ソニービーン一族は実在?嘘?洞窟での人喰い事件・逮捕と死刑の経緯・末裔も総まとめ

洞窟で人肉を喰らい、近親相姦で大家族を形成していたというスコットランドのソニービーン一族。

 

今回はソニービーン一族が起こした事件の経緯と真相、一族全員が死刑になるも末裔が存在する可能性、創作か実在かもまとめました。

 

ソニービーンの一族が起こした禁断の「人喰い事件」とは

 

ソニービーンについて

 

出典:https://twitter.com/

洞窟の前にたたずむソニービーン

 

彼の奧には人間の足を両手に持った妻らしき女性が描かれています。

 

ソニービーンは、14世紀から15世紀頃のスコットランドの実在した人物と言われています。

 

世俗との一切の交流を絶ち、洞窟に隠れ住みながら、通りかかった人間を殺害し、その肉を食べながら生き延びていたという伝説的な殺人鬼です。

 

さらに、25年以上にも及んだ洞窟での人喰い生活の中で、ソニービーンは近親相姦を重ねていたようです。

 

息子8人娘6人、さらに18人の孫息子と14人の孫娘をもうけ、人肉を喰らって生きる恐怖の一族は、なんと総勢48人の大家族となり、最終的な被害者は1,500人以上に及ぶとの説も…。

 

 

出典:https://anilbalan.files.wordpress.com/

 

そこで今回、そんなソニービーン一族が長年繰り返していた、禁断の人喰い伝説について、事件の経緯や犯行が露見し一族が処刑されるに至った顛末、そして事件の真相をまとめてみました。

 

 

 

ソニービーンの一族の人喰い事件が伝説として広まった経緯

 

ソニービーン一族の伝説は、18~19世紀にかけて出版された監獄の犯罪カタログ「The Newgate Calendar」に掲載されたものが広く出回り、これを参考に紹介されることが多いようです。

 

 

出典:https://www.pazzobooks.com/

 

ただ、ソニービーン一族について最初に取り上げた書籍は、1843年にジョン・ニコルソンなる人物による著書「ローランドの昔話」とされています。

 

この本の記述がドロシー・セイヤーズによる「発見、謎、恐怖の短編小説」に掲載され、これが英国でベストセラーになったことで一気に広まったとも言われています。

 

ちなみに、現在、大ヒット中の漫画「進撃の巨人」に登場する2体の巨人、“ソニー”と“ビーン”の元ネタにもなったことでも話題になりました。

 

 

出典:https://vod-halloffame.com/

 

 

出典:https://twitter.com/

4m級のこいつは「ソニー」

 

 

出典:https://twitter.com/

7m級のこいつは「ビーン」と名付けられました

 

 

 

明らかに「ソニービーン」が元ネタになっていることがわかります。

 

 

 

ソニービーンが洞窟で“人喰い一族”を形成していった経緯

 

ソニービーンが妻と出会ってバナーン・ヘッドの洞窟で暮らし始めるまで

 

スコットランドのイースト・ロージアンで、14世紀後半に生まれたとされるソニービーン。その子供時代は悲惨で過酷なものでした。

 

 

出典:https://jp.123rf.com/

スコットランドのイースト・ロージアン

 

農業群落の中で、溝掘り作業や廃棄物処理などの肉体労働に従事する父親の稼ぎによって、何とか食いつなぐ非常に貧しい家庭に生まれたソニービーン。

 

当然、ビーンも物心ついたころから、父親の仕事を手伝わされていましたが、もともと怠惰な性格だったこともあり、父親の暴力により労働を強要されていました。

 

やがて、そんな生活に嫌気が差したソニービーンは、遂には群落の一員として働くことを拒否。

 

そして、同じ頃に知り合った性悪なあばずれ女・アグネス・ダグラスと意気投合し、2人は逃げるように群落から離れていきました。

 

やがてソニービーンとアグネスは、現在のサウス・エアシャー付近にある、バナーン・ヘッドの海岸にある満潮時には入り口が海面下に隠れる洞窟を発見し、定住するようになりました。

 

 

出典:http://4.bp.blogspot.com/

ソニービーンが住んでいたという洞窟

 

しかし、元来怠惰な性格の2人は、日々の生活の糧を得るために労働をしようとはさらさら考えず、ただただ安直に付近を通りかかった旅人を襲って金品を奪うことで生活を立てていました。

 

そして、自分たちの存在や犯行が世間に露見することを恐れたソニービーンとアグネスは、襲った相手は必ず殺害し、遺体を洞窟に持ち帰る…という決め事を作ったのです。

 

 

ソニービーン夫婦は生きるために死体を喰べ始める

 

当初は、旅人を襲って得たお金で食料品などを購入していたソニービーンとアグネスですが、たまに付近を通りかかる旅人を襲うだけでは十分なお金を確保することができませんでした。

 

かといって盗んだ品物を近場の村で売ると、たちまち足が付いてしまいます。やがて飢えに耐えかねたアグネスが、次のようにソニービーンをそそのかしたと言います。

 

「カニバリズムがすべてを解決してくれる」

 

ちなみに「カニバリズム」とは…

 

カニバリズム(英語: cannibalism)とは、人間が人間の肉を食べる行動、あるいは習慣をいう。 食人、食人俗、人肉嗜食ともいう。

 

引用:カニバリズム – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/

 

 

出典:https://ja.wikipedia.org/

 

そんなアグネスは魔女で、ソニービーンと出会う前から魔女の儀式の一貫で人肉を食べていた経験があり、「カニバリズム」に対する恐怖や抵抗、罪悪感すら無かったと言われています。

 

もともと犯行が発覚しないように、襲った旅人の遺体を必ず洞窟に持ち帰っていた2人。

 

あとはその遺体を解体し、食べれる分は食べ、残ったものは干物にしたり、塩漬けにしたりと長期保存する技術を身に付けていったと言います。

 

 

ソニービーンが洞窟の中で48人の人喰い一族を創っていった過程

 

こうして一番の問題だった飢えから逃れ、安定的な生活が送れるようになったソニービーンとアグネス。もともと性欲が旺盛だった2人は、8人の息子と6人の娘をもうけました。

 

誕生した子供たちも両親同様に世間とは一切関わらず、薄暗い洞窟の中で一族そろって人肉を喰らう…という異様な環境下で育てられたのです。

 

 

出典:http://i.ytimg.com/

 

もちろん通常の教育は全く受けておらず言葉も満足に話せませんでしたが、成長するに従い、自分たちの食いぶちを確保するため、何の疑問もなく旅人殺しを手伝うようになっていきました。

 

やがて、旅人を取り逃すことがないよう、見張りなどの役割分担をしながら狩りを行う殺人集団を形成するとともに、遺体を効率良く解体し食糧として長期保存する技術も学んでいきました。

 

こうして組織的に行動し始めた子供たちを見たソニービーンは、「多ければ多いほど良い」と考え、さらに一族を増やすべく子供同士で性交渉を行うように促しました

 

その結果、子供達は近親相姦を繰り返し、ソニービーンとアグネスの6人の娘たちは、18人の男子と14人の女子を産んだと言います。

 

こうしてカニバリズムで生きる恐怖のソニービーン一族は、最終的に3世代に渡る総勢48人の大家族となったのです。

 

 

出典:http://torendo12.seesaa.net/

 

 

ソニービーンの一族はただ人喰いを続けるために組織的な犯行を繰り返していた

 

ソニービーン一族は大所帯になった後も、優れたチームワークを発揮し、決してその犯行や存在すら世間に知られることはありませんでした。

 

と言うのも、彼らはターゲットとする旅人の人数を5人以下に定め、相手がどの方向に逃げたとしても対処できるよう、あらゆる逃げ道に一族を配置するなどの対策をとっていたからです。

 

 

出典:https://bunshun.jp/

 

そのため、ソニービーン一族に襲われて生還した者はただの1人もおらず、ギャロウェイ海岸一帯で失踪事件が多発することが知られるようになっても、彼らに気が付く者はいませんでした。

 

その後も、一族が生きていくためだけに、約25年間もの長きに渡って殺人を重ねていたソニービーン一族。

 

最終的に、彼らによって殺害され、食べられた人間の数は、実に1,500人以上に及ぶとも言われています。

 

 

 

ソニービーンの一族の犯行が発覚した経緯と逮捕時の状況

 

そんなソニービーン一族の犯行が発覚したのは、1430年頃のことでした。

 

1頭の馬に乗って通りかかった夫婦を襲ったソニービーン一族。

 

妻の方はすぐに馬から引きずり下ろして殺害するも、夫は足などをかじられながらも必死に抵抗し、馬に乗ってそのまま逃走。

 

 

出典:https://twitter.com/

 

逃げ道に待ち伏せていた者達も、疾走する馬を簡単に止めることができず、もみあっていたところに、大人数の別の集団が見えたため、一族はそのまま諦めて撤退せざるを得ませんでした。

 

ソニービーン一族の魔の手から逃げ延びた唯一の男が、グラスゴーの役所に訴え出たことで、遂にソニービーン一族の凶行が発覚することになります。

 

この件は、すぐに当時のスコットランド国王ジェームズ1世に報告され、事態を重く見た国王は、すぐに400人の武装した兵を事件現場に向かわせ、付近の探索を命じたのです。

 

一方のソニービーン一族は、居住していた洞窟の奧に息をひそめて隠れていましたが、異様な臭いをかぎつけた猟犬によって、あっけなく発見されてしまうことに…。

 

ソニービーン一族発見時の具体的な状況は次の通りです。

 

洞窟に乗り込んだ兵隊は強い吐き気に襲われた。鼻にツンとくるすえた臭いと腐敗物の臭いとが混じり、耐え難い悪臭が充満していたからだ。洞窟の中には乾燥させるため上から吊るされた無数の人肉の下に、煌びやかな宝石や髪留めなどが散乱し、何とも異様な光景が広がっていたという。

 

引用:【近親相姦48人】ソニー・ビーン! 現代でも語り継がれる、禁断の人喰い伝説とは? https://www.excite.co.jp/

 

 

出典:https://mnsatlas.com/

 

 

 

ソニービーンの一族全員が死刑になるも末裔が存在する可能性も…

 

その後、兵隊に捕獲されたソニービーン一族は、全員がチェーンで繋がれてスコットランドの首都エディンバラに連行されました。

 

ソニービーン一族の犯行は極めて邪悪で、非道的であるとして裁判すら行われず、即刻全員に死刑が宣告されました。

 

 

出典:http://www.capitalpunishmentuk.org/

 

一族のうち、男たちは両腕両脚を斧で切断され、失血死するまで放置。そして女子供は男たちが処刑される様子を見せられた後、火あぶりの刑に処せられたと言います。

 

ただ、誰一人として命乞いをしたり、恐怖や自責の念を表す者もなく、それどころか絶命する間際まで、刑を執行する兵に対して噛みつくように罵声を浴びせ続けていたと言います。

 

そして、一族の長であるソニービーンは、息絶える最期の瞬間まで次のように叫び続けていたと伝えられています。

 

「これで終わりだと思うなよ。終わりなんて来ないんだからな」

 

その後、兵に捕らえられ実際に処刑されたのは「46人」だったことが、関係者らの証言でわかったのだとか。

 

つまり、逮捕時にたまたま洞窟にいなかったのか、洞窟の奧に隠れたのかは不明ですが、2名が捕まることなく逃げ延びたことになります。

 

そして、もしもその2人が男と女だったとしたら…ソニービーン一族の呪われし血を脈々と受け継いだ末裔が現在も存在する可能性が…。

 

 

 

ソニービーンは実在していた?それとも創作?ソニービーン事件の真相

 

同時代の公文書や書簡、出版物などにソニービーン事件の痕跡が見当たらない

 

このソニービーン事件は、スコットランドでは現在も伝説として語り継がれているお話で、今も多くの人々がソニービーンは実在した人物だと信じていると言います。

 

しかし、多くの歴史家はソニービーン一族と彼らの起こした事件が、同時代の公文書や書簡、日記、出版物などに一切登場しない点を指摘しているんですよね。

 

 

出典:https://www.intriguing-history.com/

 

つまり、ソニービーン事件は史実に基づかない創作されたものであると主張しているわけです。

 

 

記録がないのはスコットランド王朝が全て抹消し、封印したからとの説も

 

ただ、公的な記録や資料が残っていないからと言って、それが創作=作り話であると、安直に結論付けて良いものなのでしょうか?

 

 

出典:https://ja.wikipedia.org/

スコットランド国王ジェームズ1世

 

公的な記録が残っていないのは、そのあまりの残虐性や非人道性を重く見たスコットランド王朝が、ソニービーン一族に関する全ての記録を抹消・封印したためとする説も根強いようです。

 

実際、ソニービーン一族がいた時代の新聞や日記などの歴史的な文献から、何百人も絶え間なく失踪していたと、2005年のショーン・トーマス氏による最新の研究結果も出ているようです。

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

薄暗い洞窟の中で人肉のみを喰らい、近親相姦を繰り返した挙げ句、遂には48人もの大家族を形成していたというスコットランドの伝説、ソニービーン一族。

 

そんなソニービーン一族が起こした事件の経緯と真相、一族全員が死刑になるもソニービーンの末裔が存在する可能性、そもそも創作か実在かといった話までを総まとめしてみました。

 

あなたはソニービーンは実在した思いますか?それともよく出来た作り話だと一笑に伏すことができますか?

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