2013年2月26日にエジプトで起きた「ルクソール熱気球墜落事故」では、日本人観光客4名も犠牲になっています。
今回はルクソール熱気球墜落事故の詳細、死者数や死因、操縦士に批判が集まった理由、事故原因をまとめました。
この記事の目次
「ルクソール熱気球墜落事故」とは
「ルクソール熱気球墜落事故」遊覧終了後に火災発生
「ルクソール熱気球墜落事故」が発生したのは、2013年2月26日の午前7時頃(日本時間14時)で、エジプト南部にある神秘的な古都・ルクソールで発生しました。
ルクソールは、エジプトの首都カイロから南東へ車で約9時間ほど走ったところにある、エキゾチックな魅力のある有名な観光地です。
現地時間の午前6時半頃、観光客20名と操縦士1名を乗せた熱気球は空中散歩を楽しんだ後、地上5メートルまで降下し、操縦士がロープを地面に投げて着陸準備に入ります。
しかし、着陸寸前に火災が発生したのです。
「ルクソール熱気球墜落事故」火災により気球が急上昇
火災が発生したことで熱気球は急速に温められ、急上昇をし始めました。
操縦士は地上5~10メートル弱程度の高さから慌てて気球から飛び降り、それに続くようにイギリス人観光客2名が地上10メートル程度の高さにまで浮上したところで飛び降りました。
しかし、マンションの3階程度に相当する高さから飛び降りたのため、操縦士とイギリス人1名は奇跡的に重傷で助かりましたが、残る1名は地面に叩きつけられて亡くなっています。
そのまま気球は高度200メートルほどまで上昇し、その間に乗客の8名が次々と飛び降りて亡くなっています。
8名分の重量が一気になくなったことで気球は軽くなり、さらに高度300メートルまで急上昇。
その後、熱気球は空中で爆発を起こし、中の空気が抜けて縮み、残りの乗客を乗せたまま急降下してかんしょ畑に墜落しました。
墜落地点から数キロ離れたルクソールの市街地でも、墜落時の爆発音が聞こえたといいます。
以下は、「ルクソール熱気球墜落事故」のYouTube動画ですが、ショッキングな映像のため自己責任にてご視聴ください。
「ルクソール熱気球墜落事故」の死者数と死因 【日本人観光客も犠牲に】
この世界でも稀に見る最悪の気球事故には、日本人の観光客4名も含まれていました。
死亡者や重傷者が運び込まれたルクソールの病院の担当者によれば、日本人の犠牲者4名のうち2名は以下の方でした。
・柘植和夫さん(当時66歳)本籍東京都
・寺田康秀さん(当時63歳)同山梨県
残りの2名はこの気球ツアーを企画した旅行会社スカイクルーズの乗客名簿から、以下の方々だとわかってます。
・寺田麻子さん(当時63歳)
・柘植晴美さん(当時63歳)
つまり、寺田ご夫妻と柘植ご夫妻が亡くなられたということになります。
なお、この4名の日本人の方々の他に、香港人9名、イギリス人2名、フランス人2名、ハンガリー人1名の乗客が亡くなっており、添乗員だったエジプト人1名の方も死亡しました。
奇跡的に助かったのは、エジプト人の操縦士と、イギリス人の観光客1名のみでした。
「ルクソール熱気球墜落事故」の死者の死因は?
熱気球墜落事故で亡くなられた方々の死因は、ほとんどが転落死だとみられますが、焼死も含まれているかもしれません。
飛び降りて助かった操縦士は頭と足を負傷したため、病院で治療を受けていましたが、意識を取り戻しました。
しかし、事故発生直後に乗客を残したまま、いの一番に飛び降りたこの操縦士を巡っては、賛否両論ありました。
操縦士が飛び降りたことで、気球はよりバランスを取ることが非常に難しくなり、熱気球が急上昇してしまったと見られているからです。
「ルクソール熱気球墜落事故」は操縦士に批判が集まった
出典:https://pixabay.com/
熱気球に乗っていた21名のうち、2名だけでも助かったことはよかったものの、乗客を差し置いて真っ先に逃げた操縦士には世論から批判が殺到しました。
日本気球連盟が発行している「パイロットハンドブック」によれば、事故が起こった際の手順について以下の手引きが記載されています。
1.負傷者等の救出
2.二次災害防止
3.緊急連絡
4.被害者への謝罪
5.現場の復旧
1番では、操縦士は「人命第一優先であることから、まず負傷者を救出し、応急措置を行う」と書かれてあります。
咄嗟のことだったとはいえ、乗客よりも先に逃げてしまった操縦士について、当時日本のテレビメディアでも厳しく糾弾されていたようです。
24か国でのフライト経験を持つ藤田昌彦さんも、TBSの「朝ズバッ!」の中で
「あり得ないですよね。自分の身が大事で降りたんだと思いますけど。あと、残された人は、やるすべがないですよね。何もできない。考えられない」
と、あきれた様子だった。
操縦士が冷静に判断できる人だったなら、被害を最小限に止める手段を講じることができたかもしれません。
「ルクソール熱気球墜落事故」の原因
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事故当日は、火災の発生した熱気球の他にも飛行していた熱気球がありました。
事故を目撃した別の熱気球の操縦士の証言によれば、事故を起こした熱気球は強風であおられてガスタンクとバーナーを繋いでいたチューブが外れ、漏れ出たガスが引火したようです。
なお、火災事故が発生した熱気球の操縦士は、累計2000時間以上の飛行経験を持つベテランパイロットだったということです。
この熱気球墜落事故を重く受け止めたエジプト政府は、専門の調査委員会を立ち上げて、事故原因について詳しく調査し始めました。
そして、事故原因が明らかになるまでは熱気球の運行が禁止になりました。
ちなみに、2010年にも熱気球が強風にあおられてヨーロッパの観光客1名が怪我をするという事故が発生していたようです。
「ルクソール熱気球墜落事故」についてのネットの反応は?
この「ルクソール熱気球墜落事故」について、5ちゃんねるやなんJなどのネットユーザーの間では、以下のように話題にされていました。
8:なんJの森がお送りします2020/05/12(火) 03:34:51.44 ID:mAj53wnO0
焼け死ぬか飛び降りて死ぬか
思い出すだけで心臓バクバクするわ
9:なんJの森がお送りします2020/05/12(火) 03:35:34.32 ID:7rn/nS020
最初飛び降りる人
とっさよ判断力凄いわ
29:なんJの森がお送りします2020/05/12(火) 03:38:50.15 ID:mAj53wnO0
気球が急上昇するシーンが鮮明に残ってるんや
あと少しで地上だったんや
34:なんJの森がお送りします2020/05/12(火) 03:39:41.36 ID:7tcy71uA0
最初の奴が飛んだ10mもめちゃくちゃ度胸あるわ
37:なんJの森がお送りします2020/05/12(火) 03:40:27.32 ID:MvmcEzCua
火が迫って来たら死んでも飛び込むのわかるなー
911もめっちゃ人落ちてた
「ルクソール熱気球墜落事故」の事故映像を見た人の中には、トラウマになってしまった人も少なくないかもしれません。
いざ自分がこうした事故に遭う可能性を考えると、滅多に起こることではないとはいえ、海外で熱気球に乗るのを躊躇してしまいますね。
再発防止に努めてもらい、このような犠牲者が今後出ないことを祈るばかりです。
まとめ
エジプトの古都・ルクソールで発生した、熱気球が墜落して19名が亡くなるという痛ましい事故「ルクソール熱気球墜落事故」についてまとめてきました。
亡くなられた4名の日本人観光客は、年齢からして退職後に夫婦で海外旅行を楽しんでいたのかもしれません。
これからやっと夫婦の時間が増えていくだろう矢先に悲惨な事故に遭われ、本人はもちろん遺族も無念でならないと思います。
亡くなられた4名の日本人観光客を含め、犠牲になったの方々のご冥福を心からお祈りいたします。