「課長バカ一代」や「魁!!クロマティ高校」を代表作に持つ漫画家の野中英次さんは、天才と評価されています。
今回は野中英次さんの経歴や代表作、天才と言われる理由、家族や結婚、やる気がない噂と引退説、現在をまとめました。
この記事の目次
野中英次は天才漫画家
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野中英次さんは、漫画家・漫画原作者です。主に、日常のあるあるやシュールなギャグを用いたギャグ漫画を描いています。
あまりにも面白く、センスの良いギャグ漫画を描いているため、野中英次先生は「天才!」と称されることも少なくありません。
ドラゴンボールの鳥山明先生やワンピースの尾田栄一郎先生のように「超メジャーな天才漫画家」ではないですが、野中英次さんは根強いファンがいる天才漫画家の1人と言えるでしょう。
野中英次のプロフィールや経歴
野中英次のプロフィール
野中英次さんは、1965年2月21日生まれで2025年で60歳になる東京都出身の漫画家です。
・生年月日:1965年2月21日
・性別:男性
・出身:東京都
わかっているのはこれだけで、そのほかのプロフィールは不明です。
野中英次の経歴
野中英次さんは1989年に投稿した「SUPER BASEBALL CLUB」という漫画が『ヤングマガジン増刊黒ブタルーキー号』に読み切りで掲載されて漫画家デビューしました。
その後、1990年~1991年にヤングマガジン海賊版で「SUPER BASEBALL CLUB」を連載します。
「SUPER BASEBALL CLUB」の連載終了後、しばらく活動はありませんでしたが、5年のブランクを経て1996年から『ミスターマガジン』で「課長バカ一代」の連載が始まりました。
また、同時期には『モーニング』で「ドリーム職人」や「しゃぼてん」も発表しています。
「課長バカ一代」は掲載していた雑誌『ミスターマガジン』が2000年に休刊になり、それと同時に「課長バカ一代」の連載も終わりました。
しかし当時の担当編集者が『週刊少年マガジン』に異動になったことで、その担当編集に誘われて、『週刊少年マガジン』で「魁!!クロマティ高校」の連載が始まります。
「魁!!クロマティ高校」は2006年で連載が終了し、その後は「未来町内会」や「ハタキ」、「赤い空 白い海」などの連載をするものの、途中で長期休載に。
2009年からは『週刊少年マガジン』にて、野中英次さんが原作を担当し、作画は亜桜まるさんが担当する「だぶるじぇい」の連載がスタートしました。
・SUPER BASEBALL CLUB(1989年読み切り)
・SUPER BASEBALL CLUB(1990年~1991年連載)
・課長バカ一代(1996年~2000年連載)
・ドリーム職人(1998年~2000年連載)
・しゃぼてん(2000年~2001年)
・魁!!クロマティ高校(2000年~2006年)
・未来町内会(2006年~2008年)
・ハタキ(2007年~連載・休載中)
・赤い空 白い海(2008年~連載・休載中)
・最強!FANTAバンド伝説(協力:亜桜まる、2010年3月~7月)
・ラブのな(単行本オマケや増刊号などに不定期掲載)
野中英次さんは24歳で漫画家デビューをして、31歳で「課長バカ一代」の連載スタート、35歳で「魁!!クロマティ高校」の連載がスタートしたということになります。
野中英次は池上遼一の絵に似せて描いている
野中英次さんの漫画はギャグ漫画ですが、野中英次さんの作画は漫画家の池上遼一さんの絵にそっくりです。
池上遼一さんの代表作は、次のような漫画です。
・「男組」
・「クライング フリーマン」
・「サンクチュアリ」
・「HEAT -灼熱-」
・「トリリオンゲーム」
「HEAT -灼熱-」で第47回小学館漫画賞を受賞、「トリリオンゲーム」で第69回小学館漫画賞を受賞していますが、池上遼一さんは原作者付きの漫画を描くことが多いです。
野中英次さんは、「課長バカ一代」や「魁!クロマティ高校」でこの池上遼一さんの作画をパロディ化しています。そっくりの絵を描いているんです。
こちらが野中英次さんの漫画。
こちらが池上遼一さんの漫画です。
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比べてみると、そっくりであることがわかります。
これは、野中英次さんの絵が偶然池上遼一さんの絵に似てしまったのではなく、野中英次さんが意図的に池上遼一さんの絵を真似して描いています。
しかも、ギャグの1つとして池上遼一さんの絵に似せているんです。
パロディ化された池上遼一さんはこれを公認していて、「自分の亜流が出てくるということは、それだけ自分の作品が認知されて有名になったということなので嬉しかった」と語っています。
野中英次の代表作
漫画家・野中英次さんの代表作は、「課長バカ一代」と「魁!!クロマティ高校」です。
代表作①:課長バカ一代
課長バカ一代は、1996年~2000年に『ミスターマガジン』で連載していたギャグ漫画です。
「松芝電機」の社員で「課長補佐代理心得」の八神和彦が主人公。八神は底抜けのバカで、だらだらとした日常を描いています。
「空手バカ一代」は大山倍達が空手に全てを賭けた空手バカであるところから名付けられたタイトルだが「課長バカ一代」は単純に課長の知能がバカ。
引用:『クロマティ高校』野中英次の原点にして名作『課長バカ一代』がついに電子書籍化されたのでみんな読んでください:マシーナリーともコラム – ねとらぼ
子供のころの夢が「フェラーリになりたい」だったくらいの生粋のバカである八神。だが人類史上トップクラスのバカである八神の地盤はなぜかそれなりにしっかりしている。
引用:『クロマティ高校』野中英次の原点にして名作『課長バカ一代』がついに電子書籍化されたのでみんな読んでください:マシーナリーともコラム – ねとらぼ
真面目で底抜けのバカと周囲の人たちが織りなす日常生活が人気になりました。
漫画は2000年に連載が終了していますが、連載終了から20年後にドラマ化されています。2020年1月~3月まで、「BS12 トゥエルビ」の30分枠で11話放送されています。
主人公の八神和彦は歌舞伎役者の尾上松也さん、そのほか木村了さんや永尾まりやさん、歌舞伎役者の九代目坂東彥三郞さんや四代目市川左團次さん、若槻千夏さんなどが出演しています。
代表作②:魁!!クロマティ高校
野中英次さんのもう1つの代表作が、『週刊少年マガジン』で2000年~2006年に連載されていた「魁!!クロマティ高校」です。
最後に紹介するのは、00年から06年まで週刊少年マガジン(講談社)で連載されていたギャグ漫画『魁!!クロマティ高校』(作:野中英次)の主人公である神山高志だ。彼は真面目な優等生なのだが、ふとしたきっかけで不良学生が集う「クロマティ高校」に入学してしまうところから物語が始まる。
真面目な主人公・神山高志が、極悪高校のクロマティ高校に入学するところから始まり、ロボットのメカ沢新一やフレディ、ゴリラなど個性あふれるキャラクター達との学園生活が人気に。
2002年には、第26回講談社漫画賞少年部門賞を受賞しています。
ただ、この講談社漫画賞を受賞することになった時、初代の受賞者が手塚治虫だと知った野中英次さんは、「自分が受賞したらマズい」と思ったそうです。
この「魁!!クロマティ高校」はテレビアニメや映画が製作されたり、小説化されたり、ゲームになったりとメディアミックスが成功した漫画でした。
野中英次が天才と言われる理由は?
野中英次さんは「天才!」と評される漫画家です。SNSにも、野中英次さんを天才と呼ぶ投稿が多くあります。
笑いを求めて課長バカ一代読んでたけど、やっぱ野中英次は天才だな
— kan_aria_kanaria (@yanagiyuuya1016) May 19, 2012
野中英次先生はマジで天才だと思う。日常にツッコミを入れる天才。
— コイズミ (@epos_zzz) August 6, 2014
課長バカ一代もクロマティも最高だわ、もう最高に笑える
— doctor (@doctor___who_) August 5, 2014
野中英次って本当天才
野中英次さんを天才漫画家だと思う理由はいろいろあると思いますが、日常生活で面白いことを起こす才能・面白いことを見つける才能がずば抜けている天才ではないでしょうか。
あくまで日常生活を描いており、「課長バカ一代」では会社内での出来事、「魁!!クロマティ高校」では高校生活の中の出来事。
それなのに、吹き出すほど面白いギャグ漫画を描くのですから、野中英次さんは天才なんです。
野中英次は天才だと思うわ
— ニャンコ先生 (@nozico1014) February 12, 2024
これとクロマティは電車の中では読めない https://t.co/lM2oEo2m5I
課長バカ一代の中で、主人公の八神和彦が「TODAY IS MONDAY」を「東大は問題だ」と訳すなんて、凡人では絶対に思いつきません。
こんな面白いことを思いつく野中英次さんを天才漫画家と言わずして、何と言えばよいのでしょうか?
野中英次さんは鳥山明先生や尾田栄一郎先生、井上雄彦先生のように万人受けするような漫画家ではありません。しかし、野中英次さんは間違いなく天才漫画家の1人と言えるでしょう。
「天才」はミスチル&ラムちゃんでも証明
野中英次さんの代表作「魁!!クロマティ高校」は、人気バンドMr.Childrenのメンバーも愛読していました。
その関係で、『別冊カドカワ』でミスチルが特集された時に、野中英次さんが「果てしない闇の向こうに」という漫画を寄稿しています。
ただ、このミスチルをテーマにした漫画は「ミスチルと北島三郎を勘違いしていた」という内容であり、ミスチルとは直接関係ない内容でした。
こんな漫画を描けるのは、野中英次さんは天才だからでしょう。
また、34人の著名人がラムちゃんを描く企画「My Lum×34」で、野中英次さんもラムちゃんを描いたのですが、「本気度を見てもらうためにあえて資料を見ずに描いた」と述べています。
そして、こちらが野中英次さんが描いたラムちゃん。
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野中英次さんのラムちゃん!パンチがありすぎです。このラムちゃんを見ると、野中英次さんは間違いなく天才と言えます。
野中英次の家族や結婚の有無
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野中英次さんは東京都出身の漫画家であることはわかっていますが、それ以外のプライベートはほとんど公表されていません。
そのため、家族がいるのか、結婚しているのかはわかっていないんです。
ただ、野中英次さんは2024年で59歳ですから、結婚していたらお子さんはすでに成人しているかもしれません。もしかしたら、孫もいるかもしれませんね。
野中英次さんが不定期に連載している「ラブのな」の中では、自分をモチーフにしたキャラクターが豪邸に住んでいる設定なので、家族と一緒に豪邸に住んでいる可能性はあります。
野中英次はやる気のない天才漫画家?
野中英次さんはやる気のない漫画家としても有名です。
「世界一やる気のない漫画家」と言われることもあります。なぜ、野中英次さんがやる気のない漫画家なのかを見ていきましょう。
デビュー作は半分ネーム
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野中英次さんは、「SUPER BASEBALL CLUB」という漫画を投稿し漫画家デビューが決まりましたが、投稿した「SUPER BASEBALL CLUB」は半分が下書き状態だったんです。
普通、漫画家デビューのために投稿する作品は力を入れますよね。それなのに、野中英次さんは半分が下書きだったんです。どれだけやる気がなかったのでしょうか・・・。
半分が下書きでもデビューが決まったということは、それだけその漫画自体のクオリティが高く、下書きからでも「野中英次は天才」ということが分かるような作品だったのでしょう。
とにかくやる気がない
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野中英次さんは単行本のオマケのコーナーなどでもやる気のなさをアピールしていて、次のような発言をしています。
・「まんが…あんまり好きじゃないんだけど」
・「やる気がないのでカラーを描かない」
・過去のキャラが登場するのはただの使いまわし
また、「魁!!クロマティ高校」を『週刊少年マガジン』で連載を始めた理由は、「(当時のマガジンに)巻末コメントがなかったから」としています。
野中英次さんはとにかく漫画家としてやる気がないことを、たびたびアピールしているんです。
自分の作品は見ない
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野中英次さんの漫画はメディアミックス化されています。
「魁!!クロマティ高校」はアニメや映画、ゲームなどになっていますし、「課長バカ一代」はドラマ化されました。
でも、野中英次さんは自分の漫画がメディアミックスされても「なんとも思わない」と宣言しています。「魁!!クロマティ高校」のアニメも「見ていない」と言い切っています。
普通、自分の作品がアニメ化されたら、宣伝・告知するし、時間がある時に視聴しますよね。野中英次さんは一切それをしないのは「やる気がない」証拠でしょう。
最終回がおかしい
一般的に連載漫画の最終回は「最終回らしい」内容になることが多いですよね。
でも、野中英次さんの場合は最終回でも通常回であり、最後でもグダグダな感じで終わっていきます。
最終回でそれまでの設定・展開をぶん投げることもあり、ある意味、野中英次さんらしい終わり方になっています。
実は「ギャグ」なのか?
「世界一やる気のない漫画家」と言われている野中英次さんですが、この「やる気のない」ということ自体が、実はギャグではないかという噂もあります。
「やる気がない」という設定にしていて、それが野中英次さんのギャグということですね。
この「やる気がなく、自分の作品にも興味を持っていない」というアピールが読者を惹きつけているということは間違いありません。
野中英次さんはやる気がないアピールをしていますが、実は原稿を落とすことがほとんどない漫画家でもあります。マガジンの漫画家の中でも、休載が少ないんです。
週刊連載の漫画家はとんでもなくハードな毎日を送っています。「魁!!クロマティ高校」は7年間連載を続け、その後も、2006年~2008年まで「未来町内会」を週刊連載をしています。
本当にやる気がなければ、約9年間も週刊連載を続けることはできないはずです。
野中英次は引退した?
野中英次さんは2009年から2011年まで「だぶるじぇい」という漫画の原作を担当しましたが、2011年に連載を終えてからは、一切漫画家としての活動はしなくなっていたんです。
そのため、引退したのではないか?という噂が出ました。
野中英次先生はだぶるじぇいで引退したのかねぇ。復活してほしい
— だいてん (@dtn_hontoukai) August 6, 2018
「世界一やる気のない漫画家」でしたので、引退してもおかしくはなかったのですが、野中英次さんは引退していませんでした。
2018年にマガジンポケット(アプリ)で「魁!!クロマティ高校」のスピンオフ作品である「魁!!クロマティ高校職員室」の連載を始めたのです。
野中英次の現在
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野中英次さんは現在も、「魁!!クロマティ高校職員室」の連載をしています。しかし、更新は2020年2月からストップしている状態です。
ただ、マガポケの中で連載終了にはなっておらず、一応「連載中」の扱いのようです。ということは、今後も更新が再開される可能性は残っています。
野中英次のまとめ
野中英次さんのプロフィールや経歴、代表作や天才漫画家と言われる理由、家族や結婚の有無、「やる気のない漫画家」エピソードと引退の噂や現在をまとめました。
ギャグ漫画の天才である野中英次さん。今後、ゆっくりでも良いから「魁!!クロマティ高校職員室」を更新してもらいたいですね。