農業アイドルグループ「愛の葉Girls」のリーダー・大本萌景さんが自殺で16歳の若さでこの世を去った事は社会に大きな衝撃を与えました。
今回は事件の顛末を振り返ると共に、大本萌景さんの死因、おかしいと噂される母親や義理の父親、裁判の判決、事件のその後や現在についてなどをまとめました。
この記事の目次
大本萌景のプロフィール
大本萌景のプロフィール
生年月日:2001年10月23日
没年月日:2018年3月21日(16歳没)
出身地 :愛媛県松山市
身長 :154cm
血液型 :O型
大本萌景(おおもとほのか)さんは、愛媛県松山市のご当地アイドルグループ「愛の葉(えのは)Girls」に所属していた女性アイドルです。「愛の葉Girls」は農業をテーマにしており、農業アイドルとも呼ばれていました。
大本萌景さんは人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が好きでアイドルに憧れており、中学生の頃に「愛の葉Girls」のオーディションに自ら応募、中学2年生の7月に研修生となり、2018年1月からはリーダーも務めていました。
しかし、大本萌景さんは、2018年3月21日に16歳の若さで急逝します。後にその死因が自宅で首を吊っての自殺だった事が判明し、世間に衝撃が走りました。
大本萌景の死因は自殺!原因は事務所のパワハラだとして遺族が提訴
出典:https://www.huffingtonpost.jp/
大本萌景さんの死因は縊死(いし)でした。つまり、首吊り自殺です。大本萌景さんが首を吊ったのは自宅の2階で、第一発見者は大本萌景さんの母親・大本幸栄さんでした。
大本萌景さんの遺族は、自殺の原因は、当時所属していた事務所「Hプロジェクト」の社長やスタッフによるパワハラや過酷な労働環境にあったと訴えています。
2018年10月12日、大本萌景さんの母親の大本幸栄さんと姉の大元可穂さんら遺族は、「Hプロジェクト」の代表取締役の佐々木貴浩さんやスタッフらを相手取り、損害賠償金・約9200万円の支払いを求める訴訟を起こしました。
大本萌景の遺族が訴えるパワハラの内容① 学業よりアイドル業を優先させた
まずは、大本萌景さんの遺族が訴えている事務所からのパワハラの内容について見ていきましょう。
大本萌景さんの遺族や、その弁護団によれば、大本萌景さんは「愛の葉Girls」のアイドルとして活動する中で、学校(通信制高校)よりもアイドルとしての活動を優先させる事を事務所に強要され、実際に単位を落とすなどして悩んでいたそうです。
また、アイドルとしての勤務状況も過酷さを極めており、拘束時間は1日平均10時間以上で、ある時には、午前4時に集合し、翌日の午前2時に解散するような事もあったとされます。
大本萌景の遺族が訴えるパワハラの内容② 高圧的な態度を日常的に取られていた
出典:https://www.huffingtonpost.jp/
また、大本萌景さんは日常的に事務所スタッフから高圧的な態度を取られており、その証拠として、遺族や弁護団からは、大本萌景さんとスタッフとの「LINE」のやりとりの一部が公開されています。
あるLINEでのやり取りでは、脱退を申し入れたものの説得され「自分が勘違いしていることに気がつきました」「脱退する事を辞めました」「ご心配おかけしてすみませんでした」と謝罪する大本萌景さんに対し、スタッフからの返信は、
「次また寝ぼけた事言いだしたらマジでぶん殴る」
という、高圧的な内容でした。
また、大本萌景さんが、前回は仕事を優先させて学校の行事に行けなかったので、今回は仕事を休んで学校の行事に参加したいと伝えると、
「お前の感想はいらん。」
「学校の判断と親御さんの判断をそれぞれ教えろ」
「その理由によって、今後事務所はお前の出演計画を考えにゃならん。そこまで考えて物を言え」
と、かなり高圧的な返信をしています。
この他にも、少しでもLINEでの返事が遅れると「返事せえや」といった返信や、「世の中ナメるにも程があるぜ」といった、高圧的なメッセージが度々ぶつけられていたようです。
中学を卒業したばかりの16歳の少女が、こうした高圧的なメッセージを日常的に送られれば、精神的に追い詰められていく事は十分に想像できます。
大本萌景の遺族が訴えるパワハラの内容③ 学費の貸付をめぐるトラブル
大本萌景さんは、このまま学校に行けないのであれば「愛の葉Girls」を脱退したいと事務所社長(代表取締役)の佐々木貴浩さんに伝えたところ、「それならば全日制の学校へ行けばいい(日曜日のイベントに出られるため)、学費の心配はいらない(事務所が金を貸す)」といった提案を受けたという事です。
このやり取りは当初、大本萌景さんの親を介さずに、本人と事務所社長の間で話が進んだという事ですが、この提案を受け入れた大本萌景さんは、その後母親を説得し、希望していた高校(松山城南高等学校と言われている)を受験して合格し、2018年4月からの入学を決めています。
母親は、当初は全日制の高校へと大本萌景さんが転校する事に反対していたという事でしたが、「萌景がそこまで言うなら」との想いから、最終的には応援する事に決めたという事です。
その後、母親は事務所の経理を担当していた社員に電話し「契約満了まではアイドルとして活動を頑張るが、その後はグループを辞めたいと(大本萌景さんが)言っている」という内容を伝えています。
実際に事務所は入学費用を大本萌景さんに貸し付けており、2018年2月22日に入学金3万円を、3月1日には制服代として6万6千円を学校に支払っています。
そして、大本萌景さんと母親・大本幸栄さんは、新入生説明会の前日の2018年3月20日、入学に必要な費用12万円を借りるために事務所を訪れました。
母親はこの時、事務所側に1年半後の契約満了までは「愛の葉Girls」での活動を頑張る事、借りたお金は働いて返す事などを、経理担当の社員に伝えたという事です。
すると経理担当の社員は「なぜ今このタイミングで辞めることを考えるのか」「その考えのままでは、お金は貸せない」と母親と大本萌景さんに伝え、資金の貸付を断っています。
さらに、この日の夜に、大本萌景さんは社長と電話で話しており、その際に「グループを脱退するのなら違約金として1億円支払え」などと言われていた事なども遺族側は主張しています。
そして、その翌日の3月21日、大本萌景さんは自宅で首を吊って死亡しています。遺族側は、この入学金の貸付けを断られた事で、大本萌景さんは絶望し自ら命を絶ったと主張しています。
なお、この1億円云々の話は事務所側は事実ではないと否定しています。この1億円の話を証言したのは、大本萌景さんの彼氏でしたが、本人からそう聞いたという証言だけが根拠となっており、証拠となる記録は何も残されていません。
大本萌景の母親がおかしいとネット上で話題に
上で紹介した事務所からのパワハラの内容などを、大本萌景さんの母親・大本幸栄さんは手記として「週刊文春」の誌上でも主張されています。
ただ、この手記の内容も踏まえた上で、ネット上では「母親も少しおかしいのではないか?」という意見が浮上しているのです。
ネット上で批判や疑問が多く集まっているのが、子供の高校の学費を何故自分で用意せずに、事務所から借りる形にしたのか?という点です。
そもそも、母親の頭を通り越して事務所と16歳の少女が話をして借金の話をしているのが異常であり、そうした状況になってしまったのは親としてあまりにも無責任すぎるのではといった声が多く出ています。
また、話の流れからすると、事務所側は大本萌景さんにアイドル活動を続けて欲しいから高校の学費を貸すと提案したように見えます。にも関わらず、母親は契約満了までは「愛の葉Girls」での活動を頑張るが、その後は辞めるつもりであるとはっきりと言ってしまっています。
これでは、事務所側が「それならばお金は貸せない」というの当たり前ではないかという声が多く挙がっています。ネット上では、母親のこうした身勝手な主張が普段からあり、それもあって母親の頭を飛び越して大本萌景さんと直接やりとりする形になっていたのではないか?と勘ぐる声も出ています。
母親の手記によれば、全日制高校の学費については「家族には迷惑をかけたくないから」という大本萌景さんのたっての希望で事務所からギャラを前借りする形で充てる事にしたという事ですが、これにも違和感を抱く人が多いようです。
親がいるにも関わらず、16歳の少女が仕事先から学費を借金をするという事自体が常軌を逸していると感じますが、大本萌景さんの母はこれに違和感を抱かなかったのか?という点も、母親もおかしいのではないか?という声につながっています。
大本萌景の自殺には義理の父親による性的虐待が関係との噂も
大本萌景さんの母親は一度離婚を経験しており、3年ほどシングルマザーとして大本萌景さんと姉を育てて、その後、現在の旦那さんと結婚して息子が生まれた事をTwitterで明かしています。
ネットの噂レベルなのですが、この母親の再婚相手、つまり、大本萌景さんの義理の父親が、大本萌景さんに対して性的虐待まがいのことをしていたとの衝撃的な情報を週刊誌「女性セブン」が掴んでいます。
以下は「女性セブン」が伝えた、大本萌景さんが知人に相談していたという内容です。
亡くなる1年ほど前でした。萌景が、『お義父さんがこたつの中にカメラを入れて、私の下半身の写真を撮っていた。私はカメラを取り上げて、撮られた画像も確認した』と言うんです。その他にも、『お風呂に入っているとき、脱衣所に誰かが入ってくる』『部屋のドアの鍵が壊された』とも
これについて、記者が大本萌景さんの母親にこの事について質問すると、母親は以下のように回答したという事です。
うん、いろいろ言われていますよね。本当にいちばんの難しい年頃じゃないですか。それでお互いがぶつかることは、たびたびありましたよ。それは正直、誤解といえば、誤解なんですよね。はっきりとは聞いていないけど、そういうふうなのじゃない。ふだんから家の中を下着で歩く子でもあったんで。しかもそれはすごく前のことですよ。中学生になったばかりの頃かな
ちょっと何を言っているのかわかりませんが、つまりは大本萌景さんの勘違いで、思春期の難しい年頃なのでなんらかの「誤解」があったという事なのでしょうか?ただ、こたつの中にカメラを入れるという行為のどこに「誤解」が生じる余地があるのか疑問を感じます。
記者がさらに質問すると、母親は以下のように続けたそうです。
そやけん、周りが思うような、そんな深いんじゃない。登校拒否してた中学時代、私が戸外に出したら、近所中に聞こえる声で『ママが虐待する』って叫ばれたことがある。そういう子なんです
まるで大本萌景さんが悪いと言っているかのようなニュアンスが受け取れます。これも大本萌景の母親がおかしいという声につながっています。
これらの情報のどこまでが真実かは不明ですが、メジャーな週刊誌である「女性セブン」が直撃取材した上での記事という事なので、少なくともこの発言自体は本当にあったのではないでしょうか?
以上から、大本萌景さんの自殺は、芸能事務所がブラック云々だけではなく、家庭環境にもなんらかの問題があり、そうした様々な要因が重なり合って起こってしまったのではないか?とする声も多く出ているようです。
大本萌景の自殺のその後や現在① 「愛の葉Girls」は運営会社が代わるも活動休止へ
大本萌景さんが生前所属していた農業アイドルグループ「愛の葉Girls」は、大本萌景さんの自殺事件後に運営会社が「フィールド愛の和」に代わって新体制で活動を再開させていました。
2019年10月20日には、メンバーやファンが愛媛県東温市に集まり、大本萌景さんを「送る会」を開催しています。
その後、2019年12月22日、「愛の葉Girls」は無期限活動休止し、事実上の解散となりました。グループのメンバーらはタレントとしてそれぞれ活動を続けるという事です。
大本萌景の自殺のその後や現在② 裁判の判決は所属事務所が全面勝訴
大本萌景さんの遺族と所属事務所の裁判と判決についてまとめました。
まず、遺族側は2018年10月、大本萌景さんの自殺は所属会社「hプロジェクト」によるパワハラや苛酷な労働環境で精神的に追い詰められたためとして、代表取締役らに計約9,200万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
2022年6月、東京地裁はこの訴えを棄却。2022年12月の東京高裁の控訴審判決でも一審に続き遺族側の敗訴となりました。
遺族側は、アイドル活動をやめたいと考えていた大本さんに会社側が「違約金1億円を払え」と発言したと主張したが、1審判決は「証拠がない」として否定。アイドル活動全般について「精神的負荷を受けるほどに過重であったとは認められない」と結論づけた。高裁は「不法行為は認められない」などとして1審判断を支持し、遺族側の控訴を棄却した。
また、遺族側は所属会社が不当な賃金未払いを行ったとして約8万8000円を支払うよう求めた訴訟も2019年7月に起こしましたが、2021年9月7日、東京地裁は遺族側の請求を棄却しました。2022年9月には最高裁が上告を棄却しており、こちらも遺族側の敗訴が確定しています。
原告側は「事務所が指定したイベントは欠席が許されない契約形態になっており、強固な指揮命令関係があった」などと主張したが、判決は「事務所指定のイベントを欠席したこともあり、萌景さんにイベント参加を選ぶ自由がなかったわけではない」と退けた。
所属事務所側も、遺族が行った記者会見で虚偽の内容を公表され名誉を傷つけられたとして、2019年10月に遺族らに計約3600万円の損害賠償を求める訴訟を起こしています。
2023年2月、東京地裁は名誉毀損の成立を認め、遺族側に計567万円の支払いを命じました。
野村武範裁判長は、発言は一部を除いて真実とは認められないとした上で「断定的な表現を用いており、客観的事実であるかのように受け取られる体裁だった」と指摘。会社側の社会的評価を低下させたと判断した。判決後、Hプロジェクトの佐々木貴浩代表取締役は東京都内で記者会見し「安心する気持ちがある半面、大本さんを守ってあげられなかったことに対する複雑な気持ちがある」と話した。
以上のように、裁判では所属事務所のパワハラ等は認められておらず、所属事務所側の全面勝訴となっています。
まとめ
今回は、農業アイドルグループ「愛の葉Girls」のメンバーで、16歳の若さで自殺によりこの世をさった大本萌景さんについてまとめてみました。
当初は、所属事務所のブラック体質が批判される一方で、大本萌景さんの母親も少しおかしいのではないか?という声がネットで盛り上がり、物議を醸しました。
大本萌景さんの遺族は、自殺の原因は所属事務所によるパワハラや過酷な労働環境にあるとして所属事務所を訴えましたが裁判ではいずれも敗訴となっています。
自殺の原因は不明のままですが、大本萌景さんが大きな悩みやストレスを抱えていたことは事実でしょう。大本萌景さんが安らかに眠れるよう願わずにはいられません。