長い首に金の輪をつけている姿が特徴の首長族ですが、なぜ首輪をつけているのか、首長族の女性は美人揃いだと話題です。
今回は首長族について、首輪をする理由、男性は首輪をするのか、レントゲン写真や美人が多い噂をまとめました。
首長族とは
首長族とは、タイ北部のメーホンソーン県やミャンマーのシャン州やカヤン州に住んでいる民族で、女性は首に金色の首輪を巻いて、首が非常に長いことが特徴です。
首が長いことが観光客にとっては物珍しいため、観光資源になっており、首長族が住んでいるタイ北部のチェンマイやチェンライの村などは観光化されています。
「首長族」とは正式名称ではなく、自称は「カヤン族(Kayan People)」という民族名です。生活様式はカレン族に似ているため、カレン族の支族とも言われています。
起源はチベット系と言われていて、チベットから中国の雲南省に移動し、そこから東南アジアの山間部に住み着いたと考えられています。
首長族の人口は?
首長族の人口は、タイとミャンマー合わせて30,000人~40,000人程度と推計されています。
しかし、どこからどこまでが首長族なのか(カヤン族)なのかがはっきりしませんし、タイとミャンマーの国境を無許可で行き来していることも多いようです。
さらに、タイ北部やミャンマーには無国籍の人たちがいますので、首長族の詳細な人口は把握できていない状況です。
首長族の食事は?
首長族は半農半狩猟で生活しています。主食は米であり、豚や鶏肉、さらにはモグラやセンザンコウなども食べます。
唐辛子やハーブを多用した料理が特徴です。
首長族の宗教は?
首長族は、シャーマンが吉兆を占うアニミズム(精霊信仰)を信仰しています。
ただ、近年は首長族の宗教が変わってきていて、ミャンマーでは政府に対抗するためにキリスト教に改宗する首長族が増えています。
そして、タイでは他のタイ人と同じように上座部仏教を信仰している首長族も増えているんです。
首長族の首輪はどうなっている?
出典:fnn.jp
首長族は首に金色の首輪をつけています。金色の首輪は真鍮(銅と亜鉛の合金)製です。
首輪は長い1本の真鍮をぐるぐると首に巻いていくことになります。
そのため、「1段分だけ外す」、「1段増やす」ということはできず、もっと首輪を長く巻くためには、一度首輪を全部外して、もっと長い首輪を巻きなおす必要があります。
この首輪は真鍮製ですから、決して軽いものではなく、3~5キロはあります。
首輪は基本的に外すことはありませんので、首がかゆくなったら、棒のようなものを隙間から差し込んで、首を掻くとのことです。
また、首長族は首輪を外したら首の骨が折れてしまう、という都市伝説的な噂がありますが、それはあくまで都市伝説です。
いくら首が長いからといって、首輪を外したら首の骨が折れるということはありません。
首長族の首輪は男性はつけない
首長族は全員が首輪をつけて、首を長くするわけではありません。男性は首輪をつけません。だから、首長族の男性は首が長いわけでも、首輪をつける習慣があるわけでもありません。
外見的には、ごく普通のタイ人・ミャンマー人と同じで、首長族(カヤン族)以外と区別がつかないんです。
首長族の中でも首輪をつけているのは、女性だけになります。女性は5歳ごろから首輪をつけ始めることが多いようです。
首長族はなぜ首輪をつける?
出典:reddit.com
首長族の女性はなぜ首輪をつけているのでしょうか?なぜ首を長く見せようとするのでしょうか?
首長族は現在こそビルマ文字を使用していますが、元々は文字を持たない民族でしたので、歴史的なことは口頭伝承のみになり、きちんとした史実はわかりません。
そのため、首長族の女性がなぜ首輪をつけて、首を長く見せているかは明確にはわかっていないのです。
口頭伝承(言い伝え)による理由
出典:pandabus.com
口頭伝承によると、首輪をつけて首を長く見せているのは、次の3つの理由があるとされています。
2.昔、トラに襲われてカヤン族の村人の多くが死んだ。カヤン族(首長族)はこれを精霊の仕業だと思い、女性が首輪をはめる儀式を行って、精霊が鎮まるように祈った
3.昔のカヤン族は金を多く所有していて、それが原因でカヤン族同士でいさかいが起こってしまった。もう2度といさかいを起こさないために、カヤン族の女性が金の首輪を巻くことで「戒め」とした
現代で考えられている理由
出典:ab-road.net
首長族の女性が首に首輪を巻く理由は、口頭伝承以外にもいろいろと考えられています。
2.女性は首が長い方が美しく見えるという美的価値観がある。
観光収入を得るための理由
現代の首長族の女性が首輪をつけるのは、違う理由もあります。その理由とは、収入のためです。
実は、現代の首長族の女性は、「邪魔だから」とか、「変だから」などの理由で、首輪をつけない人も増えてきています。
確かに、首輪を24時間365日つけているのは、日常生活で制約が出そうですよね。
ただ、1度は自分で首輪をしないことを選択したのに、また大人になってから首輪をつけることを選ぶ首長族の女性もいるんです。その理由は収入のためです。
首長族は、外見的にとてもユニークで、他の民族・他の国民にはない特徴を持っています。
そのため、世界各国から「一目で良いから首長族を見てみたい!」「首長族の女性と写真を撮りたい」と思う観光客が多く訪れるんです。
観光客のために、タイの代表的な観光地であるチェンマイやチェンライには観光用の首長族の村があり、毎日多くの観光客が訪れ、その村を訪問するためのツアーもあります。
この観光用の首長族の村で生活すれば、収入は確保できますし、観光業者からは「首長手当」と呼ばれる給料が毎月支払われます。
良い仕事を得ることが困難な首長族の女性の場合、収入を得るために、首輪を巻いて、観光用の首長族の村で生活することを選ぶ人もいるんです。
これは、観光立国であるタイで特に顕著になっています。この現状を「人間動物園」と批判する声があるのは事実です。
自ら進んで、100%自らの意志で観光化された首長族の女性の場合、何も問題はないでしょう。
しかし、半強制的に首輪を巻き、観光化された村に住まなければいけない場合、もしくはそれ以外に選択肢がないという場合は「人間動物園」と言わざるを得ないと言えるでしょう。
実際に、難民として第三国に移住を希望する首長族の女性は少なくないようです。
「観光の仕事と収入 VS 人権」「伝統の維持 VS 現代文明」「民族・部族としての方向性 VS 首長族1人1人の意見」。これらのバランスを取るのは、非常に難しいことなのかもしれません。
ただ、首長族の人たちの意向をできるだけ汲んだ方向にできると良いですよね。
首長族のレントゲン写真を紹介 【なぜ首が長い?】
首長族の女性は、首輪を巻くことで首が長くなっているように見えます。確かに、首長族の女性は首がとても長いですよね。
これは、首輪を巻くことで首が長くなっているのでしょうか?人間は首輪を巻けば、首は長くなるのでしょうか?
その答えは、首長族の女性のレントゲン写真を見ればわかります。首長族の女性のレントゲン写真はこちらです。
確かに首が長いように見えます。
でも、実はこれは首が長いわけではないんです。肩の位置が下がっていて、「超なで肩」になっているだけで、首が長くなったように見えるんです。
普通の肩の位置の人のレントゲンと見比べてみましょう。
普通の人の鎖骨は、体の中心から肩に向かって、斜め上に向かっています。でも、首長族の女性のレントゲン写真を見ると、鎖骨が中心から斜め下に向かっていることがわかります。
首長族の首輪は3~5kgはあると言われています。それを首の下から上までギリギリに巻いていると、顎は上に押される形になりますので、顎は平たんになりやすくなります。
そして、常に約5kgが両肩に乗っているので、肩がその重みで少しずつ下がってきて、首が長く見えるようになるんですね。
だから、首が長くなるのではなく、肩が下がることで首が長く見えるんです。
首長族の女性は美人揃いだと話題に
首長族の女性には、美人が多いとの評判です。
タイはもともと目鼻立ちがはっきりした人が多いですが、首長族はタイのはっきりした顔立ちにチベット系のあっさりとした顔立ちが混ざっています。
そのため、美人が多い民族であると言われています。特に、彫が深すぎない所が、日本人好みなのかもしれません。
出典:jtcbkk.com
出典:pinterest.jp
確かに、美人が多いですよね。しかも、「ハッとするような美人」「超高嶺の花」というわけではなく、どこかホッとするような美人、親しみやすさを感じる美人が多いようです。
まとめ
首長族の基本的な情報や首輪をする理由、男性は首輪をするのかどうか、首長族のレントゲン写真や美人が多いという噂の真偽などをまとめました。
・女性だけが首に真鍮の首輪を巻き、男性にはその習慣はない
・首長族が首輪を巻いて首を長くする理由には諸説ある
・首長族は観光化して見世物になっているのが人権問題になっている
・レントゲン写真によると、首が伸びたのではなく、肩が下がったから
・首長族の女性は美人が多い