鬼怒川氾濫の死者・被害のまとめ

2015年9月9日～11日にかけて関東地方から東北地方にかけて、集中豪雨がありました。その集中豪雨で水量が増したことで、鬼怒川が氾濫し、多大な被害が出ました。

2015年9月9日は台風が通過したわけではありません。でも、日本海で温帯低気圧に変わった台風19号からの温かい風と、太平洋にある台風17号からの湿った風が日本列島上でぶつかり、南北に連なる雨雲が発生しました。

この雨雲によって、栃木県の各所で24時間雨量で400ミリ以上の豪雨が観測され、栃木県と茨城県で大雨特別警報が出されることになります。

栃木県・茨城県を流れる鬼怒川の水量は一気に増え、堤防が決壊しました。

鬼怒川氾濫での死者は14名

鬼怒川氾濫での死者は14名と発表されています。

鬼怒川氾濫での死者は14名ですが、鬼怒川氾濫の直接的な原因となった豪雨による死者は、栃木県・茨城県・宮城県の合計で20名となっています。

鬼怒川氾濫での被害

鬼怒川氾濫は大きな被害をもたらしました。まずは、鬼怒川の場所と氾濫で堤防が決壊した場所を確認しておきましょう。

鬼怒川は栃木県から茨城県にかけて北から南に流れる川で、利根川に合流します。利根川に合流する前に茨城県の常総市を流れますが、そこで堤防が決壊しました。

表現は悪いですが、見事に堤防が決壊しているのがわかります。鬼怒川の氾濫によって堤防が決壊し、川の水が住宅地に流れ込みました。

この場所は茨城県常総市三坂町の堤防です。この堤防が決壊したことで、次のような被害が出ました。

常総市の人口は約60,000人。それを考えると、この鬼怒川氾濫での被害がいかに大きかったかがわかると思います。

さらに、鬼怒川氾濫だけでなく、この2015年9月9日～11日の豪雨全体での被害は次の通りです。

死傷者は100名以上、建物全半壊は7,000棟以上、床下・床上浸水は15,000棟以上という深刻な被害をもたらした災害だったんです。

鬼怒川氾濫での生存者の救助がすごい「へーベルハウス」「電柱おじさん」「犬」

鬼怒川氾濫ではたくさんの人が消防・警察・自衛隊に救助されました。

この写真のように、車の上やトラックの上に立って、救助を待つ人たちが続出しました。鬼怒川氾濫によって、それだけ短時間で一気に浸水してきたということだと思います。セブンイレブンのトラックの運転席まで浸水するというのは、日常生活内では起こりえないことですよね。

自衛隊の神判断で生存者を救出！

出典：i.imgur.com

この写真では、次の人たちが救助を待っています。

この写真の左上の2階建ての木造住宅の2階で救助を待つ住人と電柱おじさんのどちらを先に救助すべきか？素人判断だと、電柱おじさんの方が危険度が高いように思います。

でも、自衛隊は木造住宅の住民を先に救助しました。その様子をテレビで見ていた視聴者は、「電柱おじさんの方が優先度高いだろう！」と騒ぎましたが、すぐに自衛隊の判断が正しかったことを思い知らされます。

なぜなら、木造住宅の住民を救助した後すぐに、その住宅は濁流にのみ込まれていったからです。

その時点で、電柱おじさんはまだ電柱にしがみついたままですが、まだ無事です。もし、電柱おじさんの救助を優先させていたら、木造住宅の住人は助からなかったでしょう。

鬼怒川水害。電柱おじさんの映像はよく報道されるが、救助に行った自衛隊が先に上流の家の住人を助けた映像は流さないね。
あの判断は、まさに神懸かり。水に浸かったおじさんより先に住人を助けた直後、その家が壊れて流された。あの判断は改めて思い出してもすごすぎる。

— 清水文化@Kindle版気象精霊記発売中 (@Fumika_Shimizu) December 29, 2015

@TVakatuki @JPNG5 リアルタイムで見てたけど電柱おじさんよりも先に屋根の人を救助してたのは本当に凄い判断だと思った

— オル (@Ornity_L) September 12, 2015

電柱おじさんも無事に救助

出典：matomake.com

この画像左で電柱にしがみついている男性は、この極限状態の中で救助を待つ姿が視聴者をくぎ付けにし、「電柱おじさん」と呼ばれるようになります。

救助のヘリコプターが来たとき、視聴者は電柱おじさんが先に救助されると思っていたものの、木造住宅の住人が先に救助されたことで、「電柱おじさんはどうなるの？」とハラハラ＆ドキドキして、救助の様子を見守っていました。

電柱おじさんが無事に救助された様子を見て、視聴者はホッとしたのと同時に、自衛隊へ賞賛の声が相次ぎました。

電柱おじさん助かったー。 pic.twitter.com/wBO9JPxdGq

— マツモトケイジ (@keizi666) September 10, 2015

例の電柱おじさんを救出したのは、御嶽山でも注目された北宇都宮駐屯地所属第12ヘリ隊のUH-60JAです。駐屯地公開で凄まじい機動飛行中の姿、魂のマーキングと言いかっこいいわぁ。 pic.twitter.com/FNGtyijhch

— 関東土木保安協会 (@kanto_ce) September 10, 2015

犬も一緒に助けた自衛隊の神対応が話題に！

次に、自衛隊が助けたのはヘーベルハウスの家にせき止められている状態の家の屋根で犬2匹と一緒に救助を待つ夫婦です。

一般的にこのような災害での緊急時の救助は「人命優先」なので、犬は一緒に救助されないこともあります。実際に、新潟県中越地震の時はペットの犬は救助できないこともありました。その時のエピソードは、「マリと子犬の物語」として映画化されています。

でも、自衛隊は夫婦と一緒に柴犬2匹を一緒に救助したんです！

この時、自衛隊は犬も一緒に救助しました。「人命が最優先なのに、犬も一緒に救助するなんて！」という声も上がりましたが、犬も一緒に救助したことに対しては「さすが自衛隊！」と賛同する意見が多かったです。

鬼怒川救助、自衛隊さん、犬も一緒に助けてくれてありがとう。なでてくれてありがとう。 pic.twitter.com/vG7TVcWoei

— hatoko (@pigeon811) September 10, 2015

@fukuda320 人命優先とはいえ、咄嗟に屋根にワンちゃん達を連れて避難した飼い主さんの心情に配慮したあの自衛隊員の英断ですね。

— マムゴリラ (@mom_gorilla) September 10, 2015

鬼怒川氾濫で注目のヘーベルハウスのその後

鬼怒川氾濫で注目されたのはヘーベルハウスです。鬼怒川氾濫によって、ヘーベルハウスに勝算が集まりました。

鬼怒川氾濫からたくさんの命を救ったヘーベルハウス

この鬼怒川氾濫から6人と2匹の命を救ったのは旭化成のヘーベルハウスです。

鬼怒川氾濫でヘーベルハウスの頑強さに注目が集まる

鬼怒川氾濫で6名＋2匹の命を救ったヘーベルハウスは、頑強さに注目が集まりました。

濁流にのみ込まれて、ほかの家は次々流れていくのに、ヘーベルハウスは全く壊れることもなく、その形を完全に残したままとなりました。もちろん、浸水はしていますが、それでも住宅はびくともしていません。

災害に強いヘーベルハウス！と話題になりました。

鬼怒川の白い家ことヘーベルハウス、災害から守ってくれるご利益のあるへーベル神社として信仰の対象になってもおかしくないでしょ…。ドアの隙間とかに小銭を挟んで行く地元民、絶対いる…。

— 高 史明(TAKA, Fumiaki) (@Fumiaki_Taka) September 14, 2015

鬼怒川の堤防決壊の件で流されずに残ってる白い一戸建ての建物を見て元大工の父が一言「ヘーベルハウスは鉄骨だからかなり地中深くまで固定してるしそら強いわ」と。

凄いなほんとあれ

— ほろ雪 (@BristolShubun) September 10, 2015

鬼怒川氾濫でヘーベルハウスの評価が急上昇！

鬼怒川氾濫でこのヘーベルハウスは注目され、災害に強いし頑健であることが話題になり、翌日から旭化成の株価が急上昇しました。

「家を建てるなら、ヘーベルハウスが良いかも！」と思う人が続出し、旭化成のヘーベルハウスにとってはこの上ない宣伝になったんです。

洪水に飲まれて他の家が次々流されていく中、最後まで残ってた白い家がヘーベルハウス製だと分かり急騰する旭化成株 pic.twitter.com/TR8c2MYAGG

— Bandol@引退しても鈴谷提督 (@bandol16049243) September 10, 2015

鬼怒川氾濫のその後のヘーベルハウスは・・・？

鬼怒川氾濫でヘーベルハウスは有名になりましたが、その後はどうなっているのでしょうか？

鬼怒川氾濫で有名になったヘーベルハウスの家は、2016年3月に修繕が終了して、そのまま住み続けているそうです。

この写真を見ると、ヘーベルハウスが本当にすごい家だったことがよくわかりますね。

鬼怒川氾濫のその後と現在

鬼怒川氾濫のその後と現在を見ていきましょう。

舛添知事が辞任に追い込まれる

このスクープがあったのは2016年5月のことですが、公用車で湯河原の別荘に向かっていた。しかも災害で東京都職員が危険を顧みずに救助にあたっていた時に、公用車で別荘に行くということで批判が集中し、結果として辞任に追い込まれることになりました。

鬼怒川氾濫の原因は人災として国を相手に提訴

この鬼怒川氾濫が起こる前から、地域住民は水害の危険があるとして、そのことを苦にに指摘していました。でも、国はその訴えを取り上げることなく、無視していました。その結果、鬼怒川氾濫が起こってしまったんです。

何と、堤防が決壊した部分は、きちんとした堤防がなかったとのこと。

若宮戸地区には自然の堤防となっている砂丘林があるだけで、本来国がつくるべき堤防がありませんでした。しかも、ソーラー発電の業者が、砂丘林を掘削して、無堤防状態になっていました。にもかかわらず、国は十分な対応を取りませんでした。そこから洪水が流れ出たのです。

 

引用：14人死亡の鬼怒川氾濫、国は危険性を認識しつつ放置…住民の対策要求を何度も無視

2018年になっても国は国の責任を認めようとしないため、常総市の住民30人は国を相手にして、約3億3500万円の損害賠償を起こしています。

堤防は完成！

鬼怒川氾濫で堤防は決壊しましたが、その部分の堤防は鹿島建設と大成建設にによって、無事復旧され完成しています。そのため、ひとまずは茨城県常総市の水害の危険性は、現在の時点では低くなっていると言って良いでしょう。

水害は続く・・・

堤防は完成しているものの、大雨のたびに住民は2015年の鬼怒川氾濫を思い出して、不安になるとのことです。あれだけの水害があったら当然のことですよね。

このように鬼怒川氾濫後の現在でも水害は続いていくのです。

まとめ

鬼怒川氾濫の死者や被害、電柱おじさんが生存者が救助された様子、ヘーベルハウスのすごさ、その後と現在をまとめましたが、いかがでしたか？

鬼怒川氾濫はリアルタイムで救助する様子がテレビで放送されたので、記憶に残っている人も多いと思います。このような水害がないように、行政には少しでも早く水害対策をしてほしいですね。