アルバート・フィッシュの生い立ち!子供と子孫・事件や手紙の内容・映画化まとめ

アルバート・フィッシュは、世界で最も有名な猟奇的大量殺人犯(シリアルキラー)の1人として知られています

 

ここではアルバート・フィッシュの猟奇的事件の犯行内容や被害者の親に送った手紙、その異常犯罪につながったとされる生い立ち、彼の6人の子供や子孫、名言やこの男をテーマにした映画などについてまとめました。

アルバート・フィッシュは世界で最も有名な猟奇大量殺人鬼の1人

 

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アルバート・フィッシュ(Albert Fish)は世界で最も有名な猟奇大量殺人犯(シリアルキラー)の1人です。

 

アルバート・フィッシュは子供に暴行を加えて殺害し、その遺体を解体して調理して食べるという猟奇的な犯行を繰り返したとされます。

 

警察によってアルバート・フィッシュにかけられた容疑は、5つの殺人についてで、そのうち3つの殺人が立証されています。

 

そして、アルバート・フィッシュは、1910年から1934年にかけて400人以上を殺害したと自供しています。これが事実かは不明ですが、このうちの少なくとも100件ほどがアルバート・フィッシュによる犯行の可能性が高い事が証明されたと言われています。

 

アルバート・フィッシュは「ブルックリンの吸血鬼(Brooklyn Vampire)」という異名の他、満月の日によく殺人を犯したとされる事から「満月の狂人(Moon Maniac)」、また灰色の頭髪や灰色の口髭、全体的に色彩のない印象から「灰色の男(Gray Man)」などの異名で呼ばれ、世界でも最も狂った殺人鬼の1人として現在も恐れられています。

 

アルバート・フィッシュは死刑判決により、1936年1月16日に、電気椅子によって65歳で処刑されています。

 

 

 

アルバート・フィッシュの起こした猟奇事件① グレース・バッドの殺害

 

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1928年、当時58歳だったアルバート・フィッシュは、アメリカニューヨーク州・マンハッタンの当時18歳の青年が出した仕事募集の広告に応じたフリをし、この家族・バッド家を訪れました。

 

アルバート・フィッシュは、当初、この仕事募集広告を出した18歳の青年を殺害するつもりでしたが、この家族に、当時10歳のグレース・バッドという少女がいる事を知ってターゲットをこの少女に変え、両親を信用させた上で「自分の孫の誕生日パーティに招待したい」と偽ってグレース・バッドを連れ出しました。

 

アルバート・フィッシュは、グレース・バッドを、あらかじめ犯行場所して目星をつけておいたウェスト・チェスターの空き家へと連れて行きました。

 

アルバート・フィッシュは、外にグレース・バッドを待たせると、1人空き家の中に入り、2階に上がって全裸になっています。この時、グレース・バッドは外で花を摘んで待っていたようです。

 

そして、アルバート・フィッシュは窓からグレース・バッドに家に入ってくるように呼びかけた後、クローゼットの中に隠れました。部屋に入ってきたグレース・バッドは、クローゼットから出てきたアルバート・フィッシュの全裸姿に驚いて泣き叫び逃げようとしますが、アルバート・フィッシュに捕まってしまいます。

 

アルバート・フィッシュは、噛んだり、引っ掻いたり、蹴ったりして暴れるグレース・バッドを取り押さえて全裸にすると首を絞めて殺害。

 

アルバート・フィッシュはその後、グレース・バッドの遺体をバラバラに解体し、自分の部屋へと持ち込み、その肉をオーブンで焼くなどして食べています。

 

アルバート・フィッシュは、グレース・バッドの全てを食べるのに9日間をかけたといい、逮捕された後、警察の取り調べに、グレース・バッドの肉を人参や玉ねぎなどと煮込んでシチューを作ったことや、それがとても美味だった事などを嬉しそうに自白したと言われています。

 

 

 

アルバート・フィッシュはグレース・バッドの母親に犯行を綴った手紙を宛てた

 

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アルバート・フィッシュの猟奇的殺人が明るみに出るきっかけとなったのは、アルバート・フィッシュが、自らが殺害した少女、グレース・バッドの母親宛てに、その殺人の様子を詳細に綴った手紙を送った事でした。

 

アルバート・フィッシュは、グレース・バッド殺害から6年後の1934年11月に、匿名でこの手紙をグレース・バッドの母親に送りました。

 

手紙の冒頭には、「汽船タコマ(steamer Tacoma)」の甲板員(deck hand)をしていた自分の友人のジョン・デイビス大尉が、中国・香港を訪れた時に食人に目覚めた事、その友人から人肉の美味さを聞かされて、自分も人を食べてみたくなった事などが書かれていました。

 

そして、1928年に「貴方の家(バッド家)」を訪れた際に、そこにいたグレース・バッドを食べる事に決めた事。上でも紹介したグレース・バッドを殺害した時の様子。その後グレース・バッドを解体して調理して食べ、それがいかに美味であったかなどが詳細に綴られていました。

 

グレース・バッドの両親はこの手紙を警察に届け出ました。手紙の差出人は匿名でしたが、封筒に刻印された六角形のエンブレムの中に、ニューヨーク個人運転手慈善協会の頭文字「N.Y.P.C.B.A.」と記されていた事から、警察は差出人(アルバート・フィッシュ)の下宿を割り出す事に成功し、アルバート・フィッシュの逮捕へとつながりました。

 

なお、警察は、手紙に書かれていたジョン・デイビス大尉についても調べていますが、存在を確認できかなったようです。

 

 

 

アルバート・フィッシュの起こした猟奇事件② フランシス・マクドネルの殺害

 

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アルバート・フィッシュの起こした事件のうち、はっきりと立証されているのは、グレース・バッドの事件以外に2件あります。

 

その1つは、1924年7月14日に発生した、当時9歳の少年、フランシス・マクドネルの殺害事件です。

 

彼の遺体は、近くの森林で首を吊った状態で発見され、検死の結果、性的暴行を受けた上、サスペンダーで首を絞められている事がわかりました。

 

この時、フランシス・マクドネルと一緒にいた少年は、灰色の口髭をはやした老人に、フランシスが連れ去られたと証言していましたが、この時には犯人は見つかりませんでした。

 

後にこの事件がアルバート・フィッシュによる犯行と判明した際、アルバート・フィッシュはこの少年の殺害後に彼の陰茎を切り取るつもりだったが、人が近づいてきたため断念して逃走したと供述しています。

 

 

 

アルバート・フィッシュの起こした猟奇事件③ ビリー・ガフニーの殺害

 

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アルバート・フィッシュの起こした中で立証されているもう1件の事件は、1927年2月11日に発生した、当時4歳のビリー・ガフニーが殺害された事件です。

 

ビリー・ガフニーは、2人の兄弟と共にブルックリンのアパートの廊下部分で遊んでいましたが、いつの間にか姿を消し、その後、アパートの屋上で遺体となって発見されました。

 

この時、一緒にいた3歳の弟のビリー・ビートンは、兄のビリー・ガフニーが「ブギーマンに連れられた」と話しています。しかし、この事件もこの時には犯人は捕まりませんでした。

 

その後、アルバート・フィッシュが逮捕された際に、この事件当時、現場近くでアルバート・フィッシュが働いていた事が判明し、さらに、事件当日に老人が泣き叫ぶ子供を連れて路面電車に乗っていた事が目撃されており、その老人が、アルバート・フィッシュの特徴と一致した事などから、この犯行がアルバート・フィッシュによるものと断定されています。

 

 

 

アルバート・フィッシュの名言

 

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アルバート・フィッシュの、グレース・バッドを殺害しシチューにして食べた事を警察に語った際の「うまかったよ。(It was good.)」という発言は、名言として世界の犯罪者マニアの間でよく知られています。

 

 

 

アルバート・フィッシュの生い立ち① 精神疾患の多い家系に生まれる

 

アルバート・フィッシュが猟奇的犯行に及んだのには、その生い立ちが深く関係していると言われています。ここからはアルバート・フィッシュの生い立ちを見ていきます。

 

アルバート・フィッシュは、1870年5月17日に、アメリカ・ワシントンD.C.で4人兄弟の末っ子として生まれました。父親のランドール・フィッシュはイギリス系アメリカ人で、当時75歳の高齢、母親のエレン・ハウエルはその43歳年下の32歳でした。

 

アルバート・フィッシュは、ハミルトンと名付けられましたが、後に孤児院に預けられた際に、その名前をもじって「ハムアンドエッグ」と揶揄された記憶に嫌気がさし、10代の頃に「アルバート」に改名しています。

 

アルバート・フィッシュの家系は、精神疾患に悩む者が多い家系で、母親のエレンは幻覚妄想(統合失調症か)に悩まされ、兄弟達も精神病を患い(1人は精神病院に閉じ込められている)、叔父のボルトン・フィッシュも躁病を患っていたとされます。

 

 

 

アルバート・フィッシュの生い立ち② 孤児院に預けられマゾヒズムに覚醒

 

アルバート・フィッシュが5歳の時、父・ランドールが老衰で亡くなりました。その後、アルバート・フィッシュはワシントンのセントジョーンズ孤児院へと預けられます。

 

アルバート・フィッシュは、9歳の頃までこの孤児院におり、この孤児院では事あるごとに容赦無く鞭で叩かれたと後に語っています。

 

この鞭打ちの体罰は、孤児院の子供らにとって恐怖の象徴でしたが、アルバート・フィッシュはこの鞭打ちに快感を覚えるようになったと語り、自分はこの孤児院の中で唯一鞭打ちを楽しみにしている子供だったと述懐しています。

 

アルバート・フィッシュは、この孤児院での虐待的鞭打ちによってマゾヒズム、そしてサディズムに目覚めたと考えられています。

 

 

 

アルバート・フィッシュの生い立ち③ 少年期に様々な性癖に目覚める

 

アルバート・フィッシュは、その後母親が職にありつけた事からようやく孤児院から退院し、再び母親と暮らし始めています。

 

12歳になったアルバート・フィッシュは、同世代の郵便配達員の少年と同性愛関係になり、また、彼との交際を通じてスカトロ(飲尿・食糞)行為にも目覚めています。

 

さらに、この頃のアルバート・フィッシュは、少年らの裸を見るために公衆浴場に通っていたようです。

 

また、アルバート・フィッシュは、10代後半から20代前半にかけて、多くの少年を襲ってレイプしていた事なども後に語っています。

 

 

 

アルバート・フィッシュは結婚し6人の子供がいた

 

様々な異常性癖を持ってアルバート・フィッシュでしたが、1898年に母親の手配した見合いによって9歳年下のアンナ・メアリー・ホフマン(Anna Mary Hoffman)という女性と結婚しています。

 

そして、アルバート・フィッシュはこのアンナとの間に6人の子供を儲けています。

 

この子供の1人が語ったところによれば、アルバート・フィッシュから暴行を受けた事はなかったが、時折、釘を打ち込んだ板で自分を叩くように頼まれたそうです。

 

その後、アルバート・フィッシュはアンナと離婚していますが、それからも遊びに来た子供に、鋲などを打ち付けた板で、自分の尻を叩くよう頼む事があったそうです。

 

 

 

アルバート・フィッシュの子孫

 

アルバート・フィッシュには6人もの子供がいたため、その子孫が現在も存続している可能性は極めて高いと思われますが、アルバート・フィッシュの子孫についての情報は、英語の資料などを含めても一切見つかりません。

 

アルバート・フィッシュが歴史に残る異常犯罪者として世界的に知られている事から、その子孫達は、この男との血のつながりを隠していたのではないかと考えられます。

 

 

 

アルバート・フィッシュを描いた映画「The Gray Man」

 

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2007年にアメリカで公開されたスリラー映画「The Gray Man」は、アルバート・フィッシュの猟奇的な犯行や、なぜ、この男が猟奇殺人犯になったのかなどをテーマにした映画です。

 

アルバート・フィッシュの役をベルギー人俳優のパリック・ボーショーが、グレース・バッドの役を当時子役だったアメリカ人女優のレクシー・エインズワースが演じています。

 

このアルバート・フィッシュの映画「The Gray Man」はアメリカでは高い評価を受けましたが、残念ながら日本では公開されておらず、字幕版や日本語吹き替え版も現在のところ制作されていません。

 

 

まとめ

 

今回は、世界で最も有名な猟奇殺人鬼の1人であるアルバート・フィッシュについてまとめてみました。

 

アルバート・フィッシュは、子供を中心に約400人を殺害された疑いが持たれており、そのうち3人の殺害が立証され、100人の殺害も事実である可能性が高いとみられています。また、殺害後に遺体を食べたと本人が供述しており、その猟奇性でも恐れられています。

 

アルバート・フィッシュは、精神疾患の多い家系に生まれ、孤児院に預けられた際の鞭打ちをきっかけけに異常性癖に目覚めたという生い立ちを持ち、これが後の猟奇的犯行につながったと考えられています。

 

アルバート・フィッシュは逮捕後に死刑判決を受け、65歳でこの世を去っています。

 

現在もアルバート・フィッシュは世界で最も有名なシリアルキラーの1人として注目を集めており、2007年にはこの男をテーマにした映画「The Gray Man」が公開され話題を集めました。

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