1996年に池袋駅構内の山手線ホームで、立教大学の学生が見知らぬ男に絡まれて死亡する事件が起こりました。
今回は池袋駅構内大学生殺人事件の概要、犯人の特徴、被害者の死因や事件の真相、なんJでの陰謀説、事件後の現在をまとめました。
この記事の目次
池袋駅構内大学生殺人事件とは
池袋駅構内大学生殺人事件は、1996年4月11日に池袋駅構内で発生した殺人事件です。
1996年4月11日の午後11時30分ごろ、立教大学の学生が男に絡まれ、殴られた拍子にホームに頭を強打しました。
男性は救急搬送されたものの、事件から5日後に死亡しています。
家族が必死に情報提供を求め、警察による捜査が行われましたが、犯人は捕まっていません。
池袋駅構内大学生殺人事件の詳細・流れ
池袋駅構内大学生殺人事件の詳細や流れを見ていきましょう。
被害者男性は1人で帰宅途中だった
出典:nhk.or.jp
池袋駅構内大学生殺人事件は、1996年4月11日に起こりました。
被害者である立教大学4年の小林悟さん(当時21歳)は事件当日、就職セミナーに参加していました。
そして19時ごろから友人2人と居酒屋で2時間ほど食事をし、その後はカラオケ店でカラオケを楽しんだようです。
カラオケ後、友達の1人は神奈川方面へ帰り、もう1人の友人は所沢方面に向かったため、友人とは池袋駅で別れます。
小林悟さん自身も帰宅するために、池袋駅の山手線の7・8番線ホームへの階段を上がっていきました。
犯人に殴られてホームに頭をぶつける
終電間際の23時30分頃、山手線のホームへの階段を上がっていった小林悟さんは、肩が触れたという理由でスーツを着た会社員風の男性に絡まれ、大声で怒鳴られました。
小林さんはこの男性から逃げるために、逆方向の階段を降りようとします。しかし、酔っ払った様子の男性はしつこく小林さんを追いかけ、山手線のホームで口論になりました。
男性は小林さんの胸ぐらをつかみ、小林さんは身動きが取れなくなります。その状態で、後ろから声をかけられ、小林さんは振り向きます。
その時に犯人は平手で小林さんの顎を殴り、小林さんは意識を失いました。
男性は胸ぐらをつかんでいた手を離したため、小林さんはホームに倒れ込み、黄色の点字ブロックに頭を打ち付けたのです。
ちょうどその時、池袋駅のホームには日暮里・上野方面の山手線の電車が入ってきて、小林さんを殴った男性はその電車に乗って逃走し、行方が分からなくなっています。
野次馬が犯人に対して現場に残るように言いましたが、犯人はその野次馬を恫喝し、山手線の座席に座ったとのことです。
救急搬送されるも死亡
殴られた小林さんは頭を強打してホームに倒れました。そして、救急車が呼ばれます。
ただ、事件直後には30人ほどいた野次馬はみんな電車に乗るなどその場を離れ、救急隊が到着した時には、被害者の小林悟さんに付き添っていたのは高齢の女性だけでした。
小林さんは池袋駅近くの池袋病院に搬送され、両親が病院に駆け付けた時には意識はあったものの、その後に容体が急変し、事件から5日後に死亡しました。
死因は外傷性脳内出血でした。
父親が後をつけるも見失う
被害者の小林悟さんの父親である小林邦三郎さんは、警察任せにせずに独自に情報収集・捜査を行いました。
4月29日・5月1日・5月2日には、事件があった23時30分前後に池袋駅構内の7・8番線ホームで情報提供を求めるビラを配っています。
そして、事件から約2ヶ月後の6月下旬、父親の邦三郎さんは北千住駅で犯人の目撃証言・特徴に合致する男性を見つけ、あとをつけました。
犯人に似た男は、北千住駅から常磐線で柏駅に行き、改札を出てビールを買い、それから常磐線の各駅停車に乗り換えます。
そこまでは尾行できたのですが、父親の邦三郎さんは雑踏の中で犯人に似た男を見失ってしまいました。
傷害罪から殺人罪へ
その後も、小林さんの遺族や警察は犯人を捜し続けます。
ですが、事件を目撃していたやじ馬たちは救急隊到着前に現場を離れてしまい、有効な目撃証言を得られなかったこともあり、捜査は難航します。
当初は傷害致死罪で捜査が進められていきましたが、傷害致死罪の公訴時効は7年であり、時効が迫っていました。
被害者の父親である邦三郎さんは3万5000人分の署名を集め、公訴時効の延長を求める嘆願書を提出します。
そして、時効が成立する直前の2003年3月に傷害致死罪から時効が15年(当時)の殺人罪に切り替えられ、捜査が続けられています。
しかし、それでも犯人が見つかることはありませんでした。
池袋駅構内大学生殺人事件の犯人の特徴
池袋駅構内大学生殺人事件の犯人の似顔絵が、目撃証言から作られて公開されています。
どのような犯人なのか?その特徴を一覧にしてまとめました。
・身長は170~180cm
・体型はガッチリしていて小太りの印象
・瞼は重く、目が座っている印象
・右の目じりに穴状の古傷が3つくらいある
・両眉の眉尻はとても薄い
・二重顎
・耳が大きい
・黒っぽいグレーのスーツを着ていた
この犯人の男性は、日暮里駅まではその山手線に乗っていたことは確認されています。
しかし、その後の足取りはわからず、日暮里駅で降りた可能性もありますし、日暮里駅以降も山手線に乗っていた可能性もあります。
被害者の父親が犯人に似た男性を尾行した時は、北千住駅で犯人に似た男性を発見し、柏駅で見失いましたが、北柏駅方向に向かったと見られています。
日暮里駅やその先の上野駅からは常磐線が出ています。このことからも、犯人は柏・北柏周辺に住んでいる可能性はありますね。
池袋駅構内大学生殺人事件の被害者は医療ミスで死んだ?
池袋駅構内大学生殺人事件の被害者である小林悟さんは、犯人に殴られてホームに頭を強打して、その場で痙攣を起こします。
ただ、その後は意識を取り戻し、救急車が来るまで付き添っていた高齢女性と言葉を交わしていたとも言われています。
救急搬送後、池袋病院では前頭部骨折・後頭部裂傷の診断を受けますが、被害者の小林さんの意識はありました。
実際、池袋署から小林さんの両親には、次のように連絡が入っています。
深夜に警察から電話がありました。息子さんは大丈夫とは思いますが、念のためお越しくださいと。警察は当初、事件を重く見ていなかったように感じました。病院に着いたのは12日午前3時。息子は鎮痛剤を飲まされ意識はありました
この時点では警察は「息子さんは大丈夫とは思います」と言っていますので、命にかかわるような状態ではなかったようです。
しかし、両親が病院に到着した1時間後に、被害者の小林さんは痙攣を起こします。
池袋病院では処置ができず、受け入れ先の病院を探しますが、なかなか見つからず、東京女子医大に転送されたのは午前7時頃のことでした。
痙攣が起こってから3時間も経過していました。
転送先の病院で緊急手術が行われるも容態は回復せず、4月16日の早朝に被害者の小林悟さんは息を引き取りました。
被害者の両親は、適切な医療が行われなかったとして、病院を相手取り損害賠償請求の裁判を起こしました。
そして、病院側の落ち度が認められ、病院側が6500万円を支払うことで和解しています。
つまり、事件としては殺人事件として捜査されていますが、民事裁判では病院側の医療ミス・落ち度があったことで、被害者の小林悟さんは死亡したと認められたということになります。
池袋駅構内大学生殺人事件の真相を考察
池袋駅構内大学生殺人事件の真相を考えていきましょう。
インターネット上には、この事件の真相がいろいろ語られています。
真相①:犯人は特定したがアリバイがあった?
真相説の1つ目は犯人は特定されたというものです。
犯人は特定されたものの、その犯人には鉄壁のアリバイがあり、逮捕には至らなかったと言われています。
ネットで情報拡散されるようになって似顔絵の男らしい人物が特定される
・・・ただその男には絶対ごまかせないような完璧なアリバイがあって
昔悪かった時期もあるけど地域で尊敬される仕事をしていて//
引用:池袋駅構内大学生殺人事件
この真相説がどこまで本当か?真相に迫っているのかは不明ですが、あり得る話ではありますね。
真相②:小説家志望の男性
池袋駅構内大学生殺人事件の犯人は、小説家志望の男性とも言われています。
これはジャーナリストの山口敏太郎氏のアトラスラジオで語られていた真相です。
小説家を目指していたらしい。その人の編集者仲間2人ぐらいが本人が池袋駅の犯人は自分みたいに言っていたと。
手配イラストではグレーのスーツ着てたことになってるけど、実際は茶色らしいよ
引用:池袋駅構内大学生殺人事件
この小説家志望の男性は、池袋にある企業での勤務歴もあるとのことです。
真相③:我孫子市在住?
犯人は我孫子市在住ではないか?とも言われています。
北柏駅から徒歩圏内の我孫子市の根戸の国道6号線沿いにある「でん」という焼き肉屋(現在はマルキ水産 我孫子根戸店)の手前を左に入って、2軒目の家に住んでいるという噂もあります。
これについても、あくまでインターネット上の噂なので、真相はわかりません。
池袋駅構内大学生殺人事件はなんJで陰謀論も囁かれている…
この池袋駅構内大学生殺人事件は、いろいろな真相が考察されていますが、5ちゃんねるのなんJでは陰謀説が囁かれています。
犯人は上級国民もしくは警察OBだから、警察は犯人を特定していながらも逮捕されていないのではないか?というものです。
実は、先ほどの真相説の2つ目である小説家志望の男性は、山口敏太郎氏のアトラス内で世田谷区に住む上級国民の息子で、本人は警察OBだから、逮捕されていないと述べられています。
池袋の上級国民と言えば、池袋のプリウス暴走事故を思い出しますが、この池袋駅構内大学生殺人事件は上級国民案件なのかは不明です。
池袋駅構内大学生殺人事件の現在
出典:youtube.com
池袋駅構内大学生殺人事件は現在、容疑者不詳のまま書類送検されて、捜査は終了しています。
現在は殺人罪は時効が撤廃されていますので、殺人事件として捜査する限り、犯人が逮捕されるまで捜査は続けられることになります。
しかし、遺族が捜査の打ち切りを求め、2020年12月11日に捜査は打ち切りとなりました。
捜査の打ち切りを求めた理由については、被害者の父親である邦三郎さんは、次のように話していました。
・「施行前に時効を迎えた遺族もいることなどを考えると法の下の平等に反する。息子の魂を犠牲にしても法の再改正を求める決断をした」
・「後から法律を変えてよいことになれば、法を守る意識も薄れてしまう。被害者感情が法を歪めてしまうことへの疑問もある」
なかなかできる決断ではありません。誰だって、自分の息子を理不尽に殺されたら、どんな手を尽くしても、逮捕してもらいたいと思うはずですから。
上記のコメントを見ると、被害者の父親はとてもまじめで、様々な角度から物事を考えられる冷静な方であることが分かります。
池袋駅構内大学生殺人事件のまとめ
池袋駅構内大学生殺人事件の概要と詳細、犯人の特徴、被害者の死や事件の真相、なんJでの陰謀説、事件後の現在をまとめました。
池袋駅構内大学生殺人事件は、犯人が分からないまま事件の捜査は終わりました。
裁判ではこれ以上裁くことができないにしても、犯人が特定されることを祈らずにはいられません。