中国の胎児スープは嘘?現在もある?検索してはいけない理由・中国文化との関係や類似事件も紹介

インターネット上には「検索してはいけない」ワードが多数存在し、中国発祥の「胎児スープ」もそのうちの1つです。


今回は胎児スープの噂、嘘と決まった理由、中国文化と胎児スープの関係や類似事件2つ、現在の状況をまとめました。

胎児スープは中国発祥のスープ

検索してはいけない」ワードとは、インターネットで検索するとグロ画像・動画が出てきたり、ウイルスに感染したりするようなワードのことです。

 

その検索してはいけないワードの中に「胎児スープ」があります。

 

では、胎児スープとはどんなものなのでしょうか?

 

胎児スープは中国・広東省が発祥

出典:junseikouhoubu.web.fc2.com

 

胎児スープとは、胎児を使ったスープのことです。胎児はまだ生まれる前の赤ちゃん、つまりまだ母親のおなかの中にいる状態の赤ちゃんですね。

 

その胎児をスープに入れて煮込んだものが「胎児スープ」です。

 

この胎児スープは、2007年ごろからインターネット上で広がり始めました。

 

胎児スープと検索すると、「胎児」と思われる形をしたものがスープに入っている画像、胎児と思われるものを食べている中年男性の画像などがヒットします。

 

胎児スープは中国語では「嬰児湯」と言われ、中国南部の広東省の田舎の食堂で隠れメニューのような形で提供されていたとのこと。

 

噂によると、胎児スープに使われる胎児は妊娠6ヶ月程度の女児であり、現地では3000元~4000元ほど(日本円で5万円前後)の値段で提供されるようで、超高級スープですね。

 

この胎児スープは滋養強壮の効果があり、富裕層の中高年男性に人気のスープだというのです。

 

 

胎児スープが「検索してはいけないワード」の理由とは

出典:ameblo.jp

 

この胎児スープは、検索してはいけないワードの上位に常にランクインしています。

 

なぜなら、検索すると、本当に胎児の形をしたものがスープの中に入っていたり、それを食べている中年男性の画像が出てくるからです。

 

日本人にとっては、あまりにも衝撃的な画像であり、グロ画像です。胎児スープを興味本位で検索してしまったら、トラウマになるほどの画像です。

 

だから、胎児スープは検索してはいけないワードなのです。

 

 

胎児スープは嘘?本当?

現在の中国では、人間を食べる「食人」は禁止されています。

 

しかし、胎児スープはあるという情報が広まりました。しかも、インターネットを介して全世界に胎児スープの情報が広がったのです。

 

胎児スープの噂は本当なんでしょうか?

 

2009年8月に公安が検挙

 

現在、胎児スープは嘘であると結論付けられています。

 

2007年ごろから胎児スープの情報がインターネット上で出回るようになり、その情報は全世界に拡散されていきました。

 

もし、胎児スープの存在が本当だとしたら、中国は野蛮な国・人権がない国だと全世界から糾弾される可能性があります。この事態を重く見た中国当局が動きます。

 

2009年8月には、中国の公安が胎児スープの情報を流した人物を治安管理処罰法によって検挙しました。

 

そして、「嬰児湯(胎児スープ)の情報はすべて捏造である」と発表したのです。

 

つまり、全世界に向けて、中国政府が胎児スープの噂を否定したということですね。

 

ZhuYuの作品という噂

 

いくら中国政府が胎児スープの噂を否定したとしても、「胎児スープの画像はあるじゃん」と思いますよね。

 

胎児スープの画像を見ると、確かに胎児の形をしたものがスープの中に入っているので、その画像がある限り、胎児スープは嘘だとは言い切れないと考える人も多いでしょう。

 

でも、この画像は中国の芸術家である「Zhu Yu」の作品であり、胎児スープに見えるように加工されたという情報があるんです。

 

つまり、胎児スープの画像も嘘であり、作られたものであるということですね。

 

ただ、この胎児スープの画像がZhu Yu氏の作品であるというのは、あくまでも噂であり、真偽のほどはわかっていません。

 

 

胎児スープに類似した事件が中国で発生している

インターネット上に出回っている胎児スープの画像・情報は、現在は嘘であると結論付けられています。しかし、胎児スープに似た事件が中国で発生しているんです。

 

だからこそ、胎児スープの噂は嘘だと中国政府から発表されても、根強くネット上に残り、「胎児スープは実際にあるのではないか?」「中国ならあり得そう」と思われているんですね。

 

息子の脳腫瘍を治すために胎児スープ

 

中国四川省のとある村に住む夫婦は、9歳の息子が脳腫瘍になり、治療方法を探していました。

 

そして2006年12月11日のこと、その夫婦の妹は突然「死んだばかりの赤ん坊の肉を食べると、どんな病気でも治る」という言い伝えを思い出しました。

 

というのも、その日、その妹の隣の家では生まれたばかりの新生児が亡くなり、埋葬したばかりだったのです。

 

その妹は姉夫婦を説得して、3人で埋葬されたばかりの新生児を墓から掘り起こし、遺体を切断して、胴体部分を持ち帰ったのです。

 

そして翌日、新生児の遺体をスープにして煮込み、脳腫瘍の息子に「チキンスープだ」と言って食べさせました。

 

その後、墓地が荒らされ、新生児の遺体が掘り起こされたことが判明し、夫婦とその妹は逮捕されました。そして、遺体損壊の罪で懲役6ヶ月の有罪判決を言い渡されています。

 

胎児ではないものの、死んだばかりの新生児をスープで煮込んで食べさせたということですね。

 

病気の息子を何とか救いたいという親心は分からないでもないですが、かつて食人文化があった中国だからこそ起こった事件です。

 

日本では食人文化は公にはなく、「死んだばかりの赤ん坊の肉を食べると、どんな病気でも治る」という言い伝え自体がないので、起こりえない事件ですね。

 

 

寝台列車内で密輸された赤ちゃんを救出

 

2003年3月22日には、寝台列車内で28人の赤ちゃんが救出されたという事件がありました。

 

広西チワン族自治区の警察が安徽省行きの寝台列車内で、乗客の旅行バッグ内に梱包された28人の赤ちゃんを救出したという事件がありました。

 

これはただ単に人身売買の事件ではありません。例えば、子供がいない富裕層の夫婦に生まれたばかりの赤ちゃんを高値で売りつけるといった事件ではないのです。

 

なぜなら、赤ちゃんは梱包されていたから。しかも、生後3ヶ月以内の女児しかいなかったとのことです。

 

思い出してください。胎児スープは妊娠6ヶ月程度の女児でしたよね。妊娠6ヶ月は無理だったから、生後3ヶ月以内の女児を胎児スープ用に売買しようとしたのではないでしょうか?

 

この赤ちゃんたちは梱包されていたものの、警察が救出した時はみんな息があったそうですが、救出したけれど、誰も親は迎えに来なかったとのことです。悲しい結末ですよね。

 

ただ、このような事件があると、胎児スープは本当にあるのかもしれないと思えてきますよね。

 

 

胎児スープは中国の食人文化(カニバリズム)から生まれた?

中国で胎児スープは嘘だと結論付けられたものの、「いやいや、中国なら胎児スープくらいあるでしょ」「中国なら胎児スープがあってもおかしくはない」と思う人が大半だと思います。

 

なぜ、「中国ならあり得る」とみんな思うのか?それは、中国の食文化の歴史に関係があります。

 

韓非子や三国志にも記述あり

出典:amazon.co.jp

 

中国にはかつて食人文化(カニバリズム)があったと言われています。歴史的な文化なので、ここではカニバリズムの良し悪しについては触れません。

 

中国の春秋戦国時代のことを記した「韓非子」には、「紂為肉圃、設炮烙、登糟丘、臨酒池、翼侯炙(あぶり肉)、鬼侯臘(干し肉)、梅伯醢(塩漬け肉)」という食人の記述があります。

 

また、三国志や史記の中にも、食人文化があったことが書かれています。

 

さらに、日本の東洋史学の研究者たちも食人文化があったことを記しています。

 

中国史の研究者である相田洋氏は、桑原隲蔵氏の論文を紹介しながら、「南北宋後退期の武装集団ほど頻繁に食人肉を行なっている例は、以前には見当たらないように思う」と述べています。

 

宋が滅んだのは1279年のことです。つまり、1200年代には頻繁に人肉を食べることが行われていたようです。

 

中国にはこのような歴史的背景・食文化があったのです。食文化は脈々と受け継がれるものですから、現代の中国でも食人の習慣が残り、胎児スープも実在する可能性は捨てきれませんよね。

 

 

漢方でも人体を使っている

出典:nikkan-spa.jp

 

中国では漢方薬が日常的に用いられていますが、その中に「紫河車」という漢方があります。

 

この「紫河車」は人の胎盤を乾燥させたものです。これを考えると、胎児スープもあり得そうですよね。

 

ただ、胎盤については、中国だけではなく、全世界でも、そして日本でも用いられています。

 

皆さん「プラセンタ」を知っていますか?プラセンタは動物の胎盤から抽出された成分であり、アンチエイジングなどの目的で点滴やサプリメントになっています。

 

また、日本では出産後に胎盤を食べると滋養強壮の効果があるとして、胎盤食をする人が少数ですがいます。

 

 

胎児スープは中国の一人っ子政策の弊害?

 

胎児スープは本当か嘘かはわかりません。ただ、中国政府が否定しても、胎児スープの噂は消えることはありません。

 

これは、中国に食人文化があったからというのもありますが、もう1つの理由に中国の一人っ子政策があったからというものもあります。

 

中国では1979年から2015年まで一人っ子政策が行われていました。1組の夫婦は1人の子供しか持つことができないという政策ですね。

 

中国は男児が重宝される文化があります。だから、どの夫婦も女児ではなく、男児を生みたいのです。でも、産み分けなんてできるはずもありません。

 

だから、どうしても男児が欲しい夫婦が女児を妊娠した場合、性別が判明した時点で堕胎したり、生まれると「死産」にして、胎児スープ業者に売ったのではないかとの噂があるんですね。

 

実際、中国の男女比は明らかに男性が多いです。女児を100とした場合、男児の出生比率は通常なら103~107ですが、中国では一時期120にもなったとのこと。

 

こういう事情もあるからこそ、胎児スープの噂は消えることなく、いつまでもくすぶり続けるのです。

 

 

胎児スープは現在もあるかもしれない

 

検索してはいけないワードである胎児スープは、検索でヒットする画像は捏造の可能性があり、画像自体も加工された可能性が高いです。ただ、胎児スープは現在もあるかもしれません。

 

中国の食文化・習慣、胎児スープがあると思わせる事件の発生、一人っ子政策などを考えると、胎児スープはあってもおかしくはありません

 

現在は中国では一人っ子政策は廃止され、二人っ子政策に変わっていますが、出生率は上がっていません。ということは、夫婦は子供を1人しか持たない人が多いということです。

 

男児が優遇されることを考えると、これからも男児が多くなる傾向があり、女児は堕胎されたり、死産になったりすることが続くかもしれません。

 

そう考えると、中国ではこれからも胎児スープは広い中国国内のどこかの食堂で出されているかもしれませんよね。

 

滋養強壮に効果があると聞けば、「食べたい」と思う富裕層はたくさんいるはずですから。

 

 

胎児スープのまとめ

検索してはいけないワードである胎児スープの情報や嘘という噂、胎児スープの噂が生まれた中国の背景などをまとめました。

 

・中国では胎児をスープにして煮込んだ「胎児スープ」があると噂があった
・中国公安が情報源を特定して検挙したことで、嘘と結論付けられた
・中国では胎児スープと似た事件、胎児スープを連想させる事件があった
・歴史文化的に胎児スープがあってもおかしくない
・一人っ子政策も胎児スープに拍車をかけた?

 

日本人としては、胎児スープは嘘であって欲しいと思いますよね。ただ、あの中国なら胎児スープくらいはありそうだと思ってしまうのも事実です。

 

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