中島菜保子さんは2015年に学校でのいじめを苦に自殺した当時中学3年生だった女性です。
この記事では中島菜保子さんのいじめ事件の概要、かわいいとの声、残された遺書のような日記や父や母家族の独自調査で判明したいじめの内容、加害者のその後や現在などについてまとめました。
この記事の目次
中島菜保子さんはいじめを苦に自殺した茨城県取手市の中学3年生
中島菜保子さんは、2015年11月11日の未明に当時通っていた中学校で、同級生女子複数名から受けたいじめを苦に首吊り自殺によって亡くなった女性です。
亡くなった当時、中島菜保子さんは茨城県の取手市立藤代南中学校の3年生で、幼い頃からピアノを習いコンクールにも出場していました。中学卒業後は都内の音楽の名門高校への進学を希望しており、それも叶えられそうな方向で話が進んでいたそうです。
今回はこの中島菜保子さんがいじめを苦に自殺した事件についてまとめていきます。
中島菜保子さんは「いじめられたくない」などと書かれた遺書のような文章を残していた
中島菜保子さんは中学3年生に進学した頃から同級生複数名からのいじめを受けるようになったようです。
中島菜保子さんが当時つけていた日記には、「いじめられたくない」、「(独り)ぼっちはいや」など、遺書のような内容が残されていて、これをきっかけにいじめの存在が発覚しました。
中島菜保子さんは元々明るい性格で、ネガティブな事は言わないタイプで、いじめにあっている事は周囲には相談しておらず、父の考宜さんと母の淳子さんもこの日記の遺書のような内容を読んで初めて娘がいじめにあっていた事を知ったという事です。
中島菜保子さんの自殺といじめの関連性を当初取手市教委は否定し学校は自殺を隠蔽
中島菜保子さんの父の考宜さんと母の淳子さんは、この遺書のような菜保子さんの日記の内容から、娘の自殺はいじめが原因ではないかと訴え、取手市の教育委員会による調査委員会が組織されました。
しかし、取手市教委と学校側は全校生徒へのアンケートや同級生の聞き取り調査をしたとした上で「中島菜保子さんへのいじめが確認できなかった」と結論付けました。
さらにその後、取手市教委と学校側は調査をする前に、生徒や保護者らに中島菜保子さんが自殺で亡くなった事を隠蔽する方針を決定していた事が判明し、校長は中島菜保子さんが亡くなった翌日12日に開かれた全校集会で中島菜保子さんの死を「思いがけない突然の死」などと発表しています。
つまり、調査委と学校側は生徒や保護者らに中島菜保子さんの自殺の事実を隠した状態で「いじめの有無」を問う調査を行っていた事になります。
中島菜保子さんの父母の独自調査によりいじめの内容が判明
中島菜保子さんの父の考宜さんと母の淳子さんは、この取手市教委による「いじめはなかった」との発表に納得せずに独自に調査を開始しました。
そして、中島菜保子さんの父母は、菜保子さんの同級生への聞き取り調査を行い、20名以上の同級生から菜保子さんへのいじめの具体的な内容に関わる証言を多数得ています。
中島菜保子さんが受けたいじめの内容
中島菜保子さんの父母の調査によると、菜保子さんへのいじめが始まったのは2015年5月頃だったようです。
中島菜保子さんは元々は加害者のリーダー格A子さんのグループにいて友人関係でした。しかし、3年生に進級したばかりの5月頃に、菜保子さんは素行が悪かったA子さんと距離を取るような態度を取り、それに腹を立たA子さんが「菜保子に無視された」と他のクラスメイトに悪口を言いふらし、結果、菜保子さんが無視されるという出来事がありました。
そして、5月24日から3日間の修学旅行から中島菜保子さんが帰ってきた時、母の淳子さんが「楽しかった?」と尋ねると「帰りのバスが楽しかった」と意味深な事を言ったそうです。
父と母による同級生への聞き込み調査によれば、7月頃には、いじめの加害者グループ、A子、B子、C子、D子が、中島菜保子さんに「きもい」「うんこ」「クソやろー」などと、他のクラスメイトらの前で公然と悪口を言うようになったという事です。
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2学期に入った席替えでは、中島菜保子さんとB子の元彼氏のA君が隣同士の席になり、これにB子が嫉妬していじめがさらに酷くなったという事です。
9月には、これみよがしにヒソヒソと悪口を話したり、耳元で「くさや」などと囁く、10月には、机に「くさや」と落書きする、ノートに「くさや」などと書いたメモを貼りつけるなどの悪質ないじめ行為が行われています。こうした嫌がらせ行為がほぼ毎日続いたようです。
他にも2学期の前半に、A子が中島菜保子さんの背中を「バンバン」と離れた場所でもはっきりとわかるほどの大きな音が鳴るほどの強さで叩いているのをあるクラスメイトが目撃。
同じ時期に音楽室で行われた合唱祭の練習の時には、C子が他の生徒の前に中島菜保子さんを引っ張るようにして連れてきて「この子臭くない?」などと尋ねるなどの嫌がらせ行為が頻繁に行われています。
中島菜保子さんが自殺する1ヶ月前の10月には、体育のバスケットボールの授業でチーム決めをするとき、A子が菜保子さんが外すように画策しています。この体育の授業後に菜保子さんが下駄箱のところで泣いているのをクラスメイトらが目撃しています。
中島菜保子さんの自殺から5ヶ月後に父母に卒業アルバムが手渡されていますが、そのアルバムには、いじめ加害者の主犯格のA子とB子による酷い言葉での寄せ書きが書き込まれていました。
担任の女性教師Tのいじめを助長するかのような行動
中島菜保子さんの中学3年生時の担任の女性教師Tは、生徒へのえこひいきがあまりにも酷く、クラスカーストの上位にいたいじめ加害者グループA子、B子、C子、D子の4人を怒る事をしなかったとの証言が出ています。
中島菜保子さんはA子らに無理矢理トイレに連れ出され、授業に遅れて来ることが多くなりますが、この時に担任教師Tはなぜか菜保子さんだけを皆の前で呼び出して叱っていたといいます。
担任教師Tはあたかもいじめを促すかのように、席替えのたびに中島菜保子さんとB子の元彼氏のA君の席を隣同士にしていたとの証言も出ています。
中島菜保子さんが自殺する前日に学校で理不尽な出来事
中島菜保子さんが自殺する前日の11月10日、菜保子さんはA子C子と音楽室に行っていましたが、菜保子さんだけが先に音楽室を出ました。その直後、音楽室の扉で「壁ドンごっこ」をしていたA子とC子により扉の嵌め込み式の窓ガラスが割られ大きな音が響いたそうです。
音を聞いた菜保子さんが音楽室に戻ったところ、そこに非常勤の女性教師が通りかかり、この事態を担任教師Tに報告。駆けつけた担任教師Tは、自分は関係ないと説明する菜保子さんの言い分を無視し、全員が犯人だとして教頭にも報告し何も悪くない菜保子さんまで厳しい叱責を受け、飛び散った清掃にも参加させられています。
中島菜保子さんはこの日、降っていた雨にずぶ濡れになって帰宅し、泣きながら母の淳子さんに、「私は悪くないのに」、「ガラスを弁償しないといけないかも…」、「もっと嫌がらせされる」と矢継ぎ早に訴えています。
母の淳子さんはこの事について電話で学校に問い合わせますが、学校側は菜保子さんが他のA子、C子と一緒に音楽室のガラス窓を割ったと説明しています。母の淳子さんはこの説明受けて菜保子さんに「割れた窓ガラスを元に戻さないといけないよね」と伝えるなどしています。
この後、母の淳子さんは菜保子さんをピアノ教室に車で送迎していますが、その車内で菜保子さんはとても辛そうにしていたようです。
中島菜保子さんはその10日の夜に首を吊って自殺を図り、11日の未明に亡くなっています。
中島菜保子さんの父母の訴えによりいじめが自殺の要因だと認定される
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中島菜保子さんの父母は、菜保子さんの同級生から聞き取ったいじめの具体的な内容の証言に基づいて、取手市教委に調査を求めましたが、翌2016年3月、取手市教委は「いじめによる重大事態に該当しない」と議決した上で、第三者調査委員会を設置するなど、そもそもいじめを認定しない前提で動いていました。
中島菜保子さんの父母はこの取手市教委の様子を見て、文部科学省に公正な調査が行われていないと訴えました。その動きでようやく2017年5月に「いじめはなかった」とする議決を撤回し、6月に調査委員会も解散になりました。
その後さらに、中島菜保子さんの父母は、教育委員会を通さない茨城県主導での改めての調査を求め、新たに県が調査委員会が設置される事になりました。
そして、2019年3月20日、県の調査委は「中島菜保子さんの自殺は、同級生3人によるいじめが要因」と認定する調査報告書を公表しました。
また、県の調査委は、取手市教委の調査方法についても「(いじめ防止対策推進法に対する)無理解で対応は違法。生徒からのヒアリングも極めて不十分」と強く批判しています。
さらに、県調査委は、いじめ行為を助長した担任教師Tについても、「担任教諭は指導を怠り、生徒と一体となって菜保子さんを追い詰めた」と認定しています。
中島菜保子さんがかわいいと自殺報道後にネット上で話題に
中島菜保子さんの自殺とその後の一連の動きはメディアで盛んに報じられましたが、そうした報道の中で菜保子さんの顔写真が多数紹介され、ネット上で「かわいい」などと話題になっていました。
いじめで自殺した、中学生の中島菜保子さん。
— ライスバーガー (@_Riceburger_) October 18, 2017
写真だと、かわいい子だよね。
画像が出るたびに、かわいいなと思う。#TBS #news23
中島菜保子ちゃんわりとかわいいじゃん
— natuki (@akaoumikoto) June 2, 2017
この子いじめるとか
かわいいという声が多くあがった事や、中島菜保子さんがかわいい事に加えてピアノが上手い才能ある女性であった事などから、いじめ加害者の同級生女子3人や担任の女性教師Tが菜保子さんに嫉妬していじめを行ったのではないかとの推測も出ているようです。
取手いじめ。意地悪をしていた女子生徒はもちろん悪い。でも、中島菜保子ちゃん完全に追い詰めたのは担任の女性教師。何の責任も無い教師でも、自分が気付けなかった事を悔やみ謝罪する。本当に悪い人間は、絶対に謝らない。仏前に手も合わせない。嫉妬していじめてた事を、自分が一番わかってるから。
— ひとことさん (@htkt_24) May 5, 2018
中島菜保子さんへのいじめ加害者の同級生女子生徒3人と担任教師T
中島菜保子さんを自殺に追い込んだいじめ加害者の3人については、ネット上で実名や顔写真が特定されています。
三年前、茨城県取手市藤代南中学で中島菜保子さんをいじめて自殺させた犯人の野澤雪子、山野青空、大久保樹希は、中島さんを殺しといて、笑顔で卒業してる。しばくぞ→ pic.twitter.com/lkRO8BzfbZ
— しばくぞおじさん (@nxvMMA3TUhvlAni) October 16, 2018
また、いじめを助長した加害者の1人とも言える担任教師Tの名前や顔写真もネットで特定されています。
#中島菜保子 #藤代南中学校
— 日本は破滅 (@KsF5ISvxM8MRfIY) May 30, 2021
旭川市少女凍死事件で北星中学校担任、菅野未里も醜い悪の教師が拡散してますが、取手市藤代南中学校で起きた中島菜保子ちゃんいじめ自殺事件も忘れてはなりません! 写真は加害者と共に菜保子ちゃんをいじめていた鬼女担任の佃香織です!💢 事件の後は逃げ回ってる! pic.twitter.com/jsOLzRTIS0
中島菜保子さんいじめ自殺事件の現在① 加害者女子生徒3名や家族の現在
中島菜保子さんをいじめて自殺に追い込んだ加害者の同級生女子3人のその後や現在もネット上で明らかにされています。
まず、いじめの加害者グループリーダー格とされるA子(イニシャルN)は、 茨城県立龍ヶ崎南高等学校へと進学しましたが中退しています。現在もJR藤代駅近くの住宅地に家族と暮らしているようです。父親は取手市内で居酒屋を経営しているとの事。また、4人きょうだいの長女である事も判明しています。
加害者B子(イニシャルY)は、中島菜保子さんが元彼氏A君と隣同士の席になった事に嫉妬しいじめの発端を作った女です。県立伊奈高校へと進学しバドミントン部に所属して高校生活を謳歌した後卒業し、取手市内の会社員の父とパートの母(現役教師との情報も)、妹ら家族と暮らしているようです。
加害者C子(イニシャルO)は、県立藤代紫水高校に進学し卒業。取手市内で家族(両親と妹)と共に暮らしているようです。
中島菜保子さんいじめ自殺事件の現在② いじめを助長した担任教師の現在
中島菜保子さんへのいじめを助長させたと認定された担任教師Tは、その後、停職1か月の懲戒処分を受けたもののその後は特に罰則もなく、現在は取手市立取手第二中学校へと転勤して代わらず英語教師を続けているようです。
また同中学では剣道部顧問も務めているとの情報も上がっています。
まとめ
今回は、2015年11月にいじめを苦に自殺した当時茨城県取手市の中学3年生だった中島菜保子さんについてまとめてみました。
中島菜保子さんは、中学3年生への進学後にクラスの同級生女子3人に執拗にいじめられ、また、担任教師のTにもいじめを助長するような行動を取られた挙句に追い詰められ、「いじめられたくない」などと書いた遺書のような日記を残して自ら命を断ちました。
当初、取手市教育委員会と学校側は生徒や保護者らに自殺を隠蔽した上で調査を行い「いじめはなかった」と結論付けましたが、中島菜保子さんの父母が独自に調査していじめがあった事を証明して県を動かし、その決定を覆して、菜保子さんの自殺はいじめが要因だったと認定させました。
いじめの加害者ら3人やいじめを助長したと認定された担任教師Tの顔写真や実名もネットで特定され、その後や現在の様子なども判明しています。