2019年10月28日、ニコ生配信者のTEDZU(テツ/本名・塩原徹)さんが富士山から滑落する事故がありました。
ニコ生配信中の富士山滑落事故の概要と遺体の損傷具合、身元が判明した塩原徹さんの生い立ちや実家、家族、そしてその後をまとめました。
この記事の目次
富士山滑落事故がニコ生で生中継された・・・
2019年10月28日、ある人物が富士山山頂付近から滑落しました。ある人物とは、ニコ生配信者のTEDZU(テツ)さんです。
TEDZUさんは、富士山登頂の様子をニコニコ生放送(ニコ生)で配信していました。そして、14時30分ごろに富士山登頂に成功します。そこから、生配信をしながら登頂付近を散策していました。
登頂付近を歩いて生配信している時には、「うわぁ、滑る!滑るな。ここ滑んな!」など「滑る」という言葉を連発していて、配信を見守っている視聴者も「大丈夫か?」のように心配していました。
そして、生配信をしながら、とうとう滑落してしまいます。
息を切らしながら、「ここも危ないね。斜面。滑る!」という言葉を発したと同時に、滑落していきました。滑落中の様子は生配信されていて、回転しながら滑落していく様子は非常に衝撃的で、配信者の「うわ!」という声が非常にリアルです。
このニコ生主はGo Proを頭に装着して配信を行っていたようで、滑落中にGo Proが落ちてしまったために、配信はそこで停止になっていますが、ニコ生主はそのままもっと下まで滑落してしまったようです。
そして、衝撃的な生配信を見ていた視聴者から「富士山の山頂から滑落した!」と警察に通報があり、捜索が開始されます。
しかし、事故当日はヘリコプターによる捜索が行われたも関わらず、滑落した配信者を発見することができず、捜索は打ち切りになりました。
富士山滑落事故の遺体はバラバラで損傷が激しい?
出典:ameblo.jp
滑落したニコ生主が発見されたのは、生配信から2日後の10月30日です。
なんだか思いのほかリツィートされてしまい、初期情報の誤りを正しておかないと「フェイクニュースを拡散した」とか言われてしまいそうなので、修正した画像を改めて提示する。ほぼ真東に距離にして1.4kmほど滑落した、ということになりそう。 pic.twitter.com/dS5nDTiqgr
— fj197099 (@fj197099) October 30, 2019
ニコ生主のTEDZUさんと思われる遺体は、富士山須走口の7合目にある山小屋・太陽館から南に約800メートルの地点(標高約3000メートル)で発見されました。
富士山の山頂部は約3776m。そこから約700mの高低差を落ちていったということになります。距離にすると1400m。ここから考えられるのは、TEDZUさんは約30度の斜面を滑落していったということになります。
しかも、フカフカの雪ではなく、風で吹き固められた雪とアイスバーンの硬い斜面、そして、ごつごつした岩が多い斜面を滑落していきました。
遺体の損傷は激しかった
出典:twitter.com
ニコ生主のTEDZUさんと思われる遺体は、7合目付近で発見されます。標高3000m付近で仰向けになって倒れている遺体を発見しましたが、かなり遺体の損傷は激しく、衣服も破れていました。
また、遺体は性別もわからないほどだったということです。性別がわからないというのは、遺体の損傷がいかに激しいかがわかります。
しかも、死因は「損傷死」と発表されています。損傷死というのは、なかなか耳慣れない言葉ですよね。損傷死とは何か?辞書から引用します。
身体に受けた損傷を直接的・間接的な原因として死亡すること。脳・心臓・肺など主要な臓器の著しい障害、損傷に続発する心タンポナーデ・脳ヘルニアなどの二次性機能障害、失血・出血性ショック・外傷性ショックによる死亡などがある。
これを見ただけで、ニコ生主のTEDZUさんと思われる遺体は損傷が激しかったことがわかりますね。
アイスバーン+ゴツゴツの岩の中を1400m(高低差700m)も滑り落ちていくのですから、損傷が激しいのは当然と言えるかもしれません。
雪山を滑落していくのは、「おろし金の上を滑走するようなもの」とも言われています。もし、これが本当なら、皮膚はボロボロだったと思います。顔もわからず、性別も年齢もわからない状態だったようです。
富士山滑落事故の身元はTEDZU(テツ/本名・塩原徹)と判明
出典:ameblo.jp
富士山滑落事故のニコ生主は、2019年10月28日に生配信中に滑落し、10月30日にニコ生主と思われる遺体が発見されました。
ただ、この時点では「ニコ生主のTEDZUさんと思われる」遺体であり、身元は判明していま選でした。遺体のそばにはリュックサックが落ちていましたが、リュックサックの中には身元がわかるもの・身元確認につながるものは入っていませんでした。
その「ニコ生主のTEDZUさんと思われる」遺体の身元が判明したのは、11月12日のことです。滑落してから2週間以上が経過していました。いかに、遺体の損傷が激しく、遺体の身元確認が困難だったかがわかりますね。
この滑落事故の遺体は、確かにニコ生で生配信中に滑落したTEDZUさんこと塩原徹さんであることが判明しました。
年齢:47歳(遺体発見当時)
住所:東京都新宿区
職業:無職
最初は40歳男性との誤報があったようですが、47歳無職の塩原徹さんであることがわかり、確かにあの日、山頂付近でニコ生の配信をしていた人物であることがわかりました。
富士山滑落事故のニコ生主の塩原徹は無謀な登山で滑落した?
富士山滑落事故を起こした塩原徹さんは、無謀な登山をしたから滑落死したとも言われています。
冬の富士山を舐めていた?
出典:bunshun.jp
そもそも、一般人が富士山に登るのは夏ですよね。7月1日に山梨側が開き、7月10日に静岡側の登山道が開きます。そして、9月10日までが登山期間とされています。
しかし、塩原徹さんが富士山に登り生配信をしたのは10月28日。生配信された動画を見ればわかりますが、富士山山頂付近は雪に覆われています。
しかも、富士山は周りに何もない山なので、風がダイレクトに襲います。富士山の雪は風によって氷のように固められ、アイスバーンのようになるんです。
冬の富士山は、8000m級のヒマラヤ登山の練習にも使われるような山です。そんな中で、ニコ生の配信をしようと思うのは、無謀という以外何もありません。
塩原徹さんは以前にも富士山登山の生配信をしたことがあり、2019年だけで26回も富士山登山の生配信をしていたので、「富士山に慣れている」と思っていたのかもしれません。
雪山登山とは思えぬ軽装備だった
10月28日の富士山山頂付近は、雪と氷の世界でした。雪山に登るためには、それなりの装備が必要です。でも、塩原徹さんは雪山に登るとは思えないほど軽装備だったと言われています。
滑落をした動画をスローモーションで見てみると、いかに塩原徹さんが軽装備だったのかがわかります。わかっている範囲で、塩原徹さんの当日の装備をご紹介します。
・トレッキングポール2本
・Go Pro
・スマホ
・モバイルバッテリー
・雨具上下
・ヘッドランプ
・水1リットル
行動食・非常食などは一切持っていませんでした。出発時の水1リットルだけです。また、服もかなり軽装でした。
・デニムのパンツ
・フリース
・コットンインナー
・薄手の靴下
・手袋
・黒のキャップ
これは明らかに雪山に登る装備ではありません。雪山登山に必要なアイゼンも、ピッケルも持っていませんでした。また、ハイカットの登山靴でもありません。これは、滑落している時の動画を見るとわかります。
七大陸最高峰最年少記録を作った野口健さんは、次のようにツイッターでツイートしています。
映像を見ましたが…。ピッケル、アイゼンはうつっていない。また、滑落した直後の映像では自身の足が映っていますが、ハイカットの登山靴ではなく軽登山靴または運動靴。スパッツなし。雪山に登るという自覚が全く感じられない。ノリだけで登ってしまったような印象も。残念。 https://t.co/mJzEM2IRZa
— 野口健 (@kennoguchi0821) October 31, 2019
塩原徹さんの装備や野口健さんのコメントを見ると、冬の富士山に登る・雪山に登るという危機感を持っていなかったために滑落してしまったのかもしれません。
先日富士山で滑落した方は、雪のある部分に入った時点で遭難してたんすよ。滑落した瞬間ではなく、その前から遭難状態にあった。遭難はなかなか自覚できず、パニックになっていても自覚できない。酔っ払いが酔いを自覚出来ないのと同じで。そうなった登山者はしばしば『冷静におかしな事をする』。
— マツモトケイジ (@keizi666) October 31, 2019
無謀なスケジュールだった
出典:honjitu.net
塩原徹さんは無謀なスケジュールで冬の雪山に登っていたことがわかっています。塩原徹さんの当日のスケジュールを見てみましょう。
・バスの中で体調不良を訴える
・10時30分 五合目から富士山登山開始
・14時30分 富士山登頂
・15時前 滑落する
朝8時00分にバスで富士山に向かっていますが、途中でバス酔いしたようで、体調不良を訴えていました。また、その日のうちに富士山山頂まで行ったのは良いのですが、その時点で14時30分になっています。さらに、山頂付近を生配信しながらウロウロとしていて、滑落したのは15時前のこと。
滑落しなかった場合、その後すぐに下山を開始したとしても、辺りが暗くなる前に登山口まで下山できなかったと言われています。
10月末は17時頃には辺りは真っ暗になります。夏の富士山だとしても、山頂部から下山すると、3~4時間はかかります。15時から下山を開始しても、早くても18時にしか登山口にたどり着けないのです。この時期は雪山ですから、もっと時間はかかるでしょう。
だから、滑落する前から遭難は決まっていた。安全に下山することはできなかった可能性があります。
富士山滑落事故の塩原徹の生い立ちや実家・家族情報
富士山滑落事故尾の塩原徹の生い立ちや実家・家族情報を見ていきましょう。
実家・家族は教育熱心なエリート一家
塩原徹は愛知県出身です。お父様は教育機関の教授であり、お母様は学習塾で働いていて、3人兄弟でした。
・出身:愛知県
教育熱心な御両親で、いわゆるエリート一家だったようです。塩原徹の勉強のために、勉強部屋を借りるほどで、愛知県内有数の進学校に進学し、高校卒業後はアメリカに留学していました。
留学から帰ってきた後は、中央大学法学部に通っていました。県内有数の進学校に進んで、アメリカに留学し、中央大学法学部卒というのは、いかにエリートコースを歩んでいる人物かがわかりますね。
司法浪人をしていた
出典:myquest7.com
アメリカ留学後、中央大学法学部に進学し、卒業後は弁護士を目指していたと言います。ただ、司法試験に合格するのは難しかったようで、司法浪人のために無職だったとのことです。
47歳にして司法浪人で無職。現在の日本では、なかなか厳しい現実ですよね。
塩原徹さんは新宿区西早稲田の風呂なし・トイレ共同の2万8000円の木造アパートに住んでいました。ただ、なぜか2部屋を借りていたそうです。家賃は滞納したことなく、毎月きっちり家賃を支払っていたとのことです。
2部屋借りる経済的な余裕があれば、トイレ・風呂付のアパートを借りられそうですが、2万8000円の部屋を2間借りるのは、何か彼なりの事情があったのでしょうか?
大腸がんを克服していた
出典:vivisoku.com
47歳の塩原徹さんは大腸がんを患っていたという情報があります。現在はツイートは非公開になってみることはできませんが、塩原さんのTwitterアカウントでは、大腸がんのステージ4であると告白していました。
・抗がん剤と放射線治療を行っていた
・ガンの治療費100万円は両親から出してもらっていた
・治療の結果、ガンは瘢痕化して消失した
こういうことがわかっています。
地味で配信が生きがいだった
エリート一家で自分も子どもの頃からエリート街道を歩み、47歳で司法浪人・無職で、さらに大腸がんのステージ4だったという塩原徹さん。
お世辞にも社交的とは言えない生活を送っていたようですが、配信が生きがいだったようです。親しい友人がおらず、無職で社会的なつながりもない中で、ニコ生で生配信している時が唯一、自分の存在価値を見出すことができ、社会とのつながりを感じることができるい時間だったのかもしれませんね。
富士山滑落事故のその後
ニコ生でインターネット生配信中に起こった富士山滑落事故は、ニュースで大きく扱われました。人間が滑落していく様子をインターネットで生配信されるというのはかなり珍しく、さらに衝撃的でしたから。
では、富士山滑落事故のその後はどうなっているのんかを確認していきましょう。
悪質デマ動画がアップされる
富士山滑落事故のその後、実は悪質なデマ動画がYoutubeにアップされました。「ニコ生で生放送中に富士山に滑落したTEDZUです、無事生きてます」のような動画をアップして、TEDZUさんこと塩原徹さんになりすまして、動画をアップしたんです。
この人物はTEDZUさんになりすましただけでなく、その時の話題の人物になりすましたり、話題の人物の家族になりすまして、Youtubeに動画をアップしている人です。
このニコ生主の富士山滑落事故はインターネットを中心にかなり話題になり、心配していた人も多かったので、この悪質ななりすましには批判が相次ぎ、その動画は早い段階で削除されました。
TEDZUさんのご家族の気持ちを考えると、いくら配信広告料で稼げて、さらに自分に注目が集まったとしても、とてもじゃないけれど、そんななりすまし動画はアップできませんよね。
自殺覚悟だったという噂も
出典:twitter.com
ニコ生主のTEDZUさんこと塩原徹さんは、自殺覚悟で富士山登頂の生配信をしていたという噂もあります。自殺するつもりはなくても、「ここで死んじゃってもいいかな」と思っていたのではないかと言われているんです。
・大腸がんステージ4だった
・雪山登山とは思えぬ軽装
・明るいうちに下山できないスケジューリング
また、アイゼンもピッケルもない、さらにスニーカーのような軽登山靴で雪山に登るという無謀さ。滑落しなくても、真っ暗な中で下山しなければならない可能性があるスケジューリングを考えると、自暴自棄になっていて、自殺覚悟の生配信だったのかもしれないと言われているんです。
富士山滑落事故のまとめ
ニコ生主のTEDZUさんこと塩原徹さんの富士山滑落事故と遺体の損傷状態、身元判明について、生い立ちや実家・家族、事故のその後をまとめましたが、いかがでしたか?
・遺体はかなり損傷していて、性別もわからない状態だった
・身元判明までに約2週間かかった
・冬の富士山に登るとは思えないほどの軽装だった
・47歳無職司法浪人だった
・大腸がんステージ4で治療していた
なぜ、塩原徹さんが軽装で富士山に登ったのか?また無理なスケジューリングをしていたのかはわかりません。登山中に生配信をすることは、視聴者も一緒に登山しているような気分になれるので、その行為を否定するつもりはありません。
でも、自分の力量に合っていて、さらに装備・準備はしっかりと十分に行い、計画的で安全性の高い登山をしていきたいですね。