村上世彰のプロフィール

村上世彰が悪名を轟かせた「村上ファンド事件」とは

投資の世界では、「もの言う株主」として注目されていた村上世彰さん。40歳を目前にした、1999年にM&Aコンサルティング会社「村上ファンド」を設立しています。

その名前が世間一般に広く知れ渡るきっかけとなったのは、「ニッポン放送株」を巡るインサイダー取引により逮捕され、有罪判決を受けた「村上ファンド事件」でした。

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「村上ファンド」は、豊富な資金力と、投資対象の会社に対して株主として積極的に経営に口を出し、業績を向上させることで株式価値を上げる投資手法により、業績を激的に伸ばしました。

そして、ファンド設立から6年後の2005年、村上世彰さんはニッポン放送株のインサイダー取引の容疑で逮捕されてしまうんですよね。

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一連の「ライブドア事件」の騒動の中では、この「村上ファンド事件」により、登場人物の1人となった村上世彰さん。

しかし現在では、この「村上ファンド事件」を知らない人も少なくないようなので、まずは簡単にわかりやすく説明しておきましょう。

村上世彰が逮捕された「村上ファンド事件」をわかりやすく解説

当時「ニッポン放送」は、フジテレビや豊富な不動産を持つサンケイビルの親会社でありながら割安感が優良株で、これに目をつけた村上世彰さんはニッポン放送株を買い漁っていました。

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しかし、村上世彰さんの豊富な資金力をもってしても、ニッポン放送の株を買い占め、子会社の実権を握るに足る株式数を手中に収めることができなかったんですよね。

そこで、村上世彰さんは味方になってくれそうな会社に、「ニッポン放送株はお買い得だよ～」なんて言葉巧みに株式購入を勧め、ニッポン放送の実権を握ろうと画策したわけです。

そして、味方に選んだ会社の1つが、村上世彰さん同様、“時代の寵児”ともてはやされていた“ホリエモン”こと堀江貴文さんの会社、「ライブドア」だったのです。

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ここまでは特に法律上問題となることはなかったのですが、村上世彰さんがライブドアとの打ち合わせの中で、堀江貴文さんが言ったという次の言葉を聞いてしまうんですよね。

ホリエモンのこの言葉を聞いてしまった以上、村上世彰さんはそれ以降はニッポン放送株を買い進めることはできなくなってしまったのです。

なぜなら、通常、TOBは市場価格よりもプレミアをつけて買付けされることから、もしTOBが行われることを事前に知り、それを見越して大量の株式を入手していれば大儲けできるからです。

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しかし、村上世彰さんはその後もニッポン放送株を買い集めていたことが判明したことで、2006年6月にインサイダー取引疑惑で逮捕されました。

そして、2011年6月7日には懲役2年・執行猶予3年、及び、罰金300万円と追徴金約11億4900万円の有罪判決が確定しています。

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村上世彰の生い立ちなど経歴

村上世彰は小学生の頃から投資の嗅覚を磨いていた

村上世彰さんは、華僑の貿易商である在日台湾人の村上勇氏の次男として誕生しました。

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1950年代に日本国籍を取得し、小学生の頃には既に株取引のキャリアをスタートさせていたと言われています。

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と言うのも、父親・村上勇氏が、まだ小学生の世彰さんへの小遣いの支給をストップする代わりに、100万円の現金を一括で手渡したのが始まりだったそうです。

世彰少年は、なんとこの資金を元手に株式市場で小遣いを捻出していたとされているんですよね。

もちろん、現在のようなネット証券などない時代ですから、得られる情報も限られていたことでしょう。

そんな中で、自身の小遣いを捻出できていたわけですから、この頃から村上世彰さんには投資家としての資質が備わっていたと言えますね。

また、父親の村上勇氏も、我が子の資質を見抜いた上で、その才能を伸ばすべく上手く誘導していたのかも知れません。

村上世彰、灘中学・高校から東大法学部へ進学した学生時代

そんな村上世彰さんは、中学校、高校は日本一偏差値が高いと言われている中高一貫教育の灘中学校・高等学校に進学します。

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後にパートナーとなる丸木強さんとも、この学校で出会っています。

ただ、学校へ行っても学校行事には一切参加せず、掃除なども“そんな暇があるなら勉強したい”との理由で不参加を決め込んでいたそうです。

理系は得意だった村上世彰さんですが、文系は苦手だったため、灘高校卒業後は1年間浪人して1979年に東京大学法学部に進みました。

村上世彰さんの大学生活は、父親が所有する東京都港区高輪の高級マンションから、ポルシェに乗って通学するという優雅な大学生生活を過ごしていたようです。

東大卒業後は通商産業省（現経済産業省）に入省した村上世彰

そんな村上世彰さんは、1983年に東大を卒業しました。

本人はすぐにでも投資家になるつもりだったのですが、尊敬する父親から「国家というものを勉強するために官僚になれ」と勧められたことから、通商産業省（現経済産業省）に入省します。

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その後、村上世彰さんは約26年間、公務員として勤務します。

しかし、生来の言いたいことをすぐに口に出してしまう性分から、在南アフリカ日本大使館一等書記官として、アパルトヘイト時代の南アフリカに左遷されてしまうんですよね。

この南アフリカへの赴任によって、村上世彰さんは日本経済の成長のためには“コーポレート・ガバナンス”が大切であることを実感したそうです。

コーポレート・ガバナンスとは…

ここに「コーポレート・ガバナンス」とは、

という根本的な考え方の下、企業経営を監視する仕組みのことです。

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村上世彰、コーポレート・ガバナンスを日本に浸透させるために村上ファンドを設立

“コーポレート・ガバナンス”の重要性を実感した村上世彰さんは、いつしか自らがプレーヤーとなって日本経済を変えていこうという強い想いに駆られるようになっていったと言います。

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そして、通商産業省を退官した村上世彰さんは、“コーポレート・ガバナンス”の考え方を日本の経済界に浸透させるため、40歳目前に投資会社「M＆Aコンサルティング」を設立しました。

これが、いわゆる「村上ファンド」の誕生だったのです。

会社の経営にはあまり感心のない大多数の株主を尻目に、村上世彰さんは積極的に株主提案を行い、企業価値の向上を図っていきました。

それとともに、株主を軽視する経営者に対しては、株主総会で経営陣を痛烈に批判・叱咤することから、“もの言う株主”として一躍注目される存在となりました。

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投資対象会社の株式を大量購入し、利益の上がる事情に経営資源を集中させて企業価値を向上させ、株式価値を上げるこの手法が大当たりし、村上ファンドの投資規模は拡大し続けました。

そして、ファンドの設立から6年後、ニッポン放送株のインサイダー取引容疑で逮捕されることになるんですよねぇ…。

村上世彰の家族①　東大時代に知り合った嫁　

村上世彰さんは、その時期は明らかではありませんが、東大時代に知り合った彼女と結婚しています。

村上世彰さんの嫁は、聖心女子大学に通っていたという才女で、間もなく2男2女という4人の子供に恵まれるのですが、10年ほど前には年の離れた5人目の子供が誕生しています。

村上世彰さんの嫁は、この5人目の子供については高齢出産ということで産むことを反対したそうなのですが、村上世彰さんが熱望したことにより出産に踏み切ったと言われています。

村上世彰さんは、高齢出産に挑戦した嫁に、東京都渋谷区南平台町にある地下1階地上3階の豪邸というご褒美をプレゼントしたことでも有名ですね。

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村上世彰さんが2006年に建てたこの豪邸には、上の4人の子供たちの名前を冠した「ATRA」と名付けられました。

村上世彰の家族②　息子

息子・世博がシンガポールの永住権を取得し新会社の役員に就任

2011年5月、村上世彰さんは「村上ファンド事件」の有罪判決の確定直前、シンガポールに新会社「CARON」を設立、息子の村上世博さんが同国の永住権を取得して役員に就任しています。

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シンガポールは相続税や贈与税のかからない、いわゆる“タックスヘブン”で知られています。

このことから、村上世彰さんが保有する全資産を一旦、息子の村上世博さんに贈与した後、将来、5人の子供たちに無税で相続させるつもりではないかと言われています。

村上世彰の家族③　娘

村上世彰の事業を引き継いだのは父にソックリな娘だった…

村上世彰さんは、自身が設立した“新村上ファンド”とも言える資金運用会社「C＆I ホールディングス」の代表取締役CEOに、愛娘の村上絢さんを27歳という若さで就任させています。

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村上絢さんは、セレブ御用達のスイスの寄宿制の学校で国際感覚を身に付け、帰国後は慶應義塾大学で政治学などを学んだと言います。

将来は政治家を目指しているとも言われた母親譲りの才女で、大学卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券に2年半勤務し、「C＆I ホールディングス」に呼び寄せられた形になりますね。

村上世彰が“村上財団”を設立した経緯

そんな村上絢さんは、過去に金融商品取引法違反の容疑で自宅が強制捜索を受けたことがあり、ちょうどその頃妊娠7ヶ月で、そのストレスにより死産するという不幸に見舞われています。

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もちろん母親の村上絢さんがショックなのは当然ですが、祖父になったであろう村上世彰さんも相当ショックだったそうで、その経験を踏まえて村上世彰さんは“村上財団”を設立したそう。

そして現在、村上絢さんは“村上財団”の代表理事として活躍しています。

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「働きたい」と思う女性が思い切り輝けるように。働きながらの妊娠・出産・育児が超えられない壁とならないように。そして子どもたちが様々なサポートを受けながらのびのびと育つことができるように。より暮らしやすく笑顔あふれる日本を創るために、村上財団を通じて、支援をしていきたいと思っています。

 

引用：財団について | 村上財団　https://murakamizaidan.jp/

村上世彰の現在　【資産と活動を紹介】

村上世彰が現在、シンガポールを拠点としている理由

現在、見事に表舞台に復活した村上世彰さんは、シンガポールに移住しており、そこでも投資家としての仕事を続けて、着実に資産を増やしていると言われています。

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村上世彰さんがシンガポールへ移住した理由については、もちろん日本に比べて税率が低いという“税金対策”が大きな理由であることは言うまでもありません。

それ以外にも、シンガポールが金融業への規制が比較的少ない国として有名であること、さらに金融インフラも充実しており、投資家にとってはメリット大きい国だからと言われています。

村上世彰の現在の資産は？

村上世彰さんが2006年の“村上ファンド事件”で逮捕されるまで、当時の村上ファンドの総資産額は約4,000億円以上、村上世彰さんの個人資産も200億円と検察から暴露されています。

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逮捕に伴って多額の罰金と追徴金を課された村上世彰さんは、もう投資活動はしないのでは？とも言われるほどのダメージを受けるのですが、2013年には表舞台に復活。

個人資産200億円を手に元手に、本人名義やC&I ホールディングスや南青山不動産といった投資会社名義で株式投資を再開し、現在も着実に資産額を増やしていると言われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

村上ファンド事件で大騒ぎになっていた当時は、“カネの亡者”とも揶揄された村上世彰さん。

現在は、子供たちに投資体験をさせることで、お金をただ貯め込むのではなく、正しく使って循環させることの大切さを学ばせるプロジェクトを主催されています。

出典：https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/

自分が父親から与えられた貴重なチャンスを、より多くの子供達にも体験させたい…そんな熱い想いが伝わってくるプロジェクトですね。

今後の活躍に注目です。