千葉県市川市八幡に所在する謎の禁足地「八幡の藪知らず」や、その神隠し伝説に関連するとされる事件が話題です。
この記事では八幡の藪知らずの神隠し伝説に関係すると言われる事件の犯人や真相、禁足地とされた謎ややばいと言われ続ける理由、霊能者による霊視の結果などについてまとめました。
この記事の目次
八幡の藪知らずは千葉県市川市八幡に存在する謎の「禁足地」
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「八幡の藪知らず」とは、千葉県市川市の八幡(やわた)という場所にある、18メートル四方ほどの小さな藪(竹林)で、古くから絶対に入ってはならない「禁足地」とされており、人間が立ち入れないように周囲は柵で囲われています。
八幡の藪知らずが禁足地とされた理由としてはいくつかの説が伝わっているものの、その真相は謎となっています。
八幡の藪知らずはただ単に入ってはならないだけでなく、入ると2度と出て来られなくなると言われており、この場所にまつわる神隠しの伝説などが多く残されています。
インターネット上では、この八幡の藪知らずはオカルト系のネタとして人気で、入ると本当にやばいとされ、八幡の藪知らずにまつわる事件なども多く語られています。
なお、「八幡の藪知らず」というのは通称であり、正式な名称は「不知八幡森(しらずやわたのもり)」です。他にも「不知森(しらずもり)」、「不知藪(しらずやぶ)」といった名称が知られています。
八幡の藪知らず事件とは
2013年に千葉県茂原市の女子高生が行方不明になった事件は、ネット上でかなりやばい事件として「八幡の藪知らず事件」と呼ばれ、同じく千葉県に所在する八幡の藪知らずとの関連が唱えられています。
・ここに文章
この「八幡の藪知らず事件」と呼ばれる女子高生行方不明事件は、2013年7月11日に、千葉県茂原市に住む高校3年生の女子が学校からの帰宅途中に忽然の姿を消し、それから77日後の2013年9月26日に、自宅から約350メートル離れた神社で発見された事件です。
女子高生は発見時体重が激減し衣服は汚れホームレスのような状態だった
発見された時、この女子高生は神社の社の中に体育座りをして座っており、身体は体重45kgから31kgまで痩せこけ、髪の毛や着ていた制服はひどく汚れた状態でまるでホームレスのような状態だったそうです。
不可解な謎が多いため八幡の藪知らずとの関連が噂された
この女子高生が77日間もの間誰にも発見されなかった事や、食糧や水、トイレはどうしていたのかなど、この事件には不可解な謎が多くある事から、ネット上では、この千葉県茂原市の女子高生行方不明事件は現代の神隠し事件であると言われ、八幡の藪知らずの神隠し伝説とも関連づけられて語られているようです。
八幡の藪知らず事件の犯人や謎の真相は?
八幡の藪知らず事件で発見された時、行方不明だった女子高生は、警察からの「誰かに連れさられたり、事件に巻き込まれたりしたのか」との質問には違うと答えており、事件には犯人などはおらず単なる家出として処理されています。
近くの畑から野菜を取って飢えを凌いでいた
また、この女子高生は、行方不明の間ずっと神社の社の中にいた事や、近くの畑の野菜をとって食べていた事なども話しているので、この八幡の藪知らず事件と呼ばれている事件の謎の真相は、女子高生が何らかの理由で家出をして自宅近くの神社に侵入し、食料は近くの畑から盗んで77日間生き延びていたという事になっています。
不可解な謎が多いため真相として様々な噂が出ている
ただ、畑のから盗んだ野菜だけで77日間もの間飢えを凌げたのかという謎や、なぜ人の目の多い街中でこれほどの期間発見されなかった謎などから、本当は犯人がおり脅されて真相を話せないのではという説や、彼氏と一緒にいたとする彼氏が犯人説、同じ千葉県にある八幡の藪知らずの神隠しが原因ではという説などが囁かれているのです。
また、ネット上では八幡の藪知らず事件の真相として、行方不明となった女子高校生の両親が統一教会の信者で、この女子高生は両親に信仰を押し付けられるのが嫌で家出をしたが、宗教団体が絡んでいる事からメディアは報道を止めてしまったといった説も噂されています。
実際には八幡の藪知らずとこの行方不明事件の関連性はほとんど感じられない
結論を言えば、行方不明事件のあった千葉県茂原市と、八幡の藪知らずのある市川市はかなり距離的に離れていて何の関係もないため、ネット上で無理やり行方不明事件と神隠し伝説がこじつけられたというのが八幡の藪知らず事件の真相でしょう。
八幡の藪知らずが禁足地となった真相① 平将門にまつわる伝説
八幡の藪知らずが禁足地になった理由の真相は未だ謎ですが、いくつかの説は存在します。
八幡の藪知らずが禁足地になった理由の真相として最も有名なものが、日本三大怨霊のひとつとしても知られる平将門にまつわる伝説です。
平将門は平貞盛に討ち取られましたが、市川市にまつわる民話や、江戸時代に記された「葛飾記」などによれば、その時、平将門についていた7人の影武者(6人という説も)が平将門の首を奪還しようとしたが、この八幡の林の中に入った後に土人形と化し、そのまま風雨にさらされて地面に溶けてしまった。
それ以来、この7人の影武者たちの魂が青い火の玉になって林の中を飛び回りながら平将門の首を返せと泣き叫ぶようになった。そこで、力自慢の男が亡霊を退治しようと林へと入ったがそのまま2度と戻らなかった。地元の人間は恐れおののき、この林を「やぶしらず」と呼んで近寄らなくなり、その後この林は禁足地となったという事です。
他にも、平将門の墓所が「八幡の藪知らず」の中にあるため、立ち入り禁止の禁足地となったという説も存在します。
八幡の藪知らずが禁足地となった真相② 中心に底無し沼や毒ガスがある説
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八幡の藪知らずの竹林の中心地点が窪地になっているため、そこに底無し沼があるとする説や、そこから毒ガスが噴出しているという説があります。
八幡の藪知らずは中心部分が窪地になっているのは事実のようなので、昔は池や沼のようなものがあった可能性はありそうですが、毒ガス説については周囲に住むだけで危険がありそうなので、八幡の藪知らずが町の中に存在する事を考えると少し無理のある説だと言えそうです。
八幡の藪知らずが禁足地となった真相③ 放生池があったからという説
八幡宮の行事に、生きた魚を池に放つという「放生会(ほうじょうえ)」という行事がありますが、八幡の藪いらずの中心の窪地には過去にその放生会で魚を放す池「放生池」があったため聖地とされ、人の立ち入りが禁じられたという説があります。
戦国時代にその八幡の藪知らずのある地域を納めていた大名家の千葉氏が、内紛によって衰えたため放生会の行事が途絶え、その結果その場所が禁足地とされた理由を知るものがいなくなり、現在の様々な伝承につながったと言われています。
八幡の藪知らずが禁足地となった真相④ 水戸黄門が禁足地にしたとする説
「水戸黄門」として有名な水戸光圀が、興味本位で八幡の藪知らずに入ったが迷ってしまい、何とか無事に出られたが人が入るのは危険だとして禁足地としたという説もあります。
ある昔話には、水戸黄門が八幡の藪知らずに入ると、妖怪の類に取り囲まれてしまった。慌てて振り返ると元来た道は消え去っていた。そこへ白髪の老人姿の神様が現れこの場所を禁足地としたのは平将門に関係があると語った。水戸黄門はその神様の怒りに触れたが、特別な身分の人間であるとして特別に許され外に出る事ができたと伝えられています。
後世にこの話が錦絵(上の画像)で紹介され、世間に広まったといいます。
八幡の藪知らずが禁足地となった真相⑤ その他にも色々な説が存在
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上で紹介した以外にも八幡の藪知らずが禁足地となった理由の真相として様々な説が唱えられています。
日本武尊(やまとたけるのみこと)の陣所が構えられていたためとする説や、貴人の古墳があるとする説。
近くにある葛飾八幡宮が昔あった場所で、この場所の中心には死んだ動物を供養するための池があり、無闇に近づいてはいけないと言われていたため、それが禁足地のまま伝わっているとする説。
昔、近くにある行徳村の飛び地で、八幡の住民は立ち入りを禁じられていたため、それが禁足地として伝わったとする説などが伝えられています。
このように、八幡の藪知らずがなぜ禁足地にされたのかというのははっきりわかっておらず、現在も真相は謎となっているのです。
八幡の藪知らずは入ったら本当にやばいと恐れられている理由は?
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上で見たように、八幡の藪知らずが禁足地とされた理由ははっきりとはわかっていないのですが、ネット上の噂などを見ると、現在でも八幡の藪知らずは入ったら本当にやばい場所だとして恐れられ続けているようです。
ばーちゃん家から5分のところ
— 郷田龍司 (@goudaryuzi) September 4, 2020
ここ知ってる??
八幡の藪知らず
一度入ったら2度と出てこれない
神隠し、いろんな伝説がある
結構やばいところらしい! pic.twitter.com/c33efc4Xwh
成田山行きのついでに、「八幡の藪知らず」にも行ってみたんだけど、久々にやばいなーって場所だった。区切られた土地の一部分、凹上になったそこに鳥居と祠があって。お賽銭入れて拝んできたのだけど、入った途端から左腕痛。鳥居を抜けて、敷地の外に一歩出たらすーっと痛みが引いて、一人で苦笑い。
— 桂@ひとやすみできない (@katsura_nmnm) September 22, 2015
八幡の藪知らずはマジでやばいらしいので行っては駄目です
— 如月@原稿中 (@hysk_kmt02) July 26, 2020
現代になってからは、実際に八幡の藪知らずで行方不明事件が起きたというニュースもないのに何故これほどまでにやばいと言われ続けているのかも気になります。
八幡の藪知らずがやばいと言われ続けている理由も平将門が関係してるという説があるようです。オカルト研究家で「とうもろこしの会」の吉田悠軌会長は、八幡の藪知らずについて下のように紹介されていました。
戦った時の鬼門にあたるとか、逆に藤原の方が八門遁甲の陣を敷いて将門を破ったんだけど、それの一番やばい地点にあたるところがこの八幡の藪知らずだ、とか。
「地元の人に悪いけど、八門遁甲の一番やばいところになっちゃったから、未来永劫ここに入ったら死ぬから」と、将門を倒すためにやばい術を使ったということですよね。それが1000年以上前かな。
引用:絶対に入ってはイケナイ“禁足地”を巡ってみないか? 街中にひっそりとたたずむオカルト的“立ち入り禁止の場所”を研究家が語る【事故物件ラボ】
この説については実際に、平将門を討伐するために平貞盛が八門遁甲の陣を敷いたが、そのうちの死門を現在の八幡の藪知らずがある場所にそのまま残してしまい、あの世と繋がったままになっていて、近づくと本当にやばいといった伝承が残っているようです。
八幡の藪知らずの霊能者の霊視による真相
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電話占いの「紫苑」という会社のウェブサイトでは、八幡の藪知らずを霊能者が霊視した結果が紹介されていました。
この心霊スポットを知子先生に現地にて霊視していただきました。
『八幡の藪知らず』を霊視された知子先生によると、この場所には伝説に伝えられているようなおどろおどろしい霊気は感じられず、「かつては神社が管理する神聖な禁足地のような所」とのことです。
これによると、八幡の藪知らずは近くにある葛飾八幡宮が管理していた土地だったためという説が真相という事かもしれません。
また、朝日ソノラマから出版された「闇の検証」でも八幡の藪知らずが霊能者の寺尾玲子さんによって霊視されています。それによれば、八幡の藪知らずにはわずかに「異界に通じる入口」の名残があり、100年から200年前までであれば、怪現象が起こりえた場所だろうとの見解が示されていました。
これが真相だとすれば、平将門を追討するために開かれたという八門遁甲の陣の一角が残されたままになっているとする説が関連していそうです。
まとめ
今回は、千葉県市川市八幡にある謎の禁足地「八幡の藪知らず」についてまとめてみました。
八幡の藪知らずは、何故禁足地にされているのかの真相が謎となっていますが、少なくとも江戸時代の頃から立ち入れば2度と出られないヤバイ場所だとして全国的に知られた場所だったようです。
2013年に発生した千葉県茂原市の女子高生が行方不明になり、77日後に自宅近くの神社で発見された事件も、八幡の藪知らずの神隠し伝説が関連しているのではないかと噂されネットでは「八幡の藪知らず事件」と呼ばれ話題になっています。
八幡の藪知らずが禁足地となった理由は未だ明らかになっておらず、様々な説があるもののその真相は謎のままとなっています。