声優志望だった当時20歳の大山真白さんが、兵庫県加古川市で遺体で発見された事件の犯人・礒野和晃の実刑判決が確定し話題を集めています。
今回は大山真白さん殺害事件の概要を詳しく振り返ると共に、犯人・礒野和晃の生い立ちや家族、裁判での判決や現在についてまとめました。
この記事の目次
大山真白は兵庫県加古川で発生した殺人事件の被害者
大山真白さんは、2015年12月に兵庫県加古川市で発覚した殺人事件の被害者です。犯人は大山真白さんの知人男性の礒野和晃という男で、大山真白さんはこの男に現金120万円を騙し取られた上、ハンマーで頭部を約10回にわたって殴りつけられて殺害され、死体を加古川に遺棄されました。
今回はこのあまりに凄惨な大山真白さん殺害事件にスポットを当ててまとめていきたいと思います。
大山真白殺害事件の概要① 加古川で遺体が発見される
2015年12月12日午前10時40分頃、兵庫県加古川市加古川町友沢に流れる加古川沿いの道を歩いていた当時中学2年生の男子生徒が、加古川の中州あたりに、セーターとショートパンツ姿で浮いている、大山真白さん(当時20歳)の遺体を発見しました。
大山真白さんの遺体は、司法解剖の結果、頭部右側を中心に鈍器のようなもので10数回も殴打された跡が見つかり、一部が陥没骨折していた事が判明しました。
また、大山真白さんの遺体には防御の時に付く傷跡が見られず、何者かに突然襲撃され殺害された可能性が高まります。
さらに、大山真白さんの傷跡から見て、犯行時に相当な量の血液が飛び散っていた事が推定されたものの、発見時着用していた衣服には血液が付着しておらず、証拠隠滅のためか犯人によって上着が脱がされた可能性が疑われました。
兵庫県警は何者かが大山真白さんを強い殺意を持って殺害、加古川に遺棄したものとみて、殺人事件として捜査を開始しました。
大山真白殺害事件の概要② アルバイト後に行方不明に
当時、大山真白さんは、大阪府吹田市豊津町で吉野家のアルバイト店員をしながら一人暮らしをし、声優を目指してタレント養成所に通っていました。
12月6日の午前8時頃、大阪吹田市の勤務先でのアルバイトを終えた大山真白さんは、友人とともに同市内の大型複合施設「EXPOCITY(エキスポシティ)」へと遊びに行き、夕方頃に「加古川へ行く」と言って友人と別れた後、連絡が途絶えました。
この日の深夜から、12月7日の未明かけて、加古川駅周辺の複数の防犯カメラに、一人で加古川方面へと歩いていく大山真白さんの姿が捉えられています。
大山真白殺害事件の概要③ 元交際相手と金銭トラブルがあった事が判明
その後の調べにより、大山真白さんが元交際相手の男性との間に、金銭トラブルを抱えていた事が判明します。
また、2015年4月以降、大山真白さんが複数回に分けて、自身の金融口座から合計約100万円を引き出しており、自宅には多額の金銭は残されていなかった事なども判明。
さらにその後、関係者への取材から、大山真白さんが知人男性に「元交際相手に20万円を貸しているが、返してくれない」などと相談していた事も明らかになり、大山真白さんが何らかの金銭トラブルに巻き込まれ、殺害されたとの見方が強まりました。
大山真白の自宅には意味深なメモが残されていた
警察の捜査により、大山真白の自宅からは「私に何かあったら疑って欲しい人物がいる」「加古川のりゅうのすけに会いに行く」というメモが発見されています。
このメモからは、大山真白さんは何らかの身の危険を感じていた事がわかり、また、犯人はこのメモに残された「りゅうのすけ」という人物であるとの見方が強まりました。
大山真白殺害事件の概要④ 犯人・礒野和晃が逮捕される
大山真白さんの遺体が加古川で発見されたから、約2ヶ月後の2016年2月18日、兵庫県警は加古川市内に住む、大山真白さんの知人男性・礒野和晃(当時21歳)を大山真白さん殺人の容疑で逮捕しました。
この礒野和晃こそが、大山真白さんが自宅に残していたメモに書かれた「りゅうのすけ」でした。
礒野和晃が大山真白の借金取り立てを代行していた事が判明
一部メディアからは、大山真白さんが、元交際相手を含む数人の男性に、幾らかの金銭を貸していた事などが報じられています。
そして、大山真白さんは、別の知人男性に金銭トラブルの事を相談、この知人男性が「借金取り立てに適した人物」として大山真白さんに紹介したのが、この時犯人として逮捕された礒野和晃でした。
「一人暮らしだった彼女の自宅マンションには、当時の交際相手や男友達が2~3人出入りしていた。仕送りと牛丼店のアルバイトで貯金をしていたようですが、一方で彼らに金を貸していたようなのです。中には10万円単位で貸す場合もあり、その取り立て役として、知人が“りゅうのすけ”を紹介してくれたと聞いています」
大山真白さんから金を借りていたという元交際相手の証言によれば、職場に礒野和晃と大山真白さん、上述の知人男性の3人が2回〜3回にわたって押しかけ、礒野和晃が「俺は山口組の者やけど」などと言って喧嘩腰で脅迫し、金銭の返済を迫ったようです。
また、警察の取り調べに対し、礒野和晃は報酬をもらって金銭の取り立てを行なっていた事なども供述していたようです。
礒野容疑者は、「取立てをすれば報酬をもらえることになっていた」という趣旨の話をしていて、警察は2人の間に報酬をめぐるトラブルがなかったかなどを調べるとともに、引き続き加古川の捜索を行い凶器のハンマーや遺留品の発見を急いでいる。
大山真白殺害事件の概要⑤ 大山真白は犯人・礒野和晃に100万円を渡している
被害者の大山真白さんは、2015年4月から複数回にかけて、自身の金融口座から合計で約100万円を引き出していた事なども明らかになっていますが、どうやらこのお金は礒野和晃に渡されているようです。
警察の取り調べに対して、犯人・礒野和晃は大山真白さんに金を増やしてやると嘘を持ちかけ、100万円を持って来させたと供述しています。
礒野(いその)和晃容疑者(21)が兵庫県警加古川署捜査本部の調べに、「金を増やしてやると嘘を言い、大山さんに現金100万円を持ってこさせた」と供述していることが5日、捜査関係者への取材で分かった。
大山真白は礒野和晃に脅されていた?
しかし、いくら架空の儲け話を持ちかけられたとしても、知り合って間もない男を信用して100万円もの大金を預けるのか?という疑問が残ります。
これについては、大山真白さんが礒野和晃に何らかの秘密を握られ、それをネタに脅迫されていたという情報が出ています。
「大山さんから借金の取り立てを頼まれた礒野容疑者は張り切って交渉に当たり、返済の約束を取り付けた。ところが、その中にいた人物から、大山さんにとっては人に触れられたくない交友関係の話を聞かされたようなのです。そこで一転、礒野容疑者は大山さんを脅しにかかった。昨年12月、大山さんが100万円を預金口座から下ろし、礒野容疑者に渡しているのは、そういう事情からです」
大山真白殺害事件の概要⑥ 礒野和晃は現金を詐取した後に大山真白を殺害
大山真白さんから現金約120万円(取り調べで120万円と判明)を受け取った後、礒野和晃は突然持参したハンマーで大山真白さんの頭部を約10回にわたって殴りつけて殺害して逃亡したと供述しています。
また、礒野和晃はこの120万円を「事件後にバイクを購入し改造するのに使った」とも供述しています。
さらに、大山真白さんを殺害した理由については「金を詐取した事を友人に知られないため」だと供述ししています。
大山真白を殺害した犯人・礒野和晃の生い立ち
以上のように、あまりにも身勝手で残忍な手口で大山真白さんを殺害した犯人の礒野和晃ですが、その生い立ちにも注目が集まっています。
現在までに明らかになっている、犯人・礒野和晃の生い立ちについてまとめます。
兵庫県加古川で3人兄弟の長男として暮らしていた
礒野和晃は、事件のあった兵庫県加古川市の生まれのようですが、詳細な生年月日などは明らかになっていません。また、礒野和晃は3人兄弟の長男だという事です。
母親は事件の数年前に家を出ており、父と祖父母、2人の兄弟の6人家族で加古川市東神吉町砂部の実家で暮らしていたようです。
小学生時代から地元で有名な不良だった
近所の住人や元同級生らの証言によれば、礒野和晃は小学生の頃から髪の毛を染め、暴れると手がつけられなくなるような札付きの不良だったようです。
礒野和晃が通っていた小学校については「東神吉南小学校」、中学校については「神吉中学校」という情報がネットで流出しているようです。
当時の同級生によれば、礒野和晃は小中学校時代に野球と剣道をやっており、小柄ながらも腕っぷしの強い乱暴者だったそうです。
小・中学時代には、問題行動を度々起こしている
礒野和晃は、小学校時代には突然ノコギリを振り回して暴れた事があり、中学でも同様に刃物を振り回して暴れ、同級生を追いかけ回した事などもあるようです。
また、中学時代には教師を殴り保護者会で問題になった事もあるようです。
その他、万引きで何度か捕まっているという情報も出ています。
中学の途中に何らかの施設に送致されたという情報も出ているようですが、これについては真偽不明です。
夜間高校に進学するもすぐに中退
礒野和晃は、中学の途中から不登校になり、その後、地元の夜間高校に進学したもののすぐに中退したとも報じられています。以上から、礒野和晃の最終学歴は中卒だと断定できそうです。
夜間高校時代の同級生からは「職場の包丁を学校に持ってきて周りに見せつけていた」などの証言も出ています。この夜間高校もすぐに中退し、その後はバイクばかり乗り回していたとの事。
なお、事件後の裁判では礒野和晃に「発達障害」の疑いが持たれており、こうした少年時代の一連の問題行動にも関連しているのではないか?と見る向きもあるようです。
また、礒野和晃は、2013年3月頃から食料品店でアルバイトをしており、この時の社長によれば「多少やんちゃなところがあったが、不満を言わず、無断欠勤も無かった」と仕事ぶりはそれなりに評価されていたようです。
大山真白を殺害した犯人・礒野和晃の家族について
大山真白さんを殺害した犯人・礒野和晃の家族は、上でも触れたように父親と祖父母、兄弟2人の6人家族という事です。母親は事件の数年前に出て行ったという事で、複雑な家庭環境だった事は確かだと言われています。
礒野和晃の父親はNPO法人の理事
礒野和晃の父親は、過去に脱サラしてNPO法人を立ち上げ、フィリピンなどの貧困地域に、回収した古着などを寄贈する慈善事業も行なっていた事も明らかになっています。
ある近隣住人は、礒野和晃の父親について「お父さんは会社を経営しNPO法人を立ち上げた立派な人」だとし、「お金に困っている様子はなかった」としています。
この父親は、メディアの電話取材に対して「息子は普通の子」「色々言いたい事はあるが、捜査中だから何も言えない」などと回答していたようです。
大山真白を殺害した犯人・礒野和晃の裁判の判決や現在
大山真白さんが殺害されたた事件の犯人・礒野和晃の裁判員裁判は、2017年1月16日に神戸地裁姫路支部で初公判が開かれました。
礒野和晃は起訴事実を認め、弁護側は凶器のハンマーは、殺害のために用意したものではなく、護身用に持ち歩いていたもので、殺害の意図はなかったと主張し、また被告に発達障害の疑いがある事などを理由に、量刑判断の考慮を求めました。
検察側は、1月20日に開かれた論告求刑公判で、礒野和晃に対して「懲役27年を求刑」、対する弁護側は「懲役18年が相当」だと主張しました。
1月26日に判決公判が開かれ、裁判長は、大山真白さんは礒野和晃を信頼していたとし、その信頼を逆手にとった卑劣な犯行だと非難して、「懲役22年」の実刑判決を言い渡しました。
この判決に対して、検察側、弁護側共に控訴せず、礒野和晃の「懲役22年」が確定しています。
現在の礒野和晃は服役中です。どこの刑務所に服役しているのかなどについては明らかにされていません。
まとめ
声優志望だった当時20歳のアルバイト女性・大山真白さんが、加古川市を流れる加古川で遺体で発見された事件についてまとめてみました。
大山真白さんを殺害した犯人は、当時21歳の知人男性・礒野和晃でした。大山真白さんは当時、複数の男性に金を貸していたものの返済されない事に困っており、その借金取り立てを代行していたのが、礒野和晃でした。
その後、礒野和晃は何らかの理由で大山真白さんに120万円を自分に渡すように持ちかけ、大山真白さんはそれに応じたものの、礒野和晃は120万円を受け取った直後に、持参したハンマーで大山真白さんの頭部を約10回にわたって殴打して殺害しました。
殺害の理由については、「金を詐取した事が友人にバレるのを恐れたため」と供述していますが、大山真白さんが何故、礒野和晃に120万円もの大金を渡したのか?などの不可解な点も多く残りました。
裁判では、こうした不可解な点の真相が明らかにされる事も期待されていましたが、その真相はほとんど明らかにされず、礒野和晃に「懲役22年」の判決が確定する形で事件は結末を迎えています。