2007年に起きた「ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件」では、生放送で死亡した犯人・馬込政義の遺体が流れ話題になりました。
今回は事件詳細、遺体動画、被害者と犯人の関係、動機や心霊説、漫画化の有無などその後を紹介します。
この記事の目次
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件とは
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件とは、2007年12月14日に長崎県佐世保市にあるスポーツクラブの「ルネサンス佐世保」で起こった銃乱射事件です。
犯人はルネサンス佐世保の会員で、スポーツクラブ内に散弾銃を持って侵入し、合計で11発を発砲し、男女2人が死亡し、大人4人・女子小学生2人が重軽傷を負いました。
スポーツクラブで銃を乱射
2007年12月14日19時10分ごろ、長崎県佐世保市にあるスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」に、会員の男・馬込政義が侵入しています。
・黒いブーツ
・フルフェースのヘルメット
・目出し帽
・散弾銃1丁を手に持ち、背中にも1~2丁の散弾銃を背負っていた
犯人の男はスポーツクラブの正面玄関から侵入し、そのまま無言でプールに直行します。
その時プールには、小学校高学年から中学生までの生徒約15人とインストラクター5人、さらに見学していた保護者が7人いました。
プールに来た犯人はプールサイドを4分の3ほど歩いたところで、散弾銃を発砲しました。子供たちとインストラクターは事務室に逃げ込みます。
犯人はプールからホールに戻り、ラウンジに行きます。ここで呼び出していた友人の藤本さんが犯人の犯行を制止しようとして、至近距離で撃たれて死亡しました。
さらに犯人は、プールサイドとは逆の入り口から事務室に侵入、26歳の女性インストラクターの至近距離・左後方から発砲し、腹部などを撃たれたインストラクターは死亡しています。
ここで、このルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の被害状況をまとめておきましょう。
・死亡:倉本舞衣さん(26歳)
・ケガ:ルネサンス佐世保マネージャー(男性・48歳)
・ケガ:会社員(男性・46歳)
・ケガ:佐世保市職員(男性・39歳)
・ケガ:トレーナー(女性・22歳)
・ケガ:女子小学生(9歳)
・ケガ:女子小学生(10歳)
教会で自殺
ルネサンス佐世保で11発の散弾銃を乱射し、2人を殺害した犯人の馬込政義は、ルネサンスの佐世保の裏口から徒歩で逃走しました。
犯人は散弾銃を複数所持し、ルネサンス佐世保でも乱射していたことから、長崎県警は銃器対策部隊と福岡県警察SATを出動させ、犯人の行方を追いました。
そして、銃乱射事件が起こってから約5時間半後に、現場から約4km離れたカトリック船越教会前の道路に、犯人の車(三菱自動車・デリカD:5)が停まっているのが発見されます。
近隣住民の証言により、12月14日20時には教会前に駐車してあったことが分かっており、事件後に徒歩で逃亡し、近くに駐車しておいた自分の車でまっすぐ教会に来たと思われます。
車の中には散弾銃2丁と空気銃1丁がありました。馬込政義が所持許可を得ている散弾銃は3丁でしたので、馬込政義は散弾銃1丁を持ってどこかに潜んでいると考えられました。
警察が周囲を警戒していた12月15日5時44分、教会内から発砲音が聞こえ、警察が教会に突入したところ、犯人の馬込政義が散弾銃を胸に抱え、首から血を流した状態で発見されました。
状況から見て、犯人の馬込政義は自殺を図ったものと考えられています。
犯人は実弾をたくさん持っていた
犯人の馬込政義は車の中に散弾銃2丁と空気銃1丁、ガスマスクとサバイバルナイフ、さらに実弾2,500発が残していました。
実弾のうち100発は、殺傷能力が高いスラッグ弾と呼ばれるものでした。このほか、ポケットには180発、自宅に22発所持しており、犯人は2,700発もの実弾を持っていたことになります。
警察が発見した時には犯人は既に死亡していましたので、2008年2月2日に書類送検されたものの、不起訴になっています。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の犯人・馬込政義とは
出典:news2sokuhou.blog101.fc2.com
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の犯人は、馬込政義(37歳)です。
馬込政義の両親は敬虔なカトリック教徒で、馬込政義も洗礼を受けていました。成人後は教会に通うことはなかったものの、自殺を図ったカトリック船越教会の信者でした。
犯行当時、馬込政義は実家の離れで寝起きしていたとのことです。馬込政義の家族構成はこちらです。
・母親
・馬込政義
・妹
・弟
奇行が目立っていた
馬込政義は奇行が目立っていたとの情報があります。
・深夜に呼び鈴を鳴らして、トイレを貸してほしいと頼む
・あんたが悪口を言うから就職できないと近所の人に苦情を言う
・黒ミサに興味を持っていた
近所の人からは「散弾銃を持ち歩いていて怖かった」と言われており、奇行と銃のことで、近所の人が警察に相談することもありました。
銃を所持していた
馬込政義は以前から銃に興味を持ち、2002年には佐賀県鳥栖市で初めて銃を購入しています。この時の銃が犯行に使われた銃です。
佐世保市内の「佐世保クラブ」というクレー射撃の倶楽部に所属し、佐世保市のクレー射撃の大会で4位に入賞したこともありました。
その後も、散弾銃や空気銃、実弾などを買い集めています。
父親の退職金で浪費
出典:ameblo.jp
馬込政義は仕事が長続きせず、定期的な収入はありませんでした。それでも、父親の退職金をあてにして、300万円の新車や40万円の漁船を購入するなど、散財していました。
しかし、犯行前には母親から援助を打ち切られ、合計で570万円の借金があったことが分かっています。この借金の返済の見込みはまったく立っていませんでした。
友達を誘いだす
2007年12月14日、馬込政義が事件を起こしたルネサンス佐世保には馬込政義の友人が3人いました。3人とも馬込政義にスポーツクラブの見学や体験入店で呼び出されていたんです。
馬込政義は友人に次のようなメールを送っていました。
俺の無料駐車券があるので、車でそのままルネの駐車場に入り、どこか適当にとめる。階段か道なりで建物の入り口に入る。すぐフロントなので、俺の名前を言えば、入れる様にしておくから入る。奥に歩いて行くと、スカッシュコートの横に階段があるので、1F分登る。もう一つ上は、テニスコートなので違う。正面にプールの見える椅子がいっぱいあるので、楽にして待つ。
奇行が目立っていた馬込政義ですが、呼び出しに応じてくれる友人は3人はいたということになります。
殺害された藤本勇司さんは、馬込政義に呼び出され、犯行を止めようとして至近距離で撃たれています。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の動画で犯人の遺体が映っていた…
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件直後の現場の様子の動画はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=ey2Z1A9FzYM&ab_channel=oitakei
現場の緊迫した様子・混乱した様子が伝わってきます。
身長180cmくらいの男が散弾銃で2人を殺害し、逃走しているというのは、ルネサンス佐世保にいた人はもちろんですが、近隣住民も本当に怖かったと思います。
翌朝5時44分に犯人の馬込政義は自殺したと見られています。その後、警察が教会内に突入しました。
この様子は朝のニュースで生放送されました。
犯人が自殺した2007年12月15日は土曜日でした。日本テレビ「ズームイン!!サタデー」では、ヘリコプターを飛ばし、犯人の遺体が発見された教会の敷地内を生放送で伝えていました。
この生放送の動画では、なんと犯人の遺体と思われるものが映ってしまったんです。
かなり距離がある場所からの撮影でしたので、鮮明には映っていませんが、拡大してみると、おそらく遺体、遺体以外にあり得ないものであることが分かります。
遺体が全国放送の生放送に映ってしまった…しかも散弾銃で自殺した遺体。しかもしかも、重大犯罪を起こした犯人の遺体です。
まさに放送事故です。残念ながら、この生放送の動画は残っていませんが、写真で見るだけでもヤバイことは十分にわかります。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の被害者2人と犯人との関係とは
ここでは、ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件で死亡した被害者の2人は、どんな人物だったのかを見ていきましょう。
倉本舞衣さん
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件で死亡した被害者の1人目は、倉本舞衣さんです。
倉本さんはルネサンス佐世保の水泳インストラクター(アルバイト)でした。美人で気さくで礼儀正しくて、男女問わず人気がありました。
近所の人の話によると、倉本さんは事件当時、佐世保市の自宅アパートで彼氏と思われる男性と同棲していたようです。
ただ、犯人の馬込政義から一方的に恋愛感情を持たれ、付きまとわれていたという情報があります。
藤本勇司さん
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件で死亡した被害者の2人目は、漁業を営んでいた藤本勇司さんです。
藤本さんは結婚していて、幼稚園くらいの娘と息子、2歳くらいの子供がいたそうです。近所の住民からは、「まじめで子煩悩で親切、トラブルをつくるような人ではない」との評判でした。
藤本さんは犯人の馬込政義とは中学時代の同級生です。
事件当日は、馬込政義に呼び出されてルネサンス佐世保を訪れています。そして、そこで馬込政義の犯行を知り、犯行をやめさせようとしたところを至近距離から散弾銃で撃たれています。
藤本さんの行為は警察官の職務に協力した「協力援助行為」と認められ、遺族には給付金が支払われました。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の犯人の動機とは
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の動機は、犯人が自殺してしまったために明らかにはなっていません。ただ、殺害した倉本舞衣さんへの恋愛感情と自殺願望があったと見られています。
犯人の馬込政義は2002年5月から2007年2月まで、ルネサンス佐世保の会員でした。2007年2月でいったん退会するものの、半年後の2007年8月には再入会しています。
週4回のペースで通い、倉本舞衣さんがプールにいる時間を狙って、プールで泳いだり、倉本さんにストーカーのような行為をしていたようです。
『つきまとわれているようで、気持ちが悪い』と話してます。また、交際相手のAさんは警察の事情聴取に対して、『以前から平田さんと一緒にいるところに馬込が現れ、こちらをじっと見ていることがあった』と答えているとのことです
また、事件の2ヶ月前には、犯人の馬込政義には変化が見られていたという情報もあります。
「(馬込容疑者は)それまではボサボサの長髪で目つきも悪く、いつもムスッとしとったのに、10月ごろから顔色が良うなって、いつもニコニコ髪もキレイにセットして、こざっぱりとして格好で、毎日のようにピカピカの新車で(スポーツクラブへ)出かけていきよった」
しかし、倉本さんには交際している相手がいて、馬込政義の恋愛はうまくいきませんでした。
さらに、父親の退職金を当てにしていたのに、母親から援助を打ち切られ、返せる当てのない570万円もの借金を抱え、自殺願望を抱いたのかもしれません。
「自殺するなら倉本さんを巻き添えにして派手に死んでやる。みんなに俺の死に様を見せてやる」と考え、同級生3人をルネサンス佐世保のプールが見える場所に呼び出したと思われます。
馬込は10人近くの友人に連絡を取り、『おもしろいことがある』や『はじけようぜ』などと書いたメールを送るなどして、スポーツクラブ内のプールが見える場所で待つように指示していました。それで自分の犯行を見せるつもりだった疑いが持たれているのです。
倉本さんは一方的に恋愛感情を持たれて殺されてしまい、藤本さんは馬込政義の呼び出しに出向き、犯行を止めようとしたら殺されてしまった…。あまりにも理不尽ですね。
しかも、犯人は自殺してしまったために法で裁かれることはありませんし、動機が解明されることもありません。死亡した被害者2人はもちろん、遺族もやり切れません。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件のその後
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の犯人は自殺しましたので、送検されたものの不起訴となっています。そして、その後は銃の規制が進みました。
銃が規制されているはずの日本で銃乱射事件が起こり、しかも、その散弾銃は法律で所持が許可されたものでした。
そして、実弾は法律上最大800発までしか自宅で保管できないのですが、馬込政義は約2,500発も所持していました。
さらに、馬込政義の近隣住民はその奇行に危機感を抱き、警察に銃所持許可を取り消すように求めていたこともあります。それなのに、銃乱射事件は起こってしまいました。
このような事情があったため、社会的に銃の規制をさらに厳格にするように求める声が大きくなり、2008年11月28日改正銃刀法が成立し、2009年1月5日に施行されました。
改正銃刀法では、ストーカー行為や家庭内暴力・自殺の危険性がある者などが欠格事由に加えられています。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件は心霊現象の影響で起きた?
出典:s-re.jp
実は、長崎県佐世保市は2000年代から重大事件が頻発しています。
・2007年:ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件
・2014年:佐世保女子高生殺害事件
もともと水の周りには霊が集まりやすいと言われているの。特に佐世保は港町であり、さまざまな物や人が出入りするのとともに悪霊なども集まりやすい。さらには、戦時中には大空襲を受け1000人以上もの人々が亡くなっているし、67年には集中豪雨で死者が29人も出た。佐世保には痛ましい事件で現世に想いを残した霊も多くいる。猟奇事件はそんな土地柄が影響しているに違いない
偶然と言うにはあまりにも重大事件が頻発していることから、このような心霊説が出たのかもしれません。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件は漫画化されている?
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件は、漫画化はされていません。
ただ、ドラマのワンシーンのモデルになったと言われています。ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件をモデルにしたシーンを作ったのは、「アウトバーン マル暴の女 八神瑛子」です。
このドラマの最終回でスポーツクラブで事件が起こり、女性が殺害されました。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件は漫画のような展開の事件ですから、今後は漫画化されたり、小説のモデルになる可能性は十分にありますね。
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件のまとめ
ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件の詳細や犯人について、遺体が映った動画や死亡した2人の被害者、動機、その後や漫画・ドラマについてまとめました。
犯人が自殺してしまったことで、事件の動機は解明されず、被疑者死亡のまま不起訴となっていいます。
もう二度とこんな痛ましい事件が起こらないように、銃規制はしっかりしてほしいですね。