一柳展也の今現在!金属バット両親殺害事件の犯人の生い立ち・判決や獄中などその後も総まとめ

1980年に起きた「金属バット両親殺害事件」ですが、エリート一家の両親をバットで殴り殺した一柳展也の生い立ちに注目が集まりました。

 

今回は一柳展也の生い立ちや事件詳細、判決、獄中や出所後などその後と現在をまとめました。

一柳展也が起こした金属バット両親殺害事件とは

 

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1980年11月、当時予備校に通う浪人生だった一柳展也(20)が、自宅で父親と母親を金属バットで殴打して殺害するという凄惨な事件が起きました。

 

「金属バット両親殺害事件」と呼ばれるこの事件の犯人である一柳展也は、父親・兄弟・親戚含めたエリート一家に生まれました。


しかし受験に失敗し、2年目の浪人生の時に事件を起こしたのです。

 

一柳展也は両親を殴り殺した後、犯行の発覚を恐れ、強盗の仕業に見せかけるように偽装工作を施します。


しかし、程なくして自身の犯行であることを認め、警察に逮捕されました。

 

エリート一家の息子が両親を殺害するという凶行は日本中の話題となり、その注目度の高さからノンフィクション作品やテレビドラマの題材にもされています。

両親を殺害しても、無表情で取り調べを受けていたとされる一柳展也。


なぜ両親を殺さなければならなかったのか。その理由に迫るため、彼の生い立ちから事件の概要まで詳しく解説していきます。

 

 

金属バット両親殺害事件の犯人・一柳展也の生い立ち 【両親との関係も紹介】

 

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一柳展也はエリート一家で、父は東京大学、兄は早稲田大学、祖父は東京商科大学(現:一橋大学)、父の兄弟は東京教育大学(現:筑波大学)、慶應義塾大学出身という高学歴揃いでした。

 

父親は東京大学を卒業後、旭硝子に就職して東京支店建材担当支店長を務めました。


さらに祖父は東京商科大学を卒業後、三菱銀行に就職して東京都内支店長まで務めたという生粋のエリートの家系です。

 

 

一柳展也は東京都に生まれ、渋谷区立渋谷小学校から転校して港区立青南小学校を卒業し、港区立青山中学校を経て、私立海城高等学校を卒業しました。


子供の頃は野球が得意でしたが、成績は中レベルで勉強はあまり得意ではありませんでした。

 

一柳展也が中学に進学したと同時に、兄が早稲田大学付属高校に合格して入学しています。


一柳展也も兄と同じ早稲田大学付属高校、もしくは慶應大学付属高校を目指しますが、中学の成績は合格レベルには達しておらず、3人もの家庭教師をつけて受験勉強に集中しました。

 

しかし、早稲田大学付属高校も慶應大学付属高校も合格できず、受験に失敗してしまいます。

 

早稲田・慶應に入ることは叶わなかった一柳展也ですが、それでも都内有数の進学校である私立海城高校に合格し入学しました。

 

一柳展也が高校受験に失敗した頃、一方で兄は早稲田大学理工学部に現役で合格。東大や慶應など学歴重視のエリート一家の中で、期待に応えるように早稲田大学への進学を果たしました。

 

その後、兄は早稲田大学を卒業して大手企業に勤めているようで、絵に描いたようなエリート街道を歩んでいます。


父親も、兄も、親戚に至っても、高学歴揃いのエリート一家。そんな家庭に育った一柳展也は、大学受験にも重圧が掛かりました。

 

 

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一柳展也は私立有名大学を目指して受験に臨みます。


しかし、高校入学後から成績は落ち続けており、早稲田大学法学部と商学部、上智大学、中央大学などを受験したものの全て失敗に終わりました。

 

その後、予備校へ通って浪人生活を始めた一柳展也ですが、成績は伸びず、浪人1年目も早稲田大学、立教大学、明治大学、法政大学、日本大学に不合格となり、受験に失敗してしまいます。

 

父親から、吐き捨てるように「大学受験を諦めて就職した方がいい」と言われてしまった一柳展也ですが、それでも進学を目指して2浪することを決意しました。

 

ところが、浪人2年目は度重なる受験の重圧もあってか、予備校に通わず勉強もせず、プレッシャーから逃げるような生活を送るように。


酒やギャンブルにのめり込み、友人とも疎遠になっていきました。

 

 

エリート一家で育った一柳展也にとって度重なる受験の失敗は精神的に大きな負担となり、焦りや不安から現実逃避することを選び、堕落した自虐的な生活を送ります。

 

そんな状況の中、両親からの叱責と、母親から放たれた「あんたはダメね」という一言が、とうとう一柳展也の心を壊しました。

 

この生い立ちが事件の引き金となり、一柳展也に越えてはいけない一線を越えさせることとなったのです。

 

 

一柳展也が起こした金属バット両親殺害事件の概要

 

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受験のプレッシャーから逃れるため、酒やギャンブルにのめり込むようになった一柳展也。

 

欲しいものを買うために父親のキャッシュカードを無断で使用したことが見つかり、父から厳しい叱責を受けます。

 

一柳展也は父親から「キャッシュカードを盗ったのはお前だろう」と叱責され、母親からも「あんたはダメね」と見離される言葉を吐かれました。


すでに受験のプレッシャーで心に余裕のなかった一柳展也は、父親から「明日中に追い出してやる」と言われたことで、さらに思いつめてしまいます。

 

神的に追い込まれた一柳展也は、ウイスキーのボトルを半分飲んで酩酊状態になり、翌朝未明、酒に酔った状態で金属バットを持ち、両親の寝室へと向かいました。

 

 

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そして、就寝中の両親の頭に金属バットを何度も何度も振り下ろし、両親を殴り殺したのです。

 

その殺害現場は目も当てられないほど酷いもので、父親の頭蓋骨は割れ、天井まで血しぶきが飛んでいたとか。


さらに母親は脳みそまで飛び散っていたようで、現場に駆けつけた警察官も驚くほどの悲惨な光景だったようです。

 

 

一柳展也は金属バットで両親を殴り殺した後、強盗の仕業に見せかけるために偽装工作を始めました。


両親を殴った金属バットは風呂場で洗い、返り血を浴びた衣類は隠して別の服に着替え、強盗に襲われたように家中を荒らしました。

 

そして、「両親が殺された」と近所の家に助けを求める振りをして、自分が第一発見者であることをアピールしたのです。


夜明けに警察に通報した際も、強盗に襲われたと証言しました。

 

両親を殺害した直後にしては冷静に偽装工作を行なっていた一柳展也ですが、親族が違和感を感じ、彼を追及しました。


その結果、一柳展也は自分の犯行てあることを認め、翌日に警察に逮捕されることとなったのです。

 

 

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逮捕後は犯行を素直に認め、取り調べに対しても自ら詳しい犯行の状況を供述したそうです。


現場検証にも立ち会ったようですが、無表情でどこか他人事のようにその場に居たとされる一柳展也は、一体何を考えていたのでしょうか。

 

 

裁判には、父親と大学の同期生で親友でもある河原勢自氏が私選弁護人に選ばれました。


殺害された父親の親友が弁護するというのは、お互いに複雑な感情があったのではないでしょうか。しかし弁護人はプロで、親友の仇でもある一柳展也を最大限弁護しました。

 

1984年4月25日、横浜地方裁判所川崎支部で行われた第一審で、検察は懲役18年を求刑しました。


これに対し弁護人は、「親類を通じて警察に通報したのは自首と同じ」と主張しました。

 

犯行の動機は「受験勉強に伴う劣等感・精神的維持の限界がもたらした無気力」と主張しています。

 

両親からの叱責が犯行の引き金になったと言えど、叱責を受けたのは受験勉強から逃げるような生活を送り、無断で父親のキャッシュカードを使った一柳展也に落ち度があります。

 

しかし、前科や非行歴がないことや、精神鑑定の結果、生まれつき精神的な発達障害があったことが判明しました。

 

さらに、大量の飲酒によって判断能力が著しく低下した中での衝動的な犯行で計画性がないこと、逮捕後に素直に供述していることなどが鑑みられ、懲役13年の判決が下されました。

 

真摯に反省して後悔の気持ちがあることや、更生の可能性も考慮した判決です。

 

一柳展也側もこれを情状を酌量した温情判決として受け取り、控訴せずに有罪が確定。千葉刑務所に服役することになりました。

 

 

度重なる受験失敗の重圧、エリートの父親・兄・親戚との差から生まれる劣等感、学歴コンプレックス、家庭内のコミュニケーション不足など、様々な要因が重なって起こった凄惨な事件。

 

家庭の方針は人それぞれですが、生い立ちや家庭環境が深く関わっているこの事件は、教育のあり方を考えさせられる結果になりました。

 

 

金属バット両親殺害事件の犯人・一柳展也のその後と現在

 

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裁判で懲役13年の判決が言い渡されたのは1984年4月25日、事件発生の1980年11月から約3年半後でした。


1年に渡って犯罪精神医学の専門家や精神科医による精神鑑定を受け、判決までに17回の公判が開かれました。

 

千葉刑務所に服役することになった一柳展也は、獄中仲間からひどいイジメを受けていたといいます。


「話がつまらない」という理由だけでイジメを受けていたようですが、看守からの心証は悪くありませんでした。

 

ただ、刑務所内では問題を起こさず、服役中の休憩時間の運動も率先して行っていたようです。

 

しかし、その運動というのが、金属バットを使用してフルスイングで素振りの練習でした。

 

服役することになった理由が金属バットで両親を撲殺した事件のため、金属バットを振り回す様子は他の囚人から見ても、ある種の恐怖を抱かせたかもしれません。

 

獄中での一柳展也の様子は、元獄中仲間の見沢知廉が出版した「囚人狂時代」シリーズに記されています。

 

 

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他の囚人からの印象、イジメの話、服役中の行動など、一般人には見ることのできない一柳展也の獄中での様子が垣間見られる作品です。

 

そして、服役中に際立った問題を起こさないまま、1997年に刑期満了で出所した一柳展也。

 

現在、彼が何をしているのかは公表されていません。

 

ネット上の噂では、海外に渡り、インドでボランティアをしているとの情報が存在しています。


しかしネット上の書き込みなので、信ぴょう性に欠けるため、噂か事実かは確かめることができません。

 

1997年に出所してから、すでに20年以上が経過しています。一柳展也が現在日本で生活しているのか、ネットの噂通り海外で生活しているのか、今後も判明することはないかもしれません。

 

 

両親を殺害した苦しみを、論告求刑で読み上げられた日記に綴っていた一柳展也。事件から30年が経った現在も、自責の念を抱えていることでしょう。

 

 

金属バット両親殺害事件は現在も関心の高い事件として話題に

 

そんな一柳展也が起こした金属バット殺人事件。現在、この事件を題材にした作品が多数制作されています。

 

音楽からドラマ、テレビ番組まで幅広く取り扱われ、事件の注目度を示すこととなりました。

 

まず有名なのは、1982年にロックバンド・BOØWYがリリースしたアルバム「MORAL」に収録されている楽曲「WATCH YOUR BOY」です。

 

 

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金属バット両親殺害事件をモチーフにした、家族の悲劇を感じさせる歌詞が話題になりました。

 

「生まれた時から両親に檻に閉じ込められてペットのように好きに扱う」といった両親の育て方を批判する言葉や、「油断してたらバットのエジキさ」という直接的な表現まであります。

 

 

また、1985年4月8日に放送された月曜ワイド劇場「金属バット殺人事件」はこの事件を題材にしたドラマです。

 

さらに、著者・佐瀬稔氏の書籍「金属バット殺人事件 戦後ニッポンを読む」が読売新聞社から出版されています。

 

 

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一柳展也の家庭環境、事件の背景などを丁寧に解説した1冊で、事件から時間が経った現在、今読んでも衝撃を受ける作品となっています。

 

 

テレビ番組でも取り上げられ、2008年12月28日に放送されたテレビ朝日の「ビートたけし新解釈ニッポン人の現代史!」では、事件の経緯を再現フィルムを交えて紹介しています。


司会のビートたけしさんの他、鳥越俊太郎さん、茂木健一郎さん、阿川佐和子さん、森永卓郎さんなど、有名コメンテーターと共に、事件の悲惨さや家庭環境などの背景を世間に伝えました。

 

多くの媒体で取り上げられた金属バット殺人事件。


事件から40年が経とうとしている現在も、人々の関心を集める悲劇的な殺人事件でした。

 

 

まとめ

 

両親からの重圧に心を壊し、金属バットで両親を殴り殺すという悲惨な事件を起こした一柳展也。


現在は出所してかなりの時間が経っているため、どこで何をしているかは分かっていません。

 

今後このような事件が起きないことを祈るばかりです。

 

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