ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳の神経に異常が起こる事によって発症し、筋肉が衰えていってしまう病気です。
今回は、ALSの症状・原因・前兆と、ALSを患った芸能人・有名人8名を衝撃順にランキング形式にてご紹介します。
この記事の目次
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは~症状・原因・前兆
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、全身の筋肉が痩せていき、力がなくなっていってしまう病気です。
一度発症すると進行を止めることは出来ないとされ、根本的な原因については、今のところまだ解明されていません。
厚生労働省の指定難病にもなっていて、日本においてもALS患者数は、現在およそ1万人となっています。高齢になるにつれ、ALSを発症する人が増えていることもあり、加齢と関係しているとも言われています。
ALS患者の約5%は、家族歴のある遺伝性でもあり、残りの約95%は遺伝に関係なく発症していることが分っています。
「ALS」の症状とは
主に2つの症状が表れてくる
ALSを発症した際の初期症状に、運動ニューロンが侵されて、どこの筋肉の部分が弱くなるかによって、大きく分けると下記に2つに分けられます。
初期症状1:手足がマヒすることによる「運動障害」
ALSを発症すると、疲れやすい・筋肉がピクピクしてくる・重いものが持てない・手足が上がらといった自覚症状が出てきます。
手足の動きに異常を感じ、病院を受診する患者さんは全体の約4分の3にものぼるそうで、症状が出てくると、次第に手足の筋肉が痩せ細っていきます。
初期症状2:コミュニケーション障害
舌やのどの筋肉が弱まってくることにより、舌の動きが思い通りにならなくなり、特に「ら」行や「パピプペポ」などの発音が出にくくなります。
この舌やのどの筋肉が弱くなってしまうことを「球麻痺」と呼び、この他にも食べ物や唾液を飲み込みにくくなり、むせることが多くなるなどの症状が出ます。
「ALS」の原因とは
原因は明らかになっていない
医学の進歩によって、ALSの原因を究明する研究なども大きく進歩していますが、ALSを発症していしまう原因はまだ明らかになっていません。
しかし、過去の研究の中で、「これが原因ではないか?」とされる、仮設もあったので、主なものをまとめてみました。
原因1:グルタミン酸過剰説
手足がスムーズに動くのは「動かしなさい!」という司令が脳から出ているからです。
その司令が筋肉に伝えられ、運動ニューロンを経由するのですが、この運動ニューロンは神経細胞のみならず、樹状突起・軸索・神経細胞からもできています。
そして、軸索と神経細胞の間には隙間があり、その隙間のことをシナプスと呼び、脳からの司令はシナプスを経由してニューロンが受け取るので、電気信号に変わり軸索に伝わります。
ALSを発症した方の運動ニューロンは、シナプスから出てくる神経伝達物質のグルタミン酸を再び取り込む機能が障害となっています。これにより、神経細胞外のグルタミン酸が過剰になることで、運動ニューロンが死滅するという説が考えられています。
原因2:環境説
紀伊半島においてALSの患者数が多いことから、ALSの発症に関して、「環境」が何かしら影響しているのでは?との環境説も出ています。
ですが、これらは医療環境など他の要因などが関係している可能性も十分あるため、あくまでも「仮説」となっています。
原因3:遺伝性・家族性説
ALSの約90%は、遺伝とは無関係に発症していますが、約10%は家族性で発症している事が分っています。
家族性で発症したALS患者の一部からは、遺伝子の突然変異が判明し、これによって運動ニューロンが破壊されるのでは?との説も言われています。
原因4:神経栄養因子欠乏説
神経の傷ついた細胞を回復させたり、神経を成長させたりするために必要とされる栄養成分が欠乏した事により、運動ニューロンが破壊されているのでは?との説も考えられています。
「ALS」の前兆とは
ALSのサインは出ている
運動ニューロンとは、「脊髄」にあって、 手・足・舌・のど・呼吸を司っている全身の随意筋を支配しています。 どの運動ニューロンが侵され、どの筋肉が弱くなっていくかによって、 最初に表れてくる症状は以下のタイプに分かれます。
①手足の麻痺による運動障害
ALSの患者さんのうち、およそ4分の3が手足の動きに異常を感じ、病院を訪れています。
最初の段階では、箸が持ちにくい・重いものを持てない・手足が上がらない・走りにくい・疲れやすい、手足の腫れ、筋肉のピクツキ、筋肉の痛みやつっぱりなどの自覚症状を感じます。
これらは、ALSの特徴的な症状の1つであり、手足の麻痺による運動障害の初期の症状になります。このような症状が表れていき、手足の筋肉が痩せ細っていきます。
②コミュニケーション障害
舌の動きが思い通りにならなくなり、言葉も不明瞭になっていき、特に「ラ」行や、「パピプペポの発音がしにくくなっていきます。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した芸能人・有名人:TOP8-5
8位:佐伯チズ(美容家)
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/
佐伯チズ(さえき ちず)
生誕:1943年6月23日
出身:満州国・新京
職業:美容アドバイザー
雇用者:ゲラン(旧)、クリスチャン・ディオール(旧)、成安造形大学
団体:アトリエ・サエキ144、┗サロン・ドール・マ・ボーテ、美肌塾チャモロジースクール
佐伯チズさんは、オードリー・ヘプバーンへの羨望から15歳で美容に目覚め、現在は美容家として活動しています。
2020年3月にALSであることを公表しました。佐伯さんは文書を通じ「半年ほど前から右脚に違和感を感じ、昨年末には思うように動かすことができなくなりました。いくつかの病院で精密検査を受けました結果『筋萎縮性側索硬化症・ALS』と診断されました」と報告しています。
現在は、自分の力では歩くことが難しく、車いすで移動しているとのことです。想像以上に進行が早かったそうで、今後はALSに向き合いながら、活動を続けていく方針を示しています。
7位:川島雄三(映画監督)
川島雄三(かわしま ゆうぞう)
誕生日:1918年2月4日
没年日:1963年6月11日
出身地:青森県むつ市田名部町
川島雄三さんは、映画監督として活躍し、「松竹」では23本の映画を撮り、「日活」では「洲崎パラダイス赤信号」「幕末太陽傳」などの傑作を残し、「大映」では自身がメガホンを取った「女は二度生まれる」「雁の寺」「しとやかな獣」などの作品を残してきました。
監督に昇進した頃から、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒され、歩行などに障害を有していました。遺作である「イチかバチか」の公開5日前に、日活のアパートの自室にて45歳という若さで急死していて、直接の死因は肺性心だったそうです。
6位:ルー・ゲーリッグ(大リーガー)
ルー・ゲーリッグ(Lou Gehrig)
本 名:ルー”ヘンリー・ルイス・ゲーリッグ
(Henry Louis “Lou” Gehrig
誕生日:1903年6月19日
没年日:1941年6月2日
出身地:アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク市
ルー・ゲーリッグは、1923年~1939年にかけて、MLBチームのニューヨーク・ヤンキースで活躍した選手であり、ベーブ・ルースと共にヤンキースの黄金時代を築いた選手でもあります。
数々のタイトルを獲得していて、史上最高の一塁手と称されていました。
アメリカでは、ルー・ゲーリックがALSを患っていたことから、「ルー・ゲーリック病」とも呼ばれていました。
5位:芦原英幸 (空手家)
芦原 英幸(あしはら ひでゆき)
誕生日:1944年12月4日
没年日:1995年4月24日
出身地:広島県広島市
芦原英幸さんは、空手家であり、新国際空手道連盟、芦原会館創始者・初代館長を務めました。
1992年に、ALS・筋萎縮性側索硬化症を発症し、2年以上に渡って闘病生活を送った末、その生涯を閉じました。
晩年は体の自由が利かなくなりながらも口述で館長業務を続けたそうで、喋れなくなってからは文字盤を使用し、手が動かなくなってからは目で文字盤を合図するなどし、亡くなる当日まで館長業務を遂行していました。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した芸能人・有名人:TOP4-1
4位:毛沢東(政治家)
毛 沢東(もう たくとう)
誕生日:1893年12月26日
没年日:1976年9月9日
出身地:中国・北京市
毛沢東は、中華人民共和国の政治家であり、軍事戦略家・思想家として活動してきました。1945年からは、「中国共産党中央委員会主席」および「中央軍事委員会主席」を務められました。
そんな毛沢東が、筋萎縮性側索硬化症に患っていることが判明し、医師らが懸命の治療を行いましたが、長年の喫煙による慢性的な気管支炎などが毛さんの体力を奪っていったそうです。
毛沢東の遺体は現在、北京市内の天安門広場にある「毛主席紀念堂内」に安置されていて、永久保存として、一般公開されています。
3位:徳田虎雄(前衆院議員)
徳田 虎雄(とくだ とらお)
誕生日:1938年2月17日
出身地:兵庫県高砂市
徳田虎雄さんは、医師であり、政治家として活動しています。
2002年4月に、ALS・筋萎縮性側索硬化症の発病に気付いたそうです。
そして、2004年2月ごろから病状が悪化した為、療養し、この時点では病名は公にしていませんでしたが、2005年8月の衆議院解散を機に、政界を引退することを発表しています。
「日本ALS協会設立20周年記念式典」に一患者として出席した際には、人工呼吸器を装着して出席しています。
2位:ホーキング博士
スティーヴン・ホーキング(Stephen Hawking)
本 名:スティーヴン・ウィリアム・ホーキング
(Stephen William Hawking)
誕生日:1942年1月8日
没年日:2018年3月14日
出身地:イギリス オックスフォード
スティーヴン・ホーキングは、イギリスの理論物理学者で、大英帝国勲章受勲・FRS・FRAを受賞し、一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させていき、1963年にはブラックホールの特異点定理を発表した事で、世界的に名を広めました。
1960年代、ホーキング博士が学生時代に、ALS・筋萎縮性側索硬化症を発症したそうで、「ALS」というのは長い間、発症から5年程度で死に至る病であると言われていましたが、ホーキング博士の場合、途中で進行が急に弱まったそうで、発症から50年以上にもわたり研究活動を続けました。
晩年は、意思伝達のために重度障害者用意思伝達装置を使用し、スピーチや会話はコンピュータプログラムによる合成音声を利用していました。
1位:ショスタコーヴィチ(作曲家)
ショスタコーヴィチ(Shostakovich)
本 名:ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・
ショスタコーヴィチ
(Ru-Dmitri Dmitrievich Shostakovich)
誕生日:1906年9月25日
没年日:1975年8月9日
出身地:ロシア サンクト・ペテルブルグ
「ALSを発症した芸能人・有名人」ランキング第1位は、ショスタコーヴィチでした!
ショスタコーヴィチは、ソビエト連邦時代の作曲家であり、交響曲や弦楽四重奏曲が有名です。 シベリウス・プロコフィエフと共に、マーラー以降、最大の交響曲作曲家としての評価が確立され、世界的にも特に交響曲の大家として認知されています。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した芸能人・有名人:一覧
上記でALSを発症した芸能人・有名人をランキング形式で詳しく紹介しましたが、他にもALSを発症した芸能人・有名人はたくさんいます。
以下に、ALSを発症した芸能人・有名人の一覧を記載します。すでに亡くなっている人が多いのですが、太字の人はまだ生きていらっしゃる方です。
フリードリヒ・パウルス(1890年 – 1957年)- ドイツ国防軍陸軍元帥
毛沢東(1893年 – 1976年)- 初代中国共産党中央委員会主席(* 争議あり)
マクスウェル・D・テイラー(1901年 – 1987年)- アメリカ陸軍軍人、外交官
ルー・ゲーリッグ(1903年 – 1941年)- 野球選手
デヴィッド・ニーヴン(1910年 – 1983年)- 俳優
モリー・シュワルツ(1916年 – 1995年)- 社会学者、作家、ALSを題材としたノンフィクション「モリー先生との火曜日」の主人公
川島雄三(1918年 – 1963年)- 映画監督
イザード・チャールズ(1921年 – 1975年)- プロボクシング元世界ヘビー級王者
チャールズ・ミンガス(1922年 – 1979年)- ジャズミュージシャン
篠沢秀夫(1933年 – 2017年)- フランス文学者
金丸邦三(1933年 – 2015年)- 中国文学者
石川緑(1934年 – 2004年)- 野球選手
折笠美秋(1934年 – 1990年)- 俳人、新聞記者
土橋正幸(1935年 – 2013年)- 野球選手、監督
レーン・スミス(1936年 – 2005年)- 俳優
徳田虎雄(1938年 – )- 医師、衆議院議員
吉田玉幸(1938年 – 2007年)- 文楽人形遣い
櫻井武次郎(1939年 – 2007年)- 日本文学者
ハンス・フォンク(1942年 – 2004年)- 指揮者
スティーヴン・ホーキング(1942年 – 2018年)- 理論物理学者
佐伯チズ(1943年 – ) – 美容アドバイザー
芦原英幸(1944年 – 1995年)- 空手家
キャットフィッシュ・ハンター(1946年 – 1999年)- 野球選手[6]木下光男(1946年 – 2013年)- 豊田通商会長、トヨタ自動車副社長
佐々木公一(1947年 – )- NPO法人わの会理事長、NPO法人在宅ケアを支える会理事長
トニー・ジャット(1948年 – 2010年)- 歴史学者
ダン・トーラー(1948年 – 2013年)- ギタリスト、元オールマン・ブラザーズ・バンドメンバー
加藤則芳(1949年 – 2013年)- 作家
勝見洋一(1949年 – 2014年)- 美術鑑定家、料理評論家
ヤドランカ・ストヤコヴィッチ(1950年 – 2016年)- シンガーソングライター
マイク・ポーカロ(1955年 – 2015年) -ベーシスト、元TOTOメンバー
渡辺松男(1955年 – )- 歌人
大平まゆみ(1957年 – )- 音楽家(バイオリン奏者)
舩後靖彦(1957年 – )- 参議院議員
ブラッド・ドルーエット(1958年 – 2013年)- テニス選手、男子プロテニス協会会長
遠藤嘉信(1959年 – 2007年)- 牧師
津久井教生(1961年 – ) – 声優
カーラ・ジルベール・スミス(1962年 – 2010年)- 女優、コメディアン、歌手
池上蓮(1964年? – 2013年)- パチンコ雑誌ライター
ステファノ・ボルゴノーヴォ(1964年 – 2013年)- サッカー選手
ジェイソン・ベッカー(1969年 – )- ギタリスト、作曲家、元カコフォニーメンバー
s@ko(1975年 – 2019年) – 宮崎のローカルタレント、ラジオパーソナリティー
恩田聖敬(1978年 – )- 元FC岐阜社長
ルートン・シェルトン(1985年 – )- サッカー選手
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、「ALS」の症状や原因、前兆、発症した芸能人・有名人8名をランキング形式にてご紹介していきました!
ALSとは、「運動ニューロン」が侵されていき、体を動かすために必要とされる筋肉が徐々に痩せていき、力が無くなってしまう病気のことで、難病の1つと言われています。
日本においても、ALSの患者さんは増えていて、およそ1万人もいるとのことです。
まだまだ認知度が低い病気ではありますが、思っていたよりも患者数が多いことに驚いたのではないでしょうか。
現在でも、その主な原因が明確にはなっておらず、治癒も困難な難病ですが、医療の進歩によって今後、少しでも新しい治療方法が発見されることに期待したいですね!