石井久子はオウム真理教の元ナンバー2＆麻原彰晃の愛人

石井久子は「地下鉄サリン事件」や「坂本弁護士一家殺人事件」など日本犯罪史上最悪とされる事件を起こしたオウム真理教において、麻原彰晃に次ぐナンバー2の地位にいた女性です。

また、麻原彰晃の愛人の中でも最も寵愛が深く、麻原彰晃の正妻である松本知子とは犬猿の仲だったと言われています。

石井久子が所属したオウム真理教について

オウム真理教は、1996年に東京地裁が破産法に基づき解散命令が下されています。

刑事裁判も終わっていることから、人々の記憶から薄れつつあるオウム真理教ですが、ここで改めて見ていきましょう。

オウム真理教とは？

オウム真理教は教祖・麻原彰晃が設立した宗教法人で、後に国家転覆計画を遂行するテロ組織に認定されています。

設立当初は和気あいあいとした雰囲気のサークルに過ぎなかったのですが、次第に麻原彰晃による異常行動がエスカレートしていくようになりました。

例えば、信者に全財産を寄付させたり、麻原彰晃の髪の毛や入浴で使った湯を法外な金額で販売し、教団を拡大していったようです。

やがて教団は一般社会を敵対視するようになり、麻原彰晃の意のままにならない人物を「ポア（殺害）することで救済する」という到底認められない行動をとるようになります。

1995年3月には、地下鉄サリン事件を起こし、世界中に大きな衝撃を与えました。

その後、オウム真理教は1996年に宗教法人としての資格を失い消滅。残った教団の関係者が「アレフ」や「ひかりの輪」、「山田らの集団」など後継となる集団を立ち上げています。

これらの団体は現在も公安が監視しており、アメリカやEU、オーストラリア、カザフスタンなど海外各国でもテロリスト認定を受けています。

教祖・麻原彰晃のプロフィール

麻原彰晃はオウム真理教の創設者で、日本で唯一の最終解脱者を自称し、信者を利用して国家転覆を目的とした「地下鉄サリン事件」などの数々の事件を首謀した人物です。

若い頃の麻原彰晃は学習塾を経営していましたが、その後ヨガ道場へ変更。

この頃の麻原彰晃について、石井久子は「至って普通の男性で、宗教的な雰囲気は一切感じさせず、命令するタイプでもなかった」と裁判で証言しています。

1986年になると、麻原彰晃は税制上の優遇に目をつけて、ヨガ道場を宗教法人へと転業し、オウム真理教を立ち上げました。

そしてオカルト雑誌に広告を掲載したり、自著を利用して布教活動を展開したりして、信者を獲得していきます。

それまで数々の事件を起こしてきたものの、地下鉄サリン事件により一気に捜査が進み、実行犯の逮捕や教団の強制捜査が進展。

当然、逮捕者リストに入っていた麻原彰晃は身を隠し続けていましたが、1995年5月16日に山梨県西八代郡上九一色村の教団施設「第6サティアン」で捜査員に発見され、逮捕されました。

裁判では、殺人26人、逮捕監禁致死1人、LSDや覚せい剤などの密造の教唆犯で起訴され、2004年に死刑判決が下っています。

その後、再審を2回経て、2013年に最高裁判所は抗告を退け、再審を認めないという趣旨の決定を下し、ようやく法のもとに裁かれた麻原彰晃。

2018年7月6日に死刑が執行されました。

石井久子が所属したオウム真理教は大奥状態だった

オウム真理教では、出家した信者に対して「不邪淫」という性に関する厳しい戒律がありました。

これは、夫婦間であっても同居は許されず、自慰も禁止というもの。

もし、信者間で恋愛関係が発覚した際には、2人共独房に監禁されてしまうという厳罰まで設けられていたのです。

一方で、教祖の麻原彰晃は自身を「戒律をも超越する存在」と定義し、教祖専用のハーレムを持っていたことが記録されています。

麻原彰晃は「私は大奥制度を確立した徳川家光の生まれ変わりなので、同様の組織を作ることは許される」と、数多くの愛人を囲っていました。

麻原彰晃の四女は「父には愛人が100人いた」という証言を残しています。なお、麻原彰晃の愛人たちは「ダーキニー」と呼ばれていたそうです。

ダーキニーになると、いくつかの特権が与えられて周囲から特別視されるようになります。

例えば、運転手付きの車に乗れる、私服を購入して着用できる、作り立ての食事を食べられる、麻原彰晃のふるさとの熊本県名産品・高級メロンを下げ渡してもらえるなどが挙げられます。

こういった背景から、愛人になることは名誉なことで、嫌がる女性信者はいなかったんだとか。

石井久子は、その中でも早い段階で愛人になり、麻原彰晃から深い寵愛を得て、信者から尊敬の念を集めていたようです。

元信者である杉本繁郎は、以前に麻原彰晃と石井久子が同じベッドにいたところを目撃したことがある、と証言しています。

杉本繁郎によると、この時の麻原彰晃は「イニシエーションだ」と言い訳をしていたそうです。

麻原彰晃の愛人になるには？

麻原彰晃の愛人であるダーキニーになるには、教団内で定期的に開催していた「美女コンテスト」がきっかけになっていました。

その他には、日本中にあった各支部で信者の顔写真を撮影したものを幹部が全てチェックし、麻原彰晃が好みそうな女性をピックアップしていたそうです。

最終的には、複数の女性を集めて麻原彰晃が直々に面接をして決定していたといいます。

面接の場では、麻原彰晃が女性たちを舐めるようにチェックし、「あれがダーキニーだ」と指名。

元幹部の証言によると、麻原彰晃の好みのタイプに近い女性は、女優では秋吉久美子さんとのこと。丸顔で髪の長いルックスの女性を選ぶケースが多かったようです。

石井久子の生い立ち・学歴（高校と大学）

石井久子は1960年9月26日生まれで、神奈川県横浜市出身です。父親は公務員、母親の情報はないので専業主婦だったのではないでしょうか。

石井久子は幼少期から負けず嫌いで、文武両道の学生だったようです。

通っていた小学校から高校までの学校名は公表されていませんが、地元の公立であれば横浜市内の学校だった可能性があります。

石井久子によると、本当は大学への進学を希望していたのですが、女性だからという理由で両親から反対されたとのこと。

両親は、いずれ娘が結婚して家庭を守る主婦になることを想定して、大学に通う必要性を疑問視していたのかもしれません。

高校を卒業した石井久子は産能能率短期大学の秘書科に進学しました。このため、石井久子の学歴は短期大学卒業ということになりますね。

なお、短大は2006年に自由が丘産能短期大学に改名されており、2014年からは通信教育課程のみとなっています。

石井久子の経歴：オウム真理教に入信するまで

短大を卒業した石井久子が就職先として選んだ会社は、日産火災海上保険（現在は統廃合されて「損害保険ジャパン」に変更）でした。

そして、保険会社の同僚・飯田エリ子に誘われて、オウム真理教の前身だったヨガ教室「鳳凰慶林館」に通うようになった石井久子は、ここで経営者の麻原彰晃と出会いました。

なお、同僚の飯田エリ子は、後にオウム真理教内で役員に出世しています。

やがて、ヨガ教室は「オウム神仙の会」へと改名し出家制度が制定されると、石井久子は保険会社を退職し出家。

教団内での管理番号は「00001」と記録されています。相当早い段階で正大師になり、ナンバー2へと昇りつめたようです。

石井久子がかわいい・美人と話題に

かつてその美貌で教団の信者から憧れの的になっていた石井久子。顔写真は今でもインターネット上に多数投稿されています。

そんな石井久子の美人ぶりがわかるエピソードを紹介します。

美人を活用して自ら広告塔に

石井久子はナンバー2として君臨していましたが、その美貌を活用し、教団を大きくするための広告塔として自ら率先して活動していました。

インターネット上に動画や画像が残っているのは、このためなのかもしれません。

卵型の顔型にハッキリとした目鼻立ち、黒く長い髪の毛はミステリアスに映り、教団に対して良いイメージを抱いてしまった人もいたのではないでしょうか。

Yahoo!知恵袋にも石井久子のスレが…

インターネット上では石井久子について様々なサイトが存在していますが、Yahoo!知恵袋でも、「かわいいですよね」、「美人です」という書き込みが残っています。

ツイッターでも「オウム真理教の女性幹部の中では石井久子が一番かわいいと思う」というつぶやきもあるので、その美貌がいかに注目を集めていたのかがうかがえますね。

石井久子が関与した事件①　地下鉄サリン事件

ここからは、オウム真理教が起こした事件で、石井久子が関与した事件について紹介します。

教団は数々の残虐非道な事件を起こしてきましたが、同時多発テロの「地下鉄サリン事件」について鮮明に覚えている方も多いでしょう。

事件概要

1995年3月20日午前8時頃、都営地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線の地下鉄車内に神経ガスのサリンが散布されました。

通勤のピークは8時10分頃だと官公庁が発表していたことから、実行犯の村井秀夫と井上嘉浩が意図してこの時間を選んでサリンを散布したことが判明しています。

複数の実行犯は、500g～600gのサリン溶液が入った袋を2つ持って電車に乗車し、ドア付近で先端がとがった傘で袋を突いて下車。

やがて電車の中にサリンが充満し、次々に罪のない人々が倒れていきました。この事件で、死者は14人、負傷者は約6300人に上りました。

犯人は教団内で用意した車を利用して逃亡しています。

石井久子の関与は？

石井久子は当時、教団の財務を取り仕切っていたので、様々な事件の金銭的なバックアップを行ってきました。

地下鉄サリン事件では、実行犯を逃すために逃亡用資金3000万円を遠藤誠一に渡し、広瀬健一には逃亡用の車両を提供しています。

石井久子は、1995年9月に犯人隠蔽容疑で逮捕されました。

石井久子が関与した事件②　坂本堤弁護士一家殺害事件

坂本堤弁護士一家殺害事件は、1989年11月に、オウム真理教問題に取り組んでいた弁護士と妻子をオウム真理教の関係者が殺害した事件です。

この事件にも石井久子は関与しています。一体どのような事件だったのでしょうか。

事件概要

この事件の被害者である坂本堤さんは、横浜法律事務所に所属していた弁護士で、江川紹子さんから紹介されて、信者の母親から息子の教団脱退について相談を受けていました。

ちょうどこの頃からテレビでも、オウム真理教と信者脱退のトラブルが報じられるようになり、坂本堤さんはインタビューに応じたりメディアに出演したりしています。

また、活動の一環として、坂本堤さんは「オウム真理教被害者の会」を結成して教団の反社会性を批判。さらに、オウム真理教の宗教法人の取り消しなど民事訴訟の手続きに入っていました。

そこで、麻原彰晃は坂本堤さんの殺害を幹部に命じます。

11月4日午前3時、実行犯である岡崎一明、村井秀夫、新実智光、早川紀代秀、中川智正、端本悟の6人は坂本堤さんの自宅に侵入し、坂本堤さんと妻、長男を窒息死させました。

この時、妻の郁子さんは首を絞められながらも「子供の命だけは助けて」と命乞いをしていたことが後の裁判で判明しています。

遺体はオウム真理教の富士山総本部に運ばれ、石井久子は麻原彰晃から「遺体はドラム缶に詰めて遠くの山に埋め、車は海に廃棄せよ」と他の実行犯と共に命令を受けました。

当初、実行犯は一家3人を長野県大町市の湿地帯に埋める計画でしたが、深い穴を掘ることが難しく長男の遺体のみを埋めています。

そして、坂本堤さんの遺体をドラム缶の中に入れて新潟県の雑木林に埋め、郁子さんの遺体を富山県魚津市の僧ヶ岳山中に埋めたのです。

石井久子は見張り役だった

坂本堤さん一家はしばらく失踪扱いとなっていましたが、地下鉄サリン事件以降、警察はオウム真理教を本格的に捜査を開始しています。

そして、実行犯の1人である岡崎一明が自供したことで事件の真相が明らかになり、1995年9月に一家の遺体がようやく発見されました。

実行犯とともに石井久子は逮捕されており、裁判が進む中で、石井久子は死体遺棄を行う際の見張り役として犯行に加担していたことが判明しています。

石井久子が関与した事件③　国土法違反事件

1990年に起きた「国土法違反事件」は、オウム真理教が教団施設を建設するために土地を不正に入手したことが露見した事件となります。

オウム真理教は、熊本県阿蘇郡波多野村の森林15万㎡を買収した際に、地権者にあった1500万円の負債をオウム真理教サイドが肩代わりしたようです。

このような契約の経緯は、村中を瞬く間に駆け抜け、教団への土地売却を反対する運動が沸き上がりました。

こういった批判をかわすために、土地購入者を「麻原彰晃」名義ではなく、当時知られていなかった本名の「松本智津夫」名義とし、密かに土地利用計画法を届けたオウム真理教。

ただし、この企みもすぐに露見しており、オウム真理教は「これはお布施なので土地売買ではなく、贈与にあたる。だから届出は必要ない」と開き直り、施設の建設工事を強行しました。

教団のこの姿勢に、波多野村の住民は態度を硬化させ、契約の無効と土地の現状回復を求めましたが、教団は無視し続けたため、1990年11月に熊本県警が強制捜査に踏み切りました。

これにより、実行犯として幹部の石井久子と大内利裕が逮捕され、麻原彰晃も事情聴取を受けています。

石井久子は裁判で有罪判決を下されている

1995年に逮捕された石井久子は、国土法事件の首謀、各事件の犯人隠蔽容疑で起訴されました。

裁判では「自分がついていった人は間違っていた」、「教団からのマインドコントロールを受けていた」と証言しています。

石井久子に下されたのは、懲役4年の実刑判決でした。これを機に、教団からの脱会を表明しています。

石井久子は出所後メンタルを病んでいた

石井久子は2000年11月に出所しています。

しかし、2002年にアレフの本部に突如現れて「マイトレーヤ（青山上祐のホーリーネーム）はどこ？金庫はどこ？」と叫びながら、部屋の中を探し回る姿が目撃されています。

あまりもの錯乱ぶりに、本部で勤務していた幹部や信者は唖然とするばかり。やがて、警察がやってきて石井久子を連れて行ったそうです。

この一件は週刊誌にも掲載され、「石井久子は出所後精神的に病んでしまったのではないか」という噂が一気に広がりました。

石井久子は逮捕前、信者から「憧れの的」という存在感でしたが、錯乱している様子を見た元信者は、以下のように証言しています。

「石井さんは厳しい人だと思っていましたが、今思えば、本当は大人しい人なのでしょう。麻原から解脱者として厳しく振舞うよう命じられていたのだと思う。一番弟子の石井さんがおかしくなったのを見て、私も目覚めた部分があります」

 

引用：「オウム麻原」死刑執行 事件で注目された女性信者たちの“その後” – デイリー新潮 https://www.dailyshincho.jp/

石井久子の家族①　子供はいる？

石井久子は、麻原彰晃の愛人として3人の子供を出産しています。

最初に妊娠した時は流産してしまいましたが、1993年に双子、1995年に第3子を出産。

石井久子はオウム真理教に所属していた時は、子供たちに対して父親が麻原彰晃であることを伏せていました。

父親の名前を隠した理由としては、世間的には不倫になることや正妻の松本知子に対して遠慮していたと見られているようです。

なお、石井久子の子供たちは2023年の誕生日を迎えると、第1子と第2子は30歳、第3子は28歳になるはずですが、名前や性別顔写真など一切公表されていません。

石井久子の家族②　逮捕後に結婚した旦那は誰？

石井久子は逮捕された翌日に結婚しています。

旦那は、元オウム真理教の幹部として教団の音楽関連を一手に担ってきた石井紳一郎です。

石井紳一郎は1959年12月13日生まれで、出身地は鹿児島県です。1987年6月に出家し、出家番号は「18」と記録されているので、早い時期に参入したことがわかります。

音楽担当として「彰晃マーチ」をはじめとした楽曲製作だけではなく、オウム真理教の交響楽団「キーレーン」の指揮者も担当してきました。

石井紳一郎の旧姓は「鎌田」で、結婚後に苗字が「石井」に変わっているので入り婿ということになりますね。

石井久子は未婚の母親だったことから、「結婚することで子供たちが保護者不在となる事態を避けた」と発言しています。

なお、石井紳一郎は、教団に所属していた時に反社会的な活動を行っておらず、逮捕された経歴もありません。

こういった観点から石井久子は子供を守るために、結婚したのではないでしょうか。

石井久子の現在は介護職をしている

石井久子は実刑判決が下ったことを機に、オウム真理教から脱会を表明し、出所後もアレフなどの後継団体の運営には一切関わっていないようです。

精神的に不安定になってしまったことも原因の1つなのかもしれません。

2023年9月の誕生日を迎えると、石井久子は63歳になります。

オウム真理教の女性幹部のその後を特集したデイリー新潮記事によると、石井久子は訪問介護の仕事をしながら父親と2人で暮らしており、子供とは同居していないことが判明しています。

また、子供3人の現在についての情報は一切入ってきていません。

2007年頃、オウム真理教の後継教団アレフから独立した上祐史浩が、新教団を立ち上げる際に石井久子に「一緒に来ないか？」と声をかけたそうですが、石井久子はアッサリ断っています。

現在の石井久子は、一般人として穏やかに暮らしていると考えて良いのではないでしょうか。

まとめ

オウム真理教の幹部・石井久子について、生い立ち、高校などの学歴と経歴、美人やかわいい画像、関わった事件と判決、子供や結婚した旦那など家族、出所後の現在をまとめました。

オウム真理教の美人幹部として露出の多かった石井久子ですが、1995年に逮捕され、2000年に出所しています。

出所後の石井久子は、オウム真理教との関係をスッパリ断っていることが報じられています。

精神的に病んだ時期もあったようですが、今は介護職員をしながら父親と一緒に暮らす日々を送っているようです。

3人の子供とは別居していることがわかっていますが、子供たちの素性や現在については一切情報を明かしていません。

石井久子はこの先も、表立ってメディアに出演しないのではないでしょうか。

オウム真理教が引き起こした事件で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。