痴漢は卑劣な犯罪ですが、女性側の勘違い、もしくは悪意で冤罪を生み出すこともあります。
今回は女性の悪意による痴漢冤罪事件として、稲川みゆきと沖田光男の事件の経緯、裁判や判決、稲川みゆきの写真など情報、現在を紹介します。
この記事の目次
稲川みゆきは痴漢冤罪事件を生み出した
稲川みゆきは、痴漢冤罪事件を起こした女性です。そして、痴漢冤罪によって犯人扱いされた無罪の男性・沖田光男さんの人生を狂わせてしまったのです。
痴漢という卑劣な犯罪行為をした男性は、きちんと法のもとに裁かれるべきですし、それなりの処罰を受けるのは当然のことです。
でも、女性が「この人、痴漢です!」と訴えたけれど、実はそれが冤罪で、男性は痴漢をしていなかった…というケースもあるのです。
痴漢は基本的に女性側(被害者側)の言い分が認められる犯罪です。そのため、女性が「この人痴漢です」と言えば、犯人(と思われる)男性はすぐに逮捕・拘留されることになります。
そして、刑事責任のほかに社会的な制裁を受けることになり、名誉回復は非常に難しいのが現状です。
と言うのも、たとえ冤罪だとしても、犯人として訴えられた男性側が「自分は痴漢をやっていない」という証明をしなければならず、冤罪だと認められるのは困難だからなのです。
稲川みゆきは、逆恨みで沖田光男さんという男性を痴漢だと訴え、痴漢冤罪事件を生み出しました。そして、沖田光男さんの人生を大きく狂わせました。
稲川みゆきが起こした沖田光男の痴漢冤罪事件の詳細
ここからは、稲川みゆきが起こした沖田光男さんの痴漢冤罪事件の詳細を見ていきましょう。どんな事件だったのでしょうか?
沖田光男さんは稲川みゆきに携帯電話を注意していた
稲川みゆきが生み出した痴漢冤罪事件は、1999年9月の夜に起こりました。
事件当時、稲川みゆきはJR中央線の車内で、携帯電話で知人の男性と大声で通話していました。
しかも、その通話相手の証言によると、通話時間は短時間ではなく、10分以上も続いていたとのこと。
それを沖田光男さんは、「電車の中で携帯電話は止めなさい」と稲川みゆきに注意しました。
これに対し稲川みゆきは、「わかったわよ」と言って電話を切ります。この時は、これ以上のトラブルが起こることはなく終わったんです。
しかし、このわずか10分後、沖田光男さんの人生は一変します。
沖田光男さんは逮捕された
沖田光男さんは帰宅するために、JR中央線の国立駅で電車を下車し、南口のロータリーを歩いていました。
そこへ警察官が駆け寄り、沖田光男さんは中央線車内で稲川みゆきに痴漢行為をした疑いで逮捕されました。
この時、警察官は沖田光男さんを現行犯逮捕し、沖田さんの言い分を聞くこともなく拘留したんです。
稲川みゆきは注意された腹いせに痴漢を訴えた
稲川みゆきは、どうやら車内で沖田光男さんに携帯電話を使っていたことを注意された腹いせに、沖田光男さんを痴漢だと訴えたようです。いわゆる「逆ギレ」ですね。
自分が電車内のマナー違反をしていたにもかかわらず、それを注意されたことに逆ギレして、相手を痴漢だと訴えたということになります。
沖田光男さんは不起訴になるも…
稲川みゆきに痴漢だと訴えられた沖田光男さんは、逮捕されて21日間も拘留されました。
この間、検察の取り調べなど受けるために移動する時には、手錠と腰縄をかけられるという屈辱も味わいます。
しかも冤罪事件なのに、沖田光男さんは21日間に渡ってずっと犯人として扱われ、「痴漢をしたはずだ」という前提で取り調べを受け、自白を強要されることになったんです。
21日間に渡る取り調べの結果、沖田光男さんは嫌疑不十分で不起訴になりました。不起訴になったので、有罪になることはなく、身柄は釈放されました。
しかし、痴漢による冤罪事件はいくら不起訴で無罪だとわかっても、社会的な制裁を受けることになります。
つまり、「痴漢で逮捕された」という事実だけがフォーカスされ、社会的信用を失うことになります。「無罪、冤罪だった」ということは人々は忘れがちなのです。
沖田光男さんも例外ではありませんでした。沖田光男さんは、ご自身のホームページで、「社会的信用を傷つけられるなど、大変な損害を被りました。」と述べています。
稲川みゆきは沖田光男に損害賠償訴訟を起こされていた
単純で小さな逆恨みから、稲川みゆきは沖田光男さんを痴漢だと訴え、冤罪事件を生み出しました。そして、警察は稲川みゆきの言い分を鵜呑みにして、沖田光男さんを逮捕・拘留しました。
沖田光男さんは屈辱を味わい、社会的信用を傷つけられたんです。当然ながら、沖田光男さんは納得できず、裁判を起こしました。
沖田光男は損害賠償訴訟を起こした
出典:w.atwiki.jp
沖田光男さんは、2002年4月19日に稲川みゆきと警察(東京都)、検察(国)を相手に損害賠償訴訟を起こしました。稲川みゆきに対しては、1100万円の損害賠償請求を行っています。
一審・二審では「電話中に下半身を押し当てられた」という稲川みゆきの主張が認められて、沖田光男さんは痴漢行為をしていたと認定され、沖田光男さんは敗訴しました。
途中、保管が義務づけられている事件記録を検察庁が廃棄処分していたという証拠隠滅とも取れる事実も発覚します。
沖田光男さんは不起訴になっていますので、民事裁判で痴漢行為を認定されても、刑事罰に課せられることはありません。
でも、損害賠償訴訟は敗訴になり、しかも「痴漢をした、冤罪事件ではなかった」と結論付けられてしまったのです。
最高裁は第二審の判決を破棄
当然ながら、沖田光男さんはこの裁判の判決を不服として、裁判は最高裁までもつれ込むことになりました。
ここで少し事件・裁判が動きます。
第二審では稲川みゆきが痴漢をされた時の電話相手に証人喚問が行われておらず、最高裁は「審理が尽くされていない」として、第二審の判決を破棄、審理のやり直しを高裁に命じました。
冤罪事件とされる理由
最高裁が第二審の判決を破棄し、審議のやり直しが命じられた結果、稲川みゆきが嘘をついている可能性が浮かび上がりました。
まずは稲川みゆきの証言を見ていきましょう。
稲川みゆき:(電話の相手に向かって)変な人が近づいてきた
稲川みゆき:(沖田光男に向かって)離れてよ
沖田光男:電車の中で携帯電話は止めなさい
稲川みゆき:変なことしておいて何言っているんですか
沖田光男:電車の中で携帯電話は止めなさい
稲川みゆき:分かったわよ。切るわよ。
この証言を見ると、沖田光男さんは痴漢したように思えます。
次に、稲川みゆきが通話していた男性の証言を見ていきましょう。
稲川みゆき:(電話の相手に向かって)変な人が近づいてきた
沖田光男:電車の中で携帯電話は止めなさい
・稲川みゆきは「腰に股間を押し付けられた」と証言しているが、身長差的に無理
・稲川みゆきは裁判中に「股間を押し付けられた」から「下腹部を押し付けられた」と証言を変えている
このような矛盾があるため、沖田光男さんは冤罪であり、稲川みゆきは痴漢をでっち上げたと言えるのです。
痴漢は冤罪と認められたものの沖田さんの敗訴
最高裁が第二審の判決を破棄して審議がやり直された結果、通話相手の男性の証言など新しい事実が出てきました。
そこで、次のような判決が出されています。
「痴漢行為は存在せず、これは虚構の事実であると断定するには様々な問題点が残されており、それを認定するには十分な証拠があると言うこともできない」
これを簡単にまとめると、「沖田さんは痴漢はしていないけれど、稲川みゆきが嘘をついたとも言い切れないよね」という判決です。
よって、沖田光男さんの損害賠償請求は認められず、沖田光男さんは敗訴となりました。
裁判後、沖田光男さんは次のように話しています。
「立証責任はこっちが負わないといけない。それが国賠の難しいところなんだ。だから僕みたいな個人が戦いを挑んでも絶対勝てない。痴漢行為があったということはさすがに認めてないけど、ウソをついたというところまでは立証してないと言うんだ」
稲川みゆきが嘘をついたことを立証するのは難しいということですね。
稲川みゆきはどんな人物?写真はある?
沖田光男痴漢冤罪事件をでっち上げた、稲川みゆきの情報を見ていきましょう。
稲川みゆきの住所やその他の情報
稲川みゆきの現時点で分かっている情報はこちらです。
・住所:東京都立川市若葉町
・出身校:市立第九中学校
・身長:170cm(一説には175cm)
・趣味:カラオケ(カラオケスクールに通っていた)
稲川みゆきの写真はない
痴漢される170cmの20歳女性というと、「モデルのような美人なのかな?」と思いますよね。稲川みゆきの顔写真を見たいと思う人も多いと思います。
しかし、稲川みゆきの写真はありません。これも、被害者保護・個人情報保護の観点からの措置と思われます。
稲川みゆきの現在
痴漢冤罪事件をでっち上げた稲川みゆきは現在はどうなっているのでしょうか?
稲川みゆきが現在どうしているのかの情報はありません。冤罪事件が起こったのは1999年のこと。もう20年以上前のことですから、当たり前かもしれませんね。
事件当時は東京都立川市に住んでいましたが、現在は引っ越している可能性もあります。
2021年時点で42歳になっているはずですので、結婚して子どもがいるかもしれません。
稲川みゆきの嘘によって、沖田光男さんの人生はめちゃくちゃになりましたが、稲川みゆきも人生が狂ったのではないでしょうか。
「この人、痴漢です」と嘘をついた時は、「あのオヤジ、ムカつく!痛い目に遭わせてやろう!」くらいの軽い気持ちだったと思います。
ところが引くに引けなくなって大事になり、訴えられ、自分の名前もバレて…。軽い気持ちの嘘がこんなことになるなんて、後悔しているのではないでしょうか?
稲川みゆきに冤罪を押し付けられた沖田光男の現在
出典:amazon.co.jp
犯人にされた沖田光男さんは現在、どうされているのでしょうか。
2012年、最高裁が沖田光男さん側の再上告を退ける判決を出したため、この損害賠償請求は沖田さんの敗訴で終わりました。この時、既に69歳になっています。
痴漢の冤罪事件が起きた時はまだ56歳。そこから13年に渡って戦い続けたことになります。
2010年には、自分の経験をまとめた「裁かれる者―沖田痴漢冤罪事件の10年」という本を出版しています。
稲川みゆきが起こした痴漢冤罪事件のまとめ
稲川みゆきが起こした痴漢冤罪事件と犯人扱いされた沖田光男についてまとめました。
痴漢は許してはいけない行為ですが、同時に簡単に冤罪を生み出すことができるものです。
稲川みゆきが起こした痴漢冤罪事件は、迷惑行為を注意する正義感の強い人が冤罪に巻き込まれ、人生が狂ってしまったことがよく分かる事件です。
男性側はとにかく痴漢は厳禁、痴漢と疑われる行為はしないに尽きますが、女性側も軽くついた嘘で他人の人生はもちろん、自分の人生も大きく変わることを肝に銘じなければなりません。