1989年に起きた「SOS遭難事件」では、遭難した男性が残した音声テープが怖いと話題です。
今回はSOS遭難事件の場所や遭難者が発見された経緯、航空写真、遭難者の身元や真相、同僚の証言やなんJの反応をまとめました。
この記事の目次
SOS遭難事件とは
1989年7月24日、大雪山系で行方不明となっていた2名の男性登山者の捜索をしていた北海道警のヘリコプターは、旭岳の南方に倒木で作られたSOSの文字を発見します。
遭難者の男性2名がこしらえたものと判断して周辺を捜索したところ、現場から数キロ離れた地点で無事男性2名が救出されました。
しかしその後、男性2名にSOSの文字を作ったかどうかを聞くと、心当たりがないと答えたため、この文字の作成者は別の遭難者である可能性が浮上しました。
そして改めてSOSの文字の付近を捜索したところ、男女のものと思われる白骨遺体が発見されたのです。
遺体が発見された100メートル周辺では、この遭難者のものと思われる遺留品のリュックも見つかり、リュックの中からは日用品やカセットレコーダー、テープなどが発見されました。
さらに、このテープに録音されていた男性の助けを求める声が、この「SOS遭難事件」のミステリアスさを際立たせることとなりました。
SOS遭難事件で遭難者が発見された場所
出典:https://pixabay.com
事件の場所となったのは北海道の大雪山系で、北海道上川郡東川町にある標高2,291メートルの旭岳です。
白骨化した遺体で見つかった遭難者の男性は、旭岳の登山ルートで「金庫岩」と「ニセ金庫岩」を読み間違えたことで、遭難したルートに入ってしまったとみられています。
登山道から見える金庫岩とニセ金庫岩を間違えて道迷いして遭難したと考えられるそうです。
どのくらい道迷いしたのかしら?と地図を見ると驚きました。
登山道と方位が全く異なります。ここまで歩くのは大変だったろうなあ・・・。
今はGPSで現在地が分かるから、ここまで迷い込まないと思うけど。
どうやら道迷い後に元の道に戻らずに(戻れなかった?)山を下る決断をしたようです。
下りに下って池塘(ちとう、湿原の泥炭層にできる池沼)周辺で身動きが取れなくなった様子。
北海道のように山がなだらかだと明確な目標物が無くて位置関係をロストしやすいのかしら。
それ以前に道迷いをしたからと下山したい一心で登り返せないような場所を下るのはダメね。現在地も分からないのだし。
疲れたり焦りがあると登り返す選択をしなくなるのかな。
この男性は、何かがおかしいと感じながらも無理に下山を続け、通常なら人の踏み入らない場所にある崖から戻れなくなったとみられてます。
SOS遭難事件が怖い理由 <テープ音声注意>
この事件の被害者は、1984年に行方不明になっていた成人男性とみられています。
大量の巨大な倒木を男性1人で並べ、SOSの文字を山腹に作るのは非常に困難であり、激しく体力を消耗をしたことが予想されます。
この男性は、体力がなくなった時に声が出せなくなることを懸念して、テープに助けを求める声を録音していました。
この録音テープの声が、鬼気迫っていて怖いと話題になっています。
さらに次の動画では、この「SOS遭難事件」に全く関係のない、女性の焼身自殺の様子を録音したテープ音声が切り貼りされており、怖さに拍車をかけてしまっています。
あったなあ、SOS遭難事件……あのテープ子ども心にめっちゃこわかった。
— 黒木竜 (@r_kuroki) November 6, 2019
SOS遭難事件の詳細 【SOSの航空写真も紹介】
2名の遭難男性が救助された
1989年7月24日の午後、大雪山系の黒岳から旭岳に向かう途中で遭難した東京都在住の男性2名を救出するために、北海道型のヘリコプター・ぎんれい1号が捜索をしていました。
すると、一般登山ルートから外れた旭岳南方の忠別川源流部あたりで、白樺の倒木を組み上げて作った一辺約5メートルのSOSの木文字が発見されました。
ヘリコプターが周辺を捜索すると、SOSの木文字から約3キロほど離れた場所で、行方不明なっていた2名の男性が見つかり、無事救出されました。
SOSの木文字は別の遭難者が作っていた
北海道警は、SOSの木文字を作ったのはこの2名の男性だと見て事情を聞きましたが、男性らは見覚えがないと答えました。
このことから別に遭難者がいる可能性が浮上し、北海道警は翌日25日に改めてヘリコプターを現地に派遣し、捜索を開始しました。
すると、SOSの木文字近くに動物に噛まれた跡のある人骨が見つかり、周辺には遺留品と思われるリュックサックとテープレコーダー、カセットテープ4本、お守りなどが発見されました。
この人骨を回収し、旭川医科大学にて鑑定が行ったところ、当初は20歳から40歳くらいの女性のものと鑑定されました。
しかし、北海道警が7月27日にテープを再生したところ、ラジオ番組の録音の後に2分17秒間だけ、一音一音はっきりと区切りながら、以下のように叫ぶ男性の声が録音されていたのです。
がーけーのーうーえーでー身動きとれずー。
エースーオーエースー(SOS)。
たーすーけーてーくーれー。
がーけーのーうーえーでー身動きとれずー。
エースーオーエースー。
たーすーけーてーくーれー。
場所は初めにヘリに会ったところー。
ササ深く上へは行けないー。
こーこーから吊り上げてくれー
引用:SOS遭難事件
SOSの木文字は航空写真にも映っていた
1987年9月20日に林野庁が現地で空撮写真を撮影し、国土地理院の地形図作成に使用された写真にもSOSの木文字は写り込んでいたようです。
しかし、当時は誰も木文字に気づいていなかったとみられてます。
遭難男性のテープにアニメの録音が入っていた
男性が所持していた遺留品の残りのテープには、テレビアニメ『超時空要塞マクロス』及び『魔法のプリンセス ミンキーモモ』などの主題歌や、ラジオ番組表が録音されていました。
また、カセットテープのケース表面には「魔法のプリンセス ミンキーモモ」のイラストの切り抜きが貼られてあり、亡くなった男性は生前アニメが大好きなオタクだったと見られています。
というのも、倒木で出来たSOSの文字近くから発見されたテープレコーダーからは、助けを求める声とマクロスやミンキーモモの録音が入っていて、どうも被害者はアニオタだったらしいのだ(続)
— dragoner (@dragoner_JP) November 6, 2019
亡くなった男性がアニメ好きだったことで、1989年夏に開催されたコミケに取材が来る可能性が指摘されており、コミケ準備会も予想していたようです。
しかし、実際に取材が来たのは同時期に起きた連続幼女殺害事件の犯人・宮崎勤に関してだけでした。
遭難者は男性ひとりの身元を特定
7月28日に行われた捜索において、亡くなった男性の頭蓋骨などの人骨や、三脚、バスケットシューズなどが発見されました。
知人の証言により、これらの遺留品は、1984年7月に行方不明になっていた愛知県江南市の会社員男性のものだと判明しています。
テープにアニメの主題歌を録音していたことや、バスケットシューズをいつも持ち歩いていたこと、そしてお守りを販売している神社の所在地がこの男性の生活圏と一致したのです。
当初は女性の人骨だと鑑定されていたため、遭難者は男女2名だと考えられていました。
しかし、この男性と登山をしていた女性の情報はなく、遺留品にも女性のものは発見されなかったこと、男性が1人で入山していたことが明らかになり、女性の遭難者はいなかったようです。
1990年2月28日、旭川東警察署は最終的に遭難者は男性1名だったことを発表しています。
SOS遭難事件の真相① 男性が遭難した理由
男性が遭難した理由は、旭岳の稜線部にある巨大な大岩「金庫岩」を道しるべにしようとしたところ、近くにある似たような岩である「ニセ金庫岩」と間違えた可能性が指摘されています。
実際、このニセ金庫岩を目印に下山をすると、男性が亡くなっていたポイントに辿り着いたようです。
男性が遭難した地点はとても特殊な地形でした。傾斜に横倒しにササ原が広がっており、上からは進入しやすいものの、下から上には非常に上がりづらいという特徴があります。
また、このポイントから下ると崖になっており、男性は上にも下にも行けなくなったことからSOSの木文字を作って救援要請をしたものとみられていました。
SOS遭難事件の真相② 男性がSOSの木文字を作成した理由
出典:https://pixabay.com
男性が倒れた白樺の倒木を積み重ねて作ったSOSの木文字は、成人男性でも2日程度はかかると見られるほどの重労働でした。
そのため、通常なら遭難ポイントから脱出するために体力を温存すべきところ、この男性があえて激しい重労働を選んだ理由が疑問点として浮上しました。
男性が木文字を作った理由として、脱出をするために動き回って体力を消費するよりも、1か所にとどまって救助を待つほうが助かる確率が高いと判断したためだとみられます。
また、男性がアニメ好きであり、手塚治虫の『鉄腕アトム』に同様のシーンがあったことから、模倣するきっかけとなった可能性も指摘されました。
SOS遭難事件の真相③ 男性がSOSのテープを録音した理由
男性が救助要請をテープに録音した理由は、木文字を作るなどして体力がなくなり、身動きが取れなくなった時を想定して、声が出せなくても音声を流せるようにと考えたとみられています。
この録音したテープがカセットレコーダーにセットされていたことからも、ほぼ間違いないと見られています。
しかし一方で、助けを求めている時にたまたま録音スイッチが入って録音されたという意見もあるようです。
SOS遭難事件の遭難男性の元同僚が2ちゃんねる(現5ちゃんねる)に現れる
2012年頃、「SOS遭難事件」で遭難した男性の同僚だったという人物が、匿名掲示板「2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」に書き込みをして話題となりました。
317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/19(月) 15:54:33.15 ID:1PGx/CkN
中の人です
当初 骨盤の大きさから遺骨が女性の物との報道がありましたが 遭難者はズックリムックリ体型であったためそのように誤解されたと記憶しています
休暇を取り北海道旅行中の遭難で宿泊施設に大雪山にハイキングに行くといい残し荷物を置いたまま出発し遭難されました。宿泊施設から遭難の連絡があり捜索の為ヘリコプターも投入されました。おそらくそのヘリコプターを見てSOSの文字を作ったのではないかと思われます。
この同僚男性を名乗る人物の証言が事実であれば、遭難した男性は、登山というよりはハイキング程度の軽装で臨んでいたことが分かります。
318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/19(月) 16:02:51.60 ID:1PGx/CkN
故人は好奇心の強い人で いろんな分野に関心がありヲタク関連にも豊富な知識を持っていました
宿泊施設に残したカメラには多数の千歳基地の自衛隊機の写真が撮影されていたため 当時はソ連のスパイで何かしらのトラブルにまきもまれたとの推測もありました。
又遭難行方不明後知人に手紙/電話連絡があった等の未確認情報が飛び交っていましたが残念な結末になりご冥福をお祈りします
男性は好奇心が強く、千歳基地の自衛隊機の写真を撮りためていたことから、実はソ連(現ロシア)のスパイで消された…との憶測もささやかれたようですが、信憑性は定かではありません。
321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/26(月) 01:48:27.46 ID:6PHa7KWK
>>319
故人は同僚でした
>>320
当時(おそらく現在も)民間の捜索ヘリはチャーター費用が非常に高く 30分-1時間しか捜索できなかったと聞いています。
宿泊施設からの連絡では遭難であるとの確証もなかったため2-3回しかヘリコプターをチャーターできなかった為発見できなかったのでしょう
工場のみではなく全社で捜索ヘリコプターのカンパを募りましたが十分な捜索が出来ず残念な結果になってしまいました
当時のヘリコプターは燃料事情などでチャーター費用が高かったことなども、男性が助からなかった理由の1つのようです。
男性が遭難したことは勤めていた会社も把握していたようで、救出費用を捻出しようと全社を上げて取り組んでいたようですね。
323名無しさん@お腹いっぱい。2012/11/30(金) 03:10:36.56ID:CjCemVAU>>324
>>322
個人はヲタ風ではありましたが 仕事では非常に優秀な人でした。当時大きなプロジェクトが完遂した直後の休暇で遭難されています。
当時の報道で骨盤の大きさから女性との報道がありましたが 故人の体型ならば間違われている可能性もあるなって社内では言われていました。
又彼ならばSOSの文字作ったり 音声を録音する行動をしても不思議ではないなって感じていました
大きなラジカセではなく カセットウォークマンサイズの物ですので持ち歩いていても不思議ではありません
SOSの木文字を作成したことが最善だったかどうかはわかりませんが、遺骨が回収されないという時代だけはかろうじて回避できたとも言えます。
SOS遭難事件のなんJ民の反応
その後、ネット上では「SOS遭難事件」が話題になりましたが、こういった話題が好きななんJ民の反応を紹介して、今回の記事を締めたいと思います。
5: 名無しさん 2014/04/27(日)09:26:30 ID:mMFGF5IWl
あの叫び声はトラウマだわ
8: 名無しさん 2014/04/27(日)09:49:41 ID:Pkzndi28o
怖すぎでしょ…
15: 名無しさん 2014/04/27(日)10:51:42 ID:dLD0xczTR
SOSごっこしてたら死んじゃっただけじゃなかろうか
16: 名無しさん 2014/04/27(日)18:27:54 ID:9Sh7R11Yg
怖いな
まとめ
1989年、北海道・大雪山系旭岳でSOSの木文字をきっかけに、遭難事件が発覚した「SOS遭難事件」についてまとめてきました。
ネット上に登場した同僚の証言では、亡くなった男性は大きな仕事をやり切った後に休暇をとり、旭岳に来ていたようです。
自分へのご褒美としての休暇がこのような結果となり、さぞや無念だったことでしょう。
また、男性は気軽な気持ちでハイキング気分で出かけた可能性も高く、山の恐ろしさが多くの人に伝わった事件でもあります。
亡くなった男性のご冥福を心からお祈り申し上げます。