2020年5月末から全米で人種差別へのデモが起きており、きっかけはジョージ・フロイド事件です。
今回はジョージ・フロイドの家族、事件当日何をしたのか?偽札騒動や警察官との関係、死因や犯罪歴、弟のコメントをまとめました。
この記事の目次
ジョージ・フロイドのプロフィール 【経歴や家族を紹介】
出典:bbc.com
ジョージ・フロイド
生年月日:1973年10月14日
没年月日:2020年5月25日
出身:アメリカのテキサス州
身長:193cm
職業:元警備員
ジョージ・フロイドは、アメリカのテキサス州出身の元トラック運転手・元警備員です。
2020年5月25日、ミネソタ州のミネアポリス近郊で警察官に取り押さえられ、拘束された際に首を警察官の膝で強く押さえつけられたことが原因で死亡しました。
ジョージ・フロイドの経歴
ジョージ・フロイドは、1973年にアメリカのテキサス州ヒューストンに生まれます。
2歳の時に両親が離婚、母親に引き取られ、6人兄弟の母子家庭で育ちました。
ジョージ・フロイドが育ったのはヒューストンの中でも最も貧困が深刻な地域で、多くの家庭が「貧困」「ドラッグ」「ギャング」「暴力」に苦しんでいました。
高校時代はバスケットボールやアメフトの選手として活躍し、アメフトの奨学金で大学にも進学しています。
しかし、大学は途中で退学したようで、車の改造の仕事をしながらヒップホップのラッパーとしても活動しました。
2013年頃からはリザレクション・ヒューストンというキリスト教系宗教団体と深く関わるようになり、若者の指導者的な立場となります。
トラック運転手や警備員として働いていましたが、2020年の新型コロナウイルスの流行によって失業していました。
ジョージ・フロイドの家族
出典:freep.com
ジョージ・フロイドは6人兄弟で、幼い頃に両親が離婚していますので、母子家庭で育っています。
結婚歴があり、子供は5人います。
一番下の娘はまだ6才ですが、息子の1人は既に成人しているようです。そのため、46歳という年齢にして既に孫が2人もいたようです。
ジョージ・フロイド事件当日の経緯 【偽札騒動・警察官は何をした?】
ジョージ・フロイドの死は全世界に報道され、アメリカでは「Black Lives Matter」の抗議活動を巻き起こしました。
ですが、ジョージ・フロイドに警察官が何をしたのか?そして、なぜ死亡したのか?いまいちよく知らないという人もいると思います。
そこでここでは、ジョージ・フロイドの当日の行動や警察官の行為を時系列にまとめました。
偽札でタバコを買おうとした
出典:wsj.com
ジョージ・フロイドは事件当時、新型コロナウイルスの影響で失業中でした。
2020年5月25日、ジョージ・フロイドはミネアポリスにある食料品店「CUP FOOD」に男性1人・女性1人と共に来店します。
そして、会計時に20ドル札を使おうとしたところ、店員がその20ドル札が偽物であることを疑い、受け取りを拒否しました。そのまま、ジョージ・フロイドたちはその店を立ち去ります。
しかしその10分後、再びジョージ・フロイドが店を訪れ、偽札と疑われた20ドル札を使おうとしたため、店員は警察に通報しました。
ジョージ・フロイドは偽札を使おうとして警察に通報・逮捕されたとされていますが、ジョージ・フロイドが使おうとした20ドル札が本当に偽札だったかどうかは公表されていません。
警察官が到着し車から降ろす
出典:news.sky.com
店員の通報により警察官が現場に到着した時、ジョージ・フロイドは車に乗っていました。そして、警察官から銃を突きつけられて、車から降りるように促されます。
この時の警察官の証言によると、「ジョージ・フロイドは酩酊状態にあるように見えた」「ジョージ・フロイドが物理的に抵抗した」とされています。
しかし、警察官のボディカメラの映像を見る限り、ジョージ・フロイドは力づくで抵抗しようとはしていません。また、そこまで酩酊しているかどうかも不明な状況です。
それでも、駆け付けた警察官はジョージ・フロイドを車の外に連れ出し、銃を向け、手錠をかけました。
路上で首を膝で押さえつけた
出典:arabnews.jp
車から路上にジョージ・フロイドを引きずり出した警察官は、ジョージ・フロイドに手錠をかけ、さらに路上にうつぶせにして押さえつけ、彼の首を膝で強く押さえつけました。
この時、ジョージ・フロイドは銃などの凶器を持っていませんでした。
首を思いっきり膝で押さえつけられていたジョージ・フロイドは、警察官に向かって、次のように懇願しています。
・I can’t breathe.(息ができない)
・Don’t kill me.(殺さないでくれ!)
・Please,the knee in my neck, I can’t breathe.(お願いだ、俺の首にある膝を…息ができないんだ)
また、周囲でジョージ・フロイドが押さえつけられている様子を撮影していた人たちも、次のように訴えて、警察官を説得し、抗議しています。
・「今は、逮捕にさえ抵抗していないじゃないか」
・「地面から彼を離して。もう今は彼を車に乗せることができるのに、彼はもう逮捕に抵抗していないし、何にも。あなた楽しんでいるんでしょ」
しかし、それでも警察官はジョージ・フロイドの首を膝で押さえ続けます。そして、フロイド・フロイドが動かなくなっても、首から膝を離そうとしませんでした。
警察官がジョージ・フロイドの首を膝で押さえ続けた時間は、8分46秒にも及びます。
さらに、ジョージ・フロイドが動かなくなってからも約3分間に渡って、首を膝で押さえ続けました。
死亡が確認された
出典:cbc.ca
警察官は無抵抗のジョージ・フロイドの首を膝で押さえ続け、ジョージ・フロイドが動かなくなってからも首を押さえ続けました。そして、そこに救急車が到着します。
救急車が到着した時点でジョージ・フロイドは既に脈がない状態で、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
ジョージ・フロイドの死因は警察官の過剰拘束による窒息死だった…
ジョージ・フロイドは警察官に首を押さえられ、それから5分後に動かなくなり、死亡しました。検死の結果、ジョージ・フロイドの死因は窒息死であることがわかっています。
頸部を圧迫し続けたことで脳への血流が妨げられ、また、背中も体重を乗せて押さえ続けられたことで呼吸が制限されたことによって力学的な窒息死に至ったというわけです。
つまり、簡単に言えば、ジョージ・フロイドは警察官に押さえつけられたことで死亡したということです。
検死では、ジョージ・フロイドの体からは抗精神病薬物質が検出され、フェンタニルやメタンフェタミンが彼の死に影響を及ぼしたとされています。
ですが、いくら違法薬物をやっていても、警察官に過剰な拘束をされなければ、ジョージ・フロイドは偽札事件では死亡することはなかったはずです。
ジョージ・フロイドには犯罪歴があった
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ジョージ・フロイドは、白人の警察官の過剰な拘束によって死亡した被害者です。銃などの凶器も持たず抵抗もしなかったのに、ずっと抑え込まれていました。これは許されないことです。
しかし、ジョージ・フロイドには犯罪歴があったことも事実です。しかも、1度だけではなく何度も逮捕されているようです。
・2002年:不法侵入・窃盗罪
・2002年:コカイン所持
・2005年:コカイン所持
・2007年:武装強盗
ジョージ・フロイドには8回の逮捕歴があるそうですので、上記以外の犯罪も犯しているようです。そして、有罪判決を受け、過去5回も刑務所に収監されていたことがあるんです。
特に2007年の武装強盗では懲役4年の判決を言い渡され、2009年から服役し、2013年に出所しています。
このことは、アメリカではあまり報道されていない事実ですね。
ジョージ・フロイドと警察官は知り合いだった?噂と真相
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ジョージ・フロイドを押さえつけ死亡させた警官はショーヴァンという名前で、2001年頃からずっとミネアポリスの警察で働いていました。
しかし、同時にナイトクラブの警備員としてもバイトをしていたようです。
しかもそのナイトクラブは、ジョージ・フロイドが警備員として働いていたことがあり、2人は同じナイトクラブの警備員仲間だったのです。
ただ、そのナイトクラブのオーナーによると、2人は顔見知りだったどうかは定かではないそうです。
警察官のショーヴァンは、ナイトクラブで警備員をしている時に、そのオーナーと黒人の客に対して催涙スプレーを撒いたりしたことがあったようです。
つまり、以前から人種差別的な考えを持ち、行動していたと言えるでしょう。
ジョージ・フロイド事件は「Black Lives Matter」運動のきっかけになった
出典:afpbb.com
ジョージ・フロイドは2020年5月25日に死亡しました。
ジョージ・フロイドが警察官に押さえつけられ、苦しみ、懇願する様子は周囲の人たちによって撮影されていました。
そして、ライブストリーミングで配信されたり、SNSや動画投稿サイトにアップされ、瞬く間に全世界に拡散していきました。
そして、次のような抗議活動が起こります。
・警察官の責任感の欠如
抗議活動は、ジョージ・フロイド事件の翌日から、事件現場のミネアポリスで始まり、アメリカの50州の各都市、外国各都市の合計400以上の都市に広がりました。
さらに、警察官による暴力問題だけでなく、人種差別問題へのデモに発展し、アメリカでは「Black Lives Matter」運動となりました。
そのため、アメリカのあちこちの都市で夜間外出禁止令が発出されるようになりました。
もちろん、平和的なデモ・平和的な抗議活動が行われているところもありますが、ポートランドやシカゴなどの一部の都市では暴動・略奪が8月になっても続いている場所もあります。
ジョージ・フロイドの弟は平和的解決を訴えている
ジョージ・フロイド事件によって、警官の過剰な暴力や人種差別への不満が爆発し、抗議活動やデモが全米各地に発展しており、その中には暴動・暴徒化している例もあります。
それを受けて、ジョージ・フロイドの弟テレンス・フロイドは、次のように訴えました。
・「あなたたちがやっていることは何にもならない。そんなことをしたって、兄は戻ってきません」
・「左に平和を、右に正義を」
兄のジョージ・フロイドを失って、一番悲しいのは弟のテレンス・フロイドのはずなのに、とても冷静でスマートなコメントですね。
まとめ
ジョージ・フロイドの経歴と家族などプロフィール、死亡事件当日にジョージ・フロイドと警官が何をしたのか、死因や犯罪歴、弟のコメントなどをまとめました。
・偽札を使おうとして警察を呼ばれたが、本当に偽札だったのかは不明
・動かなくなっても押さえつけられていた
・死因は窒息死
・犯罪歴があり、2013年まで刑務所に入っていた
・彼の死によって全米で人種差別に対するデモや暴動が起こった
・弟は暴動に対して冷静なコメントをしている
ジョージ・フロイドは警察官の過剰な拘束によって殺されました。これをきっかけに、少しでも人種差別問題が解決すると良いですね。