの多くが地面に横たわり、病院はさながら野戦病院のようにけが人で溢れかえっていたと言います。

 

また、ベイルート知事によれば、1度目の爆発で消火活動にあたっていた消防士が行方不明になるなど、現場の危険さは相当なものだったようです。

 

なお、カタエブ政党の書記長であるナザール・ナジャリアン氏が爆発に巻き込まれて重症を負って後に死亡、国営電力会社のカマル・ハイエク会長も一時危篤状態になりました。

 

 

「ベイルート港爆発事故」はYouTube動画が残っている

 

ベイルート港で1度目の爆発が起きた時、周辺にいた多くの人たちがスマホなどで撮影をしていました。

 

その後、2度目の大爆発が起き、その多角的な映像を編集した動画がYouTubeにアップされています。

 

 

 

 

 

2度目の大爆発が起きたとき、大気中にソニックブームが広がっているのがよくわかりますね。

 

何キロも離れた所で撮影していた人の映像では、数秒遅れて到達した衝撃波で建物が激しく破壊され、何気ない日常を送っていた家族が巻き込まれて慌てふためく様子も記録されています。

 

 

「ベイルート港爆発事故」の事故現場画像

 

2度目の爆発の瞬間の画像

 

この画像は1度目の爆発でくすぶっていた煙の中で放電現象が起き、硝酸アンモニウムの固まりの本体に引火して大爆発を起こした瞬間です。

 

 

消化活動をするヘリコプター

 

大爆発が起きた後、延焼する火災を消火するために消防ヘリコプターが出動し、消火活動にあたっています。

 

 

爆発により地形ごと吹っ飛んだ

 

衛星写真によるビフォーアフター画像では、大爆発により地形ごとえぐられ消し飛んでいるのがわかります。

 

 

「ベイルート港爆発事故」での爆発の威力

出典:https://pixabay.com/

 

2020年8月4日の午後6時ごろに起きたベイルート港爆発事故では、超音速のソニックブームが街を駆け抜けました。

 

1度目の爆発で黒い煙の中にまるで爆竹のように放電が起きているのがわかりますが、そのくすぶりが臨界点を超えたのか2度目の大爆発を起こし、港からは白いキノコ雲が立ち昇りました。

 

核爆発さながらのキノコ雲ですが、超音速のソニックブームにより人や車は吹き飛ばされ、建物は一瞬で倒壊しました。

 

この爆風は10キロ先まで届いており、その大気の振動は200キロ離れたキプロスまで及んでいたと言われています。

 

なお、爆発による超低周波音がドイツやチュニジア、コートジボワールなどでも観測され、さらに爆心地から500キロ離れた場所では地震波が観測されました。

 

アメリカの地質調査所の観測では、この爆発はマグニチュード3.3に相当するとのことです。

この爆発による大気波動が高度300キロの電離圏に達し、人類が引き起こした爆発の規模としては、核爆発を除き、史上最大級であることが明らかとなった。

 

高度50キロから965キロ付近には、太陽からの紫外線やX線により大気の原子や分子が電離した「電離圏」があり、火山噴火や核爆発など、地上で大規模な爆発が発生すると、電離圏の電子数を変動させる「電離圏擾乱」が起こる。北太平洋のジョンストン島で1958年に行われた核実験では、核爆発による電離圏擾乱が初めて確認された。

 

引用:ベイルートの爆発事故は、核爆発を除いて人類が引き起こした史上最大級の爆発だった

 

このベイルート港での大爆発は、核爆発を除けば最大規模でした。

 

爆発規模について研究チームが、トリニトロトルエン火薬に換算したところ、約1,000〜1,500トンに相当し、これは広島に投下された原子爆弾の約10分の1の威力だと言われています。

 

 

「ベイルート港爆発事故」の爆発の原因

 

爆発の原因となったのは、大量に保管されていた硝酸アンモニウムです。

 

硝酸アンモニウムは、一般的には農業用肥料や鉱山で使われる爆薬の原材料として使われます。そのため、どの国でも保管自体は珍しくありません。

 

ただ、レバノンのミシェル・アウン大統領の発表によれば、ベイルート港で保管されていた約2750トンの硝酸アンモニウムは、安全管理が不十分なまま、約6年間放置されていたそうです。

 

では、なぜ硝酸アンモニウムが爆発を起こしたのでしょうか。

 

完全な原因は現在も不明のようですが、たまたま発生した港湾倉庫での火災により硝酸アンモニウムに引火したとみられています。

 

硝酸アンモニウムは一般的に使用されている反面、その化学成分の特性上、極めて高い爆発性を持つとされています。

 

アンモニウムは水素に似た特性を持ち、硝酸塩は酸素に似た特性を持つことから、燃料と酸化剤の両方の性質を持つようです。

 

酸化剤は炎に酸素を送り込むため、硝酸アンモニウムは点火物を得ることで、極めて危険な爆発物となり得ると言われています。

 

また、硝酸アンモニウムは170度で融解する特性を持っています。

 

そのため、火災により引火したことで化学反応が起こり、巨大な火の玉が形成されて大爆発を引き起こしたとみられています。

 

さらに、硝酸アンモニウムには空気を急激に圧縮する作用があります。

 

これにより、ベイルート港の倉庫を爆心地として、急速にソニックブームが広がることになりました。

 

これは、シャンパンボトルからコルクを勢い良く開け放ったときに起きる、ボトルの中に水蒸気が凝縮された霧が発生する仕組みに似ています。

 

つまり、冷却され圧縮された空気が爆発とともに反発するように衝撃波として超音速で広がったのです。

 

 

「ベイルート港爆発事故」の原因である硝酸アンモニウムが大量保管されていた経緯

 

2013年、ベイルート港に2750トンの硝酸アンモニウムを積んだ船が到着しました。

 

しかし、船の責任者がベイルート港への料金支払いを拒否したか、積み荷が航海するのに不適切だと判断されたかで、2014年にこの船は出航不可となりました。

 

そのため、この硝酸アンモニウムはレバノン政府に没収され、港の倉庫に保管される運びとなりました。

 

 

硝酸アンモニウムは異常な状態で保管されていた

 

前述の通り、硝酸アンモニウムは危険物には変わりないものの、肥料を作るための材料となるためごくありふれたものであり、世界中で貿易で取引されています。

 

しかし、爆発の恐れがある大量の硝酸アンモニウムを1か所にまとめておくのは通常考えられないことだそうです。

 

保管は数百トンごとに容器に小分けにして、引火するような可燃性物質は周囲に置かないことが当たり前とされています。

 

そのため、ベイルート港の倉庫で2750トンも保管していた事実は極めて異常だったようです。

 

「業界の安全プロセスに関する基本的な知識をもっている人なら誰でも知っている最も重要なルールは、大量の危険物を1カ所に保管しないことです。特に密閉された環境では厳禁です」と、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの化学工学教授であるハロウン・マゲレフテは指摘する。「ふたつ目の絶対禁止事項は、人口密集地域近辺での保管です」

 

引用:レバノンの爆発事故が、あれほど破壊的な規模になった化学的メカニズム

 

 

6年間の保管で、大量の硝酸アンモニウムが固まっていた

ベイルート港の倉庫に保管されていた硝酸アンモニウムは、6年間に大量の湿気を吸って固まっていたと見られています。

 

硝酸アンモニウムは、固まった状態で引火すると大爆発を起こすようです。

 

危険物の取扱いルールを無視し、大量の硝酸アンモニウムを1か所で保管した上、6年もの間使用目的も定めないまま放置していたため、爆発がいつ起きてもおかしくない状態だったのです。

 

 

事前に保管に関して警告されていた

 

 

「ベイルート港爆発事故」の約6か月前、倉庫の硝酸アンモニウムに対し、ベイルートが吹き飛ぶほどの大爆発の可能性を複数の検査官が指摘し警告したと「ガーディアン」紙が報じました。

 

これらの検査官は、「ベイルート港爆発事故」が発生した当時、おそらく「だから言ったのに」とあきれていたことでしょう。

 

 

「ベイルート港爆発事故」のその後と現在① 韓国からインドに輸入された硝酸アンモニウムが話題に

出典:https://pixabay.com/

 

韓国からインドに約700トンの硝酸アンモニウムが輸入された

 

大惨事になった「ベイルート港爆発事故」ですが、実はインドで第2の「ベイルート港爆発事故」が起きてもおかしくない事案があるようです。

 

2020年8月8日に、インド南部にある都市・チェンナイの港に、2015年に韓国から輸入された約700トンの硝酸アンモニウムが保管されていることが明らかになりました。

 

「ベイルート港爆発事故」の際の2750トンと比較すると4分の1程度ですが、この硝酸アンモニウムも政府に押収されたものであり、状況が似ていると話題です。

 

 

インドの硝酸アンモニウムは爆発物用

 

チェンナイ港の倉庫にある硝酸アンモニウムは、コンテナ37個に分けて保管されています。

 

2015年にインドの企業が、肥料用という名目で韓国から輸入しましたが、実際の用途は爆発物用だったことがわかりました。

 

硝酸アンモニウムは手りゅう弾の製造にも使われることがあり、1995年には米オクラホマシティーで連邦政府の建物が襲撃され爆破された際にも、硝酸アンモニウムが使われていました。

 

 

インドの硝酸アンモニウムは安全に管理されている?

 

インドの地元税関は、倉庫に保管されている硝酸アンモニウムは爆発の危険はなく、売却に向けた競売手続きが進行中であることを伝えました。

 

どこまでインド当局の言い分が信じられるかもありますが、37個のコンテナに分けて保管していることから、少なくともベイルート港での保管状態よりは断然爆発の可能性は低いでしょう。

 

 

「ベイルート港爆発事故」のその後と現在② 1年後の現場の動画が公開

 

「ベイルート港爆発事故」から約1年後となる2021年8月1日、事故現場や周辺の状況をドローンが撮影した動画が話題となりました。

 

 

 

改めて事故現場を上空から見ると、1年後の状態からも爆発のすさまじさが伝わってきます。

 

硝酸アンモニウムが保管されていた倉庫はよほど堅牢な作りだったのか、吹き飛ぶことなく形が残っていますが、周辺の倉庫は骨組みを残して外壁がすべて吹っ飛んでいるものもあります。

 

車はすべて鉄くずと化し、タンカーも横転していますので、爆発によるソニックブームの威力は想像を絶するものだったことは間違いないでしょう。

 

 

まとめ

 

レバノンの中心的都市であるベイルートで2020年に起きた、「ベイルート港爆発事故」について詳しくまとめてきました。

 

レバノンは財政破綻をして、ハイパーインフレーションに苦しんでいた最中での事故でした。

 

爆発から1年後に撮影されたドローンで映し出された映像を見ると、まるで原子爆弾のような爪痕を残しているのがわかります。

 

犠牲者のご冥福をお祈りいたします。

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