新小岩駅はJR東日本の総武本線の駅ですが、人身事故の件数が多く、自殺が多い駅として有名になっています。
新小岩駅の人身事故の件数と人身事故・自殺が多い理由、新小岩駅の人身事故・自殺対策をまとめました。
この記事の目次
新小岩駅は人身事故・自殺が多い駅
新小岩駅は人身事故や自殺が多い駅として有名です。本当に新小岩駅は人身事故が多いのか?と思う人もいると思うので、2013年~2017年の駅別人身事故件数TOP3をまとめました。
年 | 人身事故発生件数TOP3 |
2013年 | 1位 上野駅(8件) 2位 大森駅(7件) 3位 新小岩駅(6件) |
2014年 | 1位 新小岩駅(6件) 1位 新宿駅(6件) 3位 霞ヶ関駅(5件) |
2015年 | 1位 新小岩駅(6件) 2位 新宿駅(5件) 2位 住吉駅(5件) |
2016年 | 1位 川崎駅(8件) 2位 新小岩駅(6件) 3位 品川駅(6件) |
2017年 | 1位 新小岩駅(8件) 2位 横浜駅(5件) 2位 池袋駅(5件) |
これを見るとわかると思いますが、新小岩駅だけが5年連続でTOP3にランクインしていて、しかも5年の中で3年も人身事故発生件数の第1位になっています。
2010年からの累計人身事故件数でも、もちろん新小岩駅が1位となっているんです。
いかに新小岩駅で人身事故が多くて、自殺の名所となっているかがわかりますね。あまりにも新小岩駅は人身事故が多いために、インターネット上では「新小岩駅行ってきます」という言葉が、「自殺してきます」という意味で使われることもあるほどです。
https://twitter.com/donsan77/status/953112806638862337【悲報】先輩のmacとwinのコンセント引き抜きました…ちょっと新小岩駅行ってきます…
— new_shell (@yukaroooooock) February 27, 2013
「新小岩駅行ってきます」というごく普通の言葉が、たとえ冗談でも「自殺してきます」のような使われ方をしていることを考えると、新小岩駅は人身事故が多いから自殺の名所であるということがよくわかると思います。
新小岩駅の人身事故件数は過去8年間で49件!
新小岩駅は人身事故が多い駅であることは分かったと思います。先ほどは簡単に新小岩駅での人身事故件数を紹介しましたが、ここでさらに詳しく見ていきましょう。
2011年から2018年までの8年間で49件の人身事故が起こっています。
2011年の人身事故件数:9件
2011年の新小岩駅で起こった人身事故件数は9件です。
【1件目】
2011年2月27日19時ごろ 総武線快速の線路に女性が立ち入ったが、女性は無傷
【2件目】
2011年7月12日10時10分 3番線の成田エクスプレスで女性死亡(男女4人が巻き添えで軽症)
【3件目】
2011年7月13日13時13分 4番線の成田エクスプレスで50代男性死亡
【4件目】
2011年7月25日18時42分 4番線の成田エクスプレスで30歳男性死亡
【5件目】
2011年8月25日8時43分 4番線の成田エクスプレスで20代男性死亡
【6件目】
2011年9月18日11時12分 4番線の成田エクスプレスで45歳女性死亡
【7件目】
2011年10月4日23時7分 新小岩駅から約500m離れた線路で女性死亡
【8件目】
2011年12月5日11時8分 4番線の総武線快速で男性死亡
【9件目】
2011年12月22日11時1分 2番線の総武線で60代女性死亡
2012年の人身事故件数:4件
2012年の新小岩駅での人身事故件数は4件でした。
【1件目】
2012年1月18日9時24分 2番線の総武線で30代男性死亡
【2件目】
2012年3月22日20時58分 4番線の特急あやめで男性死亡
【3件目】
2012年5月4日9時45分 3番線の成田エクスプレスで40代男性死亡
【4件目】
2012年5月12日20時14分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
2013年の人身事故件数:6件
2013年の新小岩駅での人身事故件数は6件でした。
【1件目】
2013年2月7日15時50分 4番線の特急しおさい
【2件目】
2013年6月27日14時40分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡(女性が巻き添えで軽症)
【3件目】
2013年8月19日15時34分 3番線の成田エクスプレスで男性死亡
【4件目】
2013年10月8日13時42分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
【5件目】
2013年10月25日19時25分 4番線の特急しおさいで男性死亡
【6件目】
2013年11月2日21時15分 1番線の総武線で女性死亡
2013年10月25日に起こった5件目の人身事故で死亡した男性は、前日に元同僚の派遣社員女性(27)の首を絞めて殺害した疑いがありました。
2014年の人身事故件数:6件
2014年の新小岩駅での人身事故件数は5件となります。
【1件目】
2014年6月1日17時9分 3番線の成田エクスプレス
【2件目】
2014年7月29日12時5分 新小岩駅近くの線路で総武線快速
【3件目】
2014年7月30日20時5分 4番線の通勤快速
【4件目】
2014年8月30日20時22分 4番線の特急しおさいで男性死亡
【5件目】
2014年9月6日18時35分 4番線の回送列車で女性の人身事故(けがの程度は不明)
【6件目】
2014年10月21日20時57分 4番線の特急あやめで男性死亡
2015年の人身事故件数:6件
2015年の新小岩駅での人身事故件数は6件です。
【1件目】
2015年3月18日0時25分 1番線の総武線で男性の人身事故(けが程度は不明)
【2件目】
2015年4月14日12時10分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
【3件目】
2015年4月19日11時42分 4番線の成田エクスプレスで女性死亡
【4件目】
2015年5月6日18時42分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
【5件目】
2015年8月26日7時28分 1番線の総武線で20代男性死亡
【6件目】
2015年12月25日11時42分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
2016年の人身事故件数:6件
2016年の新小岩駅での人身事故件数は6件です。
【1件目】
2016年2月17日9時22分 3番線のしおさいで男性死亡
【2件目】
2016年3月27日20時12分 4番線の成田エクスプレス
【3件目】
2016年7月11日14時41分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
【4件目】
2016年7月29日15時12分 4番線の成田エクスプレスで男性死亡
【5件目】
2016年10月7日10時55分 1番線の総武線で男性死亡
【6件目】
2016年12月17日8時46分 3番線の成田エクスプレス
2017年の人身事故件数:8件
2017年の新小岩駅での人身事故件数は8件です。
【1件目】
2017年1月18日16時42分 4番線の成田エクスプレスで女性死亡
【2件目】
2017年1月21日20時21分 4番線のしおさい11号で女性死亡
【3件目】
2017年1月30日14時12分 4番線の成田エクスプレスで女性死亡
【4件目】
2017年3月20日23時40分 4番線の総武線快速で50代男性死亡
【5件目】
2017年3月21日17時43分 4番線の成田エクスプレスで女性死亡
【6件目】
2017年5月13日21時55分 4番線の回送列車で男性死亡
【7件目】
2017年9月14日0時15分 2番線の総武線で男性死亡
【8件目】
2017年10月20日17時20分 総武線で50代男性死亡
2018年の人身事故件数:4件
2018年の新小岩駅での人身事故件数は4件です。
【1件目】
2018年1月21日17時36分 3番線の成田エクスプレス
【2件目】
2018年1月31日18時13分 総武線快速
【3件目】
2018年8月17日18時12分 4番線の成田エクスプレス
【4件目】
2018年10月4日20時44分 総武線
新小岩駅で人身事故・自殺が多い4つの理由
都内には、そして日本全国にはたくさんの駅があります。でも、なぜ新小岩駅では飛びぬけて人身事故や自殺が多いのでしょうか?
新小岩駅に人身事故や自殺が多い理由は4つあります。
1.成田エクスプレスが高速で通過
新小岩駅は成田エクスプレスが高速で通過します。先ほどの新小岩駅での人身事故件数を見て、「4番線の成田エクスプレス」に飛び込む人が多いと思いませんでしたか?
新小岩駅では成田エクスプレスが時速120kmで通過するんです。自殺者の心理として、「確実に死にたい」というものがありますので、できるだけ速い速度で通過する電車を選ぼうとする人が多いのです。
錦糸町駅でも成田エクスプレスが通過しますが、トンネルを出たばかりなのであまりスピードが出ていません。市川駅ではスピードが出ていますが、通過線を通るので、ホームから飛び込むことができないんです。特に、成田空港方面からの電車が通過する4番線の通過速度は速いです。
だから、新小岩駅で自殺をする人が多いのです。
2.2011年のセンセーショナルな報道
新小岩駅で自殺者が増えたのは2011年7月12日以降です。
2011年7月12日に45歳の無職の女性が、3番線ホームを通過中の成田エクスプレスに飛び込みました。その衝撃で女性はホームに跳ね返され、ホームにいた乗客に当たります。さらに、ホームのキオスクに突っ込んだという事故がありました。
飛び込んだ女性は死亡が確認され、ホームにいた女性2人と男性1人、キオスクの店員1人が軽症を負いました。
この飛び込み&巻き込み事故はマスコミにセンセーショナルに報道されました。
出典:asahi.com
出典:twitter.com
昔ながらのオープンタイプのキオスクではなく、しっかりガラス戸で覆われた店内に列車にはねられた女性が突っ込んでくる。考えただけで恐ろしいですよね。
でも、自殺を考えている人にとっては、「それだけ大きな衝撃がある=新小岩駅なら確実に死ねる」という情報になり、自殺を考える人が新小岩駅に集まって、人身事故を起こすようになったんです。
実際に、この人身事故が起こる前の2010年は新小岩駅構内で起こった人身事故はたった1件のみですから、新小岩駅が自殺の名所となったのはこのキオスク突入の人身事故がきっかけと言って良いでしょう。
3.ウェルテル効果
新小岩駅は先ほど説明したキオスク突入の人身事故がきっかけで、人身事故が増えました。そして、それが報道されるようになり、ある意味ウェルテル効果のような状態になったと考えられます。
ウェルテル効果とは自殺報道があったことで、自殺が増えることです。自殺報道が自殺を考えていた人、自殺してもおかしくない状態の人の背中を押してしまうということです。
新小岩駅では自殺(人身事故)が多いという報道が、新小岩駅に自殺志願者を集めてしまった。そして、新小岩駅なら確実に死ねると思い込む自殺志願者が増えてしまったという説があります。
4.緩やかなカーブになっている
新小岩駅はホームが緩やかなカーブになっています。そのため、「運転士からはホームに飛び込んだ人を目視で確認しにくい=ブレーキをかけるのが遅くなる」ということもあるようです。
ただ、この理由については、後付けのような理由ですね。ホームが緩やかなカーブになっている駅は新小岩駅のほかにもたくさんありますから。
新小岩駅での人身事故・自殺はグロイ・・・
新小岩駅では人身事故や自殺がたくさん起こっていますが、列車の人身事故はかなりグロいとされています。
まずはこちらのツイートをご覧ください。
新小岩駅での人身事故当該車両 E259系Ne-18編成の貫通扉は大きく凹み、大破していました。当該列車は『成田エクスプレス35号』 #人身事故 #グモ当該 #また新小岩 #総武快速線 #E259系 #tw3ds pic.twitter.com/W4cUxeF8zX
— 東マト15 (@nogitetsu46) July 29, 2016
成田エクスプレスが凹んでいることがわかります。人身事故の衝撃がいかにすごいかがわかりますね。
新小岩駅でガチの人身事故なう…。 pic.twitter.com/fxer9fU3Cw
— ハルキ (@Harukiiiiaaa) January 21, 2018
新小岩人身事故の当該列車は本当に血生臭かった。変な跡もついてるし… pic.twitter.com/IDMgAaWBJl
— 蝉 (@8mitsu24) October 20, 2017
緩行線下りにも肉片が飛び散っているようで二番線の千葉側3両分のホームが閉鎖されています。
— 吉田 匡 (@yoshi_data) January 21, 2018
復旧までもう少しかかりそうです。
実際に新小岩駅で人身事故の現場に居合わせた人たちのツイートを見ると、警察や消防などたくさんの人が出動し、特殊車両が集合しているのがわかります。
新小岩駅での7つの自殺対策
新小岩駅では2011年7月から人身事故・自殺が相次いでいます。JRとしては、それを黙って見ているわけではありません。ありとあらゆる自殺対策が行われているんです。
1.ホームドアの設置
出典:twitter.com
新小岩駅では2018年12月8日からホームドアが設置されました。
東京メトロ南北線のようにホームから天井まで完全に壁を作っているわけではありません。新小岩駅のホームドアの高さは1.3mですので、乗り越えようと思えば乗り越えて電車に飛び込める高さではあります。
でも、ホームからフラッと線路に飛び込んでしまう自殺は防ぐことができますよね。実際にこのホームドアが設置されてから2019年11月時点まで、新小岩駅での人身事故は起こっていないんです。
これは大きな自殺対策になっていますね。
2.天井を青い透明パネルにする
新小岩駅の自殺対策の2つ目は、天井を青いパネルにすることです。駅のホームの屋根の一部をクリアな青のパネルにすることで、線路に青い柔らかい光が降り注ぐことになります。
出典:getnews.jp
出典:j-cast.com
青い光は人間の心を落ち着かせる効果があるとされています。自殺を考えている人に青い光を見てもらうことで、自殺を思いとどまらせようとしているんです。
3.ベンチの向きを変える
出典:twitter.com
新小岩駅では駅のベンチの向きも変えています。一般的な駅のホームのベンチは、線路の方を向いてますよね。でも、新小岩駅のベンチは線路と平行の向きに作られているんです。
自殺を考えている人が駅のホームに座っている。そして、フラッと立ち上がって、そのまま電車に飛び込んでしまうということが多いんです。
だから、線路に飛び込むためには一度向きを変えなければいけないようにして、自殺を思いとどまってもらおうとしているんですね。一度向きを90度変えるという動きをすることで、冷静になれることがありますから。
4.駅員や警備員の巡回
新小岩駅では、駅員や警備員の巡回を強化しています。通常、ラッシュ時には警備員が乗客を電車内に押し込むためにホームにいることはありますが、こんなに閑散とした時間帯にホームに警備員がいることは少ないです。
新小岩駅では駅や警備員がホームや駅構内を巡回して、思い詰めているような人を見かけたら、積極的に声をかけて、自殺を防止しているとのことです。
5.癒し効果を狙った液晶画面の設置
新小岩駅では癒し効果を狙った液晶画面を設置しています。
出典:twitter.com
出典:twitter.com
このような癒し系の映像を流すことで、自殺を考えている人に心の余裕を持ってもらおうというわけですね。ヒーリング効果を狙った自殺対策です。
6.いのちの電話やメッセージの看板
新小岩駅には、このような看板がたくさん置かれています。
出典:twitter.com
自殺防止のために相談窓口である「いのちの電話」の番号を大きく書いたり、手書きの前向きな言葉(標語)を目立つところに貼っておくなど、自殺志願者を引き留めようとする努力が至る所に見受けられます。
7.非常停止ボタンの練習パネルの設置
もし、線路に人が落ちているのを見つけたら、非常停止ボタンを押して、危険であることを駅員や電車の運転手に知らせなければいけません。
でも、いざという時に、非常停止ボタンを押すのをためらってしまうこともありますよね。新小岩駅ではためらうことがないように、このような練習パネルを置いているんです。
このようなパネルを設置することで、自殺志願者を思いとどまらせようという狙いがあるほか、駅利用者にも注意喚起をしているんです。
まとめ
新小岩駅の人身事故件数と人身事故と自殺が多い理由、自殺防止対策をまとめましたが、いかがでしたか?
新小岩駅では人身事故・自殺が多いのは確かですが、2018年12月にホームドアが設置されてからは事故が起こっていません。今後はホームドアの効果で人身事故が無くなると良いですね。