満員電車に乗っていて、痴漢被害に遭った経験がある女性は少なくないと思います。ほとんどの女性が本当に痴漢の被害に遭っているのですが、残念ながら示談金目的で痴漢事件をでっちあげる女性もいました。
女子高生の中村幸子がでっち上げた痴漢事件と炎上、冤罪の被害者や事件のその後と現在をまとめました。
この記事の目次
中村幸子(元女子高生)は痴漢でっち上げ事件の犯人
中村幸子(なかむらゆきこ)は2000年にJRの車内で「痴漢された」と訴えて、無実の男性を犯人に仕立て上げた冤罪事件を生み出した女子高生です。
現在でこそ、女性による痴漢でっちあげは「あり得ること」という認識を持つ人が多いですが、当時は女子高生が痴漢でっちあげ事件を起こすなんて想像もしなかったことなので、この事件が報じられた時にはインターネットを中心に衝撃が走りました。
この痴漢でっち上げ事件は「中村幸子事件」と呼ばれるようになり、事件から20年以立った現在でも、5ちゃんねるなどでは「絶対に許せない冤罪事件」として語り継がれています。
中村幸子の女子高生痴漢でっち上げ事件とは
中村幸子の女子高生痴漢でっちあげ事件の詳細を見ていきましょう。
痴漢を現行犯逮捕
2000年2月23日の早朝、茨城県水戸市在住の28歳男性(アルバイト)が秋葉原に行くために常磐線の日暮里駅で下車すると、当時16歳の女子高生・中村幸子に腕を掴まれ、「この人、痴漢です」と言われ、駅員に突き出されました。
この男性はその場で駅員に取り押さえられ、東京都及び千葉県の迷惑防止条例違反で逮捕されています。
男性は痴漢行為を否認していますが、女子高生の中村幸子は「松戸駅からずっと痴漢されていた。スカートの中に手を入れられた」などと証言したため、男性は22日間身柄を拘留され、3月14日に起訴されました。
裁判が始まる
痴漢扱いされた男性は、終始犯行を否認していて、弁護士も無実を確信し、「無罪」を主張して裁判を争うことになりました。
この痴漢事件の裁判では、痴漢被害を訴えた女子高生の中村幸子も証人として出廷しました。
「痴漢の被害者」である中村幸子は、プライバシーや心理的負担に配慮して周囲に衝立を用意し、犯人や傍聴人から見えない状態で証言をすることになり、「痴漢をされた時は怖くて反抗できなかった」と痴漢被害を苦しそうに証言しました。
公判で、女子高生は「右手でおしりなどを触られた」と主張。スカートをたくし上げられ、左手で陰部などを触られていたといい、マネキンなどを使った再現
また、中村幸子の母親も証人として出廷し、次のようなことを証言しました。
・学校に行きたくないと話している
・初めて痴漢にあった
これだけを見ると、中村幸子はかよわい女子高生であり、かわいそうな痴漢被害者というイメージなのですが・・・。
裁判が進むにつれて、まさかの事実が判明しました。
裁判で無罪&でっちあげ疑いが浮上
中村幸子は当時高校1年生でしたが、この1年間でなんと痴漢を5回も捕まえていたことが判明しました。
しかも、この5回はすべて20万円~70万円の示談金で和解し、事件にはなっておらず、中村幸子と家族は合計で190万円の示談金を手に入れていたのです。
この28歳男性が逮捕された痴漢事件の前日にも痴漢を捕まえていて、さらに事件の翌日にも痴漢を捕まえています。
つまり、3日連続で痴漢を捕まえていたことになります。
この事実が判明すると、一気に裁判の流れが変わりました。「中村幸子は痴漢被害をでっちあげて、示談金をせしめていたのではないか?」という見方が出てきたのです。
また、中村幸子の痴漢被害の証言も怪しくなってきました。一貫性がなく、証言するたびに内容が変わったり、中村幸子の証言通りでは物理的に痴漢行為が不自然ということもあり、証言の信頼性が失われました。
その結果、2001年5月21日に東京簡易裁判所で、男性に対して無罪判決が言い渡され、判決が確定しました。
中村幸子の家族や高校
中村幸子は、痴漢でっちあげ事件当時は高校1年生の16歳でした。
報道があった範囲での中村幸子の情報をまとめておきましょう。
<中村幸子>
・家族構成:両親、兄、弟、祖母
・住所:千葉県松戸市在住
・高校:都立高校
近所の人の証言によると、中村幸子は瘦せ型でかわいらしいタイプとのこと。挨拶もするしごく普通の家庭だったそうです。
そんなごく普通の家庭の女子高生がなぜ、痴漢冤罪事件を引き起こすことになったのでしょうか。
もしかしたら、最初は本当に痴漢被害に遭ったけれど、想像以上に示談金が支払われたため、両親がそれに味を占めて、中村幸子に痴漢冤罪事件をさせていたのかもしれません。
中村幸子は大炎上して家族や住所が特定される
この裁判の判決を受けて、中村幸子は大炎上しました。
中村幸子が痴漢事件をでっちあげたことで、犯人とされた被害者男性の人生は大きく狂ってしまいました。
被害者男性はいきなり「この人、痴漢です」と言われて逮捕され、無実を訴えながらも、22日間勾留され、無罪判決を勝ち取るまでに1年3ヶ月もかかっています。しかも、無罪判決を勝ち取ったとしても、社会的信用は失ったままです。おそらく、仕事も失うことになったでしょう。
この事態に、当時の2ちゃんねらーたちは戦々恐々となり、中村幸子の特定作業が始まりました。
その結果、中村幸子は家族構成や住所、高校などが特定されたのです。
ここまで特定された理由は、中村幸子の痴漢でっちあげが悪質だったこともありますが、家族(母親)がこのでっちあげに協力的だったということもあるでしょう。協力的どころか、母親が主導して女子高生の中村幸子に痴漢でっちあげをやらせていた可能性があるので、余計に大炎上したのだと思います。
0031 少年法により名無し 2013/06/23(日) 15:17:39.02この女の家族ぐるみでやってたらしいじゃん。
んで、松戸から逃げたんでしょ?
ネット上には現在でも中村幸子さんのご両親の名前や住所、出身高校の情報が残っていますが、ここでは晒さないことにします。
中村幸子事件の被害者は冤罪が認められたが民事で敗北
中村幸子による女子高生痴漢でっちあげ事件は、刑事裁判では無罪判決となりました。この刑事裁判はあくまでも、犯人とされた男性は「無罪」というだけです。経済裁判では、痴漢事件はなかった・中村幸子が痴漢事件をでっちあげたと認められたわけではありません。
そこで、犯人とされた男性は自身の名誉回復のために、中村幸子と両親を相手取って損害賠償請求の民事裁判を起こしました。この男性は逮捕から無罪判決を勝ち取るまでの1年3ヶ月にもわたる精神的・社会的な苦痛があったとして、慰謝料300万円と勾留中のアルバイト代22万円を求めました。
痴漢扱いされて、22日間も勾留され、無罪を勝ち取るまでに1年3ヶ月もかかったら、300万円という金額は決して高いものではありませんよね。
しかし、なんとこの民事裁判では被害者の男性側が敗訴となりました。つまり、民事裁判ではこの男性が中村幸子に対して痴漢をしたと認めたのです。
あくまでも「民事裁判」での判決なので、この被害者の男性が罪に問われたり、前科が付いたりするわけではありません。しかし、刑事裁判の判決と覆して「男性が女子高生の中村幸子に痴漢した」と認定されてしまったのです。
逆にAさんに関する判決文の内容は、実に手厳しい。
<たとえ20センチの身長差があっても、ちょっと右肩を下げれば痴漢行為は可能である>
<早朝に出かけたのも、途中駅で電車を乗り換えて扉近くに立ったのも不審である>
この民事裁判では「男性が痴漢をした可能性がある。男性が怪しい」という判決が出ました。
裁判長のプライドが判決を左右した?
この裁判では、刑事裁判の判決を受けて、当然冤罪だった被害者の男性が勝訴するものと思われていました。よほどのことがない限り、刑事事件の判決と真逆の判決が出ることはありません。
それなのに、なぜこの民事裁判では中村幸子に有利な判決が出たのでしょう?週刊誌の報道によると、裁判長のプライドが関係しているとのことです。
中村幸子の女子高生痴漢でっちあげ事件で、男性に無罪の判決を出したのは簡易裁判所の書記官研修所出身の判事でした。それに対し、民事裁判の裁判庁は司法研修所の教官をしていたこともあるエリートです。さらに、この民事裁判は「痴漢冤罪事件」としてマスコミも注目していました。
だから、あえて注目を集めるために、中村幸子の言い分を認め、痴漢行為はあったという判決を出したのだと報じられました。
この報道の真偽はわかりません。ただ、そう思いたくなるほど、この民事裁判の判決は不可思議なものだったのです。
ただ、この不可思議な判決によって、中村幸子の女子高生痴漢でっちあげ事件はネット上でさらに話題にのぼるようになりました。
中村幸子と女子高生痴漢でっち上げ事件のその後や現在
痴漢冤罪事件が頻発
中村幸子の女子高生痴漢でっちあげ事件後は、似たような痴漢冤罪事件が起こるようになりました。
もちろん、本当の痴漢も多いのですが、冤罪事件も増えていったのです。2007年には「それでもボクはやってない」という痴漢冤罪をテーマにした映画も作られましたし、男性は電車の中で痴漢に間違われないように、両手を上に挙げておくサラリーマンも増えました。
中村幸子のその後は不明
中村幸子はその後、どうしているのかは不明です。住所や名前は特定されているものの、事件からすでに20年以上経っていますし、「中村幸子」という名前は珍しくないので、消息は分からない状態になっています。
ネット上の噂では改名したのでは?と言われていますが、その真偽も不明です。ただ、年齢を考えると、結婚して苗字が変わっている可能性は高いですね。
中村幸子と痴漢でっち上げ事件のまとめ
中村幸子の女子高生痴漢でっちあげ事件の詳細や家族構成や炎上、冤罪の被害者の訴訟やその後と現在をまとめました。中村幸子はなぜ痴漢でっちあげ事件を起こしたのか。本人主導だったのか、親主導だったのかが気になります。